淫らで豊満な雌獣熟女たち ~農家・鈴~

  林の中をまっすぐ伸びる線路を、一車両の古めかしい黄色い電車が走る。内装も外装と同じく、傷や汚れが目立ち、座席や金網は年期を感じさせる。

  やがて見えてきたのは、乗り場が一つしかなく、木造の小屋が一軒建っている無人駅。駅員はおろか券の販売機もなく、運賃箱と時刻表があるのみ。電車はそこで止まり、出入りする者がいないことを確認すると、再び走り出した。

  電車の座席は空いていた。少ない乗客の大半は高齢者で、若者はほとんどいない。

  過疎化した田舎へ進めば進むほど、乗客も減ってゆくローカル線。その電車の中には、一際目立つ若者がいた。

  目立つのは若いからだけではない。効果で清潔感のあるスーツを着こなし、立派な体躯であるからこそ、目立っていた。都会へ行っても人目を引くだろう。

  「はぁぁぁぁぁ・・・・・・」

  その男は、獅子の獣人だった。体躯同様に立派な鬣を持つ、三十路を迎えたばかりの、働き盛りの男だった。

  大恩寺悟(だいおんじさとる)という名の獅子は、深いため息を吐き、窓の外を見遣る。木々はなくなり、代わりに国道と民家が見え始めた。

  「なんでこんなど田舎に・・・・・・」

  悲哀や後悔が籠った表情で、再びため息を吐いた悟は、窓の外の景色を眺めながら、ぼそりとつぶやいた。

  

  

  

  

  誰もが名を知る大手企業に悟が入社したのは、大学を出てすぐだった。

  好成績をマークし続け、エリート街道を走り、ライバルたちを蹴落として競争率が高い会社に入社した悟は、すぐにその優秀さを発揮し、次々と成功を収め、昇進していった。

  会社設立以来の速さで出世し、これからも会社に貢献するはずだった悟。だが、その夢は断たれた。未成年の若者と淫らな関係を結んだという罪で、悟は解雇させられたのだった。

  女性と関係を持ったのは事実だった。だが、双方に了承の上で、相手が未成年であることも確認したうえでの行為だった。だが女性は手のひらを返したように、悟の会社に訴えた。映像や動画までも用意して。

  会社としては、社員の罪の公開は避けたかった。大きなプロジェクトに取り組んでいる最中で、それには悟も加わっていたからだ。

  そして、悟の解雇と多額の口止め料を払い、会社は事なきを得たのだった。

  おそらくは、これが最初から狙いだったのだろう。女性を差し向けたのは、ライバル企業か、同社の悟を憎む者達か・・・・・・。別に他者を踏みにじってきたわけではないが、飛ぶ鳥落とす勢いの悟を敵視するものは多かった。

  「出る杭は打たれるってか。そんなことする暇があったら努力しろや。大体、あんな可愛い子に詰め寄られたらヤっちゃうだろ。くそったれめ。そりゃ多少は誘惑が強引な気もしたけどな、防げるかよ」

  ぶつぶつと文句を言う悟。脳裏には、悟が罠に引っかかったことを責める、同僚たちの顔が浮かんでいた。

  「同情の言葉誰もくれないとかどういうことだ。皆俺嫌いか?ひどすぎだろうがこの野郎」

  幸い聞く者はいなかったその愚痴には、強大な恨みが込められていた。

  

  

  「続いては、終点の・・・・・・」

  電車のアナウンスを聞き、立ち上がった悟は荷物を棚から取り出そうとした。その時、同じく席を立って扉の前まで進んでいた老人の杖が、悟の足に当たった。

  「おっと、すいません」

  悟は一言謝ったが、杖をぶつけた老人は無視して扉の前に立った。

  (期待は出来そうにないか・・・・・・)

  悟は老人の背中を見ながら思った。

  

  

  解雇された悟は、自身にとって初体験であるハローワークへ向かい、職を探した。退職金は無く、貯金も半分ほどが口止め料に回されたので、働かねばならなかった。

  だが、今までエリート街道を突っ走ってきた悟はバイトの経験もなく、中々職場に馴染めない日々が続いた。行動力はあるものの、プライドの高さや、例の件のせいで軽い人間不信になってしまい、どの仕事場でも長続きせず、職を転々とする日々が続いた。

  そんな時に、ある情報を掴んだ。

  過疎化した町が、都会からの移住者を呼んでいる、という話だ。住民を増やすことは、活気や人手、住民税が増すなどのメリットがある。若者が減っている中で、今いる若者を都会へ出さず、かつ都会の若者を呼ぶ運動は、田舎ならどの町でもやっていることだった。

  以前は好きだった都会の流れも、今の悟にとっては不快なものでしかない。田舎での生活経験は全くないが、0からスタートするにはもってこいの環境かもしれない。自分の罪を知る者もいないわけだし、行ってみるかと心に決め、悟は都会から離れた。

  目的地の市役所職員と話し合い、悟は旅立った。

  

  

  出発当初は、多少は楽しみではあった。だが、今はやや心が沈んでいる。

  電車で目的地に着くまで、悟は途中下車をして付近の田舎町を散策してみた。その際に、田舎の不便さを知った。交通の便は少なく、遊び場はなく、都会までの道は長く、若者は少ない。

  (なんでジ○イフ○が24時間営業じゃないんだ!?○ンリブが小さい!!書店の隅の3メートル四方の空間がゲ○だと!?レンタルビデオが無いじゃないか!!これが観光名所!?人がいない!!チャンネル数、少なっ!!だいたい、小さな町なのに、何で葬儀社とパチンコは何件もあるんだ!!?普通潰れるだろ!!電車の数少なっ!!1時間毎!!??)

  予想以上の不便さだった。

  また、人間もまた予想とは違う。都会の人間関係に疲れたので、田舎の純朴さに癒されたいという気持ちがあったが、そうはいかなかった。確かに、朗らかな人も多いが、止めたい人間もいる。

  (閉鎖的、ということか。結局は、都会と同じだな。いい人も悪い人もいる。犯罪が少ないだろうが)

  そう言ったことが積み重なったせいで、目的地へ進む電車の中で、悟はネガティブな感情に支配され、こうなってしまった過去の苦い思い出を振り返り、ひたすら落胆していたのであった。

  

  

  「ふう・・・・・・」

  今日何度目かのため息を吐き、悟は目的の町にたどり着いた。近辺の町よりはやや人口が多く町並みも大きく、駅も無人ではなかった。

  (確か、駅で待ってると聞いたが)

  「あっ!大恩寺悟さんですね!」

  スマホを取り出そうとした悟に話しかける、元気のいい若い女性の声。

  そちらを見ると、スーツを着た若いジャガー獣人の女性が笑顔で近づいてきた。

  「どうも。市役所の方ですね。

  「はいっ!横島絹(よこしまきぬ)と言います。上司の若井の代理で、お迎えに参りました!」

  悟と同じく、珍しい若者である。エネルギッシュで、感じのいい女性だが、悟は笑顔になれなかった。

  「車を用意していますので、こちらに」

  「ああ」

  悟は距離を置いて、絹の後に続いて駐車場へと向かった。その際に、駐車場の看板を見て目を見開いた。

  「朝から夜まで停めても300円・・・・・・」

  都会でこの条件であれば、どれほどの人が喜ぶだろうか。

  「さっ、こちらへ」

  絹に促され、悟は渋々助手席に乗った。

  「まだ若井さんは時間が取れなくて。もし食事がまだでしたら、近隣のお店に行きませんか?おいしいお店、知ってますよ」

  「いや結構。もう済ませてきたんだ。それより、市役所に行ってくれ。インフォメーションでも見ながら、若井さんを待つよ」

  「はい、わかりました」

  絹は少し寂しそうに頷いた。

  若い女性と長時間二人きりになりたくない。悟は例の一件以来、若く美人の女性が大の苦手となっていた。

  

