サフィーと異世界の忘却封印魔法 後編 第7話 EGM-tos-ジュエルペット編
~前回までのあらすじ~
願いの丘でお願いをしたことでそこにいた10匹の
ジュエルペット達は神に選ばれたものの、神の力が
その身に完全に宿りきれず、覚醒に必要な覚悟などが
足りないが為に魔法が皆使えなくなり、サンゴは
舌が変色し何を食べても不味いと感じる様になったり、
チャロットは羽を失ってしまうなどの大変な事が起きました。
その後、各々が自分と向き合い問題解決を目指す中、
ルビーは一番最初にオリジナル竜也と邂逅し問題解決をした事で
魔法が再び使えるようになり、その後、ルビーの紹介で
助けに行ったサンゴもオリジナル竜也の力で無事覚醒でき
魔法を使えるようになり舌も元に戻りました。
そしてその頃サフィーは・・・魔法学校付属の図書館へ
向かう途中校長先生に会い、見聞きしたことのない
異世界魔法を披露され、渡辺竜也という魔法学校の先生
だった人がある日突然ブルードになった事など
色んな衝撃の話を聞かされた後、ジュエルポッド
という異次元のジュエルペットの世界にあったという
魔法具の試作品の1つと渡辺先生が住み込みで
暮らしていた部屋に通じる地下倉庫の鍵を受け取り
サフィーはその倉庫に向かうと人間の女性と
ジュエルペットの男の子がセックスをするという
驚きの映像をホログラム魔法で目撃し、その直後
サフィーの右手にも何か不思議な紋章が少し欠けた状態で
現れだした事に気が付くと頭の良いサフィーはすぐにこれが
ブルードの言っていたエグマの紋章で覚醒に必要な知識か覚悟を
手に入れかかっているのだろうと推測をし始めたのと同時に
自分がいつ人間を好きになったのかという疑問を覚えだし、
そんな気持ちのまま奥の渡辺竜也の部屋を訪れるとそこには
渡辺竜也のアルバムがあり、それを見始めたサフィーは
何故か忘れていた魔法学校入学前の記憶を徐々に思い出してきて
少し頭が混乱してきていた最中、魔法学校入学前に
エンスィと渡辺竜也とサフィー自身が1枚の写真の中に
納まっている衝撃の写真を発見。その後、アルバムに
写っていた本が見つかりその本に夢中になるうちに校長に
もう帰ったと勘違いされ外側から南京錠でカギを掛けられ
閉じ込められてしまいました。
サフィーがPM6時過ぎになっていたことに気付くのは一足遅く、
ジュエルポッドも充電切れを起こして使えなくなってしまって
いたため、魔法も使えない今どうあがいてもすぐに助けは来ない
と悟り、今日はこのまま朝まで仕方なく渡辺竜也の部屋
の中で朝まで過ごそうと決意後、時間つぶしのために再び
アルバムを見始めるとその途中自分がいつも頭に付けている
お気に入りのフワフワティアラは渡辺竜也に誕生日プレゼント
されたものだったことを思い出し、それを頭から外して
握っていると右手の甲にまた模様が現れ、わずかだがまた魔法が
使えるようになったことに気が付いたサフィーは封印を解く魔法
レラビーダを使いました。すると一見失敗したかに思われた
レラビーダだったが、その魔法はどうやら成功していたようで、
サフィーはアルバムの写真を1枚、また1枚と見る度に忘れていた
衝撃の渡辺竜也との思い出の数々を思い出していき思わず
その眼には涙を湛えておりました・・・・・・。
そしてその頃、オリジナル竜也たちはサンゴの提案でサフィーに
会いに行こうと家に訪れるもおらず、昼間ルビーがサフィーが
行きそう所って言ったら図書館では?と話していたので、
もう閉まっているのはわかっているがこの世界の竜也がいた
魔法学校も見てみたいし、最悪中に入れなくてもいいから
行くだけ行ってみようと3人で魔法学校へ向かいだしました。
そんな中、校長もサフィーからメールの返信がまだないことを
不思議に思っていると、自身のジュエルポッドの充電が15%まで
減っている事に気付いてそういえばサフィーに充電器を
渡し忘れていたとようやく校長も気付き予備の充電器がある
魔法学校の校長室へと慌ててUターンして向かいました・・・。
すると魔法学校の近くで校長とオリジナル竜也たちは偶然邂逅し
見た目のせいでオリジナル竜也は一瞬渡辺竜也と間違われ
大変な目に遭うが、事情を話し納得をすると、互いに知っている
エグマの情報をすり合わせるために4人で校長室へ行きました。
その後オリジナル竜也は校長からエグマにはアザーと
もう1つのエグマと呼ばれる2種類があり、もう1つのエグマと
呼ばれる方には右手や両目に模様が現れることがあるという話を
聞かされ、オリジナル竜也は校長にもう1つのエグマに限った
話だが自身のアザー以外は基本は処女の女性もしくはこの世界の
自分と以外肉体関係を持っていない女性に限定されるという話を
しました。その途中、校長から渡辺竜也はアメトリンと
トリスティンという二人の先生と懇ろであった話を聞かされ…
若いって言いのぅと年寄り臭い事を言うモルダヴァイトに
オリジナル竜也は苦笑いをしてました・・・。
そして校長室でそんな会話が行われていた頃、サフィーは・・・
アルバムの写真の裏に隠されていたHな2枚の写真を見つけたのを
きっかけに自分には親友達と出逢う前からいつかパートナーに
なってもらおうと、そしていつかあの人に処女を捧げるために
ずっと処女を守っていようと心に決めていた相手がいて、その相手
こそが渡辺竜也だったことを思い出すのと同時に、どうしてこんな
大事なことまで忘れていたのかという感情が沸き上がりました。
真実を知る決意をしたサフィーは再びアルバムのページを
めくろうとするも、なぜか次のページを開こうとすると
身体が鉛のように重くなり、急激に罪悪感や不安感で心が
押しつぶされそうになるような感覚に陥り、思わずまた
その場で泣きそうになったものの、やはりそれ以上にどうしても
真実を知りたいと意を決してアルバムの次のページを開くために
開いているページの端を右手でゆっくりとつまみ出しました。
そしてこれは、それぞれでそんな出来事があった直後のお話し…
[newpage]
サフィー「・・・(なんでだろう・・・知りたいのに・・・
ただの1枚の紙きれなのに・・・ページをめくろうとする右手が
鉛のように重たい・・・!でも…開かなきゃ…私の身に起きた、
大切な記憶を取り戻さなきゃ・・・!)くっ…えいっ!」
サフィーはそう言いながら一気にアルバムのページをめくった。
するとそこには、赤リンゴと青リンゴ、1~10までの数字と
壱~十までの漢数字の書かれたボード、そしてホログラムによって
見た目の同じ二人の人物が写されている写真と、【C・Z・L】
と書かれたレポート用紙とエンスィと渡辺竜也とサフィーが写った
不思議な写真があった。サフィーはその2つの写真が目に入ると
急激にまたフラッシュバックの様に記憶が頭の中を駆け巡った。
サフィー「はぁ・・・!はぁ・・・!こ・・・これ…は…!?
シー・・・ゼット・・・エヌ・・・・・・忘却…封印魔法・・・
[[rb:Curse Zing Lock>カースズィンロック]]・・・
(知ってる…私・・・この異世界魔法を…知ってる・・・!)
はぁ・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」
《サフィーのフラッシュバック》
サフィー『こんにちは~また来ちゃいました♪』
渡辺竜也『よっ!エンスィ。』
エンスィ『あらあら♥もう二人で堂々と一緒に来るように
なるほど進展していたのね♥』
サフィー『えへへ・・・(照)』
渡辺竜也『まぁ、実際は研究所の入り口前でばったり会った
だけなんだけどよ。』
エンスィ『ふ~ん・・・。(この様子だとサフィーが
あなたの事を待っていたのはどうやら気付いていなさそうね。
まぁ、これはサフィーのためにも言わないでおこうかしら。)
うふふふふ♥まぁ、何でもいいわ。じゃあ、今日も昨日の続き
として、異世界魔法の研究のお手伝い、よろしくね。』
渡辺竜也『あぁ。』
サフィー『わかりました~。』
そう言って二人はエンスィの手伝いを始めた。そしてそれから
しばらくした時、フッと渡辺竜也がこんな事を言い出した。
渡辺竜也『あ、そう言えば・・・まだあれ話してなかったな。』
エンスィ『ん?なんの話?』
渡辺竜也『この間僕の身に起こった例の件なんだけどさ・・・
ほら、言ったろ?なんか別次元にいるもう一人の自分の記憶や
体験した出来事がまるで過去の自分が経験した出来事かの
ように情報共有されたっていうあの現象!』
エンスィ『あぁ・・・最近この研究所ではそれ、【シンクロ現象】
って呼ぶようになってるわ。それがどうかしたの?』
渡辺竜也『へぇ、名前付いたのか。覚えておくわ。…で、
話も戻すんだけどさ・・・実は僕・・・ほんの数日前にも
このシンクロ現象がまた起きたんだよ・・・』
エンスィ『あら、それは羨ましいわね。と言いたい所だけど…
実は私もこの間その現象経験しちゃったのよね。』
渡辺竜也『えっ!?マジで!?』
エンスィ『ええ。今まであなたの口から聞いていただけで正直
どんなものなのかいまいちよくわかってなかったんだけど…
嬉しい事に私も偶然この間これかな?って思えるシンクロ現象
みたいな事が起きたから、今ならあなたの気持ちよくわかるわ。
本当にこれって不思議な体験よねぇ・・・。』
渡辺竜也『あぁ、本当だよ。ちなみにエンスィは
どんな情報が共有されたんだ?』
エンスィ『実験したことのないはずの実験データが頭の中に
入って来たのよ・・・拠点シップと呼ばれる見た事も聞いた事も
ない巨大な移動型宇宙船の中になぜか私の大きなラボがあって…
洞窟の様な場所にある私の自宅でデブでヘビースモーカーの男に
嫌そうな顔しながらなんか研究の依頼をしている記憶とか・・・
もう一人のあなたの事をワクワクしながら調べてる記憶とかね!
