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とある旅商人の一日

  良く晴れた空。歩きやすいよう整備されている街道。

  少し歩けば様々な道具を取り扱う商人とすれ違う。…僕もまた、そのうちの一人。

  根無し草。定住しておらず常に旅を続けながら日々生きている。道具や装飾。

  簡単な武器や防具。そして衣服も取り扱って、毎日食べる事には困らない。

  「あんちゃん!薬草あるかい?」

  「ありますよ!ちょっと鮮度が落ちちゃってるから、少し値下げしますよ。」

  「お、助かるよ!丁度手持ちが少なくって!」

  豪快に笑いながら銅貨をぼくに手渡すのは戦士。平和な世の中でも、やっぱり悪いことを考える人たちはいる訳で。

  そんでもってそうなれば護る人もいる訳で。そんなこんなで世界は回る。

  薬草を手渡して、銅貨をしまっていると…

  くぅぅぅぅ。

  と、僕の腹からなんとも間抜けな音が響いた。それを丁度聞いていたのだろう。薬草をバッグにしまいながら戦士はまた笑った。

  「おいおい、飯食ってんのか?もう昼時は過ぎちまったぜ?」

  「あー…そうですね、食べたんですけどちょっと足りなくて。」

  「もし良かったら干し肉ぐらいは分けてやるぜ?薬草安くもらってるし。」

  戦士の提案はとても魅力的だ。旅すがら、干し肉をゆずってくれる、という人は中々いない。

  だけど、僕はやんわりと断ることにする。

  「いや、大丈夫。ありがとうございます。」

  「そか。じゃあ気をつけてな。」

  それ以上戦士は特に何も言わず。僕の前から去っていく。

  そう、大丈夫。むしろ干し肉を食べたら僕は。

  「お腹、空いたなぁ。」

  [newpage]

  夜が来る。夜は獣と魔物の時間。街道を歩く人の姿はとても少ない。明かりもほぼなく、月明かりだけが頼り。

  さて。

  僕は街道から少し外れると、草むらの中に荷物を置いた。

  ふぅ、と息を吐く。

  あぁ…我慢出来なくなっちゃった。お腹空いた。食べたい。食べたい。食べたい。

  月明かりは、とても明るい。満月…じゃないけど。十分。

  「こっちあぶねぇって。おーい。」

  「遅くなっちまったからな。早くかえんねぇとかあちゃんに叱られちまう。」

  声が聞こえた。

  「…ふふっ、ふふふふっ…!」

  笑い声が漏れちゃったけど。気にしない。声が。気配が、近付いてきて。

  あぁ。とっても。とっても。

  「美味ソウ…ダァ!!!」

  僕の声。獣の声。同じ声。

  アォォォォォォンッ!!!!

