狼男の本当のお話

  うーん今日は遅くなったなぁ...。

  あたりもこんなに暗くなったし、いつも、不気味な森を通らないと帰れないんだよな..。

  このあたりでは電車もバスも走ってないからなぇ...。

  私は山奥に住んでいる。どうしてかって?

  そりゃ、山奥の暮らしにあこがれていたんだ。

  空気もおいしいし、畑もよく育つし。

  畑の周りには電気バリケードがあるから、怖い動物たちも近づけないさ。

  その代わり、農薬をまかないから、すぐに病気にかかって食べれなくなっちゃうし、地上の動物は近づけないけど、

  地下のモグラという動物は電気バリケードを地下から潜りこめるし、いつも大体はモグラにやられちゃう...。

  一応、モグラ対策はしているはずなのに....。

  なんだかんだでうまくいかないさ。

  私はいま、買い出しに変える途中。

  道は一応ある。

  しかし、車では到底通ることができない荒れた道だ。

  だから徒歩でスーパーまで買い出しするんだけど、安くなる時間帯の夜、つまり、大体その日に食べないといけないというものが安くなる時間帯を狙うから、すっかり暗くなっちゃうんだ...。

  大きなリュックを背負って、まるで旅人と間違える人もいるかもね。

  クマに襲われないように鈴もつけているし、山旅でもしている人と間違えられることもあるよ...。

  * * *

  私はどんどんアカリが少なくなっていく山道を歩いた。

  所詮荒れた道だし、明かりはほぼない。ライトで照らして歩かないと危ないぐらいだ。

  夜空を見ると今日は満月で星空もあまり見にくい。

  でも、新月の時は星空が美しいんだ。

  私は、最高の星空を見るためにも山奥に住みたかったしね..。

  すると、突然遠くのほうから遠吠えが聞こえてきた。

  まさか、この声は狼!?