  

  市役所に到着し、イベントが書かれたパンフレット読みながら待つこと数分、都会からの人を何人も町に呼び込んでいる、若井というカワウソ獣人の職員がようやく現れた。

  流石に敏腕と呼ぶにふさわしい男だった。他の職員よりも、話がうまく有能であることが分かる。長年エリート社員として活躍していた悟には、それが分かった。

  「では、この空き家に住んで、仕事は紹介されたとこへ行く、ということで」

  無数の空き家を住まいにする。これも上等手段だ。悟が選んだ空き家は、最も国道に近く、移動がしやすい場所だった。また、隣の家までの距離も離れており、人付き合いもせずに済む。

  悟がそう言うと、急に若井は申し訳なさそうな顔をした。

  「はい、そういうことにしたかったんですが・・・・・・」

  「何か問題でもあったんですか」

  「はい。実際に、行ってみれば分かると思いますが・・・・・・」

  

  

  市役所から車で数分、若井と共に自分の住まいとなる家にたどり着いた悟は、立ち尽くしていた。

  「これは・・・・・・どういうことでしょうか」

  悟の視線の先には、半壊した空き家が。

  「車が突っ込んだんです。高齢ドライバーの事故でして・・・・・・昨晩のことです。僕も今朝知りました」

  「ほぉう」

  数多くの災難に襲われていた悟に突き付けられた現実は、あまりにも大きかった。

  「他の空き家ならどうですか?」

  「いやそれはちょっと・・・・・・」

  他の空き家は、国道から離れすぎていたり、近所に民家がありすぎたりして躊躇われる。アパートも論外だ。古臭いだけでなく、必ず近隣の人と接することとなる。

  「この家がいいんで、直します。大丈夫、経費は私が出しますから。それくらいの貯金はありますよ」

  「はぁ。あと、もう一つ言わねばならないことが・・・・・・」

  若井の、更なる申し訳なさそうな表情を見て、悟は恐怖を覚えた。

  

  

  半壊した悟の家から少し離れた場所に建つ、食品加工の工場その工場はシャッターが下りて、黄色いテープが扉に巻き付いていた。

  「私が働く予定の会社ですよね」

  「ええ。その会社が、ごらんのとおり、昨日、潰れました」

  「詳細を聞いても?」

  「ええ。全国チェーンの大型スーパーが出来て、客を取られて。それだけならまだよかったのですが、工場長が脱税していまして、捕まってしまって。副社長も高齢で、前々から引退を考えていたみたいで。それで、他の社員も・・・・・・」

  災難続きの悟へとトドメには、十分すぎる攻撃だった。

  悟は大の字で、その場に倒れ込んだ。

  

  

  

  

  辛うじて離合出来るであろう程の細い田舎道。両側には、木の根がむき出しになった土壁や雑木林、さらにはガードレールがない崖などが並ぶ。道路は一応舗装されているが、ひび割れが目立つ。

  「ちょっとした秘境ですね」

  若井が運転する車の助手席で、悟はぽつりとつぶやいた。

  「まぁ、そうですね」

  「あっ!」

  悟の視線の先を、狸が駆け抜けた。

  「猫じゃないですよね」

  「はい、多分狸ですね」

  「野生の狸、始めてみました」

  「確かに、都会では少ないですかね」

  「少ないというか、いないですね」

  「猪なんかも、たまに見られますよ。少し離れた地域では、鹿や猿なんかも」

  「はぁ・・・・・・」

  来るところまできたな、と、悟は思わずにはいられなかった。

  

  

  「家が元に戻るまでの住まいですが・・・・・・」

  「3か月以上はかかりますね、これ。いっそのこと、改築もしたいし。旅館やホテルに滞在するは現実的じゃないな」

  「いったん別の空き家に移られますか?もしくは、アパートなどもありますし。そこが気に入ったら、住めばよろしいかと」

  「いえ、私の荷物はけっこう多いんですよ。仮の住まいに荷物を下ろして、そしてまた、改築した新居に荷物を移すっていうのはちょっと」

  (改築とかはするのに、引っ越し代はケチるのかな)

  「そこで、パンフレットに書いてある、この制度を利用したいのですが」

  「・・・・・・ああ、住み込みの農家体験ですか」

  「ええ。そこを転々としながら、家の修繕を待とうかと思いまして。仕事は家が修繕したら改めて探すということで」

  「私はそれでも構いませんが、住み込み農家体験は、事前に農家に連絡して許可を取ってないと出来ないのですが」

  「一応、了解していただける農家がないか、問い合わせてくれませんか?」

  「分かりました。ちょっと待っててくださいね」

  

  

  これが、1時間前に悟と若井との間で交わされた会話である。この町では、ファームステイのように、都会から来た人間が農家に滞在し、農業を体験するという、農家を増やすための活動を行っている。仮住まいに荷物を下ろし、また新居に移すのは、面倒で手間がかかるし引っ越し代がかかる。そこで悟は、その制度を利用することにした。

  赤の他人と一緒に住むのは辛いが、背に腹は代えられない。この制度に応じるということは、それなりに心が温かい人間だろうし、苦手な相手と接することは仕事で慣れているし、いざとなったら滞在する農家を変えればいい。それまでは、農家として頑張るしかないだろう。

  (しっかし、田舎に来て農家なんて・・・・・・2年前の俺が今の俺を見たらなんて言うだろうか。こんな僻地まで来て・・・・・・ちくしょう!!)

  そんなことを考え、悟はがくりと頭を下げた。

  

  

  「もうすぐですよ」

  急で曲がりくねった坂道を登りながら、若井は言った。

  「確か、一人暮らしの女性でしたね」

  「ええ」

  悟が厄介になる家には、独身女性が一人だけ住んでいる。女性によって人生が滅茶苦茶になってしまった悟は断ろうとした。だが、急なお願いしOKを出した農家はそこだけだった。

  さらに、その女性はすでに42歳で、田舎の女性らしくサバサバした性格だと若井から説明された。

  「若くてかわいい子だったら、嬉しいでしょうけど、残念ながらそうではありません。まぁ、逆に、そこまで気を使わなくていいと考えれば、気が楽ですかね」

  「そうですね」

  話を聞いた限りでは、男性を色仕掛けで落とそうとするするようなタイプの女性ではないらしい。

  なら、いいか。悟はそう判断し、とりあえず行ってみることにした。

  予想以上の辺境の土地だが、逆に人付き合いをしなくていいと思えば心が少しは軽くなる。

  やがて若井の車は、坂の上の小さな一軒家に到着した。

  古めかしい造りで、壁や屋根は薄茶色に変色している。都会慣れした悟には、その家すらも珍しく見えた。隣には、荷物置き場であろう小屋があり、その奥に広い畑が広がっている。

  (これを一人で・・・・・・)

  農業を重視したことはなかったが、ここは素直に感心出来た。

  畑を見ていると、奥で収穫をしているらしい人影が見えた。遠方からでも、大柄なことが分かるほど太めな体格の人物は、車の音に気づいてこちらに歩いてくる。

  (この家に住んでいる女性ではなさそうだな。息子さんが帰ってきて、手伝ってるのか?)

