虎獣人の俺が、臭いフェチの見知らぬ中年黒豚獣人に拘束され、あれこれ好き放題される話

  〇

  仕事帰り、わしはカバン片手にいつものようにコンビニでワンカップを買うと、目的の公園に立ち寄った。

  豚獣人にしたってちょっと肥えすぎの身体でベンチにどっかりと座ると、ワンカップを啜りながら、けして広くない公園の敷地を見回す。

  もう夕まぐれのこの時間帯には、幼い子供たちはいない。

  いるのはただ1人、わしなんかとは比べ物にならないほどごつい身体をした若虎獣人だけだ。

  高校生だろうか、ラグビーのユニフォームを着たままの若虎は、きっと部活帰りに自主トレをしているのだろう。

  そう、こいつがわしの目当てなのだ。

  分厚い筋肉の上にむっちりと脂肪がのったガチデブ体型のその姿を見かけて以来、俺は毎日のようにこの公園に通っていた。

  『はっ、はっ……』

  荒く息を吐きながら、若虎はひたすらスクワットをしている。

  ガチムチの身体を動かすと、玉のような汗が飛び散った。

  そしてそれと同時にむせ返るような汗の臭いが、離れた場所にいるわしの鼻まで飛び込んでくるのだ。

  ……たまんねえ。

  わしは気づかない振りをして、目を細めてその臭いを肺が膨らむほどに嗅いだ。

  シャツから漂うのは、汗が乾いて、また濡れた時に出る生乾きの香り。

  そこには若い雄特有のむわっとした濃い臭いや、普通なら顔をしかめたくなるようなワキガのツンとくる臭いも入り混じっている。

  嗅覚の敏感な犬獣人なら気絶しちまいそうな凶悪な臭いに、重度の臭いフェチであるわしは、興奮しちまっていた。

  作業着の下に隠された逸物もビンビンになってやがる。

  ……ほんと、上玉じゃねえか。

  こんだけきつい体臭の奴なんて、そうそうお目にかかれねえ。

  しかも、服の上からでこの臭いなのだ。

  顔も厳ついし身体も鍛えられてぶっといから、普通なら女共にモテてもおかしくねえだろうが、この凶悪な体臭のせいできっと童貞のままのはずだろう。

  きっと本人も、それが大きなコンプレックスになっているに違いない。

  だが、俺は甘い蜜に吸い寄せられるカブトムシのように、この若虎に夢中だった。

  ……こいつの臭いを思う存分嗅いで、俺のものにしちまいてぇ。

  そんな犯罪じみた思考に支配されちまうぐらいには。

  そして……その用意はすでに出来ていた。

  俺は景気づけにワンカップを一気に呷ると、ふらりと立ち上がる。

  かばんに入れているのは、頑丈なロープとスタンガン。

  そして……。

  その匂いに脳を犯されたわしは、もう、犯罪を犯すという事にためらいなどなくなっていた。

  ……むしゃぶりついて、この臭ぇ身体を堪能してやる。

  俺は自主トレを終え、隣のベンチで休んでいる若虎獣人にふらふらと近づいて……。

  ☆

  「な、なんだよっ、これ……」

  気がつけば、俺ー虎沢雅樹ーは身動きできないよう拘束されていた。

  ここは……多分、公園の多目的トイレだろう。

  落書きに見覚えがある。

  そう、俺がいつも自主トレで使っている公園だ。

  俺は自分の現状を確認する。

  自主トレをしていたはずの俺は、なぜか多目的トイレの便座に座らされていた。

  便座の両脇の手すりに両肘と両手首を縄でぎっちりと縛られており、両脚も大きく開いた状態で縛られているのだ。

  「くそっ!」

  渾身の力を込めて身をよじるが、身動きなんて全くできない。

  しかも、服も上下とも脱がされていて、全裸にラグストとシューズだけ履いた、ひどい状態。

  ……なんでこんなことに。

  今日も俺は、いつものように部活終わりの自主トレをしていた。

  この後のことに思いを馳せて。

  ……家に帰ったら、また剣吾にたっぷり掘ってもらうんだ。

  そんな風に、つい最近付き合うことができた恋人の熊獣人のことを考えると、運動をしていてもケツが疼いてくるのがわかる。

  同級生のゴツい熊獣人のデカマラによって、俺は雌の喜びを教えられてしまっていたのだ。

  そして一息しようとベンチに座っていると、突然頭に電撃が走ったような衝撃を受けて……。

  「目が覚めたみてぇだなあ」

  がらがらと扉を開けてトイレに入ってきたのは……見知らぬ黒豚獣人だった。

  いや、見たことないわけじゃない。

  俺が自主トレしてるときに、何度か公園で見かけたような気がする。

  仕事帰りなのか、作業着を着たままいつもワンカップを飲んでいる豚獣人のおっさんだ。

  たっぱは大してないが、豚獣人だけあってでっぷりと肥えている。

  ところどころ歯が抜けていて、しかも締まりがない顔の皮膚の感じから、もう50代は過ぎているのだろう。

  「な、なんのつもりだよ。これ、ほどけよ!」

  俺は睨みつけるが、黒豚獣人は気にも留めない。

  それどころか、助平そうな顔を歪めて笑ったのだ。

  「なんのつもりかって? 決まってるじゃねぇか。そのたまんねえ身体をたっぷりと堪能させてもらうんだよ」

  そのねちっこい視線に、俺は思わず悲鳴を漏らしそうになる。

  普段だったら、こんなたるんだおっさんなんかワンパンで片が付くはずだ。

  だが、今の俺は硬いロープで身動き出来ないよう縛られている。

  こんな状況で抵抗どころか逃げることだって出来るわけがない。

  俺を殺そう……というわけじゃないんだろう。

  それならわざわざ服を脱がせて、しかもラグストに靴だけというほぼ全裸の状態にしたりはしないはずだ。

  ……まさか、俺を……犯すつもりかよ。

  心臓を握りしめられたような恐怖を感じる。

  ……俺の身体は熊沢のもんなのに。

  必死に歯を食いしばり睨みつけるが、正直泣きそうだった。

  「まあ、そんなに怖がらんでもええ。痛い目にあわせるつもりはねぇからよ」

  ぎらぎらと目を輝かせた豚おっさんはそう言うと、ゆっくりと近づいて来る。

  「くっ、来るなっ!」

  俺は必死に抗おうとするが、きつく絞められたロープは俺の身体に痛みを与えこそ、ほどけたりはしない。

