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僕と暗黒龍

  学校に行っても友達もいなくていじめらる日々。そんな日々を送っていた僕は自殺をする事にした。僕が高いビルから飛び降りたその時だった。突然温かく柔らかい感触に包まれた。飛び降りた時につぶった目を開けると、僕の周りだけ真っ暗で宙に浮いていた。そしてゆっくりと降りていくと、暗いものからまるでヒーローと龍が合体した様な黒と紫色の存在が現れた。「君は誰?」僕がそう聞くと、彼は答えた。

  「僕…名前がない。名前を付けて!」僕はしばらく考えた後、彼の名前を決めた。「君はクラヤミノリュウだ。」それを聞いたクラヤミノリュウは「それが僕の名前か~。よろしくリュウジ君。」と言った。クラヤミノリュウが僕の名前を知っている事に驚いて言った。「初めて会ったのに、どうして僕の名前を知っているんだい?」すると彼は言った。「知ってるよ。君が散々いじめられていた事も、気になる女の子がいる事も、僕は今まで君の事を見てきたんだ。それで友達になりたいなと思って初めて現れたのさ。いじめっ子は僕に任せといて!あんまりひどいのなら息の根を止めてやるから。」「そこまでしなくていいよ!」僕がそう言うと、彼は僕の影と一体となって消えてしまった。

  翌日僕が小学校で授業を受けていると、同級生達に筆箱を取られた。「返して!」僕はそう言いながら必死になって筆箱を取り戻そうとしたが、同級生は筆箱をボールの様にパスしてそれを妨害した。すると突然彼らの内の一人が突然喉を押さえながら苦しみだした。そしてそれは同じ事をしていた同級生達にも同じ様な事が立て続けに起こった。この隙に僕が筆箱を取り返すと、「い…息が…苦しい…助けて…。」同級生の一人がか細い声で言った。

  彼らは突然息が出来なくなったらしく、床で七転八倒していた。僕は内心「自業自得だ。」と思ったが、彼らの苦しそうな様子に我慢が出来なくなり急いで先生を呼びに行った。先生を呼んだ後、同級生達は次々に保健室へと送られた。僕は教室で一人になっていると、クラヤミノリュウが出てきて言った。「あいつらの肺を闇の力で少しの間だけ膨らまない様にしたんだ。これで君は彼らからいじめられなくなるよ。」それを聞いた僕は「そこまでしなくてもいいよ!」と返した。数日後、僕をいじめていた同級生は死にそうになっていたところを助けてくれた事に感謝をして全くいじめをしなくなり、一緒に遊ぶ様になった。

  僕が彼らと遊んでいる間にクラヤミノリュウをふと見ると、彼は嬉しそうにこちらを見つめていた。

  クラヤミノリュウによって元いじめっこ達とも仲良くなった後、事件が起きた。僕が片思いをしていた少女ハナちゃんが何者かによって突然誘拐されてしまったのだ。そう言えば、学校で威張り散らしているドラタが数日前から学校に来ていない…。僕は放課後、ドラタの家へと向かうと彼のお母さんが飛び出してきた。彼女は焦った顔をしていて、不思議に思った僕は訳を訊ねた。「最近ドラタが金ぴかの良く分からない人と一緒にどこかへ消えてしまったの!」彼女はそう言った。「きっとそれは光属性のゴロイドの仕業だ!」クラヤミノリュウは突然現れて言った。ドラタのお母さんは彼に驚きもせずに訊ねた。「光属性のゴロイド…?」「光属性のゴロイドは、命を弄んでも何の罪悪感も持たない悪い奴らだ。お母さん、最近彼に何か変わった事はありませんでしたか?」クラヤミノリュウがそう言うと、彼女は言った。「一週間前、あの子がこれでハナちゃんと一緒になれるとウキウキしていました。」するとクラヤミノリュウは言った。「不味い、彼は光属性のゴロイドに利用されている!このままだと、二人は勿論の事どれほどの命が弄ばれるか分からない。お母さん、彼を最後に見たのはどこですか。」それにドラタのお母さんは答えた。「一昨日、自分の部屋に入ったのを見たのが最後です。」それを聞いたクラヤミノリュウは言った。「そこまで僕を案内してください!」

