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かつて殺した上官が目の前に……

  ※足音

  随分ボロボロだね。虫の息って感じ。

  ヤァ、久しぶりだね。

  ふふっ、どうしたの?まるで幽霊でも見るような顔して。

  あぁそうか。君とって、私は幽霊みたいなものだね。

  だって、殺したはずの元上官が目の前にいるんだから。

  そうだよ。確かに私はあの時一回死んだよ。でも、敵国……今の私にとっては自国かな。そこのお偉いさんが私を蘇らせたの。

  色々混乱したけど、私を殺すときにあなたが散々色々話してくれたおかげで、私はあっさり元自国を裏切ることができたの。ありがとう。

  それからは、また軍人として色々頑張ったよ。でも、戦場に出るとバレちゃうから、ずっと国にこもって剣の指導をしてて、兵を強くしてたの。でも同時にね、そっちの地形についても話してたの。元敵国の人間の知恵を生かしたって感じかな。

  だからあっさりあの国は落ちたんだよ。

  人聞きが悪いな。しっかり防衛しなかったそっちの落ち度でしょ?情報なんて、どこから漏れるかわかんないし。

  今頃国のお偉いさん達はあなたと同じように牢に入れられて、順番に拷問されてるか、死刑の順番待ちをしているかってところかな。

  ん?何、殺して欲しいの?

  拷問?いや、必要な情報はすでに別の人を拷問したから君に聞くような情報は何もないよ。他に欲しい情報は、もっとお偉いさんからもらうし。

  だから、殺す理由はあっても生かす理由は何もないんだよ。

  必死だね。でも、一ついいことを教えてあげるよ。今君が生きているのは私のおかげなんだよ?本来なら、君はとっくに用済みで、捕まえたその日に他のヘイト同様に殺されるはずだった。でも、君はこうやって生きてる。さて、どうしてか。答えは簡単だよ。

  君が私を殺したからだよ。

  別に、君を憎く思ってるわけじゃない。君自身も、命令されて仕方なく私を殺したんだろ?

  ……そう、それは辛かったね。安心して、君に命令した人間はそろそろ処刑の順番が回ってくるから死ぬだろう。でもね、私はそんなのどうでもいいんだ。

  命令され足されてない関係なく、君は私を裏切った。それだけが重要なんだよ。

  私ね、君のこと気に入っていたんだよ。努力家で、自国愛があって、私のことを慕ってくれていて……君の笑顔が好きだった。

  でも、殺してる最中の君は随分楽しそうだったよ。そんなに私が憎かった?そんなに、自分より上の人間が抵抗もできずに自分に殺されてるのが嬉しかった?

  ねぇ、君の感情を私に教えてよ。今更隠さなくてもいいよ。どんなに必死に羊の皮を被っても、私はもう君の狼の部分を見ちゃってるんだ。黙って、震えても、私は君を同情しないよ?

  ……まぁ、これからはずっと一緒にいるんだ。いやでも君の心はおええてもらうよ。

  君はこれから私のペットになるの。すでに、私の上官や国王陛下には許可をもらって。

  あぁ殺されることは期待しないで。君は誰かに殺されても蘇る。そういう魔法が書けられている。この世界で賢者クラスの魔法使いがかけたものだから、簡単には解けない。君が死ぬ方法は、自害以外ないんだ。死にたいと思ったら、自分で死ぬんだよ。誰かに殺してもらうことは期待しないで。

  でもまぁ、自害するならタブにまだと思うよ。これから先、君は死にたくないと思うことになるから。

  どうしてかって?ふふっ、言ったでしょ。君はこれから私のペット、そして、私は君のことを気に入ってるって。

  もう二度と裏切れないように、私がたっぷり調教してあげる。頭も心も体もドロドロに溶かして、ちゃんと私だけのいうことを聞く、従順なペットにしてあげる。

  あの時はそれが足りなかったから私を裏切って事したからね。

  もう容赦はしないよ。

  死なせてあげないよ。君はこれから、ずっとずっと生きていくの。

  それじゃあ、まずは手始めにここでしっかり調教してあげる。恨むなら、私を殺して喜んだ自分を恨むことね。

  【完】

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