  若井は家の横にあるスペースに停めてある、軽トラックの隣に車を停めた。

  悟はすぐに車から出て、姿勢を正して営業のスタイルに身を変えた。

  (こういのは、第一印象が大事だからな)

  悟は接近してくる人影に視線を向けた。ドスドスとこちらに近づいてくる人影。

  「どうもぉぉぉ!はじめましてぇぇぇぇ!」

  その人影が放つ声を聴いて、悟は気づいた。

  (この声・・・・・・女性?)

  やがて、その人物は巨体を揺らして悟の前にやってきた。

  「こんにちは!あんたが都会から来た悟さんやね」

  体格がいい悟より、背も横幅も大きいその人物は、猪獣人の女性だった。

  体毛はこげ茶で、悟よりも頭一つ分大きい。横幅に至っては2倍近い。古い作業着は、パンパンに引っ張られている。丸々と膨らんでおり、弛みが見えることから、筋肉だけでなく脂肪が多いことがよく分かる。

  声でも女性と言うことが分かるが、それ以上に彼女の女らしさを強調しているのは、豊満な胸だった。ファスナーをはだけさせた胸元から飛び出ている双乳は大きく膨れており、薄いシャツを限界まで引き延ばしており、布地は今にも裂けそうだ。垂れ気味の乳房は左右に流れており、ファスナーを閉めることは無理であることが分かる。

  汗をかき、ハアハアと息を切らしながら、女性は土まみれの右手を差し出した。

  「はい。大恩寺悟です。この度は、私の無理を聞き入れてくれて、ありがとうございます。

  圧倒されながらも、握手を交わす大恩寺、土まみれの手は温かく、やはり汗でぬれていた。

  「いやぁ、助かるよ、美川さん」

  同じく車から降りた若井が、女性に頭を下げた。

  「いやいや、私の家の一つや二つ、喜んで貸すよ。人でも増えるんやから、私も助かるし。しかもこんな、働き盛りの若者やし。大歓迎やわ。礼儀もいいし」

  まくしたてる女性に、悟は尋ねた。

  「あなたが、美川鈴(みかわすず)さん、ご本人ですね」

  「うん」

  美川鈴、42歳。独身の農家で、キャベツやナス、キュウリやトマトを栽培し、道の駅などに販売している。

  (問題はなさそうだな)

  悟は、鈴を見てそう思った。

  生粋の田舎らしい鈴。性格は合わないだろうが、合わせることはできる。冷たい人間ではなく、心は温かそうだし、誘惑を仕掛けそうな危険な女性には見えない。

  早く住まいを決めたかった悟は、即決した。

  「美川さん、今日からよろしくお願いします」

  「うん、よろしく。あと、鈴でいいよ」

  そう言って、鈴はにっこりと笑った。

  牙がなく、太り気味な顔は、とても和やかだった。

  

  

  「ぜひ、仕事は今日からやらせてください」

  悟の提案で、鈴は初日から悟に仕事を教えた。仕事人の悟は、急いで働き、そして成果を上げたかった。農家であることは不満だったが、それもでも働きたかったし、鈴とはいい関係を築きたかった。

  鈴は簡単な知識を悟に教え、行動を指示する。

  肥料や収穫物を運び、機械を操作し、虫を取り、完熟した野菜を採り、水を与え、仕事に精を出す。

  そうしているうちに、一日はあっという間に過ぎた。

  

  

  「疲れたぁぁぁぁ」

  時刻は5時を回った。鈴の家に戻った悟は、縁側に倒れ込んだ。

  体力には自信があった。スポーツは万能で、学生時代から様々な部から助っ人を頼まれていたし、就職してからも体力づくりを怠りはしなかった。

  だが、農作業はスポーツとは別種のものだった。単純に不慣れだからか。仕事であり、お金がかかっているからか。命をつなぐものだからか・・・・・・。いずれにせよ、舐めていた。

  「大丈夫かぁ?」

  疲労を見せない鈴が家の奥から麦茶と菓子を持ってきてくれた。悟は感謝し、それらを胃袋に収めた。

  「なんだか、いつもより美味しいですね・・・・・・」

  味わった菓子はどれもそこらで売られているものだったが、格別に美味しく感じられた。

  「安物やけど、仕事のあとやけんね」

  鈴はあっさりと答えた。

  仕事の後は飯がうまい、か。

  意識したことは特になかった。確かに仕事後の達成感や安堵感を実感しながらの食事は美味かったが・・・・・・それとは違う気がする。

  肉体労働による疲労感、夕焼けにそまった畑、汗と土の匂い、汚れや作業着・・・・・・。

  (意外と、いいもんだな)

  過去、仕事で味わわなかった感覚だった。嫌悪していたものが、中々心地いいものとは思わなかった。

  不思議な快感と菓子の甘味を楽しみながら、悟は改めて鈴を見た。

  仕事中はテキパキしていて、外見に合わない速度で動き回っていた鈴だが、今はゆったりとせんべいをバリバリ齧っている。子の姿からは想像しがたいが、農家としては有能だと、悟は思った。

  「しかし、結構動けるね、兄ちゃん。都会育ちやけど、しっかりしちょんな」

  「都会育ちでも、体は鍛えてましたから。でも、鈴さんほどしっかりと出来ませんよ」

  「いやぁ、私はもう20年以上やっちょうけん。でも、兄ちゃんは初日で案だけ動くけん、すごいわ」

  方言も、聞き取れないほど難解ではなく、不快感はない。まだあって数時間しかたっていないが、現時点では接することに不満はなかった。

  眺めていると、口からこぼれたせんべいの破片が、胸元に落ちた。

  今の鈴は、作業着を脱いで上半身はシャツ一枚だ。仕事中は意識しなかったが、やはり胸はとても大きい。シャツを押し上げた胸は前方に突き出ているが、やや垂れて下を向いている。汗でびっしょりなので体に張り付いており、体の弛みがよく見えた。

  長年着用し続けているからだろうか、生地が薄くなっており、その下のシンプルなブラジャーや、乳首の盛り上がりまでも確認できた。

  「あらら」

  鈴は胸元に散らばっているせんべいの破片を叩き落とした。手を振るうたびに、巨大な乳全体がブルブルと揺れた。

  その時、悟は自分が勃起していることに気づいた。

  女性で失敗して以来、性欲も減衰して、自慰の回数もかなり減っていた。しかし、生来の絶倫さと若さのおかげで、精子は睾丸にぎっしりと詰まっている。

  鈴の巨乳を前にして、失われたはずの性欲がむくむくと膨れ上がっていった。

  (な、何をしてるんだよ、俺は。大体、あんな太ったおばちゃんに。いくら巨乳だからって、ありえないだろ。美形でスタイルのいい若い娘でもないってのに・・・・・・いや、そんな女性だと、今の俺では逆に立たないか)

