狐が日向でまどろんでいると、つい眠りに落ちてしまいました。
夕方になりようやくぼんやりと目を覚ますと、なんだが温かい何かに包まれています。
狼です。
狼に抱きしめられています。
「……、
「こゃああああああああああああああん!?」
狐は勿論、びっくり仰天。
「がぅがぅお~ん?」
狼は狐の悲鳴に目を覚まし、そういうと寝ぼけたまま狐を毛繕いしはじめます。
十数秒程、ぺろぺろしたところで、
「きつねさんだお~ん!!!」
「こゃあああああああああああああん!?」
十数秒ほどしたところで、狼が突然歓声を上げたもので、狐は毛を逆立て恐怖します。
狼はというと尻尾をぶんぶんさせて、喜んでいます。
狼は狐の耳にマズルを突っ込んでぺろぺろしたり、
狐のマズルを自らのマズルでかぷりと甘く咥えて愛情表現をしたりと、
狼の行動が思っていたものと違っていたもので狐は困惑しています。
「え、ボクを食べないんですかい?」
「オイラの伯父さんが狐だけは敵に回すなと言ってたお~ん。」
狐は凄いんだお~ん、憧れお~ん。」
狼の意味不明な言い分に狐はもちろん困惑します。
「あ、そうだお~ん!、ごはん食べお~ん?」
鹿の肉狩って洞窟に蓄えてるんだお~ん。」
「あ、でもお腹空いてな(その時、お腹の音が鳴ります。)」
……こゃ~ん。」
狐はこの後狼の棲む洞窟で夕食を摂りました。
「今日はありがとうございやした。」
「がぅがぅお~ん、逃がさないお~ん。」
「えっ、ちょ。」
狐は狼に組み敷かれます。
「狐さんはオイラが守るお~ん、だから狐さんも一緒にここで棲むお~ん」
「……。
「ボクは沢山の狼を騙してきた狐ですぜ?」
「知ってるお~ん。
「伯父さんの友達がきつねさんを裏切ったらきつねさんに屠られた話ちょっと伝説になってるお~ん。」
そういって、狼は狐の鼻をペロリと舐めます。
「……。」
「わかりやした。
「その話乗りやしょう。」
狐はそう照れくさそうにいいました。