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(※少し遠くから)
【SE:馬の走る蹄(ひづめ)の音が近づいてくる】
丙(ひのえ)!丙(ひのえ)!どうしたのですか…!
そのようにいきなり走り出して…!
どう、どう!丙(ひのえ)、落ち着きなさい…!
落ち着くのです…!
【SE:馬のいななき】
【SE:馬の蹄(ひづめ)の音が近くで止まる】
【SE:ぱちぱちと炎が舞う音が続く】
【SE:ぶるる、と馬が落ち着くような鳴き声】
丙(ひのえ)…やっと落ち着いてくれましたか…
ただでさえこのように強い炎を身に纏(まと)い、火の気質が強いのですから…
うっかり周りにある物にその炎を移したりせぬよう、気をつけてくださいね
…ところで…いきなり私たちが現れて驚かれましたよね…申し訳ありません
この炎を身に纏(まと)う美しく凛々しい馬は私の相棒でして…
…いえ、まずはこの丙(ひのえ)から降りてあなた様とお話をするべきでしたね
…よっ、と…
【SE:馬から降り、トンッと着地する音】
私は今年の十二支を司る者、ええ、馬の獣人です
以後、お見知りおきを
…何故この丙(ひのえ)があなたに興味を示したのかは分かりませんが…今年の干支が丙午(ひのえうま)の年だということはご存知ですか?
私たちは十二支の内(うち)の守り神のような存在なのです
私と丙(ひのえ)はこうして旅をしながら、自分たちの目で、この日の丸の様々な景色を眺(なが)め、そしてこの蹄(ひづめ)でそれぞれの大地を踏みしめ、命の成熟や活動の最高潮(ちょう)を見守っています
…おや、丙(ひのえ)が目を細めてあなた様に擦(す)り寄っていますね、あなた様のことを余程 気に入ったようだ…
ぜひ首元の辺りを指を動かしながら撫(な)でてやってください
大丈夫ですよ、丙(ひのえ)の炎は善人には熱く感じないので
さあ、その手で撫(な)でてやってください
…ふふ、よかったですね、丙(ひのえ)…
とても嬉しそうだ…
このような出逢いは初めてですし、私もあなた様に興味が湧きました
ですのでお時間あれば、あなた様とゆっくりお話がしたいのですが…どこか景色のよい場所を知っていたら案内して頂けませんか?
…ありがとうございます、そう言えば、あなた様は馬に乗ったことは?
そうなのですね、それでは、丙(ひのえ)もリラックスしている様子ですし、このまま歩きましょうか
(少しの間(ま)をあけて)
【SE:歩く足音と蹄(ひづめ)の音】
…まずは、午年(うまどし)の豆知識を聞いて頂けたら幸いです
十二支はあなた様もご存知の通り、正月の元旦に1番〜12番に到着した動物を大将にする、と伝えられた動物たちが競争をし、ゴールをした順番となっています
私は7番目にゴールしました、どうやらラッキーセブンという意味もあるようなので、縁起がよさそうですね
それから、午(うま)の時刻は午前11時から午後の1時の間(あいだ)のことで、方角では南を指します
1日の内(うち)で太陽が真南(まみなみ)に昇(のぼ)り、陽(ひ)の力が最も盛(さか)んになる時間帯なのです
そして次は、午年(うまどし)の方々の性格についてお話していきましょう
午年(うまどし)生まれの方は明るく前向きで、エネルギッシュな気質を持っています
社交的であり、どんな場所でも自然と人を惹きつける魅力があるそうなんです
人懐っこく話し上手で、初対面の相手ともすぐに打ち解けられるので、周囲からムードメーカーとして慕われることが多いと言われています
何事にも積極的に取り組む姿勢が印象的で、思い立ったらすぐに行動に移すタイプでもあります
ふふ、丙(ひのえ)と私も当てはまっているでしょうか
カラッとした性格で、じっとしているよりも動きながら考えることを好むようです
ただし…直感的でスピーディーな判断が得意な反面、慎重さに欠けてしまうところもありまして…勢いで突き進んでしまうことも…
種族は違うというのに、どこかの猪のようですね…
また、時には感情に流されやすく、せっかちで気分屋な面もありますので…思ったことを率直に口にしてしまい、人間関係で衝突が起こる可能性も…
私は出来るだけ避けたいですね…欠点は全てなくすこと、直すことは難しいですが、気を引き締めなければ
ですがきちんと強みもあるのですよ
自立心が強く、誰かに頼ることよりも自分の力で道を切り開こうとする傾向もあります…!
リーダーシップを発揮し、人を導く立場に立つことも少なくありません
私は丙(ひのえ)にこうして導かれ、あなた様と出逢えました、ふふ
競馬を観ていても分かりますが、午年(うまどし)も競争心が強いため、負けず嫌いな面(めん)があり、目標を決めたら最後までやり遂げようとします
感情表現も豊かで、情熱的で…自分で言うのも何ですが努力家、なところもありますね
基本的には裏表のない性格ですので、誠実さも併(あわ)せ持ち、まさに太陽のように周囲に活力を与える、人に愛される存在である方々が多いようです
これらは守り神として嬉しくもあり、光栄なことですね
【SE:足音と蹄(ひづめ)の音が止まる】
【SE:葉のさわさわとした音と、優しい風の音】
【SE:サラサラと流れる川の音】
…っ、これは…何と素晴らしい景色なのでしょう…!
すー…はあ……空気も澄んでいて風も心地いい…川のせせらぎも癒やしを放っている…
先ほどの町並みの近くにこのようなところがあっただなんて…!
私たちまでも優しく包み込み、受け入れてくれる素敵な場所が…!