本当に色んな記憶が私の中に入ってきたわ。』
渡辺竜也『えっ!?君の中にももう一人の僕の存在が?』
エンスィ『ええ。』
渡辺竜也『そうか。なら話は早いかもしれないな。君は・・・
そのもう一人のエンスィの記憶の中にいたもう一人の僕は…
昔誰かに魔法をかけられて記憶の一部が何者かによって
長い間封印されていたっていうのは…知ってるかい?』
エンスィ『えっ!?何それ・・・』
渡辺竜也『あれ?この部分はシンクロされなかったのか・・・
ってことは僕がシンクロした次元にいる竜也とは違うってこと
なのかなぁ・・・?』
エンスィ『ちょっと、その話詳しく聞かせてくれる?』
渡辺竜也『まぁ、簡単に言うと、任意の記憶を封印する魔法さ。
僕がシンクロした時、一時的に何者かに記憶の一部が
思い出そうとしても全く思い出せなくなる魔法を掛けられていた
っていう不思議な記憶があったんだ。』
エンスィ『任意の記憶を封印する魔法・・・?ってこと・・・?』
渡辺竜也『あぁ、どうやら異世界にはそんなすごい魔法も
あるみたいだぞ。』
エンスィ『確かにそれは凄い魔法ね。』
渡辺竜也『で、ここからが本題なんだけどさ・・・。その
もう一人の僕に掛けられていたっていう異世界の特定の記憶
だけを封印できるようになる魔法・・・今後ちょっと僕らで
調べてみることにしないか?だってこの魔法は・・・もし
これが実現できればPTSDなどで困っている者達を
根本的に救えるようになるかもしれないんだ!まぁ、
勿論犯罪をした時のその犯罪の目撃者の記憶などを思い出せなく
するみたいな使われ方を悪い奴らにされる可能性はあるし・・・
そもそも僕がシンクロ現象起きた時に感じた感覚から察するに
もう一人の僕はその不安の通り悪者の見てはいけない所を
見てしまったばっかりに記憶を封印されてしまったみたい
だから・・・この魔法には危険性は伴うかもしれないけど…
使い方次第ではかなり有用性のある魔法だとは思わないか?』
エンスィ『確かに・・・もし本当に特定の記憶だけを
忘れられるような魔法が作れるのだとしたら・・・PTSD
だけでなく鬱やトラウマで悩んでいる人たちも救えるし
ポジティブ思考の人に生まれ変わって幸運体質に導くとか
使い勝手は確かに多そうよね!まぁ、あなたの懸念通り…
犯罪に使われる可能性…あなたが言った以外にも言論統制や
事実改竄に使われる可能性もあるから、もし取り組むのなら
かなり慎重にしなきゃいけない分野ではあるだろうけど…』
渡辺竜也『ふっ・・・(笑)エンスィ、今すぐ研究はじめたいって
顔に書いてるぞ。わかりやすいなお前』
エンスィ『あら、バレてた?だってそんなに凄い魔法・・・
本当に完成させられたらまた賞とか取れちゃうわ。まぁ、
敢えて研究した後も公には発表しないで秘匿にするのも
いいかもしれない代物だけどね・・・』
渡辺竜也『それもそうだな。この研究はあくまで僕らのただの趣味
として楽しむだけにした方が良いレベルの代物である可能性も
あるほどの危険も併せ持っている魔法だ。でもだからこそ、
研究家としては知りたいと思うのも研究家の[[rb:性>さが]]だよな。
…そういや、この話始めてからずっと何も喋ってないけど・・・
サフィーはどう思う?この研究、君は始めるのに賛成かい?』
サフィー『あっ・・・(照)はい!そんなに凄い異世界魔法が
私たちの手で調べられるなんて光栄です!勿論賛成ですよ!』
渡辺竜也『ふっ、だそうだ。じゃあ、まずは僕が分かってるだけの
この魔法についてまずはエンスィに話しておこうか・・・』
エンスィ『うん、お願いね。』
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「はぁ・・・はぁ・・・。・・・そうだ…そうだった。
思い出してきた・・・竜也くんとエンスィさんの身に起きていた
不思議な現象・・・シンクロ現象から派生して知った異世界魔法
・・・それが任意の記憶を封印する魔法・・・。丁度これは…
私が魔法学校に入学する半年ぐらい前の出来事…。そして私は…
この魔法を二人に自分から志願してかけてもらっていたんだ…
・・・何度も・・・何度も・・・!」
サフィーは俯いた表情で呟くようにそう言った。
[newpage]
そしてサフィーはリンゴと数字の書かれたボードの写った写真を
右手で触りながらこう呟くと再びフラッシュバックが起こった。
サフィー「あれは確か…私が魔法学校に入学する5か月半前…
異世界の記憶封印魔法の研究を始めてから1か月近くが経とうと
していた時の出来事・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・!」
《サフィーのフラッシュバック》
エンスィ『それじゃあ、今日までに分かったこの魔法について
名称決定記念に改めてまとめて皆で共有しましょう!』
サフィー・渡辺竜也『わぁ~!』
そう言いながら3人は拍手をし始めた。そしてエンスィが言った。
エンスィ『まず最初にこの我々が研究している特定の記憶を
任意に一時的に思い出しにくくする封印魔法の名称ですが…
調べたところこれは魔法というよりはまじないや呪いなどに
分類されるタイプの魔法であることが判明しました。そして
この魔法を使う際、風を切る様なビュン!とした不思議な音が
聞こえる魔法であることも判明。そしてそして、この魔法は
記憶を消す魔法ではなく、あくまで記憶を封印して一時的に
思い出しにくくするという効果しかない魔法であることが
これまでの研究で明らかになりました。そこで、この魔法は
まじないや呪文を意味する英単語『[[rb:Curse>カース]]』と、
風の切る音を意味する英単語『[[rb:Zing>ズィン]]』そして
鍵をかけて記憶を閉じ込める、という意味を込めて
『[[rb:Lock>ロック]]』という英単語を合わせ今後は
『Curse Zing Lock』と呼ぶようにするわ。ただ・・・
これだとどんな魔法なのかわからないので正式名は
『忘却封印魔法[[rb:Curse Zing Lock>カースズィンロック]]』という
名称にして、ただ今度はこれだとちょっと長くて言うのも
書くのも大変なので、普段は略して『C・Z・L』と
呼ぶことにするわよ。わかったわねお二人さん。』
サフィー『はい!』
渡辺竜也『了解した。』
エンスィ『それじゃあ、改めてこのCZLについて分かったことを
まとめていくわよ。まず・・・この魔法はさっきも言った通り
魔法というよりはまじないや呪いの類に近い感じの魔法ね。
種類は口頭型呪文魔法と術式魔法を合わせたような作りに
なっているけど魔力を消費して発動するタイプの魔法である
というとてもややこしものになっているわ。使い方と効果は
まず・・・必要になる魔力は一般人が所有している基礎魔力
の最大値分を約1か月半程度貯めた分という普通の魔法では
ありえないレベルの魔力量が必要になるわ。この量まで
達していないと使おうとした瞬間に不発に終わるみたいよ。』
渡辺竜也『あぁ、そのようだね。』
サフィー『本当にすごい強力な魔法なんですねぇ・・・』
エンスィ『まぁ、これだけ強力な魔法なら、一般人がおいそれと
仕組みや魔法の存在を知られたところで簡単には使えない
だろうからその点は確かにありがたかったけどね。』
渡辺竜也『僕らの様に魔力を貯めておける道具を持っている人や
賢者や神の称号を持つほどの物凄い魔法使いとかじゃない限り
使えない魔法って事だね。』
エンスィ『そうね。そしてこの魔法の使い方の説明の続きに
入るけど・・・まず、最初に魔法をかける対象者に対して
約1m以内の範囲に入ること。自分で自分にかける場合は
この点は気にしなくてもいいかな。そして魔法の始め方は
指先に魔力を込めてこの魔法を掛ける対象者に手を向けてから
魔法を発動するトリガーとなるワードを言う。この
トリガーワードはある程度自分で自由に変えられるわ。
なにしろこの魔法は発動に一番重要なのは呪文よりも
魔力量だからね。この膨大な魔力量を一気に指先へ凝縮させる
イメージさえできれば実はトリガーワード無しでも一応
発動だけならできるわ。ただ、次に説明する封印を行う
脳の領域の指示と封印解除の条件付与には口頭詠唱魔法か
術式魔法のどちらかを必ず組み込む必要があるから
無言で相手にバレない様にこの魔法をかけるのは相当
難しいでしょうね。』
渡辺竜也『だね。しかも口頭魔術なら自分を超加速させ
早口で言えばすぐに使えるかとも思ったが・・・
魔力構築のスピードの関係から普通に喋る程度より
やや早い程度以上のスピードで口頭魔法で条件指定を
行おうとすると失敗するケースもあったよな。』
エンスィ『ええ。だからはっきり言って私達が心配していた
悪用されるリスクの話だけで言ったらこの魔法の事を知らない
相手に掛ける場合のみに基本的にはなりそうだからその点は
ありがたいとは思うけど…。』
渡辺竜也『だね。口頭詠唱は魔法の及ばせる範囲の関係から
小声だと失敗する上、早口でも失敗する。見つからない様に
1m以内という近距離で且つ普通の喋り声で詠唱を行う
必要があるんだから・・・まぁ悪用はされにくいでしょうな。』
エンスィ『そうね、この条件なら一定の安全性などを実験で
確認できたら論文で発表しても良い魔法になるかもしれないわ』
サフィー『ふふっ、この魔法が論文化されたら、間違いなく
また賞を取るような内容になりそうですよね!』
エンスィ『ええ、そうね。夢のある魔法だわ。』
渡辺竜也『そのためにも、もっとよく調べないとな。』
エンスィ『ええ。じゃあ、話また戻すけど・・・1m範囲内に
いる対象者に早口過ぎず小声過ぎないスピードと音量で
口頭詠唱で封印を行う脳の領域を指示、もしくは術式魔法で
文字に起こして範囲を指示した上で、解除条件も同じ要領で
指示を行う。そしてどちらも指示し終えたら最初と同様に
技を発動するトリガーワードを言う。我々が使う場合は
わかりやすいように今後もこの魔法の正式名
【Curse Zing Lock】と言って発動を行う様にしましょう。
この最後のトリガーワードも言う必要はないと言えばないん
だけど・・・どういう仕組みなのかは不明だけど口頭詠唱で
封印領域や解除方法を設定した場合はトリガーワードも
セットで準備していた方が成功率が高かったわよね・・・。』
渡辺竜也『あぁ。術式の場合はトリガーワードを設定して言う
必要はなかったが…術式だと時間がかかるし書き間違いによって
大惨事になることもあるので行う際は基本は口頭詠唱の方に
した方が安全でしょうね。』
エンスィ『えぇ。回数を重ねて検証できているのも詠唱型の方だし
今後もこちらを中心に研究していきましょう。』
渡辺竜也『そして封印できる記憶の対象と封印解除の条件・・・
この2つがやっぱり中々難しいよなぁ・・・』
エンスィ『えぇ・・・内容を細かくすればするほど正確になるけど
逆に曖昧なまま封印をさせると封印が上手く行かずひょんな事
から一部の記憶が蘇っていく…みたいなことが良く起きている
からねぇ・・・。確か今までにやったのはリンゴとか特定の
物や数字などの字関連の一部だけを忘れさせてこの魔法をかけた
事実や存在自体も忘却封印させるって言う形で何回か実験を
行ったんだよね。』
サフィー『えぇ!どの部分が忘却封印されたのか掛けられた相手が
分からない様に声を遮断するためヘッドホンで音楽を流しながら
試して既に成功してましたよね。』
渡辺竜也『実験者は僕たち3人しかいないけど・・・まぁ、
3人とも上手く掛かってたし問題ないんじゃないかな?』
エンスィ『うん。じゃあ、これまでにわかった実験結果の
振り返りも始めていくわよ。』
サフィー『は~い♪』
渡辺竜也『おう!』
そう言うとエンスィは資料を取りに行った。
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「うん・・・覚えてる・・・。思い出してきた…
私達があの魔法の実験を本格的に始めだしたのは私が
魔法学校に入学する半年前辺りからだったわ・・・。」
そう言いながらまたアルバムにある写真を右手で触れた。
[newpage]
するとサフィーはさっき思い出し始めていた記憶の続きも
フッと思い出し始めだした。
《サフィーのフラッシュバック》
エンスィ『まず、最初に竜也が被験者としてこの魔法を
掛かってもらった時はリンゴというもの自体を忘れさせて
封印解除条件を青りんごを見るにした上で赤リンゴを
まず見せたらどうなるか、だったわね。』
渡辺竜也『ああ、あの時は見事に忘れてたよ僕は。』
≪回想≫
エンスィ『これだけの魔力石があれば魔法量的には今日だけで
3回は出来そうね。それじゃあ、まずはトップバッター、
渡辺先生、よろしいですね?』
渡辺竜也『(ヘッドホンして音楽聞きながら)ん?
なんか言ったか?』
そう聞くとエンスィは紙に書いて準備は良いかと聞いた。すると
渡辺竜也は二回頷いた。そしてエンスィは呪文を唱えだした。
エンスィ『忘却封印魔法…忘却対象、果物のリンゴ。
解除条件、青リンゴを見る。Curse…Zing Lock!』
渡辺竜也『ぐはっ!』
サフィー『!?竜也くん大丈夫!?』
エンスィ『脳に影響を与える魔法なだけあって凄い条件反射
みたいな動きをしたわね・・・大丈夫・・・?(汗)
と、とりあえずヘッドホン外すわよ。大丈夫?竜也…』
渡辺竜也『・・・あぁ。何も問題ない。なんか一瞬体が
勝手に後ろに動いたような変な感覚があったがそれだけだった。
もうCZLかけたのか?』
エンスィ『ええ。じゃあ・・・まずは一般的な記憶に問題がないか
確かめさせてもらうわ。名前を教えてくれる?』
渡辺竜也『渡辺竜也だ。』
エンスィ『ここがどこか分かる?』
渡辺竜也『エンスィが主任務めてる研究所の個室だな。』
エンスィ『うん、この辺の記憶は大丈夫そうね。じゃあ、
ここからが本題ね・・・』
そういうと買い物袋の中から色んな果物を取り出し始めた。
そしてテーブルの上に並べて置いていきこう聞いた。
エンスィ『ここに置いてる果物の名前を左から順に言って。』
渡辺竜也『ええっとぉ…ミカン、ブドウ、バナナ・・・あぁ?
え?ちょっと待って?なんだこれ・・・?これ果物なのか?
やべぇ・・・ちょっと僕この果物知らないかも・・・』
エンスィとサフィーは赤リンゴの名前を思い出せないでいる
渡辺竜也の様子に顔を見合わせてにっこりした後、こう続けた。
エンスィ『じゃあ、それは飛ばしていいわ。他の果物の名前
そのまま言ってみてくれる?』
渡辺竜也『わかった。ええっとぉ…イチゴ、レモン、さくらんぼ…
で…これは・・・桃と・・・あっ、ブルーベリーか?』
エンスィ『えぇ。正解よ。次はこの漢字読んでってくれる?』
そう言いながらエンスィは漢字の沢山書かれた紙を見せた。
渡辺竜也はそこに書かれた字を声に出して読みだした。
渡辺竜也『ええっとぉ…[[rb:洋梨>ようなし]]、[[rb:苺>いちご]]、
[[rb:林檎>りんご]]、[[rb:蜜柑>みかん]]、[[rb:桃>もも]]・・・であってるか?』
すると、漢字のリンゴは読めた事にエンスィとサフィーは顔を
再び合わせて首を傾げた後、改めてエンスィがこう聞いた。
エンスィ『あれ?3つ目の漢字も普通に読めたわね・・・
この漢字が現す食べ物何だかわかる?』
渡辺竜也『ん?3つ目って・・・この林檎って漢字か・・・?
あ、いや・・・漢字は読めるけど意味まではよく知らん…』
エンスィ『じゃあ、この漢字を除いた4つの漢字の共通点は
なにかわかるかしら?』
渡辺竜也『この漢字を除いた?ええっとぉ…果物か?』
エンスィ『うん、この辺はわかるようね・・・』
渡辺竜也『う~ん・・・反応から察するにこの辺の事を
僕から忘却させたようだねぇ・・・。う~ん・・・なんだ?
何か思い出せそうで思い出せないな・・・りんご・・・
果物・・・?何だろうこのもやもや感・・・』
エンスィ『とりあえず今回得られた情報まとめるなら
もうこのぐらいで十分かしらね?』
サフィー『そうですね。』
エンスィ『じゃあ最後に追加で一問。これはなーんだ?』
そう言いながらエンスィは袋から[[rb:青りんご>●●●●]]を取り出した。
それを見た途端に渡辺竜也は様子が急変した。
渡辺竜也『はぁ・・・!そ・・・それ・・・は・・・!