  「汗臭いし、先に風呂入ってすっきりしよっか。んで、その後に飯にしよう。腕を振るって美味いもんくわせちゃあ」

  「期待してますよ」

  「それじゃ、湯船はこっちやけん」

  鈴は悟の前にかがんで、空のコップと菓子箱を持つ。寄せられた乳肉が目に入った。

  「あ、すいません」

  「いいよ、客人なんやから。どっこいしょ」

  そう言って鈴は、その場で立ち上がった。まだ座ったままの悟の目の前に、鈴の巨大な尻肉が迫った。視界を覆い尽くす肉の房は大きく、頑丈な作業着を引き伸ばし、悟の鼻先に迫った。

  「じゃ、ついてきて」

  歩きながら、鈴は言う。

  「は、はい・・・・・・」

  悟は、呆然としながら後を追った。

  

  

  「じゃあ、もう湯はいれちょんけん、先に入りよ」

  「いえ、家主の鈴さんこそどうぞ。女性なんですし」

  「いややわぁ、もう女性なんか捨てちょんよ、こんなんやし。現にずっと独り身やんか」

  そう言って、大きな声で笑いながら鈴は腹の肉を掴んでゆすった。しかし揺れるのは腹だけでない。胸や尻も連動して揺れ動いた。

  「そんなことないですよ。むしろ、邪念が無くて気兼ねなく付き合えますから」

  「もう、上手いこと言って!でも、私は仕込みがあるから、ほんとにいいよ。遠慮せんで、もう自分の家っち思いよ」

  「それじゃあ、先に入らせていただきます」

  悟は礼を言って、脱衣所に入った。

  やはりというべきか、古めかしい。流石に五右衛門風呂ではないが、くすんだタイルや狭い湯船は田舎らしい。ボディーソープやリンスも、スーパーで売られている安物ばかりだ。

  「持ってきておいて良かった」

  あまり踏みたくなかったので、悟はつま先立ちで浴室に入ると、持参した洗面用具一式を隅に置いた。無論、タオルも棚に収まっているのではなく、自前の者を使う。そして、脱衣所に戻って服を脱ぎ、最後の下着を脱ごうとする。その、片足を上げた瞬間だった。

  「ごめん、バスタオルは・・・・・・」

  「いっ!?」

  扉が急に開き、鈴が声をかけてきた。

  幸い、扉側には背を向けていたものの、片足を上げたままだった悟はバランスを崩し、後ろ側に倒れ込んだ。

  「おおっと!」

  悟の屈強な肉体が、さらに大きく豊満な鈴の肉体に倒れ込んだ。

  背中を、柔らかい爆乳が受け止めた。ぐにゃりと形を変えるほど柔く、しかし押し込まれたことで弾力が押し返す。

  乳房だけでなく、背中や尻も、柔らかい腹肉で支えられた。心地よい、ウォーターベッドのような感触だった。

  同時に、鈴の汗と体臭が鼻腔から飛び込んできた。都会の女たちの香水とは違い、汗と加齢が多い匂いだったが、なぜか不快ではく、肉体に柔らかさとともに心地よさを与えてくれる。

  「ごめん、急に開けたりして」

  鈴が悟の顔を覗き込んできた。距離が近く、口臭と唾が顔にかかったが、それも不快ではなかった。

  「ああ、いえ、大丈夫です」

  悟は快感に体を包まれていたので、立ち上がれなかった。まだこの感触を味わいたいと思ってしまう。

  「しっかし、いい体しちょんね」

  鈴はそんな悟の巨体を支えつつ、引き締まった肉体美に視線を移してそう言った。

  「はっ!」

  その台詞で、悟は自分が全裸であったことを思い出した。しかも、視線を下に向け先には、勃起した自慢の巨根が・・・・・・。

  「元気やね」

  「しっ!失礼しました!タオルの位置は分かりますので!」

  そう言って悟は跳びあがり、両手で鈴を押して脱衣所から出そうとした。

  しかし、悟にとってうれしい誤算が生じた。

  悟の気持ちを汲んで、鈴はすぐに後ろを向いてくれると思った。だが、鈴は後ろをむかなかった。そのせいで、突き出された悟の両腕は、鈴の巨乳へとズブッと埋まった。

  「あん」

  「うわああ!!ごっ!!ごめんなさいっ!!」

  先ほどよりも大きく後方へ跳びあがる悟。着地地点には、運悪く洗面器があり、それに足を取られて転倒し、後頭部を床に打ち付けてしまった。

  「いだああああああっ!」

  「あららら!大丈夫!?」

  鈴が心配そうに駆け寄った。悟はまだ激痛に苦しんでいたが、裸を見られ、勃起を見られ、乳房を触ってしまい、転倒を見られるという、あらゆる恥ずかしさから、痛み消し去り土下座した。

  「すっ!!すいませんでしたっ!!お見苦しいモノを見せ!!胸を触るなんて!!申し訳ございません!!」

  罵声が来ることを、悟は覚悟した。不可抗力とはいえ、セクハラをしたのだから。

  「いや、いいんよ。それより、頭大丈夫?」

  「えっ?」

  しかし、鈴がかけたのは、心配そうな声だった。顔を上げると、不安そうな鈴の顔が底にあった。近い。鼻息がかかる。

  「あー。ちょっとタンコブになっちょんな。そこで冷やしよ」

  そう言って鈴は浴室のシャワーを取った。

  「いえ、俺は大丈夫ですから。それより鈴さんの精神が」

  「精神って、そげな大げさな。裸見せたりオッパイ触られたくらいで。大体、わざとじゃないやん。私が脱衣所に入ったのが悪いんやし。ごねんな」

  悟は、逆に謝られた。

  確かに、いきなり開けるのはデリカシーがないと思う。いくら田舎とはいえ、少しマナー違反だろう。

  だが、それでも自分の無礼を責めないのは、意外なことだった。

  「謝らないでください。俺が悪かったんです」

  「いや、いいんよ。それに、むしろ、ちょっぴり嬉しかったわ」

  そう言って、鈴はいたずらっぽく笑った。

  「こんなおばちゃん相手に、そんなに神経質になってくれるんやけん」

  「いえ、そんな、当然のことです」

  「それに、この年になって、若くて元気な兄ちゃんのがっしりした体見られたんやけんな。元気でおっきいアレも」

  「ああ、いや、その、あれはっ!!」

  「おばちゃんに興奮したん?」

  「ま、若いうちは、ちょっとしたことでおっきくなるもんな。それでも、おばちゃん嬉しいわ。それじゃ、ゆっくり入りなあえ」

  そう言って鈴は振り向きつつ立ち上がり、大きな尻を揺らして風呂場を後にした。

  

  

  湯船につかり、悟は考えていた。

  (まぁ、とにかくだ。おばちゃんだから、もう性のこととか意識しないんだな。だからあんなデリカシーのないことをしてしまうんだろ。でも、最低限は俺に合わせてほしいもんだ。恥ずかしいし)

  そう考えながら、狭い湯船に身を沈める。さすがに広い湯船ほどの気持ち良さはないが、それでも心地よく働いた後なので、気分はよかった。

  (まぁ、性を武器にあれこれと悪事を働く女よりも、よっぽどいいか。それに、郷に入ったら郷に従えともいうし、俺も少しは鈴さんに合わせないとな。俺が部外者なわけだし)

  そう考えて、悟は顔を上げて、先ほどのことを思い出した。

  (それに、ああやって性のことを意識しなかったら、ああいうことが・・・・・・いや、何を考えているんだ、俺は!あんなこと期待してどうする!)