  全身の関節からごぎん、ごぎん、と凄まじい音が聞こえる。ちょっと痛いけど、それ以上に気持ちいい。

  全身が膨らんでいく。ぶぢん、ぶぢんっ、と筋が切れるような音が聞こえる。

  しまった。服を脱ぐの忘れてた。体が大きくなるから。こんな布切れじゃ。鎖帷子じゃ。直ぐ千切れて、弾け飛んでしまう。

  まぁ、いっか。

  切れた筋が治って。また千切れて。何度も何度も繰り返すうちに。

  膨らんだ全身。その皮膚。下から。獣毛が飛び出す。ビリビリと皮膚の破ける音と、鮮血の飛び散る音。

  それだけで気持ちいい。生まれ変わるような気持ち。毎回。毎度。いつも。

  頼りない人間の顎が、強靭なものへ変わっていく。顔の前面部が軋む。そのままマズルがせり出して。

  せり出したマズル。そこに鋭い牙が生えそろっていく。

  耳が後頭部に引っ張られるような感覚。あー、いや、違うかな。後頭部をそのまま掴まれて引っ張られてるような。

  とてもとても痛い。とてもとてもとてもとてもきもちいい。

  痛みと気持ちよさが同居する。けれど、すぐに痛みが気持ちよさに変わる。

  「こっちから狼の…ッ!?」

  ちょっと待ってよ。まだ、まだ僕。

  「ばっ…化け物ッ…!?」

  そう。今、化け物に。ウェアウルフに。…君たちを食べるものに変わってるところだからさ。

  美味しそうな臭い。真っ黒に濡れた鼻が彼らの臭いを覚える。

  腰を抜かして震える人間の雄と、我先にと逃げ出す、エルフの雄。

  引っ張られた後頭部。そこにあった耳が、大きな三角形になった。毛並みがすぐに生えて。

  全身に力があふれる。最後に尻尾がにょろり、と飛び出せば。

  「アォォォォォンッ!!!」

  僕はもう一度遠吠えをした。

  そう、僕は、ウェアウルフ。

  生まれつき…という訳じゃない。いわば獣の罹患者。

  ウェアウルフに襲われ、瀕死の重傷。そこから獣の力でなんとか生きて。その時から僕はウェアウルフになった。

  望んでなかった獣の力。でもね。慣れると、すごく、凄くね。

  じゅるじゅると唾液がこぼれてきた。お腹空いた。おいしそう。我慢できない。

  「頂キマァス…ッ!!」

  唾液まみれの言葉。マナーなんて関係ない。はしたなくたって、なんだっていいんだ。

  たんっ、と僕は地面を蹴った。全身にみなぎる力は、人間の力なんかじゃ全然敵わない。

  僕が襲ってきたこと。それを人間は認識できたかなぁ。認識できてない方が幸せかもね。

  僕はおっきな口を開くと。一気に人間の喉元に食らいついた。

  牙が難なく、人間の肉を切り裂く。甘くてしょっぱくて苦くて鉄の味がして。

  鮮血がぶしゅううううっ、って勢いよく噴き出して僕を真っ赤に汚した。あったかい。気持ちいい。

  ぞくぞくと背中が震える。

  人間はびぐんっ、と一回。おっきく痙攣するとすぐに動かなくなった。

  あぁ、おいしい。おいしい。おいしい。おいしい。おいしい。おいしい。

  肉を切り裂いて出てきた血を飲み込む。ごくごくと、喉を鳴らして。何度も肉を食い破る。

  グルルルルゥッ!!ゥゥッ!!ガゥゥゥッ!!

  僕は唸り声をあげると首元から顔を離して。一番おいしいところを食べる事にした。

  人間の身に着けていた衣服。そしてその下。腹を掻っ捌く。

  首からほとんど血が出てしまったのだろう、腹を掻っ捌いてもそんなに血は出なくて。ちょっとがっかり。

  月明かりに照らし出されるのは赤黒い内臓。動きを止めかけた、心臓。

  ここ。ここが一番おいしい。ここ以外はそんなに食べないけど。

  僕は人間の腹に顔を突っ込むと。口を広げて。心臓に食らいついた。

  血管を千切って。口いっぱい。心臓を頬張る。結構弾力があって、喰い応えがある。

  ぐぐっ、と顎に力を入れて。あぁ、くる、くる、くる、溢れ出すッ…

  ぶしゃぁっ!

  ぞくぞくぞくっ、と背筋が震える。あまいあまいあまいあまい。

  おいしい、おいしい、美味しい…!美味しくておいしくて頭おかしくなるっ…!

  なんで生まれついたウェアウルフはこの美味しさを、気持ちよさを、我慢できるんだろう。

  僕は全然、我慢できない。もう自分以外の生きとし生けるもの、全部ご飯にしか見えないよ。

  心臓を食べる。貪る。咀嚼する。何度も何度も何度も。ミンチにして、飲み込む。

  「っはぁぁっ…!!」

  尻尾がぶんぶんと揺れる。おいしかった。とってもとってもおいしかった。

  他の部分は、興味ないからそのまんま。大丈夫。明け方にはほかの獣が食べるよ。

  さて。全然足りない。さっき逃げたエルフ。あれも食べよう。

  あれの逃げる先は多分集落だから、そこも全部食べよう。

  僕は鼻を動かすとエルフの臭いのする方へ走り出す。

  四つ足で走れば、あっという間に追いつくんだ。熟練の兵士が撃った矢よりもずっと速く走れるよ。

  エルフの男は、集落についていたみたい。ちょうどいい。これは幸運だ。

  だって。目の前にご飯がいっぱい出てきた。

  「かかれっ!」

  恐怖におびえた声。でも、僕に襲い掛かってくる。そうだよね。そうしないとみぃんな、食べられちゃう。

  抵抗して?いっぱい暴れて?いっぱいおびえて?

