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「ででーん! てってろれー!」
「冒頭そうそう騒がしいね、この子は」
開始そうそう、テンションの高いみやちゃんに対してぼやくここちゃん。
「今日は皆集まってくれてありがとね☆ あのね、もう知ってる人も居ると思うけど新しい仲間が増えたんだ☆」
「魔法猫少女に成り立てのルミカです……よ、宜しくお願いしますね」
ルミカちゃんは皆の前で緊張しながら、少し恥ずかしそうに挨拶をしました。
「あとついでに、こっちはいつの間にか増えてた海風コンビだよ☆」
「いつの間にかって……」
「雑紹介にも程があるのら……」
「と、言う訳で仲良くやって行こーね☆ あ、ちなみににこちゃんは今、機密機関に連行されてて居ないけど気にしないでね☆」
「にこちゃん、またにゃにかやったのかにゃ?」
と、連行して行ったのに覚えていない人がぼやいてます。
「今日はルミカちゃんのお祝い回だからね!」
「みお、たっくさんケーキとオムライス作ったんだ。ルミカちゃんの為にね」
「マジで!? めっちゃいいじゃん!」
「あ、それとルミカちゃんはねー! 人間態は男の子だから! そこの所宜しくね☆」
「え、みやちゃん、皆にバラしちゃうの!?」
突然バラされてしまったルミカちゃんは、とても動揺を隠せません。
「え、嘘、ルミカちゃんって……男、なの?」
「み、みおちゃん……」
みおちゃんが感情を無くしたかのような目で、ルミカちゃんの方を見つめています。
「いや、違くてね……いや、違わなくはないんだけどさ……あー、もう何で私は男なのー!?」
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『にゃあにゃあにゃにゃにゃあ……!』
『カチッ』
「……夢だった。と言うかこれ、猫少女の姿のまま寝落ちしてた」
猫少女の描き掛けイラストが沢山のテーブル。
普段のデジタル化作業で使うタブレットは、電源が自動で落ちていつの間にかスリープモードになってます。
ルミカちゃんは猫少女のイラストを描いている途中、寝落ちしてしまったようですね。
魔法猫少女になったばかりのルミカちゃん。
どうやら皆に元の正体は男、とバラされたのは夢だったようです。
「今日は休みなんだね。せっかくだし、私もこの姿のまま外に出てみようかな。何だかみおちゃんに会えそうな気がするもの」
ルミカちゃんは無意識に鏡を見て、無意識に寝落ちで少し乱れた頭の装飾を直し……。
無意識にスカート裾をパパッと綺麗にして。
「はっ!? これが女子力ってやつ!? やべえ!」
無意識で身嗜みを整えてしまった事に、女子力の凄さを垣間見たのでした。
[newpage]
「ルミカちゃん、おはよ! また会えたね」
「みおちゃん!」
外へ出てすぐの事。早速ルミカちゃんはみおちゃんに会えました。
「こんなすぐに、またみおちゃんに会えるなんてビックリだよ」
「何かね、みやちゃんが言ってたんだ。魔法猫少女は魔力エネルギーで引かれ合って、遭遇しやすくなるらしいよ」
「へー、そうなんだ?」
「いざ何かあった時、合流しやすい方が確かに都合良いものね」
(と言う事は……魔法猫少女になった今、私はみおちゃんに会えやすい!? めっちゃ最高じゃん!)
「ルミカちゃん? 大丈夫?」
「あ、うん。大丈夫だよ」
みおちゃんと出会ってハイテンションのルミカちゃん。
と、その時他の猫少女が通り掛かりました。
「あれ、ここちゃんだ。おはよう」
「おはよーみおちゃん。と、ルミカちゃんだったかな」
(やべえ! 本物のここちゃんだー!?)
ルミカちゃんはここちゃんの能力にも気付かず、色々とテンションが上がってしまいます。
「ここちゃんは何処かへお出掛け?」
「うん、今日は百合の真実の新刊発売日なんだ。だからちょっと本屋さんまでね」
(そういえばここちゃん、ここねちゃんとゆりゆりだったっけ!?)
「そうなんだ。でもあれって確か、ここねちゃんが出してた本だったような……」
「そうだよ。ここねちゃんの支援も兼ねて、直接買いに行くの。ここねちゃん、言ってくれれば上げるのにーとも言ってたけどさ」
(猫少女って女の子しか居ないんだっけ? じゃあゆりゆりが当たり前の世界じゃん! やべえ! めっちゃやべえ!?)
