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キミにかけられた魔法が今夜も俺を眠れなくさせる。
既読のつかないトーク画面、自分のいないストーリーズ、DMの方にも連絡は来ていない。
もう一度だけ、次見る頃には何か変わっているかもしれない、そうやって何度も同じ画面を行ったり来たりした。
まあ、いつまで経っても変化はなかったけど。
立ち上げていたアプリをすべて閉じて、写真を開いた。
いつの間にかフォルダはショウマの写真でいっぱいになっていた。
卒業式、合唱祭、修学旅行、体育祭…遡れば遡るほど、沢山の笑顔が浮かんでは消える。
「_ショウマ」
俺は涙を流した。眠いからなのか、ショウマを恋しく思っているからなのか、俺にはわからなくなっていた。
もう一周してダメだったら、今日は寝よう。そう思って再びスマホの電源を入れると、通知を告げるバイブレーションが手のひらに伝わった。
ショウマではないのを確かめると、興奮が一気に冷めていくのを感じた。
最近できたばかりの友人、ショウマの良さを語り合える唯一の親友が、『今日のハイライト』といった文面と共に、数枚の写真を送ってきた。
ストーリーズに上がっていたカラオケボックスの、彼からの視点のショウマの写真_彼もショウマもよく歌いに出るタイプだから端の方で隣同士だったらしい_が数枚と実際に歌っているおおよそ1曲フルサイズ分の尺の動画だった。
楽しそうに笑って、美味しそうに食べて、時折失敗しては恥ずかしそうに唸って、どのショウマも本当に可愛い。
喉仏が動いたり、しなやかな首筋が見えたり、いやらしい表情を無意識(?)にしたり、そういった瞬間に合わせて少しずつ視点をずらしていっているのが、そういうPVなんじゃないかと思った。
『2:37 ここいっちゃんエロい』
一度見終わった動画を巻き戻して、もう一度、指定にあった2分37秒から再生する。
『ほんとそれ』
それだけ返信してトークルームを閉じた。ショウマからはまだ返事が来ていなかった。
_あほくさ。
充電ケーブルも刺さないままスマホを放り投げた。
この恋が終わるまでは、魔法は呪いの様に絡みついて離れないだろう。
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