  「その嫌そうな顔もたまらんなあ」

  ついには目の前まで来た豚獣人はにやけた顔のまま……。

  ……え。

  俺の脇に顔をうずめた。

  「……」

  その動作に、俺の思考が一瞬止まる。

  ……こいつ……何をしてやがる。

  言いたくねえけど、今の俺はひどい匂いがしているはずだ。

  もともと汗っかきでしかもワキガ持ちの俺は、自分自身えげつない体臭をしてる事をすでに自覚していた。

  正直これがコンプレックスで、両親を恨んだこともあるぐらいだ。

  こないだ恋人になった熊沢にだって、すげえ匂いだな、なんて言われるぐらい。

  しかも部活帰りの自主トレ後だ。

  慣れてる俺自身でもひどいと思うぐらいなのに、この豚おっさんは喜々として、俺の脇に顔を埋めて、しかも深呼吸までしだしたのだ。

  「すーはー。たまんねえなあ、この臭い。鼻が曲がって腐り落ちちまいそうだぜ」

  「ば、馬鹿、やめろ!」

  俺はおっさんを突き放そうと暴れるが、おっさんはぐりぐりと顔を脇にこすりつける。

  「くっせぇ……たまらなく臭ぇじゃねえか」

  豚鼻をひくひくと動かしておっさんは笑う。

  「なんだこのワキガはよお。こんなきっついの嗅いだことねえぜ」

  その言葉に俺の顔が真っ赤に染まる。

  「目に染みて痛ぇぐらいだ。なに食ったらこんなに臭くなれんだよ」

  「……」

  「カビ臭えし酸っぱくて饐えた臭いもして、しかも腐った卵みてえな臭いも混ざってるじゃねえか。よくこんなんで平気な顔して道歩いてられるよな」

  「う……うるせえ!」

  コンプレックスを刺激された俺は怒鳴り付けるが、おっさんまったく気にしない。

  「しかも汗っかきときてるからな。若い雄のフェロモンまで混じってえげつない臭いになってやがる。鼻の効く犬獣人なんかなら、すれ違うだけで悶絶しちまうんじゃねえのか?」

  「……」

  言い返すことは……出来なかった。

  それは自分が一番自覚しているから。

  ……くそ。

  悔しくて涙がにじむ。

  ……なんでこんなおっさんに、ここまで言われなきゃいけねえんだ。

  ぞろり。

  「ひっ!」

  心の中で悪態をついていた俺の脇にざらついた感触が走り、思わず悲鳴を上げてしまう。

  おっさんが俺の脇を舐めたのだ。

  「苦ぇ苦ぇ。やっぱりワキガ野郎の臭ぇ脇はしょっぱ苦ぇな」

  「や、やめろよ、変態!」

  「心配すんな」

  にちゃりと笑う豚親父は、言い聞かせるように俺に言った。

  「こんな臭ぇ身体じゃ、交尾だってしたことねえんだろうが。わしが気持ち良くしてやるよ。どうせおめえみたいな奴は一生恋人なんかできねえだろうしな」

  その言葉に、俺は思わず反論してしまう。

  「そ、そんなことない! 俺には剣吾が……」

  「なんだ? おめぇお仲間かよ」

  薄ら笑いを浮かべた豚親父。

  「ホモでおめぇみたいな臭ぇ奴でも、付き合ってくれる奴はいるんだな」

  「あっ、当たり前だ!」

  「じゃあそいつは、よっぽど我慢してくれてるんだろうよ」

  「な、なにを……」

  「なにをって、決まってるだろ。こんな臭ぇ奴と交尾するなんて、どう考えたって普通は嫌だろうが」

  「……」

  豚おっさんの言葉に俺は黙り込んでしまう。

  「臭い」と言う言葉。

  ……そうなのかもしれない。

  「く、臭いなら、おっさんも近づくんじゃねえよ!

  涙目で俺は訴える。

  「心配すんな。お誂え向きに、俺はおめぇみたいな臭ぇ男が大好物でな」

  舌なめずりをしてみせる豚親父は、俺に言う。

  「おめえもホモなら、そんな奴とは別れちまって、わしみてえな男と付き合った方が幸せになれるんじゃねえのか?」

  「誰が……誰がおっさんなんかと!」

  「ふん」

  俺の強がりを見て鼻を鳴らす豚獣人。

  「まあいい。とりあえず、そのくっせぇ身体を俺に堪能させてくれよ」

  豚獣人はそう言うと、今度は無理矢理縛られ開かされた状態の股に顔を近づける。

  「なかなかいい逸物だな。萎えててもぶってえじゃねえか。ま、長さはそんなにねえが」

  「……」

  「しかし、包茎なのはマイナスポイントだぜ」

  すんすんと臭いを嗅いでみせると、豚親父はかぁー、と声を出した。

  「おうおう、脇もひどかったがこっちもひでえじゃねえか。汗で蒸れた股座の臭いすげえな。若い雄の臭いと、こもって濃縮された小便とザーメンの臭いまで入り混じってやがる。やっぱり包茎野郎は臭いが違うな」

  「う、うるせぇ……」

  「この汚れ具合みりゃあ、ちゃんと皮剥いて洗ってねえんじゃねえのか」

  「そ、それは……」

  ……昨日はたまたま疲れすぎてて、軽くシャワー浴びたら寝ちまったから。

  何の意味もなさないというのに、俺はそんな言い訳を頭に浮かべてしまう。

  「こんなもん咥えさせられる相方はたまったもんじゃねえだろうな。普通の神経してたら、まいっちまうぜ」

  「……」

  俺は羞恥心で顔をくしゃくしゃに歪めた。

  ……剣吾は、俺のことそんなふうに思ってるんだろうか。

  だが、その思考は豚親父の次の行動でぶっ飛んでしまう。

  豚おっさんは口を開けると、その歯で俺の皮の端を優しく噛むと、そのままずるずると下に引っ張ったのだ。

  ずるんっ。

  「ああっ」

  皮に包まれていた亀頭が姿を現す。

  その敏感な切っ先に不意に当たる生暖かい豚親父の鼻息。

  俺は思わず、ビクンと身体が震えてしまう。

  「やっぱり、くっせぇなあ」

  皮を咥えたまま、おっさんは笑った。

  「ザーメンもチンカスもついてるしよ、何より、蒸れた臭いがたまんねえや。熟成されてるっつうか、これぞ若い雄って感じだよな」

  「……」

  おっさんは興奮したようにしゃべるが、俺は自分の至らなさを指摘されているようで、顔が熱くなるのがわかる。

  「それじゃ、俺がきれいにしてやるからよ」

  その唇をすぼめるようにして……豚親父は俺のちんぽにしゃぶりついた。

  じゅるじゅるじゅるじゅるっ!