はぁ・・・!はぁ・・・な…なんか・・・何か重大な
何かを思い出しそう・・・・・・!ハッ・・・!わかった!
リンゴだ!リンゴだよそれ!え、てかなんで僕こんな
簡単な奴忘れてたんだ・・・だが…これはマジで
使える魔法やな。完璧やないか。』
エンスィ『えぇ!完璧だわ!』
サフィー『はいは~い!次私やりたーい!』
渡辺竜也『しょうがないなぁ・・・まぁあと二回分はあるし
皆で1回ずつ試してみようか。』
エンスィ『ええ。』
≪回想終了≫
エンスィ『・・・で、三人でやった結果私は数字の5だけを
忘れさせて・・・漢数字の五はわかるけど数字の方だけは
分からなくなったとか、サフィーがした時は指示を曖昧に
していたせいか解除前に自力で思い出せていたわね。』
サフィー『うんうん。』
渡辺竜也『ああ。で、今日から今までと違って数日忘れさせた
状態にしたのち思い出させる実験に移るぞ。』
エンスィ『ええ、でもここからが問題なのよね・・・』
サフィー『今まで成功してきたから大丈夫だとは思うけど…』
エンスィ『でも異世界の魔法なんでしょう?もし失敗した時
レラビーダでもその封印を解除できるかどうか・・・』
渡辺竜也『確かにそういう危険性はあるから、あくまでも
今後の忘却対象は忘れてもあんまり生活に支障がないような
物を中心としていき、何か月か後に思い出してみて問題ないかが
試せてから大きな範囲で試す事にしよう。』
エンスィ『わかったわ。忘れても問題なさそうなもの・・・
そう聞かれると案外パッと浮かばないものね・・・』
サフィー『要は役に立たないような不要な豆知識とか
そういう類いのものってことですよね・・・』
渡辺竜也『一定期間の間あってもなくてもいいもの・・・
あ、今は冬で寒い時期だし[[rb:団扇>うちわ]]とか[[rb:扇子>せんす]]とかは
別に忘れても良いんじゃね?』
エンスィ『いいわね。そういう感じのもうちょっと
ひねり出していきましょう。』
サフィー『使い道は知ってるけど普段使わないような物・・・
あ、私の場合は髭剃りとかかしら?』
渡辺竜也『確かに。僕の場合は使い道あるけどサフィーには
不要なものだよね。じゃあサフィーの忘却対象は
そういう感じのやつにしてみようか。』
エンスィ『私の場合は何がいいかしら・・・?あ、そうだ。
文字書く時マジックとかばっかりだしカラーペンとかその類いの
なら別に忘れても問題ないかも・・・。』
渡辺竜也『なるほどね。んじゃ、今日から1か月間と2か月間の
忘却封印魔法の実験を始めていくぞ。やり方は・・・
忘却魔法を掛けられる対象の忘れさせた内容は残りの二人で
共有すること、そして忘却期間中、何度かちゃんと
忘れた状態を保っているかを確認すること、解除条件は
絶対にあらかじめ決めた思い出す日になるまで解けない
ような特定の何かを見るみたいな組み合わせにする…
こんなもんでいいかな?』
エンスィ『そうね。じゃあ早速始めましょうか。』
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「…覚えてる…。私は確か・・・1か月間髭剃りを
2か月間あんまり食べないトウガラシの事を忘れさせて…
髭剃りの解除条件は黄色い髭剃りを持った渡辺竜也くんを見る
に設定して…トウガラシの方は…頭に二つトウガラシを
角みたいに乗せたエンスィさんを見るにしてたんだっけ(笑)
それで・・・この実験は上手く行ってたのよね。あと、
竜也くんとエンスィさんがした団扇や扇子を忘れる実験や
カラーペンや万年筆を忘れる実験も・・・」
サフィーは思い出してきた内容にクスッと笑みを浮かべながら
そう言った直後またぎゅっと両手でフワフワティアラを握った。
[newpage]
サフィー「忘却魔法をかけてから2週間後ぐらいにわざと
エンスィさんが竜也くんの前で扇子を使って仰いで見せたら
【何それ君の発明?】って聞いて来て…ちゃんと忘れてて
くれてるって確認したり…1か月ちょっと経った時に私が
エンスィさんの前で万年筆でメモを取ってるのを見せて
【珍しい物でメモ取ってるわね。私見た事ないわ。それ何?】
とかって聞かれて…ちゃんと忘れられてるって確認し合ったり
こっそりしてたんだっけ…私も竜也くんが顎に産毛あって
ジョリジョリするから~って私の前で髭剃りしてたけど
【見た事ない家電だー!】って興奮してたっけ…数か月後に
思い出して笑い合ったの…懐かしいなぁ・・・・・・でも…」
サフィーはそのページ内の写真たちを見つめながらそう呟いた後、
その後に起こった出来事も徐々に思い出し始めたのか、急激に
このページを開こうとした時と同じぐらいの罪悪感の波が
急激に押し寄せてくるのを感じ出した。そしてサフィーは
その感覚に耐えきれずにまたフワフワティアラをぎゅっと
今まで以上に強く握りしめながらまだ敢えて見ていなかった
開いているもう片方のページ内にある写真たちに目線を移した。
するとそこには、サフィーの家でエンスィと渡名竜也とサフィー
の三人がフワフワティアラとお揃いのフワフワな腕輪をつけて
にっこりしている写真と、しゃがんだ渡辺竜也に公園のベンチの上
に立った状態でサフィーが渡辺竜也とおでこをくっつけ合ってる
夕暮れ時に撮った写真があった。
サフィー「あ・・・!こ・・・これ…は・・・!」
《サフィーのフラッシュバック》
エンスィ『さて・・・無事1か月間と2か月間に渡る
忘却封印魔法の実験は大成功したわけだし、次はいよいよ
大き目の範囲で3か月間以上の忘却封印ができるかどうかの
実験に移る訳だけど・・・誰のどんな範囲を忘却させるかが
悩みどころよねぇ・・・』
サフィー『そうですねぇ・・・。大きな範囲で且つ最悪
思い出せないままでも問題ないような知識・・・
難しいものですね。』
渡辺竜也『一応忘れたものはもう1度新たに教えて言った
場合は新しい記憶の方で認知は出来るようになるけど…
範囲が広いと覚え直しも大変だろうからなぁ・・・』
エンスィ『それに・・・サフィーの魔法学校入学試験も
もうあと4か月ちょっと後まで控えてるでしょう?
そろそろサフィーには入学試験の勉強に専念してもらった方が
いい気もしてきているし・・・』
渡辺竜也『確かにそうだな・・・ここで得た知識はハッキリ言って
魔法学校ではほとんど役に立たないだろうし・・・』
サフィー『えぇ~?でも私はここが好きで来てるんだし…
勉強は・・・多分大丈夫・・・だと思います・・・。』
渡辺竜也『いやぁ…そうはいっても出題範囲結構広いからね?
たとえ秀才なサフィーでも首席で入学を目指すなら今から
ちゃんと勉強しておいた方が良いと思うな。こんな役に立つか
まだはっきりしないような変な実験に付き合うよりわさ。』
サフィー『それは・・・そうかもしれませんけど・・・』
渡辺竜也『あ・・・まって!ていうかさ、今凄い良い事
思いついちゃったんだけど・・・』
エンスィ『え?なに?』
サフィー『なんですか?』
渡辺竜也『最悪忘れられても問題がなくて一時的に忘れていた方が
メリットがある物・・・あるじゃないか、サフィー!』
サフィー『え・・・?』
渡辺竜也『今言った、魔法学校の入学試験とは関係ない、
僕たちとのこう言った記憶だよ!』
サフィー『えっ・・・!?それって・・・』
渡辺竜也『一時的に君のこの研究所であった出来事とか・・・
僕らの事とかを試験勉強期間中だけきれいさっぱり忘れて貰って
入学が無事できたらその瞬間に思い出せるようにする・・・
っていうのはどうだ?』
エンスィ『なるほど…!確かにそれは悪くないかもしれないわね』
サフィー『あぁ・・・でも・・・それって私が・・・
今までここで2人としてきた大切な思い出たちが一時的
とはいえ忘れちゃうってことですよね・・・』
渡辺竜也『まぁ、それはそうなんだが・・・』
エンスィ『けど、確かにそれ以外で最悪忘れても大丈夫な
広範囲なもので忘れることでメリットがあるという
実用性も兼ね備えた忘却対象を他に探すとなると・・・』
サフィー『(・・・そっか・・・そうだよね・・・。
この実験は…私達しか今はしていないんだし・・・もし本当に
有用性が証明されてPTSDの治療とかにも活用できるように
するなら・・・)わかりました!その役、私やります!』
エンスィ『え?いいの?サフィー・・・』
渡辺竜也『…いやなら断ってくれてもいいからな。僕らも
他に何か大きな範囲で忘れても困らないような記憶がないか
色々考えてみるから。』
サフィー『うん・・・。でも・・・この魔法が本当に
有用性のある魔法だって証明するためには、私がやるのが
一番だと思いますし・・・どうかやらせてください!』
エンスィ『ふふっ、こうなったサフィーを反対するのは
難しいわね。わかったわ。でも、今日すぐにすると
大変だろうし、実際にするのは1週間後にしましょう。
って、もうこんな時間!今日はドタバタしてて
この研究に時間余り割けなかったわね・・・私はまだまだ
やる事あるから、二人は先に帰ってていいわよ。
その途中でやっぱりやめたくなったら遠慮なく言ってね?』
サフィー『・・・わかりました。』
渡辺竜也『そうか。じゃあ、僕も帰らせてもらうわ。また明日な』
そう言って二人は研究所を後にした。
そしてこれは、そんな出来事があった日の翌日…前日同様
研究所での手伝いが終わったある日の夕方頃の帰路での出来事…。
渡辺竜也『ていうかよぉ・・・ずっと聞きたかったんだけど…』
サフィー『ん・・・?なに・・・?』
渡辺竜也『どうして・・・そんなに僕のパートナーに
なりたいって思っているんだ?』
サフィー『えっ・・・?』
渡辺竜也『だって・・・科学に興味があるって言うなら
僕よりもエンスィとかの方が良いだろうし・・・
君ほどの子が何で僕なんかにそこまでパートナーに
なりたいって思ったのかなぁ・・・って・・・
ちょっと純粋に気になっちゃってさ・・・。しかもセックスとか
その辺の事情も調べた上での発言でしょう?種族が違うから
僕らがたとえ本当にパートナーになってそういうことを
したとしても子供は普通にするだけでは出来ないってことに
なるのはサフィーも分かってるはずだし・・・
それなのにどうしてかな・・・って・・・思ってさ。』
サフィー『…そう言えば・・・まだ話してなかったもんね…
私が竜也くんとパートナーになりたいって思ったきっかけ
っていうか・・・あなたとずっと一緒にいたいって
思い始めるようになった話は・・・』
渡辺竜也『・・・言いにくい話なら別に今話さなくても
僕は全然かまわないぞ?』
サフィー『いやっ!話させて!今だからこそ話させて!』
渡辺竜也『・・・まぁ、君がそう言うなら・・・』
サフィー『・・・ふふっ、ありがとう・・・♥それじゃあ・・・
どこかで座って話さない?ここじゃないどこかで・・・』
渡辺竜也『…じゃあ…公園にでも行くか?』
サフィー『うん!』
そんな会話をした後、二人は研究所から一番近い公園へ向かった。
そして歩きだしてから数分足らずで公園に着くと辺りは既に
日が落ちてきていて、夕日は真っ赤になってきていた。
そこで二人は公園のベンチで周りに誰もおらず二人っきりに
なりながら隣り合って座った二人はゆっくりとこんな会話を
し始めたのだった・・・。
サフィー『私が…竜也くんと一緒にいたいって思う様に
なったきっかけはね・・・なんとなく・・・本当に何となく
なんだけど・・・誰かを好きになるっていう・・・
この・・・科学でも証明が難しいのかもしれないけど
確かに存在していると言われる好きって気持ちを・・・
初めて・・・誰かに対して思った相手が・・・
竜也くんだったからなんだ・・・。ほら、私って・・・
見ての通り科学オタクで・・・普通の人間とかには正直
興味もない感じだったんだけど・・・なんていうか・・・
異世界のお話しとか初めて聞いた時にね・・・私の知らない
ことをこんなに沢山知ってる人がいたんだ!この人とずっと
一緒にいれば、もっと私が知らなかったことが沢山知れる
ようになるかもしれない!って…思うようになって・・・
最初はその・・・本当に失礼な話なんだけど・・・・・・
あの初めて会った時のような衝撃は2回目以降は特に
起きなかったこともあってか、その頃の私は本音を言うと
竜也くんに興味があったというよりは・・・竜也くんが
話してくれる異世界の話に興味があっただけだったんだよね…』
渡辺竜也『ふ~ん・・・そうだったのか。まぁ、別に
僕はそんな事で失礼だとかって怒ったりはしないよ?』
サフィー『うん、竜也くんならそう言うと思った♥ふふふ♥
ええと、話戻していいかな?』
渡辺竜也『うん。』
サフィー『それでね・・・本当に最初のうちは・・・
科学への興味・・・それこそ、エンスィさんの研究と
同じようなベクトルというか・・・そう言った感情しか
持ってない状態でずっと接していたんだけど・・・
竜也くんの得意分野である性教育の話を聞かされて・・・
セックスの話も聞かされてから自分でも調べてるうちに…
竜也くんを初めて見た瞬間に感じたあの感情が・・・
その…(照)皆が良く言う所の、【好き】って言う感情
だったんだ・・・って・・・あとから気付いてさ・・・
そう、わかってから・・・だったんだよね・・・・・・。
竜也くんのパートナーになりたいって思い始めたの。』
渡辺竜也『そうだったのか・・・。』
サフィー『まぁ・・・竜也くんの言う通り・・・あれから自分で
パートナー制度の事も調べて・・・他の誰かのパートナーに
なることも視野に入れて考えてはみたんだけどね・・・
やっぱり・・・(照)…ずっと互いを高め合えて・・・
それで…一緒にいて幸せな気持ちでいられる竜也くんを
上回る様なパートナーはいないなって…自分の中で結論が
出たんだよね…だから・・・竜也くんが、私が魔法学校生に
なってからパートナーになってほしいって言ったから私は
それまで待つことにしたけど、もし気が変わってすぐに
パートナーになる気になったら、いつでも言ってね♥
私は、今すぐになっても全然かまわないから♥』
渡辺竜也『ふっ、わかったよ。』
そんな会話をした後、サフィーはベンチの上で立ち上がり
渡辺竜也にしゃがむように指示をした。
サフィー『竜也くん、ちょっとしゃがんでくれる?』
渡辺竜也『ん?こうか・・・?』
そう言うとサフィーはこの前渡辺竜也がサフィーにした時と
同じようにサフィーの方から渡辺竜也におでこをくっつけた。
そしてサフィーは自分でしときながら恥ずかしそうにこう言った。
サフィー『えへへ・・・♥そう言えばこの前こうしてる時、
エンスィさんに写真撮られてびっくりしたよね。』
渡辺竜也『ははっ、そんな事言ってたらまた来るんじゃねーか?』
サフィー『いや、流石に来ないでしょ。エンスィさんが帰るのって
もっと後って前話してたし。』
渡辺竜也『まぁな。』
そんなことを言い合った後、渡辺竜也はそのままおでこを外した。
するとサフィーが急にこんな事を言い出した。
サフィー『あ、待って!今のもう一回してもらっていい?