丙(ひのえ)も炎の尻尾を振って喜んでいるのが見受けられます…!
根を張り芽を出し、これから咲き誇ってゆくであろう草花たち…
日向(ひなた)のこのあたたかさ…緑の匂い…まだ成長途中であっても、この景色は私たちにとってとても新鮮な場所です…!
…ここはもしかして、人気のスポットというよりは…あなた様のお気に入りの場所なのではないですか…?
…!そうですよね、やはりそうだと思いました…!
こんなに自然の音のみの静かな環境で人が見当たらないというのは、あなた様がきっと落ち着きたい時や気持ちの切り替えなどのリフレッシュ場所として見つけたところなのではないかと考えを巡らせまして…
…丙(ひのえ)、喉が渇いたでしょう…
あの透き通った川の水で喉を潤しておいで
【SE:馬のぶるる、という鳴き声】
【SE:遠ざかる蹄(ひづめ)の音】
…ふふ、あの川の水も、自然と流れているもの…きっと清涼なのでしょうね…
…はい、そうですね、私たちも座りましょう
…あなた様の隣に失礼致します
【SE:座る衣擦れ音】
こうして自然の景色を眺(なが)めながら、あなた様ともっとお話がしたいです
あなた様がよければ、このままお話を続けてもいいでしょうか…?
…ありがとうございます、あなた様はお優しい方でもあるのですね…
それでは今度は違う観点から
馬にまつわる神社もたくさんあるのですが、勝ち運、が主(おも)に強いと言われていますね
先程お話した競馬ファンの方々にも勿論 人気ですし、賀茂競馬(かもくらべうま)、と呼ばれる伝統行事もありまして、馬が境内(けいだい)を駆け抜ける、という天下泰平(てんかたいへい)、つまり、世の中が平和で、争い事もなく治まっていること、無事平穏を祈る意味があり、また、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、米、麦、粟(あわ)、豆、黍(きび)の五穀が豊かに実ることを指し、農作物(もつ)の豊作を願う意味もあります
それから、毎年9月16日の例大祭最終日には無病息災(むびょうそくさい)を神に祈る神事(しんじ)、流鏑馬(やぶさめ)が奉納されています
色々な動物の神社があるかと思いますが、勝負運が必要なときは、私たちの力が籠(こ)もった馬神社でのお守りをぜひ手に入れてみてくださいね
…最も、すでに丙(ひのえ)に気に入られた時点で、あなた様の運は強いということになりますが、ふふ
…と、せっかく神社のお話もしましたので、ここからは午年(うまどし)の仕事運、金運、恋愛運の傾向もお話しておきましょうか
まずは仕事運
これは高い目標ほど燃え上がりますので、午年(うまどし)の高い能力が活かされ、大きな仕事を任されるようなリーダーになりやすいですね
単調な作業よりは、刺激的な環境に向いています
例えば…毎日違う業務をこなしたり、アイデアを出し合うような環境でしょうか…?
次に金運
午年(うまどし)はお金は入ってきますが使うのも早いどんぶり勘定(かんじょう)の傾向がありますね…
貯金よりも自己投資などの出費が多いようです
もしかしたら気持ちよく奢(おご)ってくれたりもするかもしれませんね、午年(うまどし)はたくさんの魅力を持っていますから、ふふ
最後に、恋愛運としての午年(うまどし)は…
これは照れくさいのですが…直感で恋に落ち、情熱的にアプローチを仕掛けます
自由を愛し、束縛を嫌うので適度な距離感を好みますが、直球勝負で相手をエスコートするそうなんです
…丙(ひのえ)はあなた様に向かって走り出し、すぐに甘える素振りを見せました
炎を怖がらなかったのも、あなた様が初めてです
丙(ひのえ)は熱しやすく冷めやすいですが、気に入った相手からは離れようとしません
…一方で私は、あなた様のその清らかで純粋な魂に惹かれてしまいました
最後に恋愛運を持ってきた私は、ずるいですね…
私は、あなた様と丙(ひのえ)が接触した時、すでに直感的に感じていたのです
あなた様が気になる、と
情熱的にアプローチをするというのは、なにも押し倒す、強引にリードすることではないと、私は思っています
午年(うまどし)の性質を深く知ってもらいながら、実はあなた様の反応も見ながらお話していました
あなた様は私が話す出来事に寄り添って耳を傾(かたむ)けてくれ、様々な表情を見せてくれました
その度(たび)に私の胸は、とくん、とくんと、甘やかに跳ね上がってしまったのです
私は守り神、まさか人に恋をするとは想いませんでした…
ことわざでありますが、人の恋路を邪魔する者は、馬に蹴られて地獄に落ちろ、と
あなた様との恋を邪魔する者がいるならば、それが神であっても私は、この蹄(ひづめ)で蹴り倒し、地獄に落とす覚悟でいます
あなた様が私に好奇の目を向けず、そのままの私と接してくださったことが、なによりも嬉しかったのです
丙(ひのえ)も私も…1番は私が、あなた様の元から離れたくないと想いました
…これからのあなた様の道は、私が導きます
丙(ひのえ)に乗って、私と共に、来てはくれませんか
私が必ず、あなた様を守ります
あなた様のように、私も色々な景色を知っています
これからも、たくさんのまだ知らない景色を、あなた様と共に、見ていきたい
あなた様の意思とは関係なく、丙(ひのえ)に乗せて、私も丙(ひのえ)に乗り、この町を走り去る…
そのような強引で荒っぽいことも出来なくはないですが…私はあなた様の本当の気持ちを知りたいのです…
…私のこの手を、取っては頂けませんか
…私と共に、運命を変えていきませんか…?
さあ…お答えを
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