  ガゥゥゥゥゥッ!!

  そのぶん、ごはん、美味しくなるからさぁ♪

  ドワーフの斧が僕を断ち切ろうと空を切る。僕はそれをわざと食らった。

  肩が切り裂かれて、僕の血が噴き出す。痛いなぁ。流石に斧は痛い。

  「この化け物めっ!このままっ…?!」

  斧を動かそうとしてる?無駄無駄。僕の筋肉が受け止めて、逃がさないよ。

  そのまま僕は斧を持ち上げると。ドワーフの体を宙ぶらりんにさせる。そんでもって。

  えい。

  僕はもう片方の手でドワーフの腹を穿った。

  そうそう。ドワーフはとっても肉が詰まってて、貫くのは人間やエルフよりもずっとずっと気持ちいいんだよね。

  「がふっ、がは…?…ぁぁぁあ!?!?!ぐぎゃぁぁぁっ!?」

  一瞬浮かべた間抜けな顔、最高だったよ。うんうん、痛すぎると訳が分かんなくなるんだよね。

  貫いた僕の腕は一瞬で血まみれ。ドワーフの腹に空いた穴からいっぱい血が噴き出して。シャワーみたいで気持ちいいなぁ。

  美味しいシャワーなんて、ウェアウルフにならないと分からなかったよ。

  視線を下ろすと、他のご飯は、怯えてるみたいだった。でも僕に襲い掛かってきた。

  いい、すごくいい。もっともっと。

  「喰ワセロッ…!」

  僕はその場で片足を振り上げるとそのまま水平に回転した。

  脚力だって、当然。最初にぶつかったオークの腹が千切れ飛んだ。上半身と下半身がお別れするのに気が付くと。

  「がああがぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぅだっぁぁぁっ!!?!?!?」

  次にぶつかったのはドワーフ。ちょうど頭があったみたいで。

  自分の頭がなくなったことに気が付いてないのかな?僕に剣を突き立てると。大量の血液を首から噴出させて。

  おろおろ動いたと思ったら、そのまま倒れ込む。

  その調子で、次の人間。エルフ。全員蹴り飛ばして。あぁ、ほとんどみんな、腹が千切れ飛んじゃった。

  僕の周りはあっという間に臓物まみれ。

  まぁ臓物は個人的にあまり好きじゃないからちょうどいい。

  「がふっ、ぐふぁっ…あぐっ、ぐぅぅっ…」

  あ、ごめんごめん、痛いかな。痛いよね、だって体が半分無くなっちゃってるんだもん。

  僕はふぅっ、と血生臭い息をそれに吹きかけて。瞳から色が失いかかってて。

  ばぐんっ、と勢いよく。食べた。心臓。おいしい。

  首元食いちぎって、滴る血を飲み干して。おいしい。おいしい。おいしい。

  気が付けば。あれ、全部ご飯になっちゃった。もう少し遊んでたかったなぁ。

  だけど、しょうがないね。人はとっても弱くて。脆い。

  がつがつと心臓を中心に食い漁る。口の周りが、体中が、血で汚れちゃってるけど、誰も咎めない。

  ぐしゃぐしゃと血を貪って、心臓を食べて。カラスが周囲に集まってきた。

  美味しいよ。残りの臓物はどうぞ。

  げぷ、とお腹がいっぱいになった僕は、そこを後にする。カラスたちの嬉しそうな声。

  ぎゃあぎゃあという声。ぶちぶちと肉をついばむ音。あっという間に骨だけになっちゃうね。

  [newpage]