…写真に…収めたいんだ・・・(照)』
そう言いながらサフィーは例のあのヌード写真を撮り合った時と
全く同じ超高画質カメラを取り出した。
渡辺竜也『何の荷物持ってるんだろうと思ったら
それカメラ入れてたのか。』
サフィー『うん・・・(照)ねぇ、さっきの・・・もう1回して
もらっていい?これで撮りたい・・・♥』
渡辺竜也『まぁ、いいけどよ。』
サフィー『わぁ~♥ありがとう♥』
そう言うとサフィーはベンチの端っこにカメラを置きタイマーを
30秒にセットするとそのまままた渡辺竜也の元に駆け寄り
さっきしたのと同じように両手で頭を抑えながらおでこを
くっつけ合って嬉しそうに笑みを浮かべながらこう言った。
サフィー『ちょっとの間このままで待っててね♥』
渡辺竜也『ふっ・・・あいよ。』
サフィー『・・・そろそろかな・・・?』
【パシャッ・・・】
サフィー『ウフフ♥ちゃんと撮れたかなぁ・・・?』
渡辺竜也『…にしても急にこんな写真撮りたいだなんて・・・
なんでまた急に?もしかしてやっぱり例の件・・・』
サフィー『うん・・・まぁ・・・やっぱり…それもあるのかな?
ごめんね、自分から言いだしたことなのに・・・こんなこと
したら今までの研究を否定してるみたいに取られちゃっても
仕方ないよね・・・』
渡辺竜也『いやぁ、そんなことはないよ。今度実験を行う
忘却封印魔法の忘却期間は今までの中で最長なんだ。その上
忘却させる範囲も大きい。何より君に魔法学校の入学試験に
今後専念してもらうためとはいえ・・・君にとっては
大切な思い出の数々だろうからね・・・最悪思い出せなく
なったとしても君が魔法学校に入学自体はちゃんとできるように
設定する予定とはいえ、不安になるのは当然だよ・・・。』
サフィー『・・・ごめんなさい・・・。』
渡辺竜也『いや…ていうか僕からあんな提案したとはいえ
嫌ならやっぱり忘れても全く影響がないような内容に
変えたいって言うならそうしても良いんだぜ?エンスィだって
そう言っていたんだからさ。』
サフィー『いえ!それは・・・!大丈夫です・・・。
だって・・・こんなに広範囲に及ばせられる忘却対象で、
一時的に忘れていた方が色んな意味で利点が大きい好都合な
物なんてこれ以外にないでしょうし・・・また違う対象に
しちゃうって事は…実験で得られる結果もその程度のものに
なっちゃいますし・・・私は、この魔法でお二人に、
良い研究結果をしっかりお届けしたいんです!だから…
心配しないでください!私は・・・絶対にあなたたちの事を
思い出して見せますから!そして・・・私が無事に竜也くんの
事を思い出して魔法学校生になったら・・・その時は・・・
私との約束、守って下さいね♥』
渡辺竜也『・・・あぁ。そうだな。僕も君を信じてるし
この魔法の実験の成功も信じている。だから、この魔法実験が
成功して入学式の日に僕らの事を全部思い出せたら・・・
僕とパートナーになってくれよな!サフィー』
サフィー『うん♥4か月後を楽しみにしてるねっ♥』
渡辺竜也『でもいいのかぁ?僕ともし本当にパートナーになって
付き合うことになったって、たとえセックスしても
子供は基本的には作れないぞ?』
サフィー『それでも私は別に構わないわ♥あなたと愛し合う
ことができるのなら・・・。私は、種族が同じで子供が産めない
ことよりも、種族が違っても愛し合える・・・言い換えるなら
[[rb:人間の竜也くんを好きになったんだから!>●●●●●●●●●●●●●●●●●●●]]』
渡辺竜也『ふっ、そうか・・・。僕も・・・種族は違うけど、
[[rb:頭が良くて秀才な>●●●●●●●●]]君の事が大好きだぜ。サフィー…♥』
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「・・・僕らの事を・・・思い出す・・・
一時的に忘れていた方が・・・利点が大きいから…
入学試験に専念するため・・・・・・はぁ・・・!ハァ…!」
サフィーはまだ一番大事な部分の記憶は戻っていないがその言葉の
数々で何となく自分の身に起きた事を察したサフィーは思わず
フワフワティアラを再び強く握りしめながら涙目になった。
サフィー「やだ…そんな…私・・・・・・!」
サフィーは同じページ内にあるもう1つの写真に目線を移したいが
その瞬間に再び恐怖心が走り出したのだった。
[newpage]
一方その頃オリジナル竜也たちは・・・・・・
モルダヴァイト「おぉ!そうじゃ。そういえばここに来たのは
サフィーにジュエルポッドの充電線を渡すためじゃったな。
後、わしの方も充電減って来てたし折角だからここで少し
充電しておこうかの。」
竜也「おや・・・?そのジュエルポッドというのは・・・?」
モルダヴァイト「人間界にあるスマホをモデルにしたものと
思われる別次元のジュエルペットの世界にあった魔法が搭載
された不思議な電子端末でな。まぁこれはまだ試作品なんじゃが
もう少ししたら一般販売もされるはずじゃよ。」
サンゴ「そうにゃんだぁ~・・・」
ルビー「うぅ…あの時はすみません・・・」
サンゴ「んにゃ?なんの話にゃん?」
ルビー「実は私校長先生からあのジュエルポッドの試作品を
一度貰ったことがあって~…でも壊しちゃったんだよねぇ…
突然もう一人の私から電話がかかって来て・・・びっくりして…
でも、どうしてもまたお話ししたくて色々試してたらなんか
爆発して壊れちゃったんだよね…ごめんなさーい・・・」
サンゴ「そんなことがあったにゃん!?」
モルダヴァイト「フォッフォッフォッ!その件ならもう怒っては
おらんよ。あれはまだ初期段階の試作品だったから不具合も多く
壊れやすい代物だったからのぅ…お主のやんちゃだけが原因で
壊れた訳じゃないだろうからもうそんなに気にしなくてよいぞ」
ルビー「そう言ってくれると助かりますぅ~(泣)」
竜也「そういえば・・・サフィーに充電器を届けに来たって話で
思い出しましたが…校長はサフィーには最後いつ会いました?」
モルダヴァイト「ん?わしが最後にサフィーに直接会ったのは丁度
PM1時前後だったかのぅ・・・。図書館に調べ物をしに
来ていたサフィーと廊下でばったり会ってな。さっきお主たちに
話したのと同じように異世界魔法の事や渡辺先生のことなどを
色々話しておったのじゃ。あ!そうじゃ!折角だし竜也殿…
渡辺先生の部屋に行ってみはいかがですかな?渡辺先生用の鍵は
先程サフィーにその部屋の中にある本などを好きに読んで来て
構わないと渡すときに渡してしまったので今ないのですが・・・
まだここにこの予備の鍵がありますからな。これをどうぞ
使ってあの部屋に行って下され。」
竜也「わかりました。ありがとうございます!」
ルビー「でもサフィー本当に今どこにいるんだろうね~?
こんな時間になっても家に帰ってなかっただなんて・・・」
モルダヴァイト「なに!?まだ家に帰っておらんとな!?」
サンゴ「うん、ここに来る数分前におうちでピンポン鳴らしたけど
全然出てくれなかったんだにゃん。」
竜也「そもそも私達がここに来た理由もルビーがサフィーがもし
どこかに寄るのだとしたら図書館かも知れないと朝話していた
ので今時間はもう閉まってるだろうけどこの世界の竜也が
先生をしていたという魔法学校がどんなところなのか
見ておきたいし行くだけ行ってみようと思ってここに来た
感じだったぐらいですからね・・・」
モルダヴァイト「そうか・・・そうじゃったか・・・・・・。
実はわしもサフィーの事は心配しておったのじゃ・・・。
多分充電切れが原因だとは思うのじゃがメッセージに返答が
一切ないどころか既読すらつかない状態でなぁ・・・
まさかとは思うがまだあの地下の倉庫内にいたりはさすがに
しないはずじゃよな…?6時過ぎにカギ閉めに行った時、
中を開けて大きな声で呼んでも返事なかったし・・・」
竜也「まぁ、とりあえず行ってみればわかるんじゃないですか。
まだ私、渡辺先生の記憶は自分の中に定着しきってなくて
場所とかよくわからないので案内して貰っても良いでしょうか?
モルダヴァイト校長。」
モルダヴァイト「うむ。わかった。おぬしらは皆既に異世界の
神の力を宿しているようだし…あの部屋の中にあるこの世の[[rb:理>ことわり]]を
外れたもの達を見ても大丈夫じゃろう。サンゴとルビーも
一緒についてきなされ。」
ルビー「フフッ、言われなくてもそのつもりだったよ~(笑)」
サンゴ「ふふっ!だにゃん!」
モルダヴァイト「フォッフォッフォッ!そうかそうか!
よし、それじゃあ・・・行くとするかの。」
そう言うとオリジナル竜也たちはモルダヴァイト校長に案内されて
渡辺竜也の住み込み部屋だったという地下の倉庫へ向かいだした。
[newpage]
そしてそんな頃、その部屋の中で閉じ込められていたサフィーは…
遂に記憶を取り戻しつつあり、恐怖心を感じながらも勇気を
ふり絞って同じページ内にあったお揃いのフワフワアクセをつけて
3人で笑い合ってるサフィーの部屋で撮った写真に目線を移した。
サフィー「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・!
あぁ・・・ああああああ・・・!」
《サフィーのフラッシュバック》
サフィーは渡辺竜也とエンスィを家に招くとゆっくりと
二人は中に入って行き、渡辺竜也が真剣な表情でこう言った。
渡辺竜也『さて…ついにこの日が来たな。改めてもう1度聞くけど
本当にいいんだな、サフィー。』
サフィー『はい!あ、でもその前に・・・お二人の事を
忘れる前に最後の記念撮影…させてもらってもいいですか?』
エンスィ『わかったわ。竜也も良いわよね?』
渡辺竜也『あぁ。勿論だ。』
サフィー『あ!ちょっと待って!』
そう言うとサフィーは例のフワフワティアラの入った箱を
取り出してきた。そしてその中から1つフワフワアクセを
取り出してエンスィさんに渡した。そしてこう言った。
サフィー『私たちの友情の証!これ写るように皆で写真撮ろう!』
エンスィ『あらあら、嬉しいわねぇ。じゃ、お言葉に甘えて。』
渡辺竜也『…わかった。僕も今日これ持って来てて正解だったな』
そう言うと渡辺竜也も持って来ていた手提げの中からフワフワな
腕輪を取り出して右手に装備した。そしてサフィーはいつもの
超高画質カメラをオッケーと言ったら取れるように設定して
机の上のギリギリのところに置いた。
その後サフィーは椅子の上に乗って二人に近くに来るよう手招きし
3人でカメラの方を向いた。そしてポーズを取りこう言った。
サフィー『おっけー!』
【パシャッ・・・】
サフィー『ウフフ♥ありがとう♥あ・・・でも・・・
この写真とか持ってたら・・・私途中で記憶思い出しちゃう
かもしれないから・・・プリントした奴は二人だけが持ってて
くれないかな?カメラも多分なければないで困らないから
このまま持って行ってくれて構わないですし・・・』
エンスィ『わかったわ。』
サフィー『そう言えば…写真で思い出しましたけど・・・
前エンスィさんに撮ってもらった写真とか・・・私この箱の下に
しまってるんですけど…これも全部渡した方が良いですか…?』
渡辺竜也『いや、別にそこまではしなくていいと思うよ。そもそも
僕のこと忘れてしまうならそれの存在自体忘れることになる
だろうから・・・けど一応すぐには見つからないような場所に
置いといてもらった方が良いかな?少なくとも試験期間中に
気になって中身を見ない様にするぐらいの場所には。』
サフィー『わかりました!それじゃあ・・・押し入れの一番奥
にしまっておきますね!手前には他の荷物や道具を置いて、
全部取り出さないとみられない場所に!あ、なら今すぐ
やらなきゃですね!』
そう言うとサフィーは慌ただしく和室の押し入れに向かい
中にある物を取り出し始めた。すると二人もこう言った。
渡辺竜也『手伝うよ。とりあえず出すだけでいいのかな?』
サフィー『うん!』
エンスィ『じゃあ私も。』
そう言って3人で押し入れの中の物を取り出していき、一通り
取り出した後、そのフワフワティアラの入った箱を奥に
しまおうとした時、エンスィがこう言った。
エンスィ『あ、これ、返しておくわね。』
サフィー『え?貰ってくれても良かったのに・・・』
エンスィ『う~ん・・・まぁ、そこまで言うなら・・・
無事私達のこと思い出した後にもそれが残ってたら
もらうことにするわね♥』
サフィー『わかりました!』
そう言ってサフィーはエンスィからフワフワアクセを受け取り箱に
しまうとその箱を押し入れの一番奥に隠した。そしてサフィーは
2人に指示しながら取り出していった道具たちを押し入れの中に
戻していき、全部戻すころにはぱっと見では分からない場所に
フワフワティアラのプレゼントボックスが隠れた状態になった。
サフィー『よし、これでもう大丈夫かな・・・?