  こうして彼の家に上がり込んだ僕達は、急いで彼の部屋へと向かった。そこは何の変哲もない正しく少年の部屋だった。クラヤミノリュウが地面に手を当てしばらくすると、「彼は今、小学校の体育館の中にいる!それも少女と光属性のゴロイドも一緒だ!早くしないと二人共、光属性のゴロイドに何をされるか分からない。お母さん、急いで警察に電話してください!僕は体育館へと向かいます!」と言った。その後、僕とクラヤミノリュウは急いで学校の体育館へと向かった。

  僕達は体育館に到着したが、そこには何も無かった。「本当にドラタやハナちゃんがここにいるの?」僕がクラヤミノリュウに訊ねると、彼は答えた。「間違いない。ここで光属性のゴロイドの臭いが強くなってる。たぶん彼は灯りの中に隠れて身を潜めているんだ。」すると彼は全身から闇を出し、次々に体育館の中の灯りは闇に包まれていった。その時だった。灯りの一つから金と銀のドラゴンの様なゴロイドが出てきたのだ。「クラヤミノリュウ、もしかしてあれが光属性のゴロイドのゴロイド?」僕が彼に訊ねると、「そう、あれが光属性のゴロイドだ!」と答えた。光属性のゴロイドは闇を苦しそうに吐き出すと、「よくも俺の邪魔をしてくれたな!折角手に入った獲物を食う邪魔を!!」と怒りを露わにした。「光属性のゴロイドは僕達と同じで何も食べなくてもいいのに、何故君は捕食を行うんだ!!」クラヤミノリュウは少し怒った様に言った。「面白いからだ!獲物が命を落とす瞬間がな!!」光属性のゴロイドはそう言うと、左腕の鞭でクラヤミノリュウの首を絞めた。そして右腕の銃にエネルギーを溜め込み、光弾を作り始めた。

  「消え失せろ、俺の邪魔をする暗闇め!」光属性のゴロイドがそう言うと、クラヤミノリュウは言った。

  「なぜ君は次々に罪もない命を奪っていくんだ!!」それを聞いた彼は答えた。「愉快だからだ!特に罪もない命を奪うのはな!!」「なら、僕がそれを止める!!」クラヤミノリュウは龍の口から暗闇を吐いて、光属性のゴロイドに浴びせた。暗闇を浴びた光属性のゴロイドは、咄嗟にクラヤミノリュウを放すと苦しそうに「ええい、こうなれば我が手中に収めたこの坊主と戦うがいい!」と言い、光の結晶を召喚した。

  その中には行方不明になっていたドラタの姿があった。「行け、坊主。あの小僧を始末するのだ!」光属性のゴロイドがそう言うと、ドラタは僕に襲い掛かってきた。

  こうして僕とドラタ、クラヤミノリュウと光属性のゴロイドの戦いが始まった。乱暴者で力が強いドラタに僕は怯えていると、「勇気を出して戦うんだ!今戦えるのは君しかいない!」とクラヤミノリュウが言った。僕は勇気を振り絞ってドラタに立ち向かった。一方、クラヤミノリュウは光属性のゴロイドの左腕の鞭を両腕のカッターで次々に切り裂いた。しかし鞭は再生し続けて埒が明かなかった。「ええい、これで仕留めてくれる!」光属性のゴロイドはそう言うと、右腕の銃でクラヤミノリュウを狙い撃った。何発かクラヤミノリュウに当たると、彼は苦しそうに倒れこんだ。