  さて、お腹が一杯になると、ちょっと眠くなる。眠くなって、体が熱くて、ぼんやりしてくる。

  そしたらそしたら。お楽しみ。

  ぐぅ、ぐぅ、と唸りながら。僕はのそりのそりと森を歩く。こうして歩いていれば、必ずいつか、巡り合う。

  「なんだ、この臭い…」

  あぁ、腰の奥が熱い。股間が熱いなぁ。こういう声を聞くと、スイッチが入っちゃう。

  興奮する。とってもとっても興奮する。食欲の次は、性欲だ。

  ウェアウルフになって、自分がいかに欲望を抑えていたのか、とってもよくわかる。

  よく我慢してたねって。言いたいぐらい。

  食べる。眠る。犯す。欲求は収まらない。さて。

  僕はあえてゆっくりと。たんっ、と地面をけって宙に浮くと、声の主の前に降り立った。

  ぐぅぅぅ、と唸り声をあげて。血生臭い息を吐き出す。そうすればね。

  「ひっ…!?人狼ッ…!?」

  そうだよ。今から君を、玩具にする存在。大丈夫。命は助けてあげる。命だけはね。

  僕はこれから始める遊びにぞくぞくと背筋を震わせて、頬を吊り上げる。

  どんな風に君には見えるんだろうね。きっとさぞや恐ろしいと思うよ。だって。

  血塗れの人狼が、ウェアウルフが。とっても愉しそうに笑って。普段は毛並みでつるん、としてる股間から。

  雄の象徴をむくむくと起き上がらせているんだもの。

  雄を蹂躙するのは、雌を蹂躙するよりも遥かに気持ちいい。雌は大して気持ちよくなかった。食べると美味しいけど。

  僕は目の前の獲物を、人間の雄を。壊さないように。ゆっくりと近付く。

  あくまで僕にとってのゆっくりで。雄にはすさまじい速度で迫ってきたように見えるだろう。

  「ひぃっ!?」

  雄がワンテンポ遅れて振り向き。もう遅いよ。君は僕のモノ。

  振り向いた雄をそのまま押し倒す。地面にごがんっ、と叩きつけて。あぁ、しまった。壊れないようにしないといけないのに。

  大丈夫かな?

