幸せな雄乳獣

  一人の従業員が機嫌よく農場の畜舎へ向かっていた。農場とは言っても一般的な農場ではない。そこにいるのは各地から強制的に連れてこられた雄獣人達で、搾っているのは牛乳ではなく精液だ。

  精液を搾る目的の雄獣人を雄乳獣といい、その雄獣人から搾られる精液は雄乳と呼ばれ、雄乳を専門で搾る農場はこの国では珍しくない。

  従業員が畜舎に入ると、一畳程の狭い囲いごとに雄乳獣が収容されており、天井から伸びた手枷と床から伸びた短い鎖の足枷を嵌められている。雄乳獣は衣類を身につけることを禁止されているため枷を以外は身に着けていない。

  「クソッ!来やがった!」

  「毎日毎日搾りやがって!ちんこが壊れちまう!」

  「もう搾られるのは嫌だぁ!」

  従業員が畜舎に入ると、収容されている雄乳獣たちは枷に付いた鎖を鳴らし、口々に悲鳴にも似た声を上げた。

  しかし従業員は農場のある国とは違う国の出身で獣人の言葉が全くわからない。しかも獣人のいない地域で育ったため、畜舎にいる雄獣人をかわいい家畜動物という風に考えていた。

  『うんうん、今日も元気だね!』

  そして、この従業員には『雄乳獣にとっては雄乳を出すことが幸せである』と、農場経営者により洗脳のように教え込まれているため、雄乳獣たちは純粋に自分が畜舎に来たことでこれから射精ができると喜んでいると思っていた。

  『さぁみんな、待ちに待った雄乳を搾る時間だよ!搾るポーズにするね!』

  従業員が畜舎の入り口近くのスイッチを操作すると、雄乳獣達に嵌められた手枷の鎖が天井に引かれていく。

  「やめろ!!!やめろぉぉぉ!!!」

  「出したくない!出したくない!」

  「ちくしょう!ちくしょう!」、

  雄乳獣たちは抵抗するものの天井の鎖を引かれるにつれて体が吊られていく。そして身体が数センチ浮かび上がり、足枷の鎖が張り切ったところで巻き上げが停止された。上下から手足を引かれて並ぶ様子は雄乳獣で作られた柱がいくつも浮かんでいるかのようだ。

  『そう慌てないで!順番に搾精機を付けてあげるから!』

  雄乳獣たちの射精を嫌がる叫び声を歓喜の声だと思っている従業員は、早速とばかりに一番手前にいる狼獣人の元へ行き、各囲いに設置されている搾精機を手に取った。

  『今日もいっぱい幸せになろうね!』

  「やめろ!それを俺に近づけるな!やめっ!うぐぅぅぅ!!!!」

  搾精機が狼獣人のペニスには嵌められると自動でロックがかかり外れなくなる。そしてすぐに動き出す。狼獣人は搾精機を付けられすぐに射精した。連日の搾精で敏感に改造されているペニスでは搾精機の刺激を数秒さえも耐えることはできなかった。

  従業員は満足気に頷いた。射精は雄乳獣が最高の幸せを感じた時に起こと教えられている従業員にとって、射精させることは雄乳獣を幸せにすることだと信じきっていた。

  『さぁ、他のみんなも幸せにしてあげるからね!』

  「射精は嫌だ!射精は嫌だぁぁぁ!!!ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

  「クソっ!クソっ!なんで俺がこんな目に!出るっ!!!出るう゛う゛!!!!」

  「ひぃ…!ひぃ…!誰か助けっ!あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」

  従業員は獅子獣人、虎獣人、サメ獣人と多種多様な雄乳獣たち一人一人に搾精機を付けていく。全員につけるころには畜舎はもがきながら射精する雄乳獣たちの叫び声と生々しい射精音がまみれていた。従業員にとっては雄乳獣たちの叫び声は歓喜の雄叫びで、射精音は幸せの音だ。

  『良かった!みんな幸せでいっぱいだね!』

  従業員は慈愛の籠った満面の笑みを浮かべた。もしここに農場の本当の意味を知っている者がいれば、この従業員を雄乳獣達の苦しむ姿をみて微笑むとんでもないサディストだと思ったことだろう。だが、従業員にはそんなつもりは一切ない。純粋に雄乳獣達を幸せにしていると思っている。

  『それじゃあ僕はいつも通り夕方くらいに戻ってくるよ。それまでいっぱい幸せになっていっぱい雄乳を出してね!』

  従業員はやり切った顔で手を振ってうれし気に去っていく、

  「待ってくれ!これを止めてくれぇぇぇ!!!!!」

  「無理ぃぃ!!!もう無理だからぁぁぁ!!!!」

  「止まらないぃぃぃ!!!誰か止めてくれぇぇぇ!!!!」

  従業員は雄乳獣たちの歓喜の絶叫を背に畜舎を後にした。

  そこから雄乳獣達の地獄の時間が始まる。上下に引き伸ばされた身体をいくらくねらせようが、いくら叫ぼうが、搾精機は機械的にペニスをしごき続ける。

  畜舎内は雄乳獣たちの熱気で室温が上がり、雄乳獣たちの身体から汗が滴り落ちていく。従業員が出て行って30分程で雄乳獣達の足元には汗で丸くシミを作っていた。

  畜舎に響く雄乳獣達の絶叫や唸り声に混じって声が聞えてくる。

  「はぁはぁ…。う゛っ!なぁ、大丈夫か?」

  「俺はもう限界だ…。う゛ぅぅ…。だんだん射精のことしか考えられなくなってきてる。」

  「あ、あきらめんなっ。気をしっかりもて。んぐっ!!どこかに逃げるチャンスがあるはずだ。」

  まだ畜舎につれて来られて日の浅い雄乳獣たちがお互いを励ましあってこの地獄に耐えていた。それを聞いていた他の雄乳獣達は搾精機の刺激に苛まれながらぼんやりと自身が連れてこられた時のことを思い出していた。