  「クラヤミノリュウ!!」僕がそう叫んだ時、ドラタの拳が飛んできた。僕もその場で倒れこみ、必死になって立ち上がり彼を殴った。しかし体格のいい彼には全く効果がなく、彼のタックルで吹き飛ばされてしまった。僕はもう逃げたくて仕方が無かった。泣きながらクラヤミノリュウを見ると、彼は倒れてもまた立ち上がり光属性のゴロイドに何度でも立ち向かっていた。「あきらめちゃダメだ!どんなに辛くても苦しくても何度でも立ち上がれば希望はあるんだ!」クラヤミノリュウは僕の方を見てそう言うと、また光属性のゴロイドに立ち向かった。その言葉を受けた僕は何とか立ち上がり、ドラタに立ち向かった。殴られてもタックルされてもそれが何度も続いても、殴っても彼に全く効かないとしても…クラヤミノリュウと共に何度も立ち上がり立ち向かった。

  次第に二人に変化が見え始めた。向こうも大分弱っているらしく、戦いが長引くにつれドラタはヘロヘロになり、光属性のゴロイドも膝を地につけ始めた。「ええい、こうなれば…坊主、早くあの小僧にとどめを刺せ!」光属性のゴロイドはドラタに命令すると、命令された彼は僕を殴ろうとした。その時僕は偶然、彼のみぞおちにパンチを決めた。すると彼は苦しんでそのままノックアウトし、気絶した。

  こうして僕とドラタの戦いは、僕が何とか勝った。けれども、まだクラヤミノリュウと光属性のゴロイドの戦いはまだ終わっていなかった。クラヤミノリュウは暗闇を吐いて、光属性のゴロイドに大ダメージを与えて勝利した。すると「坊主…もっと動け…」と言い、ドラタを再び戦わせようとした。それを見たクラヤミノリュウは彼を暗闇で拘束し始めた。「何をするつもりだ!?」光属性のゴロイドがそう言うと、彼は言った。「君を僕の命と引き換えに闇に葬る。ただそれだけさ!」すると、光属性のゴロイドは苦しみだしやがて消滅した。

  その時、照明からハナちゃんが閉じ込められた光の結晶が出てきた。クラヤミノリュウは暗闇で結晶を溶かすと無事彼女を助け出す事ができた。すると彼の体が溶け始めた。「クラヤミノリュウ!!」僕はそう叫び彼に触れようとすると、彼は優しい声で言った。「大丈夫、これでいいんだ。君はもう一人ぼっちじゃない。友達も大好きなガールフレンドもいるんだ。もう僕の出番は終わったんだ。」僕は大粒の涙を流しながら言った。「クラヤミノリュウ、僕嫌だ!初めての友達がいなくなるなんて嫌だ!」すると彼は龍の頭を微笑ませながら言った。「大丈夫、また会えるさ…」それを言い終えると、彼は完全に溶けてしまった。

  僕は大泣きしながら「クラヤミノリュウ!!」と叫んだ。それを見た彼女も一緒に泣いていた。

  あの事件からしばらくして、ドラタと僕は仲良くなりハナちゃんと両想いになった。そして時は経ち、僕がハナちゃんと結婚して子供も出来たある日の事だった。再びあの光属性のゴロイドが僕達に襲い掛かってきた。「あの時の小僧め、今こそ始末してくれるわ!!」彼がドラゴンの頭から破壊光線を放ったその時、突然暗闇が僕達を包んだ。「何…お…お前は!!」光属性のゴロイドがそう言うと、僕達の目の前にクラヤミノリュウが現れた。「帰ってきたよ、リュウジ君、ハナちゃん!!そしてこんにちは赤ちゃん。」クラヤミノリュウはそう言うと、龍の口から暗闇を吐いて光属性のゴロイドを撃退した。

  僕は「クラヤミノリュウ!!もう二度と会えないかと思ってた!!」と言うと彼に抱き着いた。彼はそれを優しく受け止め、「もう一度戦おう、大切な者を守る為に。」と言った。こうして僕達は再び強敵に立ち向かうのだった。

  終わり

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