  山の中にはやっぱり狼もいるよね...。

  まずいな...。こんなに暗いし、ただでさえ山道で荒れた道だから、走ることもできないや。

  何かいい方法はないのだろうか。

  すると、ちょっとした痛みが走ってきた。

  「痛っ」

  何かがちくりと刺さったそんな感じがしただけだ。おそらく、周りの葉っぱにも当たったのだろうかとも思った。

  家に帰ってきた。

  私の家は水道やガスは通してなく、電気だけ通している。

  一応家の屋根に太陽光パネルを設置して発電とかしているんだけどね。

  電気は主に、冷蔵庫やさっきの電気柵、それと照明の電気に使われるね。

  LEDなので消費電力は少なくて済むね。

  食材を今食べる分と残しておく分と分けて冷蔵庫にしまっていた時、再び、ちくっと刺さった痛みが手から感じた。

  ちょっと針にも刺さったのだろうか。そう思って、手を見てみるが、そんな感じはない。

  作業を進めていくうちになんだか体の内側からむずがゆくなってきた。

  なんだこの感じは...。

  全身掻きたい気分だ。しかも、なんだか体が熱くなるような感覚が襲ってきた。

  なんなんだ!全身に痛みが伴い、なんか骨がぽきぽき折れるような音が聞こえてきた。

  今すぐにも外に出たい気分だった。もうなぜかはわからない。

  それと着ていた服も脱ぎ捨てたい気分でもあった。

  何とか、外に脱出したけど、それはとんでもない苦痛が襲い、息が続かず、息が上がってしまい、とても苦しい。

  こんな苦しい感じは初めて味わった。

  「はぁ、はぁ、、!!!ぐううう!!!がぁああああ!」

  山の中で私の叫び声が自分だけに響き渡る。

  もうあたりは暗いはずなのに、明るく感じる。

  そして、月を見上げたとき、なぜかわからないけど声をあげた。

  「うぉおおおおおおおーーーーん」

  狼の鳴き声感じだ。しかも、目の前の手が地面についている。

  明らかにおかしい。しかももふもふしている。

  それと何か音が聞こえやすい感じがした。

  動物の声が一層強く感じる。

  いったいどうなっているのだろうか、それを確かめるためにも一度、家に入ってみようとした。

  しかし、手が肉球で、しかも、人間の手ではなく、肉球があり、ものを掴むようなことができなさそうな感じになっていた。

  そんな、冗談な....。

  私が狼になったとでもいうのだろうか...。真相を確かめなれば....。

  扉を器用に開け、恐る恐る、鏡を見てみた。

  すると、四つん這いに立っている自分が映っており、しかも、灰色の毛に包まれており、しかも、尻尾までも生えている。

  そして、耳も頭のてっぺんについていた。唯一の違いは、髪の毛のくせ毛の影響か、頭の毛が人間だった名残みたいな髪型になっていて、目も暗闇に対応できるような眼にはなったものの、私の青い目は変わっていなかったようだ。

  普通的な狼男ではなさそうだった。

  こんな姿いやだよぉおお!!!と叫び声をあげたが、その声は寂しげな狼の鳴き声にかわっていた...。

  このまま、外に出ない方がいいだろうね...。と自制して、家の中で一晩狼の姿で過ごした。

  夜は眠れず、狼は主に深夜に活動するからだろう..。こうして、時間が長く感じさせて外に出させて...。と想像しただけでもヒヤリとしか思えない。

  そのうちに時間が過ぎていき、朝になっていくと、体がもとに戻っていく。

  四つ足だったのに、二足になって、着ていた服も、変身前にある程度抜いでいたので無事だった。

  狼に変身するより、人間に戻るほうがそんなに苦しくなく感じた。

  少しは苦しかったけど、何とか人間に戻れた。

  なんだか目線がまたなれない。

  ちょっと戻るとめまいみたいにくらくらしそうだ。

  人間に戻って思考もまともにできるようになった。

  狼の時は、自分の家にいなくっちゃという思いが強く、ほかのことが考えられなかった。

  その前に寝てないので、ものすごい睡魔が来た。

  やっと思考できるというのに眠気が...。

  そのまま、床に倒れるようにぐっすり眠った。

  目が覚めたら、夜で、日がとっくに落ちてしまっていた。

  「そんなバカな...!」

  姿も狼になった後だった。寝ている間は苦しみに気づかないみたいだ...。

  というか、狼男なら、満月に起きるはずじゃ...。

  一日経過しているのに狼になっているなんて..。

  だめだ、そんなこと考えちゃ...。この家から一歩も外に出たらだめだ...。

  でも、お腹が空いてきたな...。

  昨日は何も食べていないから...。

  必死に冷蔵庫を狼の手で開けようと手を使って器用に冷蔵庫の扉を開けた。

  そこにある食材を食べた。

  手で掻き漁って、地面に食材の梱包のビニール袋を鋭い歯で破りながら食べた。

  ビニールは狼でも食べられないことはわかるようだ...。トレーもだ。

  ある程度食材を何でも食べてしまった。

  狼として食べた感触が何とも言えない感情に満ちた。

  人間の育てたものはまずいと...。

  でも吐き出し足りはするほどではないが、少し、口に残るぐらいの気持ち悪さが残った。

  しかし、もし、材料がなくなってしまったらどうしよう...。

  夢精になって外に出て、動物を見つけては食べるという習性になっちゃう...!

