『人族と獣人が共存の道を歩み始めて、幾千の時が流れた。気づけば現代社会に獣耳や尻尾がありふれた社会になったのだ』
俺の名前は平田智光(ひらだともみつ)、獣人学園に通う男の子だ、趣味はゲームやアニメで所謂オタクってヤツだ。学園で出会って同じ趣味で仲良くなった妖狐族の女の子のクオンとは気付けば付き合う関係に、音楽系の部活で忙しい合間を縫って俺に会ってくれる良い子だ。
狐耳を生やして赤い髪のポニーテールに高身長、オマケにスタイルが良くて大きな胸が魅力的なクラスの人気者、とは言え俺も彼女に負けじと人気者の一人だけどね。
この獣人学園は男女比と獣人の比率が凄く偏ってるので、一クラスの獣人女子率が凄く高いのだ。なのでいつもフレンドリー&積極的な獣人の女の子達ばかりで、生殺しに近いが毎日が最高の日々だった。
今日は学園の休みで彼女の家に誘われたので、緊張しながらも行く事に。なんせ初めてのお家デートだからな、あわよくば彼女とより親密な関係に……なんて事を妄想してしまう。
そんな事を考えてると彼女の家の前に着いた、いかにも高級住宅と言った建物で団地暮らしの俺には眩しかった。深呼吸を繰り返しながらチャイムを鳴らすと家のドアが開いた。
「はーい……っておや?」
そこには狐耳を生やした赤い髪のボブカットの似合う熟した獣人の女性が居た、クオンの魅力が霞む程に彼女から滲み出る大人の色気と香水の匂いにムラムラしてしまう、しかも胸の大きさが爆乳レベルで一瞬目が釘付けになってしまっていた。
恐らくクオンの家族なのだろう、俺を訝しげにジーッと見つめてくる。正直メチャクチャタイプの女性だったので、かなり緊張してしまって挨拶しようにも声が上擦ってしまう俺。
「んーー??」
「あ、あの……お、俺は」
「あ……ああーっ! 坊やが娘の話してたトモ君かい?」
「は、はい! 初めまして! クオンさんと仲良くしてる平田智光です!」
「んふふ♡ 元気があって良いねぇ……アタシはクオンの母親のカスミだよ、宜しくね……坊や♡」
カスミさんは俺の事をクオンから良く聞かされて、一緒に撮った写メを見せられてたから俺の顔を見てピンときたらしい。自己紹介を済ませた後にカスミさんに申し訳なさそうに謝罪された、どうやらクオンは朝から熱を出していて具合が悪いらしい。通りでスマホの連絡にも反応しなかったわけだな。
俺はカスミさんに招かれるままに家に上がった、クオンの寝てる部屋に行き軽くお話をすると、長居は身体に良くないと思って部屋を後にした。部屋の前ではカスミさんが腕を組んで壁に持たれて立っていた、しかしその瞳や表情は獲物を狙ってるような獣のように感じた。
「すまないねぇ……せっかく遊びに来てくれたのに」
「いえいえ、クオンが軽い熱で安心しました。 御迷惑なのでそろそろ帰りますね」
そう言って来た道を戻ろうと足を動かそうとした、しかし俺の手首をカスミさんの細い手が素早く掴んで呼び止めた。
「待ちなよ♡ せっかく来たんだからさぁ……ちょっとおばさんとお茶しておくれよ♡」
「え……」
カスミさんの手首を握る力が強くてビックリした、まるでイエスと言うまで離さないような力強い意思を彼女から感じた。俺は彼女の視線にドキドキして目を逸らしながら首を縦に振っていた。
なんか狼の家に入った赤ずきんみたいな気持ちになっている。