「ルミカちゃん? 何だかさっきから顔が赤いけど大丈夫?」
みおちゃんが少し心配そうに声を掛けるも、ルミカちゃんはテンションが上がりすぎていて聞こえていません。
「ルミカちゃん、男だったけど猫少女になって良かったーこれでゆりゆり出来るし最高じゃん、って思ってるみたいよ」
「え、ルミカちゃんって本当は男の子だったの?」
「え!?」
みおちゃんから発せられたその一言を聞いて、ルミカちゃんは我に返りました。
「あ、ごめん……読んじゃった心をそのまま声に出しちゃった……」
「いや、違くてね……いや、違わなくはないんだけどさ……あー、もう何で私は男なのー!?」
ルミカちゃんは夢と何だかデジャヴと思いながら、みおちゃんに男バレしてしまった事で動揺を隠せません。
(ドン引きされる、きっとみおちゃんにドン引きされて嫌われる……男が猫少女だなんて)
「いいじゃん。ねー? ここちゃん」
「うん」
「へ? 気持ち悪く……ないの?」
「お兄ちゃんやにこちゃんも似たようなものだし、それに元がどうこうで判断しないよ? みおは」
(みおちゃん……マジ天使!)
「マジ天使だって。みおちゃん、良かったねー」
ここちゃんはまたまた心の声を出してしまいました。
「わー! 恥ずかしいからやめてー!」
「ごめーん、ついうっかり……じゃあここ、本屋さんへ向かうね」
ここちゃんは本当にうっかり、だったのでしょうか……?
「うん、ばいばい」
「ばいばい……」
少しホッとしつつも、何だか気疲れした様子のルミカちゃん。
「ルミカちゃん、みおの事を天使と思ってくれてるの?」
「え、いや、違くて」
「違うの?」
「……違わなくないです。みおちゃんはそう思っちゃうくらい、ステキな子と言う意味で」
「そっか、嬉しいな♪」
『ズッキューン!』
「何だか今、凄い音がしたね?」
ルミカちゃんは見事にみおちゃんにズッキューンされてしまいました。
「そういえばたまちゃんは居ないんだね? 珍しいね」
「お兄ちゃんね、お酒の飲み過ぎで二日酔いみたいで……今日は家で酔い潰れちゃっててね」
「そ、そうなんだ……噂には聞いてたけど、お酒好きなんだ」
「だから今日はね、みおが一人でパトロールなの。あのね、ルミカちゃんも良ければ一緒に行かない?」
「マジで!? めっちゃ最高じゃん!」
こうしてルミカちゃんは、みおちゃんと一緒にパトロールへ出ます。
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「平和だね」
「うん、何も起こらないね……」
「正直、パトロールと言っても割りと平和な町だから。パトロールもどきって感じなんだよね」
「じゃあ魔法猫少女達は、何の為にパトロールをしているの?」
「一時期はみやちゃんが遊び感覚で暴れてた時期もあって。それで一応……ね?」
「そういえばみやちゃんに関する纏めで、そんな話を見た覚えがあるよ。嘗ては善と悪で戦っていただとか」
「そんな時期もあったような……でもいつからか和解して、今ではすっかり打ち解けているんだよね」
これが平和を望む猫少女達の本来のあるべき姿、なのでしょうか。
「ところでさ、ルミカちゃんの誕生日って10月4日だよね? 変身した昨日が誕生日、って事だったよね?」
「うん、そうだよ」
「みお、迷惑でなければお祝いしたいな。せっかく今日会えたんだもの。ルミカちゃんはどうかな?」
「マジで!? それ、めっちゃ嬉しい!」
「ルミカちゃん、結構分かりやすいんだね」
「あ、何かごめんなさい……」
「いいよいいよ。喜んでもらえた方が、みおも嬉しいから」
『ズッキューン!』
(うん、やっぱりルミカちゃんって分かりやすいよね……あはは)
話は纏まり、ルミカちゃんはみおちゃんちへ行く事になりました。
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「ここがみおちゃんち……今まで何気無く通ってた道にあっただなんて」
「そんなものだよ。それとも今までは魔法猫少女ではなかったから、通り掛かっても特に気に留まらなかったのかもね?」
ルミカちゃんも、まさか普段の通り道にみおちゃんちがあるだなんて思いませんでした。