  どうしよう...。なんとかして人間に戻る方法はないのか...。

  狼から人間に戻った時、一番体力使ってすぐに眠ったし...。。

  これは本当に狼として生きるしかないのだろうか...。

  狼なのにちょっと思考した。

  そうこう考えていると太陽が再び登り始め、変身が解け始める...。

  今度は人間に戻る変身の仕方が違い、狼の全体にまとっていた毛は床にすべて抜け落ちていきながら、人間になっていった。

  もちろん素っ裸で、そして、どばっと押し寄せてきた眠気には耐えられず、そのまま裸のままぐったり寝てしまっていた。

  そして、いつものように、目覚めるのは日が落ち切って、太陽が見えないときに起きてしまう。

  しかも、また狼になっているし、昨日の抜け毛が、そのまま毛布となって寝ていた感じだ...。

  これは、もしかすると、体も狼にさせるための作戦のための変身方法なのだろうか...。

  今日も、冷蔵庫にある食材をかき集めて食べた。

  そうすると、お腹いっぱいになった時はもう買ってきた分をすべて食べていたようだ。

  というか食べられず、腐ってしまったものも多く、昨日、冷蔵庫を開けたままだったし..。

  電力の使いすぎとかで、電気も蓄電の電気もなくなっていた。

  その証拠に、照明も一昨日からつけっぱしだったのに、照明の明かりがない...。

  もう、何とかして人間に戻る方法はないのだろうか、必死になろうとするけど、なかなか落ち着かず、いわゆる興奮状態になっていた。

  まずいまずい...。そんなこと考えていたら、お腹がすいちゃう...。できるだけ何も考えずに...。

  そして、また朝日が昇ってきた。

  私はまた人間に戻るが、少し、狼のような体つきのまま眠たくなった。

  今までは完全に人間に戻ってから眠気がでて、寝ていたのに、今回は、手の肉球と鼻のまずるをちょっと残して眠気がおこった。

  そして、また夜に目覚めた。

  今度はもうおかずが冷蔵庫にない。

  扉を狼の威力を使い、ぶち壊した。

  なんといっても、木造の建物だしね...。扉も木造で作られている。

  蝶番と木板と取ってをくっつけた簡易的なものだったので、簡単に開く。

  どうしよう、外に出ちゃうともう...。狼として暮らすしかないのだろうか...。

  その恐怖も抱えていた。

  しかし、狼としての本能というか、動物を食べないと生きていけないし..。

  私は、家の外に一歩踏み出したのだった。

  完璧な四つ足で、しかも、外なので、足跡もつくが、その足跡が完全に狼の足跡なのだ。

  改めて、なっちゃってしまったのかと落ち込んでいた。

  しかし、満月だった夜空も、少しづつかけている...。

  もしかしたら、月の満ち欠けでなる感じが変わるのだろうか...。

  例えば、新月で、完全に狼の姿になって、あたらしい月の始まりのように狼として暮らす最初のステップで、また満月になった時は狩りなどの行動がもう一人前として認めらる存在の狼になることを指しているのではないだろうか?