それじゃあ、そろそろ始めましょうか!』
エンスィ『サフィー・・・』
渡辺竜也『いいのかい?本当に・・・』
サフィー『はい!私も・・・竜也くんの言う通り・・・
今は入学試験の勉強にそろそろ本格的に励まないといけない
時期に入っているのに…この頃研究所にずっと通い詰めてる
ばっかりに実際、他の事の勉強は最近は全然できていなかった
のも事実だし・・・でも・・・竜也くん…この前私に
頭が良くて秀才な私が好きって言ってくれたから・・・
私、絶対に竜也くんのために魔法学校入学試験首席で入学
してみせます!…応援してくれますか…?』
渡辺竜也『ふっ・・・そうか・・・。わかった。
もちろん応援させてもらうさ。陰ながら、だけどね。』
エンスィ『それじゃあ、最後の準備に移りましょうか。
今回は忘却封印魔法をかけた直後に私達を見られても
困るから一時的に催眠魔法も一緒に掛けるわよ。この催眠は
私が一定距離離れたら自然と解けるから。』
サフィー『わかりました。』
渡辺竜也『それじゃあ・・・忘却封印対象と解除条件を
まずは決めないとだな・・・。』
サフィー『私が入学試験に集中できるように研究所関連の知識
全部を一時的に封印するんですよね?』
エンスィ『そうね。その予定だけど…あ、そういえばそのまま
目が醒めた後、何で寝てたのかとか変な違和感感じても
私達の事すぐ思い出してしまわないように細工も少し
念のためしときましょうか。紙とペンあるかしら?』
サフィー『あ、はい!これでいいですか?』
エンスィ『あぁ!それはあなたが持って書いて。』
サフィー『えっ?』
エンスィ『まずは・・・【4か月後に迫った魔法学校入学試験
にむけて必要な知識を蓄えよう、入学試験と関係のない知識を
取り入れるのは入学試験が終わるまでは出来るだけしない様に
しよう】的な言葉をあなたなりの言葉で書いておきなさい。
目が醒めた時に自分で書いた字でそういうこと書いてあったら
色々やろうといっぺんにやりすぎて疲れて寝ちゃったとか
多分そう言う解釈をすることになると思うから。』
サフィー『そういうもの・・・なんですか・・・?』
エンスィ『ヒトの記憶っていうものは面白いものでね・・・
まぁ、あなたは人間じゃなくジュエルペットなんだけど・・・
とにかく、知的生命体の記憶のシステムって不思議なもので
思い出せない部分は自分の都合よく時間の経過とともに勝手に
事実かどうかに関わらず別な記憶で補完されたりすることって
案外良くある話なのよ。』
サフィー『そうなんですか・・・』
そう言いながらサフィーは言われた通り自分で目が醒めた時に
何をするべきなのかがすぐわかるように文字を書いていった。
サフィー『こんな感じで良いでしょうか?』
エンスィ『えぇ。ばっちりだわ。』
渡辺竜也『よし、それじゃあ・・・忘却対象の細かい設定
だけど・・・とりあえず魔法学校の入学試験勉強に関係がない
エンスィと渡辺竜也から得た情報や出来事の全て…的な範囲に
しておけば大丈夫かな・・・?』
エンスィ『多少私達の記憶が残っていたとしても、勉強に支障が
出ないように集中させるのが元々の目的なんだし、そういう
感じの言い回しで大丈夫なんじゃないかしら。』
サフィー『私も…思い出が全部消えるのは一時的とはいえ
やっぱりなんか嫌な感じがするのでその範囲に賛成です!』
渡辺竜也『わかった。じゃあ次は解除条件だけど・・・』
サフィー『私が入学試験を無事突破して入学式の日に竜也くんに
会って全部思い出して・・・あとパートナーになって
もらうんだから・・・そうだね、研究所での思い出を
一気にぜーんぶ思い出せるように、白衣姿の竜也くんを見る
とかを解除条件にするのなんてどうかな?』
渡辺竜也『なるほど。いいな。確かにそれいいかも!よし、
じゃあ、解除条件は白衣の僕を見るにしとこうか!』
サフィー『うふふ♪もし私が主席トップで入学出来て記憶も無事
取り戻せた暁には・・・私と絶対にパートナー契約
してくださいね?約束ですよ?』
渡辺竜也『ああ!もちろんだ!君との約束は守るよ。入学式当日に
皆の前でパートナー契約して、君の秀才っぷりを
学校中に自慢しちゃおうぜ!』
サフィー『うん!入学式の日を楽しみにしてるわ♥』
渡辺竜也『そのためにも、今は僕らの事にかまけてないで
しっかりこの4か月間の間に勉強、沢山励むんだぞ?』
サフィー『はいっ!4か月後を楽しみにしてるねっ♥』
渡辺竜也『ふっ…(結果を楽しみにしてて、じゃなく
僕とパートナーになれる日を楽しみにしてるってこんな
自信ありげに言うだなんて…。本当にサフィーって奴は…)
サフィーならきっと大丈夫だ。君は秀才だからね。』
サフィー『えへへ・・・(照)頑張ります♥』
エンスィ『それじゃあ・・・そろそろ始めるわよ。こっちも
催眠魔法の準備を始めるわ。竜也も準備は良い?』
渡辺竜也『あぁ。』
サフィー『・・・!』
そんな会話をした後、渡辺竜也は魔力石を取りだし、エンスィは
サフィーに掛ける催眠術魔法の準備をし始めた。
渡辺竜也『忘却封印魔法…封印対象、魔法学校の入学試験勉強に
関係がないエンスィと渡辺竜也から得た情報や出来事の全て。
解除条件、白衣姿の渡辺竜也を見る・・・
[chapter:[[rb:Curse Zing Lock>カース…ズィンロック]]!!』
サフィー『きゃぁぁぁぁっ!!』]
そしてサフィーに魔法がかかったのと同時エンスィもサフィーに
催眠魔法を掛けると、そのままその場ですやすやと眠りについた。
エンスィ『・・・よし、これでひとまずは成功かな。
後はこっそり私達が出て行けばお終いね。』
渡辺竜也『4ヶ月間かぁ・・・。フッ、寂しくなるな。』
エンスィ『フフッ、何よ今更。一定の距離離れたら解ける
睡眠魔法とはいえ、この魔法は術者の魔力に依存するの。
私の魔力少ないのはわかってるでしょ。』
渡辺竜也『あぁ、そうだったな。』
エンスィ『何よ!そこ否定してくれても良かったのに…』
渡辺竜也『ハハッ、悪ぃ悪ぃ。んじゃ、そろそろ我々は
おいとまするとしましょうか・・・。』
エンスィ『そうね。あ、このカメラも持って行くの
忘れる所だったわ。危ない危ない。』
そう言ったあとエンスィは高画質カメラを持って渡辺竜也と共に
玄関へと向かい玄関の戸を開くと奥で寝ているサフィーを振り返り
にっこりとした表情で小さく呟くようにこう言った。
渡辺竜也『君の首席入学する日を楽しみにしてるよ。それじゃ…』
そう言って二人はサフィーの家を後にすると、オートロックで
部屋に鍵がかかった。そして二人が家から一定の距離離れると
催眠魔法が解けてサフィーは目を覚ました。
サフィー『zzz・・・ハッ!?あれ・・・?私・・・
いつの間にこんな所で寝て・・・?ん・・・?
なんだろう・・・?この紙・・・?』
サフィーは目を覚ますと目の前に自分で書いたものと思われる
紙がある事に気が付き書かれている物を声に出して読みだした。
サフィー『ええっとぉなになに・・・?【あと4か月でついに
魔法学校入学試験が始まる!今日から必要な知識を蓄えよう!
入学試験と関係のない知識を取り入れるのは入学試験が終わる
までは出来るだけしない様に今必要な知識とそうじゃない知識を
しっかり分けて勉強しよう】・・・?ハッ!?』
その言葉を見たサフィーはカレンダーを見るや否や4か月後に
入学試験が迫っていることにすぐ気が付き、慌ててこう言った。
サフィー『はっ!そうだ・・・そうだった・・・私ったら
勉強しようと思ってたんだけど色々同時にやろうとして
気が付いたら疲れて眠っちゃってたのね・・・とにかく!
今からちゃんと必要な知識蓄えて、絶対に入学試験を
主席トップで通過しなきゃ!・・・って・・・あれ・・・?
そう言えば私…なんで主席トップで入学しようだなんて
思ったんだろう…別に入学さえできれば主席トップじゃなくても
良いはずなのに…う~ん・・・まぁ、でも!どうせやるなら
やっぱり1番を目指さなきゃよね!よし!そうと決まったら!
早速まずは魔法学校の入学試験の過去問題集を中心に
どういった学問の問題が出るかを把握して対策しとかなきゃ!
確か過去問題集は机の上のミニ本棚に置いてあったはずね。
あ!の前に…この決意を忘れない様にこの紙、机の前の
この辺りに貼っておこうかしら。』
そう言うとサフィーはテープを持って来て机の正面に自分で書いた
その紙を貼り付けた。その後、近くにあったペンで付け加える様に
【目指せ!主席トップ通過で入学!】と書いたあと、こう言った。
サフィー『ようし!頑張るぞぉ~!』
そう言うとサフィーは机にある過去問題集の本を取りだし、
机の上に置くと、フッとミニ本棚にある本を見てこう言った。
サフィー『あら・・・?何かしら・・・?この本達・・・』
サフィーはミニ本棚に何故か何冊もの入学試験には絶対に
関係がなさそうな本達が沢山あることに気が付いた。
サフィー『【異世界交流~種族を超えた愛~】
【異類婚姻譚 上巻・下巻】【ハイブリットアニマル大全】
【レオポン、ライガーはこうして生まれた!】【人間界の性事情】
・・・?私・・・こんな本買ってたっけ・・・?やばい、
全然いつ買った奴か思い出せない・・・でもとりあえず
これらの本は試験勉強には全く役に立たない知識ばっかりしか
ないって言うのは中を見るまでもなくわかるわね・・・
この辺りの本は奥の大きな本棚に移動させておきましょう♪』
そう言うとサフィーはレオノーラを使い魔法でそれらの本を
宙に浮かせて大きな本棚のある隣の部屋に移動した。そして
開いている右下の奥の所にそれらの本棚を移動させると、丁度
その真横に置いてあった本のタイトルが不意に目に留まった。
サフィー『ん…?【友達以上恋人未満の関係から脱却する為の
愛の手引書~好意を印象良く伝える心理学の技術大全~】…?
え、何この本・・・?う~ん…いつどこで何のために買った本
なのか全然思い出せな~い・・・。とりあえずこの辺にある本で
入学試験の勉強に必要そうなものは・・・・・・』
そう言いながらサフィーは大きな本棚内に置いてある本達の
タイトルをずらっと一通り眺めた後こう言った。
サフィー『・・・なさそうね。・・・でも、《友達》…かぁ…
魔法学校に入学したら・・・私にも友達、できるかしら?
あ・・・あれ・・・?そう言えば…私・・・魔法学校で
友達が出来た時のために何かをどこかに用意していたような…
気がするような・・・気のせいかしら・・・?う~ん・・・』
そう言いながら腕を組んで机のあった部屋に戻ろうとゆっくり
歩き始めたその時、不意にミニドレッサー内の鏡に映る自分が
目に入った。するとサフィーは鏡にそのまま近付いていき
自分の姿をまじまじと見つめながらこう言った。
サフィー『あれ?そういえば・・・私が付けてるこの首のアクセ…
こっちはいつどこで買ったのかは覚えてるけど・・・頭に
つけてるこれ・・・いつどこで買った奴だったっけ…?
う~ん・・・人間界の本とかもあったしもしかして人間界に
遊びに行った時とかかなぁ・・・?ん・・・?あれれ?