  「や、やめ……あああああっ!」

  じゅるっ、じゅるっ、じゅるっ、じゅるっ……。

  豚親父は舌を伸ばし、汚れをそぎ落とすように亀頭を舐め回したかと思うと、くちゅくちゅと音を立てて口の中で弄ぶのだ。

  おっさんの唾液の中で、転がされる亀頭。

  ……気持ちいい。

  そりゃ、ちんぽを舐められているのだ。

  確かに気持ちいいが、それよりもこんな見知らぬ豚親父に好き勝手されてる不快感の方が何倍も強かった。

  「や、やめやがれ!」

  俺は嫌悪感で豚おっさんを怒鳴り付ける。

  だが、奴は陶酔したような顔で、俺のちんぽを舐めつづけるだけ。

  亀頭だけでは飽き足らず、萎えたままのちんぽを竿ごとくわえて目を細めると、ゆっくり顔を上下して、口全体で俺の竿の感触を味わっていた。

  時折鼻をひくひくと動かして、俺の体臭を楽しみながら。

  「やめっ……気持ち悪ぃんだよ!」

  ばたばたともがきながら威嚇するように恫喝するも、おっさんは俺の言葉など耳も貸さずに、いや、むしろその抵抗しようとする様子に興奮しているようにさえ見えた。

  赤らんだ顔のおっさんは口から逸物を離すと、今度は竿と玉の根本に顔を埋め、思い切り息を吸う。

  「この蒸れた雄の臭い、たまんねえなあ」

  そう言いながら、ぴちゃぴちゃと音を立てて金玉を舐めしゃぶる。

  「涙が出ちまいそうな激臭だよ、これ。よくこんなんで相方なんて作れたもんだ」

  「……」

  「そいつも俺と同じど変態なんだろうな」

  「け、剣吾はお前なんかと違う!」

  俺は豚親父を睨みつける。

  「そうかあ?」

  嘲笑うように答える豚獣人。

  「普通の神経じゃ、これだけ臭え奴なんかと交尾できねえぞ」

  「……」

  「今それをわからしてやるよ」

  おっさんはそう言うと、俺の股間から顔を離す。

  そして……。

  「おい! なにを……」

  俺の履いていたシューズとラグストをゆっくりと脱がせたのだ。

  「うぇ……」

  途端に個室内に広がる、むせるような足の臭い。

  元々腐っている納豆が、さらに腐敗させて、それを数十倍に濃縮したような形容しがたい悪臭に、俺は思わず息を止める。

  ……これは人の嗅いでいい臭いじゃねえ。

  自分の臭いなのに、そう思えてしまうのだ。

  だが豚親父は顔をしかめながらも嬉しそうにニヤついてみせる。

  「おうおう。これだこれだ。やっぱ若い雄はこれぐらい臭くねえとな」

  「く、臭いって言うな!」

  俺は必死に否定する。

  そうでもしないと、このおっさんの言葉を認めてしまうと、大事な何かが俺の中から消失してしまいそうだから。

  「臭くない、ねえ」

  豚親父は手に持ったラグストを見てそうつぶやく。

  「そ、そうだ!雄の足だったらこのぐらい当たり前……」

  「じゃあ嗅いでみろよ」

  「え」

  俺の弁明を途中で遮ると、豚獣人はその手に持ったラグストを……俺の鼻に押し当てた。

  「うげえええええっ!」

  突然押し寄せたおぞましい激臭に俺は悲鳴を上げることしか出来なかった。

  まるで催涙ガスでもぶっかけられたように涙がボロボロ溢れだし、胃液が逆流しそうになる。

  「あがが……」

  頭の中が真っ白になった俺は、ただ吐き気を堪えることしか出来なかった。

  ……俺の足、こんなに臭ぇなんて。

  「どうだ。これでも臭くねぇなんて言えるのか?」

  「……」

  とても豚親父の言葉に応える気力などなかった。

  「なあ、本人が悶絶するぐれぇ臭いんだ。相方はかわいそうだろ?」

  「……」

  「でも、俺なら可愛がってやれるぜ。この足だってよ」

  そう言いながら、豚おっさんは俺の足を手に取ると、その足裏に自らの豚鼻を押し付ける。

  そして思い切り息を吸い込んだのだ。

  「すううううっ。これだ、この脳が痺れておかしくなっちまうぐれぇの臭さがたまんねえんだ」

  恍惚とした表情の豚に、俺は懇願する。

  ……頼む……もう、言わないでくれ……。

  もう、俺の心は完全にへし折られていた。

  理解していたはずの自分の体臭が本当は想像以上に尋常ではない臭さであるということと、そんな身体で剣吾との交尾を求めていたということに気づかされてしまったから。

  だが、豚親父はあろうことか、そんな俺の足に舌を這わせながら笑った。

  「いいじゃねえか。まともな奴らには死ぬほど臭ぇ悪臭かもしれねえが、わしみてえな臭いフェチには、たまらない存在なんだよ」

  じゅるじゅると生暖かい感触が、執拗に指先を動き回るのが感じられた。

  「おお、このにがしょっぱえのが最高だよな。……おめえみたいに臭ぇ奴にはついぞお目にかかったことがねえよ。何万人に一人の逸材だぜ」

  豚親父の褒め言葉はダイレクトに俺の心を傷つけるのだった。

  ☆

  「さあて、と。臭いもたっぷり堪能させてもらったからよ」

  自らの唾液でべとべとになった豚親父は顔をあげてにやりと笑う。

  「今度はおめぇにも気持ち良くなってもらわねえとな」

  そう言いながら、おっさんはごそごそと鞄を漁る。

  そして取り出したのは、ピンク色をしたローションのボトルだった。

  ローションに似つかわしくない薬のような甘ったるい匂いに俺は顔をしかめた。

  「……一緒に極楽にいっちまおうぜ」

  とろとろとろ……。

  サラダにドレッシングをぶっかけるように、大量に押し出されていくローション。

  そして、べとべとになったちんこをおっさんは執拗に揉み込みだした。

  ぬちゅっぬちゃっぐちゅっぬちょっ……。

  