  先ほどの接触。柔い鈴の肉を感触は、まだ背中と両手に残っていた。

  (期待するな!そもそも興奮なんてしないだろ!?タイプじゃないし!!興奮なんて・・・・・・)

  否定したくても、出来なかった。鈴の爆乳をむにゅりと掴んだ瞬間、快楽が全身を走ったのだ。

  思い出すと、勃起してしまった。自慢の巨根が固くそそり立ち、刺激を求めて湯の中で蠢く。

  (まぁ・・・・・・最近抜いてなかったし、興奮は沈めないといけないし、鈴さんはハニートラップするようなタイプじゃないし、いいかな)

  自身を正当化させて、悟は浴槽から出て肉棒を掴んだ。

  (本当にでかかったな・・・・・・)

  悟は、先ほどの接触を反芻した。背中で受けた感触、そして両手で味わった柔らかさを。

  (動くたびに揺れてたな・・・・・・)

  一挙一動のたびに揺れていた豊満な肉体。太っていて不恰好であるはずだが、胸や尻以外の部位にも興奮が広がっていく。

  先ほどの一瞬だけでなく、今日一日の全てを思い出して、悟は激しく肉棒を扱いた。

  溜めていた分、久しぶりな分、快楽は激しかった。しかも、いつもとは違うオカズで、斬新さがまた新たな快楽を生む。巨根の先からは、白く濁った先走りが流れ始めた。

  (やばい、もう!)

  「うっ!!ぐうっ!」

  悟は早くも絶頂に達し、押し殺せなかった声を発しつつ、壁に向かって精液を放った。

  久方ぶりの精液は濃く、粘度も高く、量も多い。

  しばらく射精を続けた悟は、射精がいったん収まると、その場に座り込んだ。

  「はあ・・・・・・」

  久しぶりな、強烈な快楽だった。しかし、肉棒はまた満足せず、勃起しまたただ。

  (ちゃっちゃともう一回やるか)

  もう一度ペニスに手を伸ばした悟だが。

  「湯加減はどう?」

  鈴の声で手を放し、精液が付着した壁に背中を押し付けて振り返った。

  「い、いい感じです!」

  どうやら鈴は脱衣所に入り、そこから話しかけているようだ。幸い、浴室にまでは入ってこないらしい。

  「よかった!兄ちゃんの後に私が入るから、まだ線は抜かなくていいけんね!」

  「分かりました!」

  そして、脱衣所の扉が閉まる音がした。

  「はあ・・・・・・」

  勃起や精液を見られることがなく、安堵する悟。だが、背中を壁につけたせいで、たいもうにはびっちゃりと精液がこびりついてしまっていた。

  (勘弁してくれ、鈴さん・・・・・・・)

  

  

  悟は後処理を終えて風呂から出て、台所の鈴の元へ戻った。

  「出ました。次、どうぞ」

  「はーい、じゃ、次入るから。我慢できなかったら、先食べてていいけんね」

  テーブルの上には、肉入りの野菜炒めに数種類の漬物、焼きサバに千切りキャベツに納豆と、質素ながら健康的な料理が大量に並べられていた。

  しかし、多い。悟も食事は多い方だが、食べきれるのが不安になるほどだ。成人男性5人分はあるのではないか?

  「豪華ですね」

  「いやあ、口に合うかどうかわからんけど」

  「きっと合いますよ。量も多いですね」

  「たくさん食べていいから」

  「食べ切れなほどですよ」

  「そしたら私が食べるから」

  なるほど、と悟は思った。だからこんなに鈴は太ったのかと。

  鈴は割烹着を脱いで、悟がいる、台所の入り口へと向かってくる。

  反射的に、半身になって道を譲った悟だったが、ここはさっさと台所に入るか、廊下に出るべきだった。

  「おっとごめん」

  同じく半身になって扉に差し掛かった鈴だったが、扉は狭いため、またもや体の全面と全面が密着した。

  「我慢できんかったら、食べていいよ」

  そう言って、鈴は脱衣所に入っていった。

  不意に味わえた感触により、再び勃起した肉棒を撫でながら、悟は台所へと入り、冷えた麦茶で火照った体と心を冷ました。

  

  そして、心身がようやく冷めたころ、あることに気づいた。

  (しまった、タオル、バスタオル、籠に入れたままだったな)

  狭い脱衣所の籠の中に、清潔かつ高級のバスタオルを入れたまま、出てきてしまった。もしや、汗臭く土で汚れている鈴の服もあの籠に放り込まれていないだろうか?

  (なんか、嫌だな。失礼だけど。ついでに、毛並ケアのボトルも回収しておこう。勝手に使うかもしれないし)

  そう判断し、悟は脱衣所の前に来た。湯の音が聞こえるので、まだ鈴は入っているようだ。

  風呂にいる裸の女性が若い娘だったなら、たとえ擦りガラス越しでも接近したら嫌がられるかもしれないので、悟は入らなかっただろう。だが、鈴ならば、ガラス越しなら接近してもいいだろう。

  悟はドアに手を伸ばし、そして止めた。

  (もし、たまたま出てきた鈴さんと鉢合わせたら・・・・・・偶然だったら、許してくれるだろうし・・・・・・)

  あの豊満な肉体を、見ることが出来るかもしれない・・・・・・。

  (いや、何を考えているんだ!破廉恥な!何を学んだんだ俺は!しかも、あんなデブに!さっさと回収すればいいだろう!)

  悟はドアを少しだけ開けて、中に向かって叫んだ。

  「鈴さん、ちょっと入っていいですか!!」

  大きな声で叫んだが。

  「え、なにー」

  湯の音に混じって鈴の疑問の声が聞こえてきた。

  「少し入っていいですか!!?取りたいものがあるので!!」

  「え?」

  再び鈴の疑問の声。しかし、ガラス越しの不透明な声ではなかった。どうやら、浴室の扉を開けたらしい。途端に悟の興奮が増した。

  「とっ取りたいものがあるので、入っていいですか?」

  「あ、いいよー」

  鈴の了承とともに、扉が閉じる音がした。

  悟は深呼吸して、脱衣所に入った。ガラス越しに裸の鈴がいる。長居しては、危険だった。すぐに目標を回収して引き揚げたかったが、タオルは見つけられたが毛並ケアのボトルが見つからない。視線を上にずらすと、洗濯機の上の戸棚に置いてあった。

  (おせっかいというか、ありがた迷惑と言うか・・・・・・)

  身を乗り出しでボトルを掴んだ悟は、下から登ってきた汗の匂いにつられて視線を下に向けた。洗濯と乾燥が別々になっている二層式の古い洗濯機の中に、その原因があった。

  (これは・・・・・・)

  洗濯機の中の、鈴の服。一番上には、一番最後に脱いだ、下着があった。

  地味なベージュ色のパンツとブラジャー。それは、見たことがないほど巨大だった。あの中に、豊満で巨大な乳の尻が収まっていたのか。あれが、爆乳を巨尻を一日中包み込んでいたのか。密着していたのか。汗を吸っていたのか。

  それに見とれた悟は、行動が止まり、思考が性欲一点に向かう。

  数秒間凝視した、その時。

  

  ガララッ

  

