デビルトゥドッグ

  ここはドラゴンアカデミーにあるフォック達が過ごす家の方にある書庫でフォック、アストル、蒼剣、レイリュウの四人は書庫整理のため掃除をしていた。

  「これはこれっと」

  「色々あるな~」

  「どれもマスターが旅に行った世界や色んな資料がありますね」

  アストル、蒼剣、レイリュウが整理しながらもそう呟く、ここの書庫はフォックが行ったことある世界の資料や詳細そして関連する書物が多く載っている。これだけ多くあるということはフォックは蒼剣の事を解決した後魔王を一旦辞めて旅に出ていてこれほど膨大にあるためかなり時間はかかる。

  「ここは俺が色々回って集めた物が多いの、おっこれは懐かしいな~ここはよかったしまた行こうかな~」

  そう言うとフォックは懐かしいと思った本をしまう。

  「これでっと…ん?フォックさんこれは?」

  ふと整理していたアストルが一つの本を見つける。

  「あ!それ懐かしいな~!ここって色んな世界あったけど魔界だけど住んでいるみんなよくて中には悪い子もいたから結構懐かしい!」

  フォックはかなり懐かしがっていた。アストルがその本を見るとそこに描いてあるのは銀髪の少年と赤髪の左目に傷がついた犬が表紙でタイトルには『デビルチルドレン』と書かれている。

  「何々…デビル…チルドレン?」

  アストルにもわからないもののようだ。

  「マスターが懐かしいと言っていましたが」

  「内容見てみるとわかるんじゃねぇか?」

  フォックにとって懐かしいらしく蒼剣の一言で三人は本を開いてみた、内容は人間の世界が魔界のデビル達による影響が出て表紙に載っている少年は人間と悪魔…デビルの血をもったハーフ、それがデビルチルドレンということらしい。

  彼はそのパートナー…表紙に出ていた赤髪の左目に傷がついた犬…ケルベロスと共に世界を救う旅に出るという物語のようだ。

  「他の世界にもこのような物語が」

  「えっとね、実はこの物語ね~こっちに同じだけど内容が違うのがあるよ」

  そう言うとフォックは別の内容が書かれたデビルチルドレンの本をもう二冊三人に渡す、中身を見ると同じ内容ではあるが物語を見比べてみると明らかに違いが出ていた。

  敵が違う点や酷な内容。さらには魔界を旅するとこの共通はあるが人間世界と魔界を行き来して悪さをしているデビルを倒すなどどれも内容の違いで物語は最終的に終わり方も違って複雑になっている。

  「こんなにも違いが…種族や主人公も同じだけどもう一人主人公がいるのか!?」

  「こうも違うなんて」

  「これっていわゆる平行世界ってとこですねフォックさん?」

  アストルに言われフォックは頷いた、これほどの違いがあっても同じ部分はあるのはあるようだ。

  「そうそう、いや~懐かしいのが出てくるなんて…あ、そうだ!」

  ふとフォックは何か思い浮かんだ。

  「なんか浮かんだのか?」

  「丁度天馬さんと智月の誕生日のプレゼント決めた!アストル悪いけど付き合ってくれる?調達したいのができた」

  「え?いいですけど何を調達するのですか?」

  何やら天馬と智月こと龍狼にプレゼントを用意するつもりでアストルを連れていくようで調達するのがわからずフォックはそのままアストルを連れて魔法陣を展開してどこかへと転移して行った。

  「マスターも何をお二人に?」

  「さあ…俺らは片づけして待ちますか」

  仕方なく残った二人で片づけることに。

  [newpage]