  ひんやりと冷たいローションが俺の体温で少しずつ温もっていく。

  ……あ。

  それと同時に……剣吾に触られたわけでもないのに、俺の逸物は徐々に芯が入り出すのだ。

  ……なんで。

  こんなおっさんに触られたところで、興奮なんてしねえのに。

  焦る俺に向かっておっさんは笑う。

  「なんだ、ちょっといじくっただけですぐに勃っちまったなあ。そんなにわしのこと気に入ったのか?」

  「ば、馬鹿野郎! なんで俺があんたみたいなおっさんを……」

  「でも現に勃起してるじゃねえか」

  「そ、それは……」

  言葉を続けることが出来ない俺を見て、おっさんは笑う。

  「冗談だよ。そいつは媚薬入りのローションだから、誰だって勃つようになってんだ」

  「……」

  正直その言葉に俺は安堵する。

  剣吾を裏切らずにすんだ、そんな風に感じたから。

  だが……。

  笑っていたおっさんの表情に鋭さが加わった。

  まるで獲物を横取りするハイエナのように。

  「勃っちまえばこっちのもんだ。こっちは百戦錬磨だからよお。俺との交尾が忘れられねえぐらい気持ち良くして、顔見ただけで勃起しちまうぐれえ調教してやるよ」

  そう言うと、豚親父は作業着を脱ぎ捨てて全裸になる。

  でっぷりと肥えた身体に、親指ほどの小さなちんこがぴんっと天を向いている

  「そんなんで掘られたって、俺は感じねえよ!」

  俺は威嚇するように言うが、おっさんは首を振るのだ。

  「入れるのはわしじゃねえ。……おめぇの方だ」

  そう言うと、おっさんはくるんと後ろを向くと、俺に見えるようにケツを突き出した。

  そこには擦られすぎて真っ黒になった菊穴が、うねうねとうごめく様子が見て取れた。

  

  ……ごくり。

  その見たこともない卑猥さに、俺は思わず唾を飲み込む。

  まるでイソギンチャクが獲物を捕らえようとするかのように、肉のシワがぐにゃぐにゃと踊る。

  そして…。

  くばぁ。

  肉穴の入口がゆっくりと拡がる様を見せつけられた。

  「……」

  その中は、想像よりも初々しいピンクで新鮮なホルモンを思わせる生々しい肉の色をしていた。

  穴から覗き見える肉襞は、まさに湿って柔らかそうで……。

  それを見た瞬間、俺のちんこがガン勃ちしてしまうのだ。

  「……いいじゃねえか。じゃ、そのちんこをいただこうか」

  どっこらしょ、とおっさん臭い声をあげて、豚親父は俺の上に跨がった。

  向かい合う二人。

  血走った豚親父の目がこちらを睨みつけている。

  「や、やめてくれ……」

  ……俺の身体は剣吾のものなんだ。

  逃げることも抵抗も出来ず、ついに怯えたような顔をする俺を見て、豚親父はにやりと笑う。

  「心配すんな。天国へ連れていってやるからよ」

  2人分のデブの男の体重がかかり、ぎしぎしと軋んだ音を立てる便器。

  だが、そんなことかまやしないと言うように、豚おっさんはかさついた掌で俺の逸物を掴む。

  そしてケツに押し当て……ゆっくりと腰を降ろしていった。

  じゅぶ。

  じゅぶ。

  じゅぶ。

  「だ、だめ……あああああ!」

  俺はただ悲鳴を上げることしか出来なかった。

  ……き、気持ちいいっ!

  媚薬で敏感になった逸物が温かい快感に包まれていく。

  肉壁に存在する細かいヒダヒダが、柔らかく亀頭を撫で上げるのがわかった。

  まるでタピオカのような感触のそれは、生きているようにうにうにと動いて肉竿を擦りあげる。

  表面は濡れてぬめっているのに、芯は硬いのだ。

  こりこりとした感触が俺の竿の周りで踊るだけで、俺はイッてしまいそうになる。

  「あう……ああ……」

  それでも必死に堪える俺を嘲笑うように、にちゃりと汚い笑みを浮かべた豚獣人は俺の身体に抱き着きながら、ケツ穴を収縮させた。

  ぐちゅり、ぐちゅり。

  「おおおおおっ!」

  柔らかく搾り取られるような感触に俺は泣いた。

  それは、まるで魂までも吸い上げられてしまうような心地よさなのだ。

  我慢しているのに、先走りがだらだらと漏れ出しているのがわかる。

  「なんだ、えらく我慢してんだな。たいがいの奴はこれで一発種付けしてくれんのによ」

  「……」

  「初々しいちんこの癖して、遅漏なんだな」

  己の唇をなめ回しながら、豚親父は笑う。

  「お、おまえなんかに出してたまるかよ!」

  精一杯の俺の強がりは、しかし豚親父の高揚に力を貸す意味しかもたなかった。

  「へえ。顔の割にかわいいじゃねえか。相方に操立てってか?……でも、どこまで我慢できるかねえ」

  そう言うと、豚親父は俺の胸に顔を埋める。

  そして、ずずずずずと、思い切り息を吸い込んだ。

  ぎりぎりぎりぎりっ!

  途端に肉穴が強く締め付けてくる。

  「ひっ!」

  突然の衝撃に金玉からザーメンがせりあがるのを感じて、俺は唇を噛んで、必死に吐精を堪えた。

  「あー。たまんねえや、この臭い。おかしくなっちまいそうだぜ。雄子宮がキュンキュン疼いちまう」

  蕩けた顔でそんなことを言う豚おっさんは、俺の上で小刻みに腰を上下させはじめるのだ。

  ぐじゅ、ぐじゅ、ぐじゅ、ぐじゅ……。

  「ああああああああああああっ!」

  それは明らかな苦痛だった。

  出したいの出してはいけない、イキたいのにイッてはいけないのだから。

  欲望に負けて、この雄膣に子種をぶちまけられたらどんなにか気持ちいいだろう。

  そのまま気絶してしまいそうなほど気持ちいいにちがいない。

  でも……。

  俺には剣吾がいるから。

  俺はあいつとの交尾以外にザーメンを出さないって決めているんだ。

  そんなことを考えながら必死で堪える俺に、豚親父は悪魔のような囁きを聞かせる。

  「馬鹿な奴だ。そんなに我慢しなくても、ぶっ放しちまえばいいだろうが。無茶苦茶気持ちいいぞぉ」

  「……。だめだ、俺には剣吾が……」

  「ふうん、律儀なこった。でもよお……」

  豚獣人は鼻を鳴らす。

  「おめぇが考えるほど、その剣吾って奴がおめえのこと大事に思ってくれてりゃいいけどな」

  「……」

  「だっておめぇ、こんなに臭ぇんだぜ」

  豚親父はすんすんと臭いを嗅いでみせる。

  「おめぇだって自分のラグスト嗅いで悶絶してただろうが。そんな臭ぇ奴を普通の雄が好きになるなんておかしいだろ?」

  「それは……」

  「きっと何かの気の迷いでおめぇと付き合ってるだけなんじゃねえのか?」

  「……」

  「今はよくても、そのうちその臭いに堪えられなくて捨てられちまうに決まってる」

  「そ、そんな……」

  「でもよぉ」

  動揺する俺の心にするりと潜り込むように、豚親父は言う。

  「俺はそうじゃねえ。重度の臭いフェチだからよ。ずっとおめえを大事にしてやれるぜ。おめえの子種だって枯れるまで搾り取ってやる。いねえぜ、おめえみたいに臭ぇ奴にこんなこと言ってくれる親父はよ」