  「あっ」

  「あらっ」

  浴室の引き戸が開いた。反射的に視線を向けると、そこには、一糸まとわぬ鈴が立っていた。

  「!!!!!!!!」

  その光景に、悟は言葉を失い目を見開いた。

  きょとんとした鈴の顔。その下には、やや垂れ気味ながらも巨大な爆乳が。太い腹よりもさらに大きく、臍から上はほぼ乳で埋められている。そのしたには、下っ腹で見えずらい股間に、ムッチリとした二本の太もも。

  それを隠すことなく、鈴は立ち尽くす。

  そして数秒後、ようやく思考がまとまった悟は、弾かれるように脱衣所から飛び出した。しかし、出た途端に狭い廊下の壁に激突してしまう。

  「うぐっ!」

  「あらあらあら。大丈夫!?」

  バスタオルを体に巻いた鈴が、駆け寄ってきた。体が太く大きすぎるので、大半の乳は露出しており、股間は隠せていない。

  「すっ!すみませんでしたっ!!」

  悟は、本日二度目の土下座をした。

  「あらららら。いいよぉ、そんな、大の男が二回も頭下げて。ちょっと裸見られたぐらいで、怒らんって」

  鈴はそう言うが、悟は頭を下げたまま続けた。

  「しかしっ!さっきは体を密着させ、今度は裸を見るなんてっ!失礼極まりないセクハラ行為でした!」

  「大げさやなぁ。都会ってそうなん?まぁ、私は気にせんけん、いいって。こんなおばちゃんなんやし、今更そんな、なぁ。それに、わざとじゃないんやろ?」

  「も、もちろんです!」

  多少の期待はあったが。

  「じゃあ、いいって。ほら、顔上げて。ご飯にしよ」

  顔を上げた悟の目に、鈴の笑顔が飛び込んできた。

  少し体が触れただけで金切声を出すわけでもなく、微笑みの下に邪悪な顔を隠しているわけでもない。許すという、優しさに溢れた言葉と笑顔。それは純粋で曇りがなく、悟の申し訳なさだけでなく、過去のトラウマさえも緩めた。

  「はぁ、以後、気を付けます」

  悟は、はにかんだ笑みを浮かべた。恥ずかしそうに。

  「ま、兄ちゃんは少しエッチってことで」

  「返す言葉もありません」

  「それじゃ、服着るから、待っててな」

  そう言って、鈴は振り返った。バスタオルでは隠し切れない巨尻を悟に見せつけ、脱衣所に入る。

  悟は勃起を静めるために、トイレに駆け込んだ。

  すぐに出せたものの、一発では収まらなかったので、5分ほどかかってしまった。

  

  

  「く、食いすぎた・・・・・・」

  膨らんだ腹をさすりながら、食事を終えた悟は大きく息を吐いた。

  「ふふ、口にあったみたいやな」

  「ええ、満足です」

  「都会の人に合うか不安やったけど」

  「関係ないですよ、舌は同じです。

  想像以上に美味だった鈴の料理に満足した悟は、鈴の方を見遣る。

  重ねられた空の食器は、自分の倍以上だった。

  (そりゃ、太るな)

  悟がそう思っていると、鈴は立ち上がってからの食器を流し台に運び始めた。

  「あ、俺も手伝いますよ」

  「いいよぉ、座っっちょって。お客様にさせられんよ」

  「そんなわけにはいかないですよ。泊めてもらってるのに」

  「そんな気をつかわんでいいって。自分の家と思ってもいいんで」

  「だったら、なおさらです。自分の家なら、手伝わないと」

  「もう」

  鈴が食器を洗い、悟はそれを拭き始めた。

  チラチラと顔を胸を見ながら、悟はこの役目をこれからも続けて行こうと決めた。

  「都会の人でも、するんやな、こういうの」

  「もちろんですよ。一人暮らしなんだし」

  「しっかりしちょんな」

  「当然ですって」

  「ごめんごめん、誤解しちょったかもな、都会の人も、いい人やわ」

  「俺も誤解してましたよ。田舎もいいところですね」

  そう言って、2人は笑い合った。

  まだ出会って数時間しかたっていないが、とても親し気に見えた。

  

  

  

  

  それから、一か月後。

  いつもと変わらぬ朝を迎えた鈴の家に、元気な声が響いた。

  「ほぉら、朝だよ悟!起きて!」

  初夏の朝の5時30分、夜明けよりやや遅く目が覚めた鈴は、悟の部屋に入り目覚ましの一声を放った。それを聞いた悟は、むくりと起き上がる。

  決して悟が朝に弱いわけではない。ただ、鈴が早起きすぎるだけだ。

  「おはよう、鈴さん」

  「おはよう!今日も働くよ!」

  そう言って、鈴は朝食の支度に向かった。

  毎日5時起きなので、既に洗面や着替えと言った支度は済ませている。やや遅れて、悟は起きて行動を開始する。いつものことだった。

  「さて、と」

  悟は下半身に視線を移した。そこには、短パンを盛り上げる剛直があった。

  いつものように、朝の一発を放つべく、悟はトイレへと向かった。

  

  

  一か月も鈴の家で過ごした結果、悟はこの家の暮らしにも、農業にも慣れた。もともと体力も意欲も知力も高いので、すぐに鈴の戦力となった。

  やや恥じらいやデリカシーに掛けた鈴の行動にも慣れて、混乱したり取り乱すこともなくなった。ただし、未だに慣れないこともある。

  

  

  朝食を食べるために台所へ向かうと、鈴が味噌汁を作っている。後ろ姿を眺めながら、悟は再び勃起した。体の脇から見える横乳と、大きな尻を眺めて。

  

  

  未だに慣れないこと、それは鈴の豊満な肉体への興味だった。鈴の肉体を想像して自慰をしていらい、鈴への性欲は消えなくなってしまった。むしろ、日に日に増していると言っていい。

  今では遠慮なく肉体を眺め、隙を見ては密着させたり、偶然を装って脱衣所を開けて裸をちらりと見るほどだった。

  他にも、脱ぎたての鈴の下着やシャツを被ったり匂いを嗅いだり、肉棒に巻き付けて扱いたり。さらには、鈴の寝つきがいいことを利用して、寝床に侵入し、体を触ったり舐めたりしている。

  罪悪感は多少はあったが、鈴のサバサバしたリアクションを見ていると、そんなものは消えて行ってしまった。

  ここまで来たらセックスをしたいと思う。例えおばちゃんだろうが関係ない。欲情しているのは事実なのだ。

  しかし、それは躊躇われた。過去のトラウマから、ただの欲情だけで、恋愛感情なく抱くことに、抵抗がある。しかも、鈴のリアクションを見る限り、どう考えても恋愛的な感情は見えない。

  それ故に、セックスに誘うことが出来ず、セクハラを続けるしかなかった。

  

  

  そして、もう一つ、悟の頭を悩ませていることがあった。

  「もうすぐ、家の修繕が終わりますよ」

  市役所からその連絡が入ったのは、2日前のことだった。

  最初に自分が住もうとしていた家の修繕が終われば、自分はそこに住むことになるだろう。そうなれば、ここを出て行かなければならない。働き出したら、鈴と会う機会は減るだろう。

  もう、鈴と会えなくなる。性欲以外にも、鈴を繋ぎ止めたい心が、確かに悟の中に存在している。

  しかし、この家に残ることは、鈴の迷惑ではないのか。そんな悩みが悟にはあった。

  「どうすればいいのか・・・・・・」

  悟は農作業を続ける鈴を見ながら呟いた。

  

  