そういえば・・・さっき私が言ってた友達がどうのとかって…
もしかして・・・!』
そう言うとサフィーは急に何かを思い出したのか押し入れのある
和室へと向かった。そして中の物を取りだしていくと、例の
フワフワティアラが入ったあのプレゼントボックスを見つけた。
サフィー『あ!あった・・・!』
そう言って中を開くと中にはフワフワアクセが幾つか入っていた。
それを見たサフィーはにっこりとした笑顔でこう言った。
サフィー『そうだそうだ!思い出した!これ・・・魔法学校に
入学してお友達が出来たらお揃いのアクセをプレゼントして
友情の証にしようって思って買ったんだった~!どこでいつ
買ったのかは忘れちゃったけど…このことだけでもちゃんと
思い出せてよかったわ!うふふ♪』
そう言うとサフィーはプレゼントボックスのケースごと
机の前に持って来てニコッと笑みを浮かべながらこう言った。
サフィー『ウフフ♥いっぱいお友達出来ると良いなぁ♥
そのためにも勉強頑張らないと・・・!』
サフィーは気持ち新たにそう言うと魔法学校の入試試験に向けて
勉強をし始めたのだった・・・。
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「あぁ・・・(泣)あぁ・・・!そうだ・・・私…
自分から望んで全部忘れたんだった・・・でも・・・私…
入学式の日に・・・竜也くんに逢えなかったから・・・
ずっと忘れたままだったんだ・・・!」
[newpage]
サフィーはついに自分が望んで渡辺竜也たちと過ごした研究所での
日々を魔法学校の入学試験勉強に集中するために忘却封印魔法で
忘れていた事を思い出したその直後、サフィーはとある疑問が
頭に浮かんで思わずまたフワフワティアラを握りしめながら
不安げな表情でアルバムの端を見つめて呟くようにこう言った。
サフィー「あれ・・・?でも・・・本当に竜也くんは・・・
私に会いに来てくれなかったの・・・?私は・・・
約束を果たして…学年トップで入学できたのに・・・。
いや・・・違う…!だって・・竜也くんは…ブルードに突然
なってしまったって・・・それに・・・さっき思い出した
記憶の中にまだ・・・全部思い出せてない記憶が…!」
サフィーはそのことにはっと気が付くと、また不安が押し寄せて
くるような気がしたので、その悪い感情に押しつぶされてしまう
前に一気に目をつぶって片手でアルバムを更にめくった。だが…
サフィー「あれ・・・?ここで・・・おしまい・・・?」
サフィーは次のページを開くも、そこには透明な写真フィルターが
あるだけで1枚もまだ写真は何も保存されてはいなかった。
サフィー「そ・・・そんなぁ・・・私・・・まだ全部の記憶を
思い出せてないのに・・・!これで…これで終わりなの!?」
そう言いながらサフィーはアルバムを最後のページまでめくるも
やはりもうどこにもまだ見ていない写真は挟まってはいなかった。
サフィー「・・・やっぱり…もう写真これで全部なのね・・・
ごめんなさい・・・私…竜也くんの事・・・全部ちゃんと
思い出せなくて・・・!(泣)」
サフィーはアルバムを閉じた後、思わずそう呟きながら右目から
ゆっくりと涙をこぼした。そしてその涙が机の上に落ちたのを
不意にサフィーは見ると、忘れていた最後の記憶が少しずつ、
徐々に徐々にワンシーンごとに分けて再生するかのように
突然頭の中にゆっくりと蘇りだした。
サフィー「あっ・・・!ああっ!違う・・・!竜也くんは…
会いに来てくれなかったんじゃない・・・!私が・・・
私が・・・!(泣)ああっ!あああああ!」
《サフィーのフラッシュバック》
サフィー「うふ♪やったわ!入学試験、総合成績で1位に
なれちゃった~♪でも・・・まさか運動とかも試験に
あっただなんて・・・勉強ばっかりしてて運動の成績は
いまいちだったから今後は体作りも頑張らなきゃね。
今日はもうあとは帰るだけで、明日からクラスメイトとの
初対面かぁ…友達沢山出来るかなぁ・・・?明日は私とお揃いの
あのフワフワアクセ持って行って、友達になってくれた皆に
プレゼントしなきゃ♪ウフフ♥今から楽しみだわ♥」
そう言いながらサフィーは学校を後にして、自宅へ向かった。
そしてこれは、そんな自宅に着くほんの数分前に起きた事だった。
ブルード『・・・サフィー・・・。』
サフィー『ん・・・?』
サフィーは突然後ろから誰かに声を掛けられ振り向くと、そこには
自分と同じぐらいの身長の赤い瞳をした小さな青い竜の男の子が
小さく微笑みながらこちらを向いていた。サフィーはそれを見て
思わず首をかしげながらブルードに向かってこう言って。
サフィー『え・・・?あなた・・・誰・・・?』
ブルード『あぁ・・・まぁ・・・そりゃ、そうなるよね・・・。
昔と今じゃまるで姿違った別人だし・・・たとえ声が同じだって
言っても…君は僕らの掛けた魔法で記憶を失ってるんだから…』
サフィー『えっとぉ・・・?何の話ですか?誰かと間違ったり
してるんじゃないですか・・・?』
ブルード『そんなわけないだろサフィー。僕だよ僕。渡辺竜也だ。
今は青いドラゴンの姿になっちゃったから、ブルードって
名乗ってるんだけどね。』
サフィー『わたなべたつや・・・?ブルード・・・?』
ブルード『まぁ、口で説明するよりこの姿になったら全部君は
思い出してくれるはずかな。このサイズの白衣見つけるの
中々大変だったよ・・・よっと・・・。』
そう言いながらブルードはサフィーの目の前で白衣を着た。そして
白衣姿になったブルードは笑顔でサフィーに向かってこう言った。
ブルード『さぁ!僕の姿、渡辺竜也の白衣姿をよーく見て!
きっと僕の言いたいことは全部頭の良い君なら察せるはずだ!』
ブルードは自分を見て自分の事を思い出しパートナーになる約束を
ココで果たすつもりで笑顔になりながららサフィーにそう言った。
だがサフィーは何のことかわからず首を傾げたままこう言った。
サフィー『えっ・・・?何・・・?どういうこと・・・?』
ブルード『えっ・・・?そ・・・そんな・・・ほ・・・
本当に何も・・・思い出さない・・・?ほ、ほらっ!僕だよ?
渡辺竜也!君が今もつけてるその頭のフワフワティアラを
君のために手作りしてプレゼントした…!』
サフィー『え・・・?私が付けてるこの頭のアクセは・・・
いつ買ったかは覚えてないけど、確か人間界に行った時に
友達が出来たら友情の証に渡そうと思って同じ種類のフワフワ
したアクセと一緒に買った奴のはずよ・・・?』
ブルード『えっ・・・?』
ブルードはサフィーのその一言を聞いた瞬間に絶望顔になるのと
同時にフッとエンスィが言った言葉が頭の中で[[rb:反芻>はんすう]]した。
《ブルードのフラッシュバック》
エンスィ『ヒトの記憶っていうものは面白いものでね・・・
まぁ、あなたは人間じゃなくジュエルペットなんだけど・・・
とにかく、知的生命体の記憶のシステムって不思議なもので
思い出せない部分は自分の都合よく時間の経過とともに勝手に
事実かどうかに関わらず別な記憶で補完されたりすることって
案外良くある話なのよ。』
《ブルードのフラッシュバック終了》
そしてブルードは体を震わせて涙を浮かべながら呟く様に言った。
ブルード『・・・ごめん・・・サフィー・・・僕のせいだ・・・。
僕が・・・君にこんな事をさせてしまったから・・・僕が…
君の為になんて言って僕らの事を全部忘れさせてしまったから…
僕が…(泣)こんな・・・こんな姿になってしまったから…!』
サフィー『ちょ…ちょっと待って!なんで・・・あなたは
私の名前を知ってるの・・・?なんで・・・そんなに悲しい顔を
しているの・・・?それに…さっき竜也くんがどうのって…』
[chapter:ブルード『もういい!』
サフィー『え…?』]
ブルード『もう・・・いいんだ・・・こうなってしまったのは…
全部僕の責任だから・・・こんな悲しい思いをするのは…
僕だけでいいんだ・・・。』
サフィー『ねぇ、何一人で納得してるの・・・?あなた・・・
私のこと知ってるの?教えてよ!』
ブルード『・・・もういい・・・僕の事は・・・
ブルードの記憶ごと全部忘れてくれ…。
そうすればもうお互いに苦しまないで済むだろう…』
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「あぁ・・・あぁぁぁ・・・!違う・・・!違う違う!
このフワフワティアラは…私の誕生日に竜也くんがくれた…!
それなのに・・・私・・・」
サフィーは大粒の涙をこぼしながら思い出してきた記憶に対して
反応するかの様にフワフワティアラを握りしめながらこう言った。
[pixivimage:120059843-3]
サフィー「待って・・・嫌だよ…私を置いて行かないで…
私は・・・私は・・・!」
[newpage]
サフィーは徐々に思い出し始めた記憶に動揺しながら
堪え切れずに両目から大粒の涙がこぼれるのを見た瞬間、
サフィーは再びさっきの出来事の続きを思い出し始めた。
《サフィーのフラッシュバック》
サフィー『(なんなんだろう…この気持ち・・・私・・・
わけがわからない・・・!)』
ブルード『ごめんな・・・サフィー・・・。これから話す事は…
初めて会った変な男の独り言として聞き流してくれて
構わないから…聞いててうざく感じたらさっさと帰ってくれても
いいからな・・・。でも…今ここで言わないと・・・
ただでさえいきなり姿が変わって困惑してるのに、僕が僕で
これ以上いられなくなっちまいそうなんだ・・・(泣)
だから・・・聞き流すつもりでいいから・・・僕の独り言に
ちょっとだけ付き合ってもらえないかな・・・?』
サフィー『う・・・うん・・・・・・。(どうして・・・
どうして私は・・・初めて会ったはずのこんなドラゴンの
男の子の話を・・・こんなにも聞きたいって気持ちに
なってるんだろう・・・?私はこのドラゴンを・・・
知っているというの・・・?)』
サフィーは自分の中から湧き出る不思議な気持ちに疑問を
抱いているとそれを横目にブルードは涙ながらに語りだした。
ブルード『僕がこの姿になったのは…君に忘却封印魔法を
掛けてから1か月近く経ったある日突然だったんだ。
あの日の朝・・・僕が先生になるきっかけとなった時と
同じような現象が起きてさ・・・夢の中でまた神様に
会ったんだ。そして僕は言われた。【君にはこの世界と、
この世界のパラレルに存在するあなたに宿っている神の力と同じ
神の力を持つ者達がその力を使いこなせる様に覚醒させる
為の手助けを行う役割を持っている。そしてその手助けとは
ランダムテレポートを通して行うものである。何をどうすべき
なのかは、いづれわかってくるはずだ。まずは願いの丘に
向かいなさい。そしてそこで祈るのです。】ってさ・・・
そして僕は・・・目が醒めて朝一で願いの丘に行って祈ったら…
気が付いたら既にこんな姿になっていたよ・・・この姿に
なってからというもの、何故か僕は魔力が信じられないぐらいに
上がったんだ。それこそ、賢者とでもいうべきレベルにね。
今の僕は、あの一般人の魔力を1か月半近く貯める必要があった
忘却封印魔法でさえも、自身の魔力だけで使いこなせる様に
なったんだ!でも・・・この姿から元に戻るための、変身系の
魔法だけは一切使えなくなったんだ・・・。いや、厳密には…
使えなくなったんじゃない…かかってもその効果が自身に宿る
能力のせいで打ち消されてしまうようになったんだ・・・
だから僕は・・・もう多分、一生元の姿には戻れない…。
他の人に変身魔法を僕にかけてもらっても・・・人の姿に
なることはやっぱりできなかったからね…諦めるしかないよ。』
そう言い終わった後、視線をずらしてブルードはこう続けた。
ブルード『さっき校長先生には事情を話して、家庭の都合で遠くに
引っ越す事に突然なったって事にしてもらったよ・・・僕が
学校で担当していた異世界史と性教育は…前に僕がちらっと
話してた付き合ってたあの二人に任せることにした・・・。
あの二人にも僕が今こんな姿になったことは話せていない・・・
悲しむだけになるだろうからね…。校長先生にも口止めした。
で、僕は…先生をこのままやめて、神様に言われたこの世界と
パラレルにいるという、自身と同じ神の力を持つ者を探し出して
覚醒するための助言をする旅に出るよ・・・。今、願いの丘の
裏側に今日の夕方頃には消えるっていうランダムテレポートが
現れているらしいんだ…!僕はそこに行って別次元に旅立つ…
次にここに戻って来れるのは…いつになるかはわからない…
でも、良いんだ…最後に君の姿が見れただけで僕は満足だよ…』
ブルードは体を震わせて涙を浮かべながらそう言い終わった後、
サフィーを見つめながら今度はこんな事を付け加える様に言った。
ブルード『それに…サフィー、言ってたもんな・・・僕の事は…
【人間の竜也くんを好きになったんだから!】って・・・
でもそれって・・・裏を返せば・・・こんな姿になっちまった
僕の事は・・・もう好きでも何でもないって事だろう・・・?