  「……」

  「だから剣吾なんつう相方の事は忘れて、俺と楽しもうぜ」

  ……俺には剣吾が、剣吾が……。

  だが、俺の心の声はだんだんと小さくなっていく。

  「一生かわいがってやるからよ。諦めて俺の雄子宮に濃い子種をくれよ」

  俺は、俺は……。

  ★

  「何してんだよ、雅樹のやつ……」

  俺はすでに何十回と遊びに来ている雅樹の家の前で、いらいら……いや、ムラムラしながら待っていた。

  柔道の稽古が終わってもう1時間も待っているのに、まだ愛しの虎獣人は帰ってこない。

  ……早くあの身体を押さえ付けて、アンアン泣かしながら雄汁をぶっ放してえ。

  俺は俺と同じぐらいぶっとい虎獣人の厳つい身体を思い出して股間を熱くする。

  ……あいつの肉穴、最近俺のちんこの形覚えたのか、すんなり飲み込んでくれるようになったからよ。

  そんなことを考えると、ついニマニマと笑みが浮かぶ。

  ……あいつと付き合うようになってまだ1ヶ月ぐらいしか経ってないが、毎日掘ってるから変わっちまったんだろうな。

  そんなことを口にすれば、顔を真っ赤にして怒るんだろうけど。

  そういうところも最近じゃかわいく思えてきたのだ。

  

  「最初は大嫌いだったのによぉ」

  顔見るたびに喧嘩してたってのに。

  それが今じゃ、大事な嫁みてえなもんになっちまった。

  だってよ、殴り合いじゃ互角だけど、交尾の時は俺が攻めるのがいつの間にか暗黙の了解になってるからな。

  雅樹も俺のちんぽ咥え込んで、雌みたいにイキまくるんだ。

  だから今日もいつものように部活が終わったら、雅樹の家でセックスしようと約束していたのに。

  「あいつ、そういうのすっぽかしたりするような奴じゃねえんだけどな」

  ちゃらんぽらんでアホの俺と違って、雅樹はけっこう真面目でしっかりものなのだ。

  買い替えたばかりのスマホを何度も見るが、付き合いはじめたばかりの虎獣人からは連絡は来ない。

  

  「まさか、あいつに何かあったんじゃねえだろうな」

  俺は急に不安になる。

  心配するのがあほらしくなるほどごつい身体をしている雅樹だが、ほんとはちょいと気弱で繊細なところもある奴なんだ。

  「ちょいと様子を見に行くか」

  ……確か、ラグビーの練習終わったら、少し自主トレしてから戻るって言ってたよな。

  公園、行ってみるか。

  俺はあいつがいつも自主トレをしている小さな公園に足を向けた。

  ★

  「あれ、いねえな」

  公園を見回してもゴツデブの虎獣人の姿は見えねえ。

  ……いや、ここにはいたんだろうけどよ。

  うっすらと雅樹の匂いが残っているのがわかるのだ。

  あいつは汗っかきだし、ちょい体臭きつめだから少し前にいたことは匂いを嗅げばわかるんだが……。

  「んん?」

  俺はふと、人の気配を感じて足を止める。

  そこは公衆トイレだった。

  どこにでもあるような障害者トイレ。

  ろくに掃除もされていないのだろう、こびりついた小便の匂いのするそこから、嗅ぎなれた雅樹に匂いが漂っていた。

  「なんだ、トイレかよ」

  俺は安堵して足を進めようとすると……。

  『ふうん。律儀なこった』

  見知らぬ男の声が聞こえた。

  ……入ってるのは雅樹じゃねえのか?

  足を止めた俺はトイレの扉を凝視しているが、男の言葉は止まらない。

  『おめぇが考えるほど、その剣吾って奴がおめえのこと大事に思ってくれてりゃいいけどな。だってこんなに臭ぇんだぜ。おめぇだって自分のラグスト嗅いで悶絶してただろうが。そんな臭ぇ奴を普通の雄が好きになるなんておかしいだろ?』

  『それは…』

  ポツリと聞こえた声は、最愛の虎獣人のものだった。

  「雅樹」

  俺は混乱してしまう。

  ……なんで雅樹が、俺の知らねえ男と一緒にトイレになんか入ってやがる。

  だが、俺の困惑も知らずに、男は言葉を続けていた。

  『きっと何かの気の迷いでおめぇと付き合ってるだけなんじゃねえのか?』

  『…』

  『気の迷い』、だと?

  この男、俺が気の迷いで雅樹と付き合ってると言ってんのか!

  俺の頭に血が上ってくるのがわかる。

  『今はよくても、そのうちその臭いに堪えられなくて捨てられちまうに決まってる』

  『そ、そんな…』

  『でもよお』

  まるで心の隙間につけ込むように、男は囁いた。

  『俺はそうじゃねえ。重度の臭いフェチだからよ。ずっとおめえを大事にしてやれるぜ。おめえの子種だって枯れるまで搾り取ってやる。いねえぜ、おめえみたいに臭ぇ奴にこんなこと言ってくれる親父はよ』

  『…』

  『だから剣吾なんつう相方の事は忘れて、俺と楽しもうぜ。一生かわいがってやるからよ』

  「うおおおおおおおおおおっ!!」

  俺は吠えた。

  中がどういう状態になってるかなんて、馬鹿な俺にはわからねえ。

  でもただ一つ、どっかの誰かが俺の雅樹を奪おうとしていることだけははっきりわかった。

  ……あいつは……俺のもんだ!

  「うがあああああっ!!」

  「なっ、なんだ!」

  中から男が叫ぶのを無視して、俺は障害者トイレの扉に取り付くと、取っ手を掴み、こじ開けるべき思い切り力を込めた。

  ばきっ!