  その日の夜、食事と入浴を済ませた二人は、茶の間で久しぶりの晩酌をしていた。

  もうすぐ悟がいなくなるから、今のうちに。そう言って 鈴は買い置きしていた缶ビールの封を切った。

  寂しさもあって、悟はいつもより速いペースで飲んだ。鈴もそれに合わせて、どんどん缶を開けてゆく。

  酔った鈴は、抱き着いてきたり、寄りかかってきたり、体をよく密着させて来る。時には、下着姿になることもある。堂々と体を触ることが出来る。悟は期待しながら、酒を飲んでいた。

  「しっかし、もうすぐいなくなっちゃうんやなー。悲しいわー」

  「悲しんでくれるんですか?」

  「あたりまえやん。仕事も家のことも手伝ってくれるから、すごく助かるんよ」

  「そうですかね、あんまり役に立ってないような」

  「立ってるって。それに、話し相手にもなってくれるし。一人暮らしは寂しいんやから」

  「人里離れてますからね」

  「そうでえ。それに、若い男の子が家におったら、やっぱりうれしいんよ。私も一応、女なんやけん」

  そう言って鈴は、なんと短パンの上から股間をさすりだした。悟はその光景を、食い入るように見つめた。

  「ま、こんなおばちゃんがそげなこと言っても、なぁ」

  鈴は手を乳房に移して、揉み始める。

  「そんなことないですよ」

  悟は身を乗り出して、至近距離で乳房を眺めながら言った。

  酔っているからか、別れが近いからか、大胆な鈴に触発されてか。いずれにせよ、いつもより積極的になれた。

  近くで見ると、迫力が違う。前方に突き出て、迫ってくる。

  「もう、そんなにおっぱい見らんでよ。はずかしいやん」

  「いいじゃないですか。もうすぐ見られなくなるんだし」

  「しょうがないなぁ。まぁ、おっぱいだけは自信あるけんな」

  「おっぱいだけじゃないですよ。家事も出来て、優しくて、暖かくて、すごくいい人じゃないですか。心は大事ですよ」

  「むふふ、お世辞言わんでよぉ」

  「お世辞じゃないですよ。それに、お尻や太腿も素敵です」

  「もう!心が大事とか言って!」

  鈴は悟の頭をはたいた。それでも悟は鈴の巨乳を間近で見続けた。見納めになるのだから、少しでも記憶にとどめようと。

  「え、そんなに好き?おっぱい」

  「大好きですよ。おっきなおっぱい」

  「へえー、こんなおばちゃんなのにねぇ。そんなに好きなら、触ってもいいよ」

  「えっ!」

  悟は弾かれたように顔を上げた。想定外の提案だった。

  「それくらいならええわ。もう年いっちょんおばちゃんのおっぱいでいいなら、んあっ」

  悟は躊躇いなく両手で乳房を掴んだ。

  寝ている鈴の乳房は何度も揉んだことがあるが、起きているというだけで、揉んでいる事が知られているというだけで、幸福が増した。

  ブラジャー越しでも、柔らかさが実感できる。少し押すと、弾力が押し返してくる。

  大きな悟の手より大きく、正に手に余る爆乳だった。

  悟は次に、顔を押し付けた。汗と体臭を嗅ぎながら、思い切り顔を左右に動かす。太い胴体に両手を回すと、鈴も抱きかえしてきた。

  「そんなに喜んでくれるなんて、女として、なんか、うれしいわ」

  「喜ぶに決まってますよ。こんなに最高の乳なんですから」

  悟は顔を上げて、鈴に尋ねた。

  「直に見てもいいですか」

  「もう・・・・・・いいよ」

  照れくさそうに了承した鈴は、シャツを掴んで脱ぎ去る。引っかかった乳房が持ち上げられ、派手に揺れて落下した。

  すぐにブラジャーが外されて、裸の乳が露わになる。

  「おおっ・・・・・・」

  悟は近藤の声を上げた。やはり、鈴が起きているだけでかなり違う。

  悟はすぐに、乳房を掴んだ。体毛に埋もれた乳首を指ではじき、押してゆく。

  「んあっ」

  鈴の声にさらに興奮を高め、乳房にむしゃぶりついた。乳首を口でとらえて、赤子のように吸い尽くす。

  「もうっ、赤ちゃんみたいに甘えて・・・・・・」

  鈴は優しく悟の頭をなでた。悟の興奮は限界に達した。

  「鈴さん、最後まで、していいか?」

  悟は、真剣なまなざしを鈴に向けて聞いた。このまま、交わりたいと思った。

  体も、心も、満たされたい。

  セックスへのトラウマも消え去った。愛欲と性欲が高まり、爆発しそうになっている。

  「え、最後までって・・・・・・」

  鈴は理解したものの、驚きのあまり声を失った。

  女を捨てたような自分に、若者が興奮しているという事実が信じられない。だが、目の前の若者は、真剣であることが表情で分かった。子供のような、しかし頼りになる雄である青年は、確実に自分を求めている。

  「いいの?私で」

  「あなたがいいんだ」

  「してくれるの?」

  「させてくれ」

  「じゃあ・・・・・・いいよ」

  鈴もまた、覚悟を決めた。

  悟は鈴を押し倒して。唇を奪った。口を開き、舌を相手の口内に入れる。

  鈴もまた、舌を返してきた。ベロリとしたを舐め合うと、唾液が溢れて口内から溢れた。それでも構わずそれを飲み下し、噛みつくようなキスをする。胸に潰れた乳の感触を味わいながら。

  キスを続けつつ、悟はシャツをを引きちぎった。鈴がズボンを脱ぐと、悟は大きなパンツを脱がす。

  そして、はち切れそうなほど膨張した肉棒に苦戦しながら、悟も下半身を露出させた。

  極限まで発情していた悟は、一気にペニスを、べとべとに濡れた鈴の膣へと突き入れた。

  『んんんんんんんん!!!!』

  余りの快楽に、二人は口内で叫んだ。

  久しぶりに肉を受けた鈴の膣は柔らかく、それでいて締め付けは強く、精子を求めて蠢く。悟の肉棒は巨大で、膣の奥まで達した。相手の性器で、自身の性器に強い快楽が持たされる。

  耐えることなど出来ず、入れただけで二人は同時に絶頂を迎えた。

  外に出す余裕はなく、悟は多量の精液を鈴の胎内へと注ぎ込んだ。

  数年ぶりの精子に、女体が歓喜を上げる。悟もまた、長らく忘れていた性行の快楽に身が震えた。

  しかも、心身が繋がることによる多幸感は、とてつもなく大きかった。肉棒は萎えず、さらに固く、大きくなる。

  二人は口をつけたまま、セックスを続けた。悟は激しく腰を振り、鈴は両手足を悟の胴体に絡める。

  時に乳を揉み、しゃぶりながら、何度も中だしした悟は、体を上げると、鈴を四つん這いにさせた。

  大きな尻を掴むと、バックから犯し、精液を注ぐ。四つん這いになることで、鈴の爆乳が垂れるブルブルと揺れる。悟はそれをつかんで揉みつつ、精を放ち続けた。

  ひとしきり撃ち続けた悟は、鈴の体にもたれかかって呼吸を整えた。しかし鈴はまだ満足しておらず、体を反転させてキスをしながら膣を締め上げた。

  30秒ほどの休憩の後、悟は鈴の両足を抱えると、鈴の背中を柱に預けて、その場で立ち上がった。鈴の巨体を屈強な肉体で持ちあがての、駅弁だ。

  重い体重によって深く肉棒を受け、鈴は歓喜して悟にしがみついた。悟は乳房に顔を埋めて、何度も腰を振って射精を続けた。精子たちの奔流は止まらず、鈴の体内へと入り続ける。