  他の雄乳獣たちも最初はこの二人のように逃げる機会をうかがって射精に耐えていた。

  だが、従業員は言葉が通じず、泣き落としもできない。

  せめてもの反抗にと射精を耐えても、射精量が少なければさらなる搾精が待っている。

  そして、手足に付けられた枷は頑丈に作られていて、搾精が行われない夜の間だけで壊すのは困難だ。

  前に枷を破壊して逃げようとした雄乳獣は、枷の傷をあの従業員に見つかり、枷の傷を見た従業員には幸せ不足によるストレスだと解釈され、その雄乳獣はストレス緩和を理由に何日もぶっ通しでの搾精をさせられていた。あれを見せられて枷を壊して逃げようとする者はいないだろう。

  逃げ出すような機会は訪れることはなく、日々繰り返される終わらない強制射精にいつしか、諦めて快楽に身をゆだねるか、射精やその快楽に恐怖を感じるようになる。そしていつの間にか、搾精を止めさせることが目的となり、逃げるというという考えが頭から抜け落ちていた。

  従業員が去ってから約10時間たった夕方に従業員が畜舎へ戻ってきた。

  従業員が畜舎に入ると、畜舎には雄乳獣達の体から出た汗で、靄がかかっている。

  そして強烈な雄の臭いが充満していた。

  『幸せの臭いだ!』

  従業員は雄の臭いは雄乳獣が幸せを感じると強くなると教えられているため、嬉しそうに大きく吸い込んだ。

  雄乳獣達たちはもう誰も叫び声をあげておらず、たまに唸り声を上げるくらいだ。長時間に及ぶ搾精で雄乳獣達は疲れた様子でされるがままに搾られている。

  『みんな、今日の搾る時間は終わりだよ!いっぱい幸せになれたかな?』

  従業員は一人一人の雄乳が溜められた雄乳タンクを確認していく。

  『お疲れ様!明日も幸せになろうね!』

  そして明るく一言声をかけながら搾精機を外していく。

  外された雄乳獣は緊張の糸が切れたように目を閉じてうなだれる、そして搾精で奪われた体力を少しでも回復しようと荒い息で呼吸する。

  順々に雄乳獣達の搾精機が外される中、従業員が一人の大型犬獣人の雄乳タンクの前で立ち止まった。

  『あれ?あんまり雄乳が出てないね。』

  大型犬獣人の雄乳タンクには他の雄乳獣の半分ほどしか溜まっていない。従業員はその大型犬獣人を心配そうに見つめた。

  「頼む…もう勘弁してくれ…。お願いだ…。」

  大型犬獣人はとぎれとぎれに懇願する。言葉の意味がわからない従業員はそれをあまり幸せになれず悲しんでいると解釈した。

  『あまり幸せにできなくてごめんね…。搾精機の設定が君には弱かったみたい…。今から僕が頑張って幸せにするからね。』

  従業員は心から申し訳なさそうにしながら大型犬獣人の搾精機の出力を大幅に上げた。

  「……なっ!!??うがぁぁぁぁぁぁ!!!!」

  ペニスから全て搾りつくすような搾精機のしごきに大型犬獣人は顔を反らしながら雄叫びを上げた。目を見開き、身体を壊れた機械のようにガクつかせる。そしてペニスから大量に雄乳を噴き出し始めた。

  『少しは幸せを感じてくれるようになったね!大丈夫!僕がもっと幸せにするよ!』

  従業員はまだまだ足りないだろうとばかりに大型犬獣人の乳首をつまみ上げた。

  「があ゛あ゛あ゛っ!!!!ぐお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!!」

  大型犬獣人のペニスは限界を超えて蛇口を捻られて破裂した水道管のようにとめどなく雄乳を搾精機の中に叩きつけた。

  『みんなと同じくらい雄乳が出るまで僕、頑張るから!時間は短いかもしれないけど、幸せをたくさん感じてほしいな!』

  「頭がおかしくなっちまう!!!やめろお゛お゛お゛お゛お゛お!!!!」

  従業員は大型犬獣人の雄乳量がある程度溜まるまで乳首をいたぶり続けた。命の危険を感じる苛烈な搾精に泣き叫ぶ大型犬獣人と、それを嬉しそうに見つめながら強要する従業員という異様な光景に畜舎の雄乳獣達は恐怖で身体を震わせた。

  『いっぱい出たね!良かったぁ!次からはこんなことないように君の搾精機の出力を強くするから安心してね。』

  「そ…んな…。」

  大型犬獣人は搾精機を外されたあと、絶望の表情で呟いたあと気絶した。

  従業員は短い時間しか幸せにできなかったが、気絶するほど幸せにできたのだと胸をなでおろした。

  その後は雄乳が少ない雄乳獣はおらず、全員の搾精機が外された。全員、荒い息で動く元気もない。

  『今日もみんなを幸せにできて僕も幸せだよ!』

  従業員によって天井の鎖が緩められ、雄乳獣たちは力なく狭い囲いの中で横たわる。

  『明日もみんなを幸せに出来るように頑張るね!それじゃあまた明日!』

  従業員はぐったりした雄乳獣たちを残して畜舎を後にした。