  その力に耐えかねて、金属製のノブが引き抜かれてしまう。

  「くそっ!」

  俺はその隙間に拳を捩込むと、筋肉が膨れ上がるほど力を込め、扉を折り曲げようとした。

  「うおおおおっ!!」

  めきょめきょめきょめきょっ!

  聞いたことのないような音を立ててひん曲がる扉。

  「あ、あ……」

  そんな俺の目の前にいるのは、トイレに全裸で縛り付けられた雅樹と、その上にまたがる黒豚獣人の姿だった。

  怯えたような顔をしている豚親父。

  「おめぇ……俺の雅樹になにしてやがる!」

  2人が繋がってるのを見て、俺の頭にさらに血が上る。

  ……雅樹を犯したのか。

  

  「あのケツ穴は俺のもんなのに!」

  怒りで視界が真っ赤になる

  「お、おい。剣吾……」

  雅樹が何か言ってるが、耳に入ってこない。

  「や、やめ……」

  「うおおおおおおおおおおおっ!」

  俺は雄叫びとともに、そのデブ豚の身体を雅樹から引っこ抜く。

  じゅぽんっ!

  「あひっ!」

  ……ん?

  そこには俺の想像と違うシーンが繰り広げられていた。

  クソ豚のケツ穴から雅樹のいきり立った逸物が抜け、ぶるんと震えているのだ。

  ……よかった。

  犯されたわけじゃねえ。

  むしろ、雅樹が犯してたのかよ。

  ……俺の雌穴は無事だったんだ。

  安堵の気持ちでにやりと笑う俺だったが、それは凄まじい顔だったのだろう。

  「ひっ、ひいっ!」

  ただでさえぶよついた身体を少しでも縮こませようと身を固くする豚親父。

  俺はそいつを睨みつける。

  「ゆ、許して……」

  「……」

  もう言葉なんざいらねえ。

  俺は片手で豚親父の襟首を、もう片手で服を掴むと……。

  「死にやがれぇぇぇっ!!」

  試合の時もかくやという勢いで、思い切りその身体を投げ飛ばした。

  「あああああっ……んげええっ!」

  その黒い身体はドアを通り抜け、公園の砂場に直撃する。

  「……」

  そして、糸の切れた操り人形のように、意識なく倒れ伏す豚親父。

  砂場に落ちたせいで多少衝撃は吸収されたのか、死んではいないようだった。

  ……そうだ!

  俺は振り返ると、雅樹の元に駆け寄る。

  縛られたまま逸物だけをビンビンに勃たせている雅樹。

  その顔もまるで風邪でもひいたように赤らんでいた。

  「大丈夫か? 今助けてやるからな」

  俺は慌てて、紐を解きにかかるのだった。

  ★

  「なあ、気にするなって」

  1時間後。

  俺達は雅樹の家に戻っていた。

  あの後、俺は豚親父を通報しようとしたのだが、雅樹に止められてやむなく断念したのだ。

  なんでも、裸に剥かれて逆レイプされたなんてことを誰にも知られたくなかったらしい。

  あんな親父相手に勃起して、しかもケツにちんこをぶち込んだことが相当ショックだったみたいだ。

  ……なんか変な薬使われて無理やり興奮させられたんじゃしょうがねえだろうが。

  むしろそれでイカなかったってのがすげぇじゃねえか。

  俺なら腰振って何発でも出しちまうってのに。

  仕方ねえから、俺は二度と雅樹に手を出さないように、あいつの裸土下座の動画を撮影しておいた。

  免許証も一緒に映しといたから、なんかあったらケモチューブにでもアップしてやりゃいいだろう。

  

  「犯されたんじゃねえ、むしろ犯した方だろ? 男の勲章みてえなもんじゃねえか」

  「……」

  雅樹は何も答えない。

  ……くそっ。

  俺は馬鹿だから、なんて言って励ましたらいいかわからねえ。

  俺に出来るのは雅樹をあんあん泣かせて、嫌な事忘れさせてやるぐらいだ。

  「なあ、雅樹。……交尾しねえか?」

  俺は雅樹に手を伸ばして……その手がすっとすり抜けた。

  「え……」

  雅樹が俺の手を避けたのだ。

  ……なんで。

  そんなこと初めてで、俺は困惑する。

  付き合うようになって、あいつは俺から逃げるなんてことしたことないのに。

  そういえば、帰ってくる途中も雅樹はなぜかよそよそしかった。

  「……」

  嫌な考えが頭に浮かぶ。

  「……俺のこと嫌いになったのか?」

  まさか、あの豚親父の方がいいなんて……。

  「ち、違う!」

  俺の言葉に首を振る虎獣人

  「俺は……俺は剣吾の事が好きだっ!」

  必死の形相で俺を見る雅樹。

  その目は涙で潤んでいた。

  「俺の事好きなら、それでいいじゃねえか」

  「でも……」

  煮え切らない雅樹の態度に俺は向かっ腹が立ってくる。

  「でも、なんだよ!」

  「でも……俺……臭ぇから……」

  「……」

  それは見たことのない、雅樹の顔だった。

  付き合ってからも、それ以前の喧嘩相手だった頃にも見せたことのない、羞恥心に満ちた表情。

  「はあ?」

  俺は眉をひそめる。

  ……何言ってんだよ、こいつ。

  「俺……臭ぇから……剣吾に嫌な思いさせてるかもしれねえし……」

  ……こいつ、自分が臭ぇ事をいまさら気にしてやがるのかよ。

  「はは……がはははははははっ!!」

  俺は笑う。

  「何言ってんだよ。おめえは前から臭ぇじゃねえか」

  「……」

  ショックを受けたような顔で俺を見る虎獣人。

  「……」

  「いつも言ってんだろ。汗っ掻きだし、脇だって股座だってすげぇし、これぞ雄って匂いぷんぷんさせてるじゃねえか」

  俺の言葉に顔を真っ赤にして俯く雅樹。

  そんな虎獣人に俺は言う。

  「だけどよ。それがどうかしたのか?」

  「え……?」

  驚いて顔をあげる雅樹。

  「そりゃいい匂いとはいわねえけど……前に言ったろ、癖になる匂いだって。俺、その匂い嗅ぐだけで最近ビンビンになっちまうんだ。ほれ」

  ずろんとズボンをずりおろすと、先走りでぐちゃぐちゃになった逸物が、びんっと天を突いた。

  「……」

  絶句する雅樹に、俺は笑いかける。

  「大体さぁ、雅樹。おめぇは俺のもんなんだろ? じゃあ、俺がその匂いがいいって言ってんだ。別に気にする必要なんてなくないか?」

  「……」

  なぜか鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をしている雅樹。

  ……俺、なんかおかしいこと言ったか?

