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※草の上を歩く
赤ずきん:もう一回、確認。お酒よしっ!スコーンよしっ!お薬よしっ!うん、忘れ物なし。おばあさんのところ行ったら、すぐに帰ってこないと。
赤ずきん:それにしても、おばあさんは病気なのになんでこんな森にいるんだろう。森を出れば、病院はあるし、治療だってできるのに……何かあるのかな?
※草が揺れる
赤ずきん:ん?
狼:……あれ?
赤ずきん:あ、狼さん。
狼:なんだ。赤ずきんか。
赤ずきん:狼さーん!!
狼:なっ!ちょっと、抱きつかないで。
赤ずきん:えー、どうしてー。
狼:暑苦しい。
赤ずきん:ひどい……
狼:はぁ………今日もまたおばあさんの家?
赤ずきん:うん。お母さんに頼まされて。
狼:そう、気をつけて行くんだよ。
赤ずきん:狼さんは?
狼:私は用事があるから。それじゃあ、気をつけて行くんだよ。
赤ずきん:むー、一緒に行ってくれないの?
狼:行くわけないでしょ。ほら、しっ、しっ。
赤ずきん:むー……
※草を踏む音
※少し間を開ける
※雀の鳴き声
赤ずきん:それじゃあ行ってきまーす。
※草を踏む音
赤ずきん:(鼻歌)
狼:ご機嫌だね。
赤ずきん:あ、狼さん!
※抱きつく
狼:だーかーらー!
赤ずきん:狼さん、この後暇?
狼:え?あぁ……忙しいなぁ
赤ずきん:ふーん……そうなんだ。
狼:今日もおばあさんのところに行くの?
赤ずきん:うん。お母さんに頼まれたから。
狼:そう……そういえば、この先に綺麗な花畑があるのよ。
赤ずきん:え、そうなの?知らなかった。
狼:折角だし、花を積んでおばあさんのところに行けば?きっと喜ぶと思うよ。
赤ずきん:そうなんだ!じゃあ積んでいこうかな。
狼:きっと、おばあさんも喜ぶと思うよ。
赤ずきん:うん。ありがとう、狼さん!!
※草を踏む音
狼:はぁ……さて、用事を済ませましょう。
※少し間を開ける
狼:さてと……今頃赤ずきんは花を積んでるだろうし、ゆっくりと食事にするかな。
……ん?……(匂いを嗅ぐ)……血の匂い?なんで……
※扉を開く
狼:は?
※木の板の上を歩く
狼:なにこれ……死んでる?しかも細かく切られてて……まるで食べやすいようにわざと……
赤ずきん:あ、やっぱり狼さん先に来てたんだ。
狼:っ!
※振り返る
赤ずきん:こんにちは
狼:なんで……花畑に行ったんじゃ……
赤ずきん:うん、行ったよ。でもね、そこの花畑って実はここへの近道だったの。だからすぐにここにこられたんだ。
赤ずきん:そうだ狼さん。私ね、狼さんが食べやすいようにおばあさんは細かく斬ったんだよ。
狼:っ!
赤ずきん:あ、もしかしてかぶりつく方が良かった?それだったら悪いことしちゃったなぁ……あっ!そうなると……あぁ、あっちも失敗しちゃったなぁ。
狼:あんた、何言って……
赤ずきん:なにって……狼さん、お母さんに頼んでおばあさんを今日殺す予定だったんでしょ?
狼:なんであんたが知って……
赤ずきん:んー、まぁ色々聞いたから。お母さんに。病気のおばあさんを病院に連れて行かなかったのはお金がないから。正直、私がお使いで頼まれる食料も、生活ギリギリみたいだし、おばあさんがいなくなれば、少しは余裕が出ると思ったんだって。
それで、お母さんは狼さんと手を組んだ。おばあさんを殺してくれたら、好きに食べていいって。そして……次は私だったんでしょ?
狼:………
赤ずきん:ここに来た私を襲って食べる。その好きにお母さんはこの森から逃げ出す。でも、残念だけどその契約は無効になったよ。
狼:え、どういう……
赤ずきん:だって、契約したお母さんはもういないから。
狼:は?
赤ずきん:言ったでしょ?お母さんに全部聞いたって。ここに来る前におばあさんと同じように食べやすいように細かくしたの。血の匂いは、狼さんがすぐ気づくから念入りに拭いて、花の匂いとかで誤魔化したんだよ。
狼:自分の親を殺したのか?
赤ずきん:別に驚くことじゃないでしょ?お母さんだって、自分の母親と娘を殺そうとしたんだから。まぁ結局は、二人とも私に殺されちゃったんだけどね。えへへ。
赤ずきん:さぁ狼さん、お腹減ってるでしょ。どうぞお婆さんを食べて。お母さんもちゃんとテーブルの上に並べて食べやすくしてるから、夕飯に食べてよ。
あ、でも……この森に人って少ないよね……食事の量が減るのは行けないし……
そうだ!私が狼さんの食事を用意してあげる
狼:用意って……
赤ずきん:私がこの森に人間を誘き寄せてあげる。そして、狼さんがその人間を食べる。とってもいいアイデアでしょ。
狼:あんた、頭おかしいんじゃ!
赤ずきん:おかしくないよ?だって私は狼さんが大好きで、狼さんとずっと一緒にいたくて、狼さんのためならなんだってできる!!だからね、狼さん……
※抱きしめる
赤ずきん:私のことは……食べないで……食べずに、ずっとそばに……私のことを愛して……ね、狼さん……
【完】
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