  やがて、悟は鈴を下ろすと、10秒程度休み、上半身を上げて再び腰を振りだした。

  「何度も、ヤるぞ!」

  「うんっ!きてっ!」

  二人は笑みを浮かべ、性を最大限に楽しみながら、全てでつながり合った。

  

  

  夜が明け始める頃。鈴の寝室では、耐えることのない喘ぎと水音が途切れることなく続いていた。

  「ああっ・・・・・・かぁっ・・・・・・くっ・・・・・・」

  布団の上で仰向けに寝転がり、快楽に弱々しく喘ぐ悟。

  その股間に顔を埋め、力を失った肉棒に激しくむしゃぶりつく鈴。

  やがて、萎えた肉棒が力を取り戻すと、鈴は悟の胴体をまたがり、膣で肉棒を銜えこんで腰を振り始めた。

  悟はビクビクと体を痙攣させながら、快楽に喘ぐことしか出来ない。最早睾丸は空になり、空撃ちを繰り返していた。

  爆乳を、そして全身の脂肪を揺らしながら腰を振る鈴は、悟の巨根を感じながら快感を享受する。

  久方ぶりにセックスの喜びを思い出した鈴は、悟以上に止まらなかった。幸か不幸かm悟の耐久力は鈴に付き合うことが出来、朝方まで行為は続けられていた。

  「ああっ!くるっ・・・・・・」

  鈴の動きが加速する。快楽が強まり、絶頂が近づく。鈴は悟の体を起こして、自身の乳房に顔を埋めさせた。悟は反射てきに、鈴にしがみつく。

  「いっ!いくううううううう!!」

  「んぐうううううううううう!!」

  二人の腰が震えて、結合部から透明の液体がしぶきあがった。同時に、2人は潮を噴いていた。

  鈴の乳房に包まれ、温もりの柔らかさを感じながら、体力を使い果たした悟は、意識を失った。

  

  

  1週間後。

  時刻は5時30分。いつものように、朝食の準備をする鈴。そこへ、悟が姿を現した。全裸で、股間の肉棒をいきり立たせて。

  「お、もう回復した?」

  嬉しそうに聞く鈴。

  「ああ、待たせてすまない」

  悟は不適に笑い、鈴の背後に立ち、ズボンと下ろし、腰を抱える。鈴は悟に合わせて、尻を突き出した。

  悟は膣に狙いを定め、腰を突き出した。

  

  

  あの夜以降、性と愛の快楽に目覚めた二人は、暇さえあれば体を重ねた。

  朝一番に、朝の支度の最中に。仕事の最中に、休憩中に。仕事終わりに、食後の談笑の最中に。入浴中に、就寝前に。

  口づけを交わし、体を触り、舐め、しゃぶり、挿入する。そんな生活を続けていた。

  悟は、このまま鈴の家に残ると決めた。市役所にも、住まいをここにすると連絡している。仕事も、農家を続けようと思っている。

  「んぐっ!」

  「ああっ!」

  本日3度目の中だしをきめた悟は、下がって椅子に腰かけた。

  鈴はテキパキと料理を並べると、手早く裸になった。夏の間はすぐ汗をかき、シャツがビショビショになるので、いっそのこと全裸になればいい、とのことらしい。料理中は流石に着るが。

  「じゃ、食べよっか」

  「ああ」

  最愛の相手ととる、毎日の食事。それが終われば農作業。質素ながらも、素晴らしい生活だと思う。最愛の相手と、好きなだけ交われるならなおのこと。

  鈴の笑顔と爆乳を見ながら、悟はそう思った。

  「食べ終わったら、もう一回ヤって、仕事に行こうか」

  「ああ。いつも思うが、もっと早く誘えばよかった」

  「ホントやわ」

  二人は楽しげに笑った。その姿は、最早ただの同居人と家主ではなく、家族のものだった。

  [newpage]

  秋の午後。市役所を訪れた悟は、悠然と入口を潜る。それに続く鈴は、やや恥ずかし気だった。

  「どうした、そんなに縮こまって」

  「いやぁ、やっぱ、ちょっと恥ずかしいわ」

  「何をいまさら」

  二人は受付へと向かう。婚姻届けを手にして。

  

  何度も避妊せず中だしした結果、鈴はとうとう妊娠した。閉経はしていなかったが、40半ばなのでもうないだろうとは思っていたのだが。

  こうなれば、法的にも結ばれるべきだろうと、2人は結婚、そして出産を決意した。

  「こんなおばちゃんが、若くてかっこいい兄ちゃんとなぁ」

  「不釣り合いとか思う必要はないさ」

  そう言って二人が目を向けた先、受付には先客があった。

  一人は、中肉中背の犬の老人。高齢ながらも姿勢は正しく、老いを感じさせない。

  もう一人は、鈴に匹敵するほどの高さと太さを兼ね備えた熊の熟女。鈴と同等かそれ以上の乳房が、シャツを押し上げている。

  犬は厳しい表情だが、熊はにこやかに笑っている。

  「あの二人も婚姻届けなんかな?」

  「まさか、別の手伝いだろう」

  犬と熊の手続きが終わった後、自分たちもテキパキと処理を終えた悟と鈴は、すぐに市役所を後にしようとしたが。

  「鈴、トイレ、いかないか?」

  悟は、受付から最も離れた場所にあるトイレを指さした。平日の午後の、過疎化した町の市役所なだけあって、人は見えない。

  「よーし、行こうか」

  二人は足早にトイレに向かった。

  

  男子トイレに入ると、2人はすぐに個室に入り、抱きしめ合って暑いキスを交わす。そして、荒い呼吸を吐きながら服を脱いで抱き合う。狭い個室に巨体の二人が入ると、隙間はほとんどない。

  鈴は蓋を閉じた便器の上に腰かけると、両足を大きく開いた。悟はすぐに挿入して、腰を振り始めた。

  しばらく高速で腰を振っていた悟とすずだったが、違和感に気づいて腰を止めた。

  何か音がする。耳を澄ますと、隣の個室から微かな呼吸音が聞こえた。

  誰かいるのか?しかし、入ってきたものはいないはず。最初からいたのか?そう言えば、隣に鍵がかかっているかは調べなかった。

  不覚を悔いた二人だったが。

  「ああっ」

  隣から、また音がした。老人の喘ぎ、そして水音だった。

  その音を聞いて、2人は理解した。隣でも、どうやらセックスが行われているらしい。

  どちらも同じことをしていることで、安堵感が生じる。悟と鈴は、聞こえさせるように、行為を再開した。そして、絶頂を迎える頃は妊娠中なので、肉棒を抜き、鈴はそれを銜え、自身の膣をいじりながら果てた。

  

  『あっ』

  簡単に後始末を終えて個室から出ると、ちょうど隣からも二人が出てきた。

  犬の老人と、熊の熟女が・・・・・・。

  

  

  この後、すぐに意気統合した4人は、連絡先を交換し合い、家が離れていながらも家族ぐるみの関係を築くこととなっていくのだった。