  それよりそんなことを気にするってことは……。

  「ひょっとしておめえ、まさか別のやつと浮気するつもりじゃ……」

  「そ、そんなことしねえよ!」

  慌てて否定する雅樹。

  「ほんじゃ、問題ねえだろ。それよりさっさと交尾しようぜ。俺待ちきれなくて、待ちきれなくて……」

  いそいそと服を脱ぐ俺を見て、急にぷっと吹き出す雅樹。

  「剣吾って馬鹿だよな」

  「な、なんでだよ!」

  自分でわかってても、人に言われたら腹が立つ。

  「俺……変な薬使われてムラムラがおさまらねえんだ。結局一発も抜いてねえし。……剣吾、俺を無茶苦茶にしてくれよ……」

  媚びたような声を出しながら、潤んだ目でこちらを見る虎獣人。

  ごくり。

  俺はつ唾を飲み込むと、そのまま黄色と黒の体に覆いかぶさり、ベッドに押し倒した。

  ★

  ぬちゅ、ぬちゅぬちゅぬちゅ……。

  俺は雅樹を押さえ付け、唇を重ねた。

  目を閉じたまま必死に俺の背中に手を回して、すがりつく虎獣人がかわいくて仕方なかった。

  ズブズブと舌を口に捩込んで、ぐちゅぐちゅと粘膜を掻き回す。

  唾液を流し込んでやると、こくこくと喉を鳴らして飲み込むのがわかった。

  ……こいつは俺の雌だ。

  そう思うだけで、漏らしてしまいそうなほど昂ってしまうのだ。

  ……もう我慢できねえ。

  俺は引きちぎる勢いで、雅樹の服に手をかける。

  「ま、待ってくれよ……」

  慌てて俺の手を掴んで、懇願する雅樹。

  「俺、ちょっと風呂に入りてえから……」

  

  ……なんだ。こいつまだ匂いのこと気にしてやがるのかよ。

  俺はなんか頭に来て、そのズボンを無理矢理ずりおろす。

  「お、おいっ」

  そこにはいまだいきり勃ったままの逸物がびくびくと震えながら主張していた。

  だが。

  ……俺の用事があるのはそっちじゃねえ。

  俺は寝技の要領でそのごつい身体をひっくり返す。

  「ああっ!」

  そこには初めて突っ込んだ時よりも少しだけ黒ずんで見える肉穴があった。

  くぱくぱと蠢いているのがわかる

  ……やっぱり、ほんとは俺のちんこが欲しいんじゃねえか。

  俺はそのデカケツに舌を這わした。

  じゅるっじゅるっ……。

  「ひいっ♡!」

  その声には甘い色が混じっていた。

  もちろんあいつの恥ずかしがる蒸れた雄の匂いがぷんぷんしてくるが、それだって俺にとっちゃ興奮剤にしかならないのだ。

  「だめっだめだ、剣吾……」

  往生際の悪ぃ奴だな。

  ……ちんこぶち込んで泣かせたら素直になるだろ。

  俺はそう考えると、自分の手に唾を吐き、それを逸物になすりつけると、勢いよくケツ穴にぶち込んだ。

  めりめりめりめりっ!

  「ひいいいいいっ♡♡!!」

  ローションも使わない一撃で肉穴をこじ開けられた雅樹は、悲鳴を上げる。

  だが、痛いばかりではないのだろう。その中には確かに気持ち良さが感じられた。

  

  「……たまんねえ」

  俺は口からこぼれたよだれを腕で拭って呟いた。

  いくら毎日掘って拡がっているとは言え、いつもと違う、潤滑剤がほとんどない挿入は無茶苦茶きつくて締め付けてくる。

  普段よりも粘膜と粘膜が絡まっている感触がすげえ気持ちいいんだ。

  「剣吾っ♡、剣吾ぉっ♡!」

  泣き叫ぶ雅樹に俺は耳打ちする。

  「好きだぞ、雅樹」

  「……」

  「おめぇの雌穴も身体も、この匂いだって。全部好きだし全部俺のもんだ」

  「……」

  「おめえは黙って、俺にアンアン泣かされてりゃいいんだ。わかったか?」

  「……うん」

  学校じゃ厳つくてクラスメートに畏れられている雅樹が、俺の言葉にガキのように素直に頷く。

  ……かわいいぜ。

  俺はその顔が見たくて、ちんこをぶちこんだまま、虎獣人の身体をひっくり返す。

  ぐじゅりっ、ぐじゅりっ、ぐじゅりっ……。

  「ひいいいっ♡!!」

  肉穴をえぐられて身体を震わせる雅樹。

  その顔は完全に雌で。

  「一緒に気持ちよくなろうな」

  俺はそう囁くと、再び腰を動かしはじめた。

  ☆

  ごじゅんっ、ぐちゅんっごじゅんっぐちゅんっ、ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ!

  「んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡!!」

  目の前の熊獣人が腰を動かすたびに、脳天まで響くような快感が俺の全身を襲った。

  「だめっ♡、だめえええっ♡♡!!」

  俺は快楽に呑まれながら、ただ泣きわめくことしか出来ない。

  ……こんなの……初めてだ。

  今まで何度も何度もセックスし続けてきたのに、ここまでの気持ち良さなんか感じたことはなかった。

  もちろん媚薬のせいもあるのだろう。

  でもそれだけじゃない。

  あの豚親父に臭ぇ臭ぇと辱められたせいで、今の俺には強烈な羞恥心がいまだに残っている。

  だが、それを当たり前のように受け止めて、俺のもんだと言ってくれる剣吾。

  だから、身体だけじゃなく心まで満たされているのだ。

  がちゅんっ!

  その雁の張ったデカマラが、俺の前立腺をえぐりぬく。

  「んあああっ♡♡!!」

  快楽の源泉を思い切り押し潰されて、俺は喘ぎ散らしてしまう。

  ごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんごちゅんがちゅんっ!

  前立腺への執拗な刺激。

  ……きたきたきたきた!

  射精とは違う、身体の奥底から湧き出すような震えに俺は飲み込まれる。

  「ああっ、イッじまうよぉぉぉっ♡♡!」

  メスイキだ。

  息も出来ないほどの快感に、俺はかっと目を見開いた。

  「がはっ♡!」

  「……メスイキしちまったか」

  がくがくと震えながら俺がケツイキしてしまったことに気づいたのか、けんごは額に汗を浮かべたまま雄臭い笑みを浮かべた。

  「まだだ。どんどんイッてもいいんだぜ」

  そう囁きかけながら、けんごは抽挿を繰り返す。

  ごちゅっ、ごりっ、がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ!!