魔法猫少女のファンアートを描いているからこそ、憧れの存在が割りと近くに居た事にビックリです。
「お兄ちゃん、二階のお部屋で潰れてるから。今日はリビングと台所でごめんね」
「全然構わないよ。むしろ私、本当にいいのかな……みおちゃんちに招待なんてしてもらっちゃって」
「だって同じ魔法猫少女だよね、仲間だもの」
「そっか、仲間だから……だよね」
ルミカちゃんは理由を聞いて、少し下を向きましたが……。
「それとルミカちゃん、凄く優しいから」
「え、私が優しい? 優しそう……じゃなくて、優しい? 私、会って間もないのに?」
「うん、雰囲気や目を見れば分かるよ。みお、人を見る目はあるんだからね。だからなのかな、みやちゃんがスカウトしたのも」
「そう、なのかな?」
「うん。きっと、みお達にとって必要な存在なのだろうと思う。魔法猫少女の中で、欠けている部分を埋められるような存在かもね?」
ルミカちゃんは優しいと聞かされて嬉しくなりましたが、自分がそれ程必要な存在なのかいまいち実感が湧きません。
「私、魔法猫少女になったはっきりとした理由、何かしらあるのかな?」
「あると思うよ。今すぐには分からないかもしれないけどね。人生経験と同じで、少しずつ見つかるものだと思うの」
「うん、そうだよね。今はとりあえず、気楽に猫少女やっていればいいのかな」
ルミカちゃんは自分の中で結論を出しました。
「じゃあケーキ作るから、待っててね」
「ありがとう。私の為に」
「お祝いだからね、ルミカちゃんの誕生日。みおがそうしたいんだもの」
(めっちゃ嬉しい……!)
みおちゃんは台所に立つと、早速ケーキを作り始めます。
リビングで待っているルミカちゃんからは、少し遠くにみおちゃんの様子が見えました。
「おいしくなーれ! らぶにゃんにゃん♪ にゃん☆」
(ここちゃんねるで観たやつだー! うおおおお本物だー! しかもにゃんが1回分増えてるー!?)
「……み、見た?」
どうやらみおちゃん、いつもの料理の癖で無意識にやらかしたようです……。
「顔、赤いね……」
「みお、恥ずかしい……」
「大丈夫、可愛いから……だから大丈夫だから……」
「うん、ありがと……」
ルミカちゃんまでも、釣られて顔が赤くなってしまいます。
その後みおちゃんは気を取り直して、ケーキ作りを続けました。
[newpage]
「ルミカちゃん、お待たせしちゃったね。ケーキ出来たよ」
「わお!? 凄い!?」
みおちゃんが作り上げたケーキを見ると、表面にルミカちゃんの顔が描かれていました。
そしてルミカちゃんの形をしたチョコレートが乗っています。
「やべえ! みおちゃんめっちゃ女子力高え!」
「そ、それ程でも……あるかな」
「あるある! めっちゃ凄いよ! こんなの食べられるなんて私幸せだよ!」
「そんなに嬉しいの? たかがケーキだよ?」
「だって私の為に愛情込めて作ってくれたんだよね? 嬉しいに決まってるよ!」
「ルミカちゃん、凄くハイテンションだね」
「はっ! ご、ごめ……ついつい嬉しさで興奮しちゃって」
みおちゃんはクスクスと笑っています。
「じゃあ食べよー。余った分は他の子達にもお裾分けするから、食べられる範囲で食べてね」
「ありがとう。いただきます」
二人して仲良くケーキを食べようとしました。が……。
「……何だかこれ、ルミカちゃんの顔を切っちゃうみたいだね」
「言われてみると……で、でも食べないと意味ないものね。いいよ、思い切り切っちゃって」
「食べづらくしちゃったかな、ごめんね。えいっ!」
みおちゃんはナイフを入れて、豪快にケーキを切り分けます。
「美味しいー。何だかシュールストレミングが欲しくなるね」
「シュールストレミング?」
「うん。ルミカちゃんも食べてみる?」
[newpage]
数時間後、二階で酔い潰れていたたまちゃんは……。
「うー、めっちゃ臭いにゃ~……ぐるじぃにゃあ……」
みおちゃんの「バイオテロ」により、暫くの間苦しむ事になるのでした……。
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