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「正月ってのは、基本的にだらだら過ごすもんだ」
と、虎徹さんは教えてくれた。
今までずっと忙しい日々を送ってきた僕は、だらだら過す方法が分からない。
「仕方ないな。俺が教えてやる」
そう言って笑った虎徹さんは、僕と折紙先輩をとある場所へ案内した。
「おーい、アントン!あけおめー!!」
そこは、ロックバイソンの住むアパート。返事も待たずに勝手にドアを開け、僕達が止める間も無くずかずかと入り込む。
「……誰かと思ったら、お前か……って、なんで折紙とバーナビーが、ここに?」
「バニーの奴、だらだら過ごす方法が分からないなんて言うからさ、教えてやろうと思って」
「……僕は単に巻き添えを喰っただけですよ」
ぼそぼそと呟く折紙先輩のテンションを上げたのは、虎徹さんが紙袋から出したそれを見た時だった。
「!!まさかそれは……!」
それは虎徹さんのルーツである日本という国の、世界に誇る技術の結晶……の原型というが。
「お、懐かしい物持ってきたなぁ!よし!!直ぐに準備しよう!ソフトは何持ってきた?」
「初心者向けにマ○オとボ○バーマン。お前にはスペラ○カー」
「スペ○ンカーはやめろ」
それが何なのか分からない僕は、そっと折紙先輩に尋ねる。
「何なんですか?あれは」
折紙先輩の目の輝きが、尋常じゃない。
「あれは、初代ニ○テ○ドーでござるよ!」
それは昔日本で作られた、いわゆる家庭用ゲーム機との事。いい大人が二人で何だかんだ言いながらケーブルをテレビ(ブラウン管なんて初めて見た)に繋いでいくのを眺めながら、僕は溜息をついた。
「つまり、ゲーム対決をするという事ですね?」
何をするか理解した僕は、眼鏡のブリッジを指で押し上げ、宣言する。
「やるからには全力で行きますよ!?」
白熱した展開のゲーム対決の所為で、僕は「だらだらした過ごし方」というものを、未だ理解できないでいる。
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