  貪るという表現が当てはまるような、荒々しいセックス。

  俺の身体を押さえ付け、厳めしい雄の形相でひたすら俺を犯すのだ。

  がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ!!

  「ん”お”お”お”お”お”お”お”お”お”お”っ♡♡!!!」

  

  ……俺……雌にされちまってる。

  そう考えるだけで、メスイキが止まらない。

  「ああっ♡、ああっ♡、ああっ♡、ああっ♡♡!」

  何度も何度もケツだけでイキ続けてしまうのだ。

  セックスの熱気で、部屋はむっとするような暑さだった。

  汗を掻いてる俺の身体はひどい臭いをしているだろう。

  だが剣吾はその臭いを深く吸い込むのだ。

  「ああ、雅樹の匂いだ」

  そして嬉しそうに笑う。

  恥ずかしさと、受け入れられているという喜びで俺はまたイッてしまいそうになるのだ。

  「剣吾ぉ♡……」

  俺は潤んだ目で、剣吾にキスをねだる。

  再び重ねられる熊獣人のマズル。

  繋がったまま、そのぶっとい腕で抱きしめられるとぬちゅぬちゅと舌を絡ませ合うのだ。

  その間も剣吾は腰の動きを止めない。

  ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ……。

  俺の肉穴の感触を楽しむように、今度はゆっくりと小刻みにち抜き差しを繰り返すのだ。

  一度深くイッてしまったこの身体には、その刺激は軽すぎて。

  気持ちいいけどイケない。

  焦らすようにそんな強さの刺激を延々と与えられ続けた。

  「んんっ♡♡、んんん♡♡……」

  もっと激しく犯して欲しい。

  だが、重なった唇のせいで、そんな言葉を紡ぐことも出来ない。

  ただ、くぐもった嬌声を漏らすことしか出来ないのだ。

  「ん、どうしたんだ?」

  しばらくそんな俺の身体を弄んだ後、唇を離した熊獣人はそんなことを聞いてくる。

  涙目の俺は剣吾に訴えることしか出来ない。

  「一緒に……一緒にイキたい……中に出して欲しい……剣吾の子種、俺にくれよ……」

  それは剣吾にとって、あまりにも煽情的な姿だったのだろう。

  発情したケダモノのように、目が血走るのがわかった。

  「うおおおおっ!!!」

  雄熊は雄叫びをあげると、俺の身体を掴み、掘削するかのような勢いで腰を叩き付け出したのだ。

  がつんがつんがつんがつんっ、がつがつがつがつがつがつがつがつっ、ごりっ、がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ、ごりっごりっごりっごりっ、がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつっ!!!

  「ん”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ♡♡!!」

  俺は悲鳴を上げた。

  今まで焦らされていて高まっていた性感が、爆発したかのようだった。

  「おおおおおおおおおおおっ♡♡!!」

  

  命の危険を感じてしまう程に激しい打ち付けに、俺は身体を震わせる。

  もちろん、メスイキはし続けている。

  肉襞はすり潰される感触に喜びで悶え、もっともっとと肉棒にすがりつく。

  「ぐうっ!」

  呻くけんごの身体も快感で震えていた。

  ただでさえデカい逸物がより膨れ上がるのが俺には感じられた。

  そんな時……。

  ぎちり。

  「ひぎゃぁぁぁぁっ♡♡!」

  突然胸に感じる甘く鋭い刺激。

  その太くかさついた指先が、俺の乳首を捩じりあげたのだ。

  「んあああっ♡♡!!!!!」

  俺は身体をのけ反せた。

  ……すげえっ!

  毎晩剣吾に執拗に刺激され続けたせいで、俺の乳首は完全に性感帯へと変貌を遂げていた。

  淡い快感ではない。

  ちんこを触られた時のようにはっきりした快感を感じるようになっていた。

  しかも今は媚薬で感度があがっているのだ。

  それを思い切り抓られて……。

  俺は頭の中が真っ白になる。

  ケツイキとはまた違う乳首を中心とした深い絶頂。

  これが乳首イキという奴なのだ。

  「あががが♡♡……」

  だが、種付けに飢えたケダモノは、そんな俺の様子に頓着することはない。

  ひたすら俺の雌穴に逸物を捩込んで孕ますことしか見えていないのだ。

  ごりごりごりごりっ、ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅっ、ごりっごりっごりっ、ごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりっ、ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんっ、ごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりごりっ!!

  「だめだぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡!!」

  身体を反らしたせいで、その太竿がダイレクトに前立腺を撃ち抜いた。

  その体勢のせいで、殴ってくれと突き出されたかのように、亀頭の前にさらけ出されてしまったのだ。

  ばちゅんばちゅんばちゅんばちゅんっ!

  剣吾は差し出されたサンドバッグを殴りつづけるように、ひたすら前立腺をえぐり続ける。

  「しゅごいっ♡、しゅごいいいっ♡♡!」

  俺はもう何も考えられず、媚びた声をあげるだけ。

  乳首でイッて、ケツでイッて……イカされてるという幸福感で、脳イキまでしてしまうのだ。

  「あああああっ♡♡!!」

  快楽に狂う己の雌を見て、剣吾は吠えた。

  「雅樹っ、雅樹っ、大好きだぞ! おめぇは俺のもんだ。俺だけのもんだからな! くそっ、くそっ、くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

  これまでにないほど膨れ上がる剣吾の逸物。

  めり、めりめりめりめり……。

  開ききったはずの俺の雌穴が再度押し広げられて……。

  ……ああああああ。

  「「イッじまうううっ♡♡!」

  びゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるっ!

  2人がイッたのは同時だった。

  剣吾は俺の雌穴の中へ、俺は剣吾の身体へと、強かに精を打ち付けたのだ。

  「はあ、はあ……」

  力尽きたかのように俺の身体の上に倒れかかる雄熊。

  俺はその身体を力いっぱい抱きしめた。

  その汗に濡れた熱い身体が、何よりも愛おしかった。

  ……俺にはこいつしか…剣吾しかいねえんだ。

  こんなにも俺を大事に想ってくれるやつは、剣吾だけなんだ。

  「ずっと……ずっとそばにいてくれよ……」

  「ぐががががが……」

  そのままいびきを掻いて寝てしまう剣吾に、俺はそっと囁いた。