君の記憶が戻らないのが何よりの証拠だ・・・。そして…
パートナーになるっていう約束もさ・・・元々・・・君が無事
魔法学校生になっても僕を好きでいてくれたらって約束だった
じゃないか・・・。でも・・・君は・・・魔法学校生になって…
その気持ちが変わってしまった。そう…それだけの話なんだよ。
君は何一つ悪くない・・・。君と接している内に・・・
僕も勝手に君の事を本気で好きになっていただけ・・・ずっと
その気持ちは変わらずにいてくれるんだろうと・・・勝手に
パートナーになることを夢見ていただけ…僕以外の人と
パートナーなることも考えろって…あんだけ勧めてた癖にさ…
いざ僕のパートナーになるのをやめたって聞いた途端に・・・
こんなっ…(泣)こんな風に泣いたりするなんて・・・ほんとに
僕は自分勝手な奴だよな・・・!くっ・・・(泣)ううっ…!』
ブルードはそう自分に言い聞かせるように言いながら、その場で
立ちすくみ大粒の涙を両目から地面に落としたのだった。
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「あぁ・・・竜也くん・・・違う・・・違うよ…!
悪いのはあなたを見ても何も思い出せなかった私のせい・・・
全部私のせいだよ・・・!それに・・・私は・・・確かに
人間のあなたが好きって言ったけど…あれは・・・!
アレはそんな意味で言ったつもりはない・・・!」
サフィーはそう呟いた後、またフラッシュバックした時のブルード
に返事をするかの様にフワフワティアラを握りながらこう言った。
[pixivimage:120059843-4]
サフィー「私はあなたの事をそんな事で嫌いになったりなんて
絶対にしない!なのに…なんで…!なんで私の前から急に
いなくなったのよぉ~!うわぁ~ん…(大泣き)」
サフィーはあまりにも残酷な受け入れ難い過去の出来事を思い出し
自分を責めるかのようにその場で大号泣し始めた・・・。
[newpage]
そしてそんな頃、オリジナル竜也たちは・・・
モルダヴァイト「ささ、こちらですぞ!この一般開放しております
図書館へ通じる道の奥にありますあちら・・・あそこの突き当り
にある鍵のかかった部屋が渡辺先生の住み込み部屋だった
地下の倉庫です。」
サンゴ「あの鍵のかかった部屋・・・ずっと気になってたけど
地下倉庫だったにゃん・・・?」
ルビー「知らなかった~!中に何あるのかなぁ~?」
モルダヴァイト「フォッフォッフォッ!それは見ての
お楽しみじゃ!」
竜也「ふふっ、そうですか。・・・ううっ!」
ルビー「えっ・・・?」
サンゴ「にゃん・・・?」
モルダヴァイト「た…竜也殿!?どうされました・・・?」
オリジナル竜也は突然歩いてる途中に頭に違和感を感じ出し、
右手で自分の頭を抑えながらその場にしゃがみこんでしまった。
竜也「な・・・なんだ・・・!これは…シンクロとはまた違う…!
何か・・・記憶が・・・!はぁ・・・!はぁ・・・!」
ルビー「ちょ!ちょ!大丈夫竜也くん」
サンゴ「な…何事だにゃん・・・!?」
モルダヴァイト「だ・・・大丈夫ですかー!?竜也殿ー!」
竜也「あぁぁ・・・」
オリジナル竜也は体は倒れなかったがしゃがみ込んだまま
軽く気絶してしまったのか目を閉じたまま完全に動かなくなった。
するとその瞬間にサフィーと同じタイミングでブルードの記憶が
頭の中で突然再生され始めたのだった・・・。
《フラッシュバック》
ブルード『は・・・はははは・・・(泣)あーあ。本当に
僕って奴は・・・初対面の相手に何こんな意味の分からない
愚痴なんてこぼしてるんだろうな・・・でも・・・いいんだ…
今話した僕の記憶ごと・・・ブルードの記憶も・・・
そして渡辺竜也の記憶も・・・全部君には忘れてもらうから…』
サフィー『え・・・?お話しは…もうおしまい・・・?
(あれ・・・?何で私・・・こんなにもこの人の話を・・・
もっと聞きたいって思ってるんだろう・・・?え・・・?人…?
私…何言ってるの・・・?この人・・・どう見ても人じゃなく…
ドラゴンなのに・・・わからない…何も…思い出せない…!)』
ブルード『あぁ。僕の話はこれでおしまいだ・・・
こんな変な男の話に最後まで付き合ってくれてありがとうな…
これ以上お互いに苦しまないためにも・・・君に忘却封印魔法を
かけた後…僕自身にも忘却封印魔法を掛けることにするよ…
あ・・・そうだ・・・最後に・・・1つだけ・・・これだけは
言わせてもらえないかな・・・?』
サフィー『な・・・なに・・・?』
ブルード『もし・・・君が全ての事を思い出して・・・
こんな姿になった僕の事もまだ好きって言ってくれて…
君のためなんて言って君の記憶を消してしまったりした
こんな僕と…それでもパートナーになりたいって・・・
そう思ってくれるのなら…僕は喜んで君のパートナーになるよ!
だからこれから君に掛ける忘却封印魔法は・・・そんな僕の淡い
一縷の望みをかけて、解除条件を【渡辺竜也の事を
全て思い出す】に設定しておくことにするよ・・・。そして…
僕との思い出を全て思い出した時に・・・今日ここで今あった事
も一緒に全部思い出して・・・ こんな姿になってこんな事まで
君にしてしまった僕の事を・・・まだ好きでパートナーに
なりたいって言ってくれるのなら・・・
その時は…僕のパートナーになってくれよ
サフィー・・・・・・!(泣)』
ブルードは覚悟を決めた表情でそう言い終わった後、フッと
立ち上がってサフィーに近付き右手を伸ばしてこう言った。
ブルード『忘却封印魔法・・・忘却対象、ブルードと渡辺竜也に
関すること全て…解除条件…渡辺竜也の事を思い出す…
[chapter:[[rb:Curse Zing Lock>カース…ズィンロック]]!!』]
サフィー『がぁぁぁぁっ!あぁぁっ…』
ブルードはサフィーに忘却封印魔法をかけた直後、エンスィと
二人で掛けた時と同じように同時に催眠魔法も掛けると、そのまま
眠らせたサフィーをレオノーラで運んでいき、あの思い出が
詰まった公園のベンチに座らせると、振り返らずに走って行った。
そしてブルードはそのまま願いの丘に現れたという
ランダムテレポートの前に着くとこんな事を呟きだした。
ブルード『さて・・・僕ももう未練はきっぱり捨てる事にしよう。
僕に課せられた使命をしっかりと果たすためにも・・・!』
そう言うとブルードは右手に魔力を貯め込みながらこう言った。
ブルード『自分で自分にかけてどれほど効果があるのかは
わからないが…今の自分の魔力ならきっと上手く行く…はずだ。
よし・・・やるか・・・!』
そう言うとブルードは自分に向かって忘却封印魔法をかけだした。
ブルード『忘却封印魔法…忘却対象、サフィーに関する記憶全て…
あ・・・いや待て・・・!』
ブルードは一度そう言って魔法を唱えようとしたが一旦中断して
自分の右手を見つめながら何故かこんな気持ちになりこう言った。
ブルード『記憶を全部消しても良いが…サフィーとの記憶の中には
これからの使命に役立つ記憶も結構沢山あったような気が
しないでもないんだよな…そもそも異世界魔法やこの
忘却封印魔法のことだって・・・自分のこの魔法かけてこれすら
思い出せなくなるのは色々と不都合がありそうだよな・・・
とはいえこの感情のままだと僕は・・・う~ん・・・よし!
ならばこういう条件にしよう!』
ブルードはフッと思いついたのかまた魔力を右手で込めながら
改めて忘却封印魔法を自分に掛ける準備を始めだした。
ブルード『忘却封印魔法…忘却対象、渡辺竜也、及びブルードの
使命と直接的に関係のないサフィーとの思いで全て。
解除条件・・・サフィーが渡辺竜也の事を思い出す・・・
Curse Zing Lock!・・・うごっ・・・!ううっ・・・。』
ブルードはそう言いながら自分に向かって忘却封印魔法をかけた。
すると、自分で自分に掛けたからなのか、はたまた魔力量が
ドラゴンの姿になったせいでは核になっていて耐性があったから
なのかは反動は少なく、すぐに意識も元に戻ると、目の前に
ランダムテレポートがあることが分かり、それを見てすぐに
ブルードは自身の使命を全うするためこの中に入って行って
別次元の神の力を持つ者を探してくるための旅に出ようとしていた
事を思い出すと、真剣な顔つきで自分を奮い立たせるかのように
ランダムテレポートに向かって言い放つようにこう言った。
ブルード『よし・・・そろそろ行くか。』
そう言うとブルードはランダムテレポートの仲へと消えて行った…
そしてブルードが異次元へテレポートした瞬間、サフィーは
その場でゆっくりと目を覚ました・・・。
サフィー『ん・・・あれ・・・?ここは・・・?公園…?』
サフィーは知らないうちに講演に来ていることに気が付き辺りを
思わずキョロキョロしたあと公園の柱時計の時間を見て言った。
サフィー『あら、もうこんな時間なのね!私ったら・・・
勉強根詰めすぎちゃってたのかしら・・・疲れた状態で
フラッとここにきていつの間にか寝落ちしちゃってただなんて。
そろそろ帰らなくちゃ♪ふふっ、明日が楽しみだわ♥
友達いっぱいできるかしら?』
サフィーはどうして公園に自分がいるのか不思議には感じたものの
あまりその事は深く考えず、そのまま家に戻って行ったのだった。
《フラッシュバック終了》
・・・だが、フラッシュバックが終わった後もオリジナル竜也は
何故か目を覚まさなかった。だが代わりに、まるで夢を見ている
かのように真っ白い空間の中で自分と全く同じ姿をした不思議な
男性に突然オリジナル竜也は話しかけられるのだった。
オリジナル竜也『うん・・・?あれ・・・?ここは・・・?
さっきまで俺魔法学校の廊下にいたはずなんだが・・・』
渡辺竜也『ごめん、オリジナル竜也・・・どうやら突然大量の
情報量が君に流れ込んで来てしまったために脳が情報を処理
しきれなくなってしまって一時的に活動を休止してしまった
みたいだね・・・』
オリジナル竜也『うん・・・?それって要するに・・・
その情報処理に顕在意識の部分も脳が使いだしたばっかりに
昏睡状態みたいに今俺なっちゃってるって事・・・?』
渡辺竜也『呑み込みが早くて助かるよ。まぁそう言う事だ。
君は今しゃがんだまま眠った状態になってる。だからさっき
君がサンゴの家で眠った時みたいにこの空間にいるって訳さ。』
オリジナル竜也『そ・・・そうなのか・・・。』
渡辺竜也『とはいえ、この状態はそんなに長くは続かないだろう。
時間もないから要点だけサッサと伝えておくよ。』
オリジナル竜也『なんだ・・・?』
渡辺竜也『サフィーが全ての記憶を取り戻した。』
オリジナル竜也『…みたいだな。俺もここの空間で目を覚ます
直前にブルードの姿で異次元にポータル通って旅立つまでの
一部始終の記憶が入ってきたよ・・・。』
渡辺竜也『そうか…なら詳しい話は言わなくても分かるかな。
サフィーはきっと今頃…僕の事を思い出せずにいた自分を
責めて大泣きしているはずだ…さっきも言ったけど…
ここで改めてもう1度お願いするよ…サフィーの事を・・・
どうかよろしく頼んだぞ・・・もう一人の…竜也…!(泣)』
オリジナル竜也『・・・あぁ・・・わかった・・・!』
そう言うと渡辺竜也はすぅ~っとまたオリジナル竜也の中に
まるで気体となった水分を服が吸収していくかのように
入って消えると、空間自体も真っ白になっていき始めた・・・。
[newpage]
そして同じ頃、オリジナル竜也と同じブルードに追加でサフィーが
忘却封印魔法を掛けられてそのままブルードも自身に忘却封印魔法
を掛けたのち異次元へと旅立った記憶がフラッシュバックのように
脳裏で再生されたサフィーは渡辺竜也の心配通り自分を責めて
フワフワティアラを握りしめながら大泣きしてこう叫んだ。
[pixivimage:120059843-2]
サフィー「私のせいだ・・・全部私のせいだ・・・・・・
(私が…ブルードになった竜也くんを見ても竜也くんの事を
なに1つに思い出せなかったから・・・私が・・・
人間の竜也くんが好きだなんて言っちゃったから・・・・・・)
ごめんなさい・・・(泣)ごめんなさぁぁ~い!(大泣き)
うわぁぁぁ~ん・・・あああっ…ヒック…ひっく…ぐすっ…」
だがサフィーは大泣きしながらそう言った後、フッと冷静になって
ブルードに言われた言葉を思い出し、これから自分が何をすべきか
分かったサフィーは慌ててフワフワティアラを握ったままばっと
その場で立ち上がり真剣な表情でこう言った。
サフィー『…会いに…行かなきゃ…!竜也くんに・・・
ブルードに・・・!そして…謝らなきゃ・・・ずっと・・・
ずっと大好きだった人の事を…こんなにも長い間忘れてしまって
・・・私の勘違いで酷い事を沢山言って・・・竜也くんを
悲しませちゃったことを…!そして・・・伝えなきゃ・・・!