  …うん、大丈夫。涙を零して、恐怖から全身を震わせて。

  良い臭い。雄の熟成した臭い。旅をしてたのかな?仲間は居なさそう。

  僕は血まみれの手を雄の首元に押し当てる。爪をぎらり、と輝かせて。皮膚が破れないように宛がう。

  「叫ブナ。叫ンダラ殺ス。暴レタラ殺ス。啼ケ。存分ニ啼ケ。」

  「ひっ…!?」

  自分でもびっくりするぐらい野太くて禍々しい声。雄はそれきり、ただただ恐怖にがくがくぶるぶると全身を震わせるだけになった。

  よし、じゃあ始めよう。僕は雄の首筋にマズルを這わせる。にちょり、と血が滴り落ちる。

  かぷ、と甘く噛んで。雄の身に着けている衣服を爪で切り裂いていく。びりびりとあっという間に衣服は布切れに変わった。

  強い雄の臭いがつんと鼻を突く。あぁ、いい。凄くいい。

  旅をしている中で、恐らく鍛えられたのだろう、無駄のない筋肉。人間としては相当力が強い方だろう。

  あぁ…美味しそう。舌なめずり。舌が雄の首筋に触れると、汗と雄の味が口いっぱいに広がって…

  唾液がじゅるじゅる出てきちゃう。

  上半身を雄に乗せて、下半身は浮かせる。獣の交尾。この姿勢が一番ヤりやすい。

  雄の両手を押さえつけ、尻の谷間に自分のモノを押し付ける。人のモノと比べてすらっとしてて、挿入しやすい。

  そんでもって竿の下。体の方。瘤が出てる。これが挿入る瞬間。たまらない。想像したらそれだけで気持ちよくなっちゃう。

  雄の両脚を外側から足で押さえつける。これでもう、動けないね。

  いっぱいいっぱい。

  「愉シマセロッ…!」

  雄の肛門に、モノを宛がって。そのままずぶずぶと挿入していく。

  こっちを使った交尾をあまりしたことが無いのだろう、ぎちぎちと音がするぐらいきつい。でもそこを無理矢理拡げていくのって、凄く気持ちいい。

  僕のモノは相当硬い。抵抗なんて無意味。むしろそれだけ締め付けられると気持ちよくて気持ちよくて。

  はぁっ、と息が漏れ出た。雄の方はというと。

  「ぎっ、ぎぃっ…!?ぃ”ぃ”ぁ”っ…!」

  声を出さないよう、必死に歯を食いしばる音。それでも漏れ出る悲鳴。あぁ、いい。とってもとっても気持ちいい。

  唾液を飲み込むことも忘れちゃう。全部この気持ちよさに回しちゃおう。

  だらだらだらと唾液が一杯溢れて。血の臭いと僕の臭いをたっぷりと体にしみ込ませる。

  すらりとしたモノは確実に雄の孔を拡げて、ずぶずぶと蹂躙していく。締め付ける孔の入り口。

  その奥にあるのはちょっと柔らかでぐにゅぐにゅと蠢く腸壁。あったかい。僕のモノが入ったことに反応して、活発に動き始める。

  この排泄しようと必死にもがいている腸壁が、本当に気持ちいい。竿全体を包み込んで絞り上げるみたいで。

  ぞくぞくと腰の奥から快楽が走る。もっともっと。僕は無理矢理。閉じているであろう腸壁を更に拡げていく。まだ挿入るよね。

  まだ僕のモノは、半分も入ってないよ?

  「ぎっ、がっ、ぁ”っ、ぐっ…ごっ…ぉ”っ…」

  苦しそう。地面に突き立てた爪がぱきっ、って割れる音。それに反して、僕はどんどん気持ちよくなってくる。

  竿が更に進んでいくと、モノ全体を気持ちよく包み込んで。きゅっ、きゅっ、と締め付けて、絞ってきて。

  あ、もうちょっと。もうちょっとで全部挿入るよ。

  「フゥゥゥッ!!!」

  ずごんっ!

