騒々しいレストランへようこそ!(改訂版)1章 1部 2

  1 ガスタが帰った後

  リミ「あと三時間…」

  ユウリ「頑張ろう…ピークは過ぎたし…」

  二人とも疲れているけど、頑張って営業しています。そんな中、突然として

  カランカラン

  小さな鐘が鳴る。扉にいたのは今すぐにでも倒れてしまいそうな瀕死の少年がふらつきながらやって来た。

  リミ「大丈夫?!」

  その少年はかなり息が荒く、身体も傷だらけ。安否を伺うと、ふっと気絶してしまった。リミが身体を支えていたから彼が床に伏せることにはならなかった。

  リミ「傷だらけ…ユウリ」

  ユウリ「ん?」

  リミ「ガスタ君、呼んで」

  ユウリ「わかった。」

  2 ガスタが到着して

  カランカラン

  ガスタ「呼ばれたから来たけど…」

  リミ「この子が、ふらつきながら来て…」

  ガスタの顔が蒼白していくことに気がつく。

  ガスタ「わかった。俺が看るから。お前らは取り敢えずここにいとけ。」

  リミ、ユウリ「うん。」

  カランカラン

  ガスタは少年を抱えて家へ帰っていった。

  それで事は終わった、と思いたかった。

  ブーブーブー

  スマホのブザーが鳴る。電話だった。リミが電話を出る。どうやらその電話はタクヤからだったらしい。リミはスピーカーモードにして、ユウリにも聞こえるようにした。

  リミ「もしもし?」

  タクヤ{速く病院に来て!}

  リミ「どうして?」

  タクヤ{ガスタが病院に運ばれた!}

  リミ「えっ!どういうこと?!」

  タクヤ{今は話す時間はないから、取り敢えず速く来て!}

  リミ「わかったわ!」

  連絡はこれで終わった。

  リミ「行きましょう!」

  ユウリ「うん」

  今日はこれで営業終了。二人は急いで近くの病院に駆けつけた。

  3 病院にて

  ガラガラガラガラと戸を開ける音がして、

  リミ「大丈夫?!」

  ガスタがその声を聞いて「静かにしろ」というジェスチャーをする。

  リミ「ごめんなさい」

  小声の謝罪。どうやら少年も負傷していて、ガスタの隣のベッドで寝ていた。タクヤがリミたちが来るまで見舞いしてたそう。

  タクヤ「何でも俺達みたいな動物種が嫌いなヤツがやったらしくて、殺そうと考えてたらしいぜ」

  リミ「酷い…」

  タクヤ「仕方ない。俺達は、れっきとした差別対象なんだし…」

  タクヤの目が細まる。タクヤから伝えられた呆気ない事実。今や多くの人から「動物種」という存在は認可されつつあるけど、それでもそんな事実が許容できない人間がいる。それ故に今でもいじめがあるらしい。因みに、ガスタが連れていった少年はガスタの友人であるセイク君だそうで、狐族です。小学四年生。あの後、少しばかり話してリミとユウリはレストランに戻ることになった。

  その帰り道。

  二人は黙々とレストランに戻っていた。ふとリミは立ち止まった。

  ユウリ「…どうしたの?」

  リミ「見て…綺麗な星空じゃない?」

  リミは夜空を指差す。ユウリは指差された方を向く。

  ユウリ「確かに綺麗だな。」

  川に架かる橋から望む星空は綺麗に輝いていた。

  リミ「そろそろ行こっか。」

  ユウリ「うん。」