私も今でもあなたが好きで…あなたが例えドラゴンになったの
だとしても…私はあなたのパートナーになる事を誓うって…!』
そうサフィーは宣言するとフワフワティアラを左手で抱えたまま
右手でドアを開けて渡辺竜也の住み込み部屋から出ると地下倉庫の
入り口前にある鍵のかかったドアの前で立ち止まった。…すると
その瞬間、突然脳裏にこんな事が思い浮かんでしまった。
サフィー「あ・・・あれ・・・?でも・・・私が・・・
私がもし竜也くんをパートナーに選んでしまったら…!」
《サフィーのフラッシュバック》
サフィー『夢と仲間、どちらか片方しか選べないなんて・・・
そんなのあんまりだわ!何か・・・夢を追いかけながら
ずっと私達が繋がり続けられる方法ってないのかしら…?』
ルビー「ふふ~・・・それはねぇ~・・・
皆で1人のパートナーになればいいの!」
ルビー「頭が良くて色んな魔法が使えて~…」
ガーネット「かっこよくてぇ~・・・」
サフィー「私の知らないことを沢山知ってて・・・」
ペリドット「大きな夢を持っていて…」
ルナ「絵を描くのが大好きで~・・・」
ミルキィ「怖がりな私を守ってくれる強い人で…」
ダイアナ「【お兄様♥】って甘えさせてもらえる、
とっても頼りになる人で・・・」
チャロット「蜜蜂のうちの事も1人の女の子として
愛してくれる優しい人でぇ~・・・・・・」
サンゴ「スウィーツや猫が大好きでぇ~・・・」
フローラ「私の癒しを必要としてくれるちょっと大変な
お仕事をしていて・・・」
10匹「私たち全員を愛してくれる人!」
《サフィーのフラッシュバック終了》
サフィー「私が・・・もし竜也くんを選んでしまったら…
皆と出逢う前から本当は心に決めていた相手がいました
なんて今更言ってしまったら・・・私達の関係は…!」
サフィーは自分が渡辺竜也をパートナーにするという事は
あの時皆でしたお願いを破棄してしまう事だろうと勝手に
思い込みだし不安になったが、今までずっと4年間も一緒にいた
ルビーたちの性格を知っているサフィーはこう言った。
サフィー「ううん、違う…。本当はわかってる・・・
きっと・・・ルビーたちなら・・・私が事情を全部話せば・・・
喜んで私が竜也くんとパートナーになることを応援してくれる…
皆は・・・私の幸せを一番に願ってくれてるから…。でも・・・
せっかく・・・(泣)折角皆で魔法学校卒業後も離ればなれに
ならないで済むと思ったのに・・・こんな…こんなことって…!
結局・・・大好きな人とパートナーになる夢と、親友達と
ずっと一緒にいられる夢を同時に叶える事はできないだなんて…
そんなの・・・あんまりだわ・・・」
サフィーはそう呟くと一度は泣きやんだはずだったのに再び
猛烈な悲しみが押し寄せてきて、思わずまた大声で泣き出した。
[pixivimage:120026200-2]
サフィー「うわぁぁぁ~ん・・・(泣)わたし・・・これから
どうすればいいの・・・?私・・・選べない・・・!
選びたくない・・・!なのに・・・こんな…」
[newpage]
そしてそんなことがサフィーの身に起きていた頃、オリジナル竜也
はやっと目が醒めてその場から立ち上がりながらこう言った。
竜也「うん・・・?はっ!あれ・・・!?」
ルビー「あっ!竜也くん!」
サンゴ「大丈夫にゃん!?」
モルダヴァイト「急にしゃがみ込んで動かなくなったからみんな
凄く心配しておったのじゃぞぉ~…でも大丈夫そうで…って
なぁぁっ!?」
ルビー「あれ・・・?竜也くん、何で泣いてるの・・・?」
サンゴ「何か悲しい事でもあったにゃん!?」
竜也「えっ・・・?」
オリジナル竜也は自分では自覚がなかったが気が付くと両目から
涙が垂れていた。ルビーたちに指摘されてようやくそのことに
気が付くと、右手で軽く拭いながらこうルビーの質問に答えた。
竜也「あぁ・・・すまない・・・。サフィーとの思い出をちょっと
思い出してしまったものでね・・・。」
ルビー「えっ!?竜也くんってサフィーと知り合いだったの!?」
竜也「あぁ・・・。厳密には、この世界の俺が・・・だけどな。
って・・・こんなことしてる場合じゃない!早く・・・
会いに行かなきゃ・・・!サフィーに・・・!」
サンゴ「・・・って言ってもサフィー今いったいどこにいるのか
さっぱりわからないにゃん・・・」
モルダヴァイト「どこか心当たりでもあるのか・・・?」
竜也「それは・・・・・・」
オリジナル竜也がモルダヴァイトの質問に対して回答に困っていた
その時だった。突如として向かう途中だった地下倉庫の入り口の
方向から女の子の泣き声の様なものが聞こえてきた。すると、その
泣き声に聞き覚えのあったルビー達はすぐ気付いてこう言った。
ルビー「あれ・・・?今の声って・・・?」
サンゴ「サフィーの声だにゃん!」
竜也「あっち側からしたな」
モルダヴァイト「・・・え・・・(汗)あぁ…それってつまり…」
モルダヴァイト校長はまさかと思っていたがやはり自分が確認を
ちゃんと中まで入ってしなかったばっかりに閉じ込めてしまって
いた事に気が付くと冷や汗を大量にかきだした。すると、
そんな焦ってる校長をこれみよがしにルビーはにやにやと変な笑み
を浮かべながら顔を近づけて嬉しそうにこう言った。
ルビー「ふふふっ、校長でもそういうことしちゃうことあるんだー
いーけないんだ~!」
モルダヴァイト「うぅぅ・・・面目ない・・・」
竜也「まぁ、そう校長先生をあんまりいじめるなってルビー。
悪気があってやったんじゃないしさ。人間誰だって間違いを
犯す事なんてあるもんだし。…てかそういやちょっと
今自分で言ってて気になったんですけどそういえば・・・
校長って人間ですか?」
モルダヴァイト「ん?わしか・・・?わしは…ふふふ、
そうじゃの・・・わしは・・・企業秘密じゃ♥」
竜也「なんだそりゃ・・・」
そんな会話をしながらオリジナル竜也たちは泣き声のしている
地下倉庫の入り口前に辿り着くと渡してもらった鍵で南京錠を
開き、そのままオリジナル竜也は地下倉庫の中に入った。すると…
【カチッ…!がちゃ・・・】
サフィー「えっ・・・?はぁぁぁっ・・・!」
サフィーは突然開いた扉の音に反応して顔をあげるとそこには
ずっと恋焦がれていた竜也の姿が突然現れて、感極まった
サフィーはその場で体を震わして涙を湛えた直後、我慢できずに
竜也の体に向かって飛びつくようにジャンプした。
サフィー「竜也くん・・・!」
竜也「サフィー・・・!」
竜也は飛びついてくるサフィーをそのまま両手でぎゅっと
抱きかかえると無言で強めにハグを数十秒間し合った。
そしてサフィーはそのまま竜也を見つめると少し恥ずかしそうに
顔を赤くして照れながらも嬉しそうな声でこう言った。
サフィー「竜也くん・・・私・・・全部思い出したよ…!」
竜也「うん・・・。」
サフィー「ねぇ…竜也くん・・・?」
竜也「なんだい?」
サフィー「私の・・・パートナーになってくれませんか…?」
竜也「うん…!もちろん!約束したもんね!」
サフィー「わぁ・・・!竜也くんっ♥大好きですっ♥」
竜也「ふふふっ、俺も大好きだよ。サフィー・・・」
そう言って笑い合った直後、近くにいたルビー達がこう言った。
ルビー「えへへ♥よかったねサフィー。」
サンゴ「これでサフィーも魔法使えるようになるにゃん!」
サフィー「えっ・・・?あ・・・」
サフィーはルビーたちも近くにいた事に気付き、慌てて竜也の
腕の中から降りてルビーとサンゴの前に行くと、悲しげな表情に
再び戻りながら覚悟を決めてこう切り出した。
サフィー「…ルビー…サンゴ・・・ごめんなさい!」
ルビー「うん・・・?」
サンゴ「にゃん・・・?」
サフィー「私…今まで言わなかった…というより・・・私自身も
訳あって忘れちゃってたんだけど…私にはね・・・竜也くん…
っていう・・・皆と出逢うよりもずっと前から・・・パートナー
になってもらおうって心に決めていた相手がいて・・・それが
この人なの!だから…私、この人と昔した約束を守って
パートナーになります!どうか許してください・・・!」
ルビー「へ・・・?」
サンゴ「えっとぉ…何を許すって話なんだにゃん・・・?」
サフィー「えっ・・・?だって・・・私は異世界や異次元を
行き来してる竜也くんとパートナーになっちゃうのよ…?
折角皆で一人のパートナーになってこれからもずっと一緒に
いようって誓ったのに・・・」
ルビー「ええっとぉ…ごめん、ルビー、サフィーが言ってる事
ちょっとよくわかんなーい・・・」
サンゴ「ごめん、サンゴも何を謝ってるのかわからないにゃん…」
モルダヴァイト「サフィーよ、もしかしてお主・・・
何か勘違いをしているのでは?」
サフィー「えっ・・・?勘違い・・・?って、校長先生も
いらしていたんですね!」
モルダヴァイト「あぁ!お主にこれを渡すのを忘れていたからの…
ほれ、ジュエルポッドの充電線じゃ。」
そう言いながらモルダヴァイトは充電線を持って見せた。
サフィー「充電線・・・?ハッ!?もしかして・・・
さっきジュエルポッドが突然真っ暗になってどのボタンを
押しても全く反応なくなったのって…」
モルダヴァイト「やはり充電切れ起こしておったか…すまんの。
渡すときに充電線を忘れていたうえ、全然使ってなかった
とはいえ自然放電で結構充電の残りが少なくなっておった
ようじゃな・・・メールに既読すら全然つかなくなっておった
からそうじゃないかと思っておったわい。」
サフィー「そうだったんですね…わざわざ届けてくれて
有難う御座います、校長!ところで・・・私の勘違いって…?」
ルビー「勘違い・・・ハッ!?もしかして・・・
竜也くんのパートナーになったら皆とお別れする羽目になる
って思ってたりする・・・?」
サフィー「えっ…?だって…そうじゃないの・・・?」
ルビー「違うよー!逆だよ逆~!竜也くんは~…私達が
願いの丘でお願いしたおかげで現れてくれた、
私達10人の理想像を完璧に満たしてる男の子なんだよ!」
サフィー「えっ…(泣)それって・・・!」
サンゴ「だーかーらー!竜也くんは頭が良くて色んな魔法が使えて
とってもかっこよくてサフィーでも知らないような事を
沢山知ってて大きな夢も持っていて絵を描くのも大好きで
怖がりなミルキィちゃんみたいな仔を優しく守ってくれる
強い人で、とっても頼りになるお兄様みたいな存在で、
チャロットの様な蜜蜂の子も1人の女の子として愛してくれる
優しい人でサンゴと同じでスウィーツが大好きで・・・
神様からの使命を果たすために冒険をしているという
フローラの癒しが必要になりそうなレベルのかなり大変な
お仕事をしている私たち全員を愛してくれる人なんだにゃん!」
サフィー「そ・・・それってつまり・・・!私が・・・
竜也くんを選んでも…皆と一緒にいられるって事…?」
竜也「…あぁ…。僕はこれから、君の親友である
他の7匹の娘達ともパートナー契約するつもりさ。
…手伝ってくれるかい?サフィー…」
サフィー「あぁ…!あぁぁぁ・・・!(泣)」
やっとすべての状況を察したサフィーはまた感極まって涙目に
なりながら片手で握っていたフワフワティアラを再び両手で
ぎゅっと握りしめて急激に緊張が解けたのかそのまま尻もちを
着くように地べたに座って足を少し開脚した状態で微笑むと
涙を浮かべたまま嬉しそうな表情でこう言った。
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サフィー「ありがとう…皆大好きよ♥」
モルダヴァイト「フォッフォッフォッ!よかったのぅ…!
さて・・・わしはお主たちの邪魔するのもなんだし、
そろそろおいとましよかの。っと、危ない!これ
まだ渡しとらんかった!」
そう言うとモルダヴァイト校長は見せて会話しただけでまだ
渡していなかったジュエルポッドの充電線をサフィーに渡した。
サフィー「ありがとうございます!校長!」
モルダヴァイト「うむ。では、わしはこれで…いやちょっと待て!
竜也よ。サフィーのパートナーになるのならば…さっき渡した
この部屋の予備の鍵はわしがやっぱり預かってても良いかの?
サフィーにはもともと渡辺先生の鍵を渡しとるし。」
竜也「そうですね、そうしてください。」
そう言うとオリジナル竜也は校長に鍵を渡した。そして校長は
竜也から鍵を受け取ると、にっこりした笑顔でこう言った。
モルダヴァイト「うむ、では、わしはこの辺で失礼するぞ。
その部屋は今後自分の部屋として自由に使ってくれて
構わないからな。今日はもう遅いし、ここに泊まっていくのも
良いじゃろう。ベッドも確か奥にあったはずじゃからな。」
竜也「わかりました。では…お言葉に甘えてそうさせて
頂きます。で、いいよな?ルビー、サンゴ、サフィー。」
ルビー「うん!もっちろん!」
サンゴ「えへへ♪竜也くんのお部屋でお泊り会だにゃん!!」
サフィー「はい!ウフフ♥」
竜也「それじゃあ…今晩は色々とありがとうございました。
校長もお安全にお帰り下さいませ。」
モルダヴァイト「うむ!竜也殿も無理のせんようにな…」
竜也「はい!」
そんな会話をした後、校長はその場を去っていった…。
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竜也「よし、それじゃあ…今日はここで泊まるとしようか。」
ルビー「うん!」サンゴ「にゃん!」サフィー「はいっ♥」
こうして無事、サフィーも仲間になったオリジナル竜也達は
渡辺竜也の住み込み部屋で一夜を共にする事になりました。
続く。