  我慢できなくて、僕は一気に腰を押し付けた。雄の腰ががんっ、と浮いて。

  「がっ…ぁ”っ…」

  雄は口から泡を吹いて。白眼を剥いた。気絶しちゃったかな?…あぁ、いや、してないね。大丈夫。

  すんでのところで意識を保ってる、みたい。びくっ、びくっ、と反射みたいに痙攣してる。

  良かったね。これで気絶してたら食べちゃってたよ。

  啼いてくれなきゃ、気持ちよさ半減だもの。

  「ゥゥゥゥッ!!!」

  全身の毛並みを逆立てて。吼えて。唸って。僕は腰を引いた。ずろろろ、と竿に腸壁が絡みついて、出ていこうとするのを妨げる。

  排泄したくて仕方ないのに、妨げられて。引っ張られてるのに、押し出される、不思議な感触。

  半分ほど抜き取ると、腸壁がちょっと外に出てきちゃって。腸液塗れの自分のモノが見えて。結合部、見せてあげたいなぁ。

  この体勢だと見えないんだよね。まぁ、いっか。

  そのままずぬずぬともう一回奥までねじ込んでいく。今度はさっきより簡単に入っていく。

  っていってももちろん、全然抵抗が無いわけじゃない。きつい締め付けで僕のモノを、竿を扱いて。

  少し腰を上げると。

  「ぎっ、がっ…!」

  ごりごりと音がした。この雄もあるね。このごりごりする部分。抉ってあげるとほとんどの雄は何かしらリアクションを見せてくれて楽しい。

  ごりごりごりごり、と突き上げながら、竿を挿入して。

  もう一回モノを抜いて…もう一回挿入れて。それを繰り返し繰り返し。

  じゅぼっ、じゅぼっ、と粘液質な音。腸液が泡立って。体を守るため分泌されて。

  僕の腰の動きに合わせて、雄が声を上げる。孔を拡げられる痛み。ウェアウルフに犯されるという恐怖。

  それらから、壊れてしまったのだろうか。じゃあもう手を離してもいいかな。

  離してみて…うん、大丈夫。雄は全然、暴れようとしない。

  片手を雄の顔に持っていく。口に指をねじ込んでみると。ぺろぺろと舐めてきて。しゃぶってきた。

  指しゃぶられるの、結構気持ちいい。肉球までちゃんと舐めて欲しいな。ぐりぐりと肉球を押し付けると、雄は僕の思った通り、肉球まで舐めてくれる。

  くすぐったくて、気持ちいい。

  腰の動きを速める。その間も雄の口を指で弄り回して、頬を吊り上げさせる。そうすると、僕の腰の動きに合わせてあげる苦痛と恐怖の声が、徐々に変わっていく。

  気持ちよさそうに、壊れてしまったように。行き過ぎた恐怖を前にすると、人はこうして逃避する。気持ちいいっていう感情に支配され、受け入れ、全てを忘れる。この瞬間が、僕は好きだ。

  完全に屈服させて。自分から腰を振ったり。甘えるみたいに声を上げたり。野太いのに甘い声。

  そして腸や孔が締まりを強くしたり、緩めたり、緩急をつけてくる。そう、孔に受け入れた雄に奉仕するみたいに。

  体を押し付け、雄をぺしゃんこにしそうになる。なっちゃったらごめんね。そう思いながら。僕は上半身をすべて雄に乗せる。

  片手で口を弄り、もう片方の手で頭を撫でて、頭から首筋を通り、胸を揉みしだく。

  適度な弾力。適度についた脂肪が僕の指を心地よく受け止めて。爪を立てて、軽く傷つけても。

  「ぉ”っ…ぁ”っ、ぁ”っ、ぁ”っ…♥」

  気持ちよさそうにぞくぞく震えて。僕の指の横を通って雄は舌をはみ出させた。気持ちいい?よかった。

  僕もとっても気持ちいい。絡みつく腸壁の襞が、僕の竿を扱き上げる。さっきまで凄い抵抗感だったけど、今は適度に受け入れて。

  腰の奥が熱い。そろそろ、限界かも。

  雄同士だから孕まないけど…孕めばいいのにな。いや、そういうのを超えて、孕んでほしい。

  種付けするんだから、孕ませたい。僕はぐぅぅぅっ、と唸り声をあげ、腰の動きを強くする。

  ぞくぞくと背中に気持ちよさが走る。睾丸が膨れて、跳ねて、雄の尻を叩く。いつの間にか腸液は大量に零れて泡立って。

  強い臭いを放っていた。くる。来る。くる。

  ォォォォォンッ!!!

  その予感に僕は遠吠えをする。我慢なんて、しない。腰を叩きつけて。

  …びゅうううっ!ぼびゅぅっ、びゅぐぅびゅびゅぅっ♥♥びゅっ、びゅっ、びゅうぅっ♥♥

  「ぉ”ぉ”っ…♥♥お”ぉ”ぉ”っ♥♥んぉ”ぉ”っ♥♥」

  僕が一杯種を注ぎ込むと、雄は夢中で声を上げた。あぁ、気持ちいい。射精の解放感。

  そして腹の中に満ちていく種の感触。一杯になると僕の竿に触れて撫でまわすみたいで、もっと気持ちよくなる。

  射精の量も時間も。人だったときは一瞬で終わったのに、今は全然。注いでも注いでも、終わらない。

  雄の下腹部をぽっこりと膨らませても、まだ射精てくるよ。

  …この雄は、とっても丈夫。とっても気持ちよさそう。だから。

  「ぉ”っ…?」

  ごりごりごりっ。僕の竿の根元から聞こえる聞こえちゃいけない音。肉が動いて。

  根元の瘤が。せり上がる。雄は疑問の声を出して。そして。気が付いた。

  「ぎっ、いっ、いぎっ…!」

  大丈夫。すぅぐ。気持ちよくなるよ。僕は振り向く雄に笑いかける。

  あぁ、どんな顔で笑ってるかな。瞳に映る僕は。とってもとっても愉しそう。嬉しそう。

  ごぎゅっ、ごぎゅぅっ、ごぎゅっごりっ!