  そんなの嫌だ...。

  近くには水が流れている。

  サラサラとしていて、水もおいしい。

  そういえば、最近水ものんでいない。

  食物の水で十分に取れていたんだろう。

  舌を使って、水をなめると、冷たさが伝わり、そして、なんといってもおいしさ...。この感じは人間の時でも変わらない味だった。

  すると、近くに、小さいウサギが目の前に通りかかった。

  ウサギも水飲んでいる好きに隠れようとしていたが、見つかってしまった。

  ウサギはとっさに草むらに逃げ走り、草むらの中へと身を隠した。

  その時、私は、そのウサギが”おいしそう”と感じてしまったのだ。

  通常ならありえない。私は人間なのに、動物がおいしく感じるのはとてもおかしい...。

  すこし、よだれも垂れていて、自分の目からでも確認できる。

  何か食べないとお腹がすいちゃうと思った私はウサギを向かった方向へ追いかけた。

  というか、私何を考えているんだ..。

  しかし、その時は遅く、もう逃げられていた。

  見失ってしまったか...。

  人間と狼の思考が混ざるって大変だ...。

  しかし、狼になってみると、足の速さが速く、驚いた。人間では出せないスピードだと思う。

  一瞬、車にでも乗ったかのようだ。山道をするする早く走る車のような感じだ。

  そうして、日が上がる前に家に戻り暮れた後は今度は手とまずる、そして尻尾を残して人間に戻った。

  そしていつものように眠ってしまう。

  そして、扉を開けて、外に飛び出した。

  もう、家の中にいなければならない恐怖は飛び去ってしまった。

  食べ物がないと倒れてもおかしくない。

  すると、なぜか私の玄関先に生肉がおかれていた。

  何の肉かはわからないし、誰がこんなことをしたのかはわからない。

  たぶん寝ているときも狼の匂いが強くなってきたのだろうか。

  しかし、生肉を目の前にするとよだれがまずるからだらだらと出していた。

  自分との葛藤が始まった。いやいやいや、人間なんだし、生肉なんて食べたら食中毒で死んじゃうよ...。

  いや、今の私は狼だ、食べても問題ないだろう。

  いやいや、いくらお腹空いているとしても肉じゃなくて、草を食べれば...。

  いや、なんか、肉のほうが確実にうまそう...。

  というか、絶対においしい...。

  ああ、ダメ..。

  目の前にあった肉はペロリと一口で食べた。

  正気に戻った私は目の前にあった肉がなくなっていることに恐怖を覚えた。

  思わず「うぉ!?」と鳴き声を漏らした。

  狼として初めて、生肉を食べてしまったのだった。

  しかし、そんなもの、食べてぐらいでは腹が満たされない...。

  動物を探さなきゃ...。

  いやいや...。人間だって、なんで動物を食べようとするんだよ...。

  もうぅ...。嫌になりそう...。

  狼の思考が強くなりつつあり、人間の考えもどんどんなくなる感じが嫌だった。

  そして、半月の朝、今度は狼の耳も残したまま熟睡していたようだ。その姿はまるでケモショタみたいだ。

  徐々に狼としての暮らしにふさわしい姿になっていっている。

  そして、その日の夜。

  いつものように夜中に起き、動物を探して獲物を探している。

  もうその行動が当たり前になりつつある。

  一瞬我に返るときもあるが、人間だった記憶は定着しているものの、それがどんな姿なのかは忘れてしまっていた。

  そして、私、初めて、狩りに成功したんだ。

  ウサギを捕まえて、見事食料をゲット。

  食べているときに血があふれてきたときに人間のことを思い出す。

  とてもグロすぎて吐きそうになっている。

  しかし、お肉はおいしい...。歯をよく使って、骨までかみ砕く感触がたまらない感じを覚えてしまった。

  徐々に病みつきにウサギの肉を食べ、完食した。

  一匹でも十分な肉の量だ。

  今のはらと、狩りに生かす筋力のためだろうね。肉を食べるのは。

  しかもこんな体験するのはなんか楽しくなってきちゃった...。

  私としては恥ずかしい思いでしかなかった。

  人間は電気代とか、生活費がかかるけど、狼なら、ゼロ円で生きることができる...。

  このまま狼の姿でいいかも...。最初は人間に戻りたかったけど、なんか、こっちのほうが...。

  そんな思考になっていった。

  そして、新月の日がやってきた。

  月はないが、とても星空が美しく、人間とは違った見え方をする...。

  なんだか、叫んでみたい気分になったので、遠吠えをしてみた。

  「くをぉおおおおんn!」

  気持ちもすっきりしたし、もう部屋に戻らなくても眠気が来るときも全然変化なかったしね...。

  そこらへんの草むらとかで寝ることができる....。

  私の理想形に近い暮らし方だよ...。

  星空も美しく、今日は狩りをしなくても星空がご飯かな...。

  とってもおいしいお星さまだ...。

  完全に狼の姿になったが、心は人間のまま感があった。

  本当の狼はたぶん、星空には魅了されないだろうね...。

  美しいお空...。なんか、新しい人生の始まりみたいだ...。

  そうして、私の狼生活は始まった。

  狼の友達も増え、一緒に仲良くして、子育てもしたし...。

  そうそうしているうちに、あっという間に時間が経過し、再び、満月の日がやってくる。

  この日は特別で、この日は、人間を襲うと、狼にさせて、私のように、狼人生に引き込ませよう...。

  それが許されるのが満月の日だから...。

  満月が真上らへんに来たとき、私たちは遠吠えをする。

  「うをおおおおん!」

  やっぱり、遠吠えは気持ちいい..。。美しい音色だ。気持ちもリセットされる...。定期的に遠吠えするのが癖になる...。

  というかもう癖になっているし。

  最初だけだからね...。嫌なのは...。

  狼になることで、こっちがいいことを教えてやろう...。―

  * * *

  そうして、狼男の伝説が伝わった

  しかし、徐々に広まるにつれて、内容が変わり、満月の時にしか変わらないなど、人間みたいに二足で襲ってくるみたいな事にもなっているようだ。

  でも、襲われて、感染する点については合っているようだった―