  「ぉ”っ…♥♥」

  あぁぁぁぁ…うっとりしちゃう。瘤が入る瞬間。雄の顔が完全に崩れきる時。結合が深くなって、気持ちよさが恍惚に変わる。

  深くて、重くて、甘くて。尻尾がゆらゆらと揺れちゃう。

  逃げようとしても、もう抜けないよ。まぁ、もう抜けようっていう気持ちもないだろうけどね。

  ほら。

  「ぉ”っ…♥♥ぉ”っ…♥♥ぁ”っ♥ぁ”っ♥♥」

  もう僕のモノに夢中。

  良い子良い子。頭撫でて。気持ちいいね。とってもとっても。

  どんどんお腹、膨らんでるね。ほんとに孕めばいいのになぁ。

  たっぷり雄を愛してあげて。朝が来る。僕はいつもの人の姿になった。

  血塗れの集落に戻ってみると、屍肉の臭い。もう残骸しか残ってない。僕はその横を通り抜ける。

  うぅ、ウェアウルフから戻るとこの人の肉体は弱くて困る。

  全裸で外を歩くのは恥ずかしい。どうせ生きてる人は誰もいないんだけど。

  あ、あの雄ならまだ気絶してた。それもそうだよね。お腹ぱんぱんに膨らんでたもの。

  暫くは起きれないし、起きても現実を受け入れるのに時間がかかると思う。

  ウェアウルフの遺伝子はよく出来てるもので。罹患したウェアウルフが人をウェアウルフにする事は出来ないみたい。

  まぁそれもそうだよね。だってあんなに気持ちよくて我慢できない事。どんどん広まったら、世界からご飯が無くなっちゃう。

  適当な家に入って。タンスを漁る。泥棒?だってここにはもう誰もいないじゃない。だからいいの。

  丁度いいサイズの服。早速身に着けて…ついでに他の道具を漁る。

  パンとか、保存してある野菜。薬草。装飾品。これで立派に商人できるね。

  新しく手に入れた衣服やカバン。全部持って、集落を後にする。

  ごちそうさまでした。

  [newpage]

  良く晴れた空。歩きやすいよう整備されている街道。

  少し歩けば様々な道具を取り扱う商人とすれ違う。…僕もまた、そのうちの一人。

  根無し草。定住しておらず常に旅を続けながら日々生きている。道具や装飾。

  簡単な武器や防具。そして衣服も取り扱って、毎日食べる事には困らない。

  「あんちゃん、パンとかあるかい?」

  「ありますよ。ちょっと前のでパサついちゃってますけど。」

  「そういう事は言わなくていいと思うよ、でもそういう姿勢は気に入った。パンと薬草くれ。」

  「毎度あり。」

  布で出来た袋に詰めて、銅貨をもらって。

  「そうだ、あんちゃん知ってるか?最近この近くの集落が獣かなんかに襲われたって話。」

  「はい、話には聞きました。怖いですね。」

  「だなぁ、あんちゃんも気を付けてな。」

  「そうします、ありがとうございます。」

  僕は何事もなかったように笑顔を返して、袋を渡した。

  今君が持って行ったもの。それはその獣が襲った集落の物だよ。

  それに気が付いた人は、今まで一人もいない。そして、いつかこの話も消えていく。

  あぁ、たまらない。他人事であれば、噂話で終わる。本当に気にしているのなら。心配しているのなら。対策を立てるのなら。

  こんな被害、もう出ないのにね。

  人の不幸は蜜の味。人の不幸を嘆くふり。心の底ではどう考えているの。

  飽きたらそのままポイと捨て。忘れて別の不幸話へ。

  秘密を持って生きるのが、こんなにスリリングで。楽しいなんて。

  もっと、もっと食べたい。美味しく食べたい。楽しく生きたい。

  愚かで脆くて弱くて。どこまでも残酷で。残虐。

  僕は人が大好きです。

  「次は、どんなご飯かなぁ。」

  街道を歩く僕の姿は、きっと、誰の目にも映っていない。誰も覚えてない。

  そんなこんなで。世界は今日も回る。

  「ねぇ、君。君は、美味シイ?」

  とある旅商人(狼)の(凄惨な)一日。

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