  「フォックに来るよう言われたが一体?」

  アカデミーの門前に龍狼はやってきた、冬なのか雪が降り積もっていて寒さが一段と強くなっている。

  「あれ?龍狼君」

  「天馬さん!もしかしてフォックに呼ばれてですか?」

  そこに天馬がやってきたようで彼もまたフォックに呼ばれてきたらしい。

  「うん、フォックさん僕達を呼んで何をするつもりだろう?」

  「またどうせ俺らを太らす~とかじゃないよな?」

  ふと龍狼はフォックがやりそうなことを思い出す、フォックだと大体が肥満化と姿を変えるぐらいでしか思い浮かばない。若干不安はあるようだ。

  「お待たせしましたお二人とも」

  そこにフォックがやってくる。

  「こんにちは~」

  「やっときたか~俺らを呼んで何するんだ?」

  挨拶をしながらフォックに呼ばれた理由を尋ねる。

  「ここだと寒いので場所を変えましょう」

  流石に寒いのでフォックは天馬と龍狼を連れて中へと案内した。

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  「ここは」

  案内されてやってきたのは色んなビーカーや中には機械があり床には五芒星の魔法陣が展開れていた。魔法陣はそれぞれ三つあり赤色に輝いている。

  「ここは実験や研究をさらに進めている部屋です。丁度やりたかったのがありまして」

  「やりたかったこと?太らすとか?」

  どうやら実験と研究を進める部屋でフォックが丁度やりたいのがあるようで龍狼はフォックだと太らすのではと呟く。

  「いや今回はそうじゃないよ」

  「ん?じゃあ一体?」

  珍しく太らすことをやらないようで龍狼は疑問に持つ。

  「とりあえず天馬さんと龍狼は魔法陣に乗ってくれますか?俺も同じ魔法陣に乗りますので」

  「魔法陣に?わかりました」

  「ほう~三つある魔法陣は俺ら三人いるから丁度よく作っているようだな」

  二人に指示を出して三人はそれぞれ魔法陣に乗る、しかし乗ってもまだ起動はされていない。

  「アストル始めてくれる?」

  「了解ですフォックさん」

  ふと部屋のモニターにアストルが映りアストルは魔法陣を起動する。すると魔法陣は輝きだしフォック達に光が包み込まれる。

  「うわっ!」

  「一体何をするんだフォック!」

  「大丈夫、そろそろ変化が起こるはず」

  光が包み込み三人に変化が訪れる。

  「う…うが!」

  天馬の身体が四つん這いとなり腕や足に赤い爪が生えてくる。さらには両腕と両足に黒い輪がつけられていた。

  「ぐ…ぐが!」

  同時に龍狼も同じように黒い爪が生えてくる、さらに変化はこれだけで終わりではない。三人の顔が犬のようなマズルとなり髪は赤髪へと変化、体毛も生えてフォックは青紫、天馬は白、龍狼は茶色と変化して三人に黒い首輪がつけられさらに尻尾も生えてくる。

  目つきも悪いが天馬は元々おっとりとした目は変わらず目つきはおっとりとしたまま。三人の口内には牙が生えていて姿が段々現れていく。

  魔法陣は光が収まるとそこには犬のような姿をした三人がいた、ただ体毛の色はわかりやすくなっており見た目で判断はできるようだ。

  「これは…ってあれ?僕言葉が喋れる!?」

  「ホントだ!?どうなっているんだ?」

  二人は驚きだしていた、見た目は犬のような姿でただ喋れるのを不思議に思っていた。

  「まあ俺達はケルベロスの姿になったから喋れますよ」

  「え?」

  「ケルベロスってあの?」

  どうやらケルベロスという姿に三人はなっていたようで龍狼は思い描いていたケルベロスを思い浮かぶ、ケルベロスは地獄の番犬と呼ばれる三つ首の犬のようだが三人の姿はそのケルベロスとはかけ離れた姿をしていてイメージしていたものとは違っていた。

  「智月の思っていたのとはちょっと違うかな、この姿は別世界の…それもデビルという俺達で言う悪魔の方でのケルベロスなんです」

  「ほえ~そうなのか」

  どうやらイメージしていたケルベロスではなく別世界のデビルと呼ばれた悪魔の方で言われているケルベロスの方だった。

  「せっかくですし外で遊んでみません?雪もありますしついでにですが一時的に炎を吐けたりできますので」

  「そんなことまでできるなんて!?」

  「なんかとんでもない姿だが俺ら悪魔ってことになったのか?」

  ふと龍狼は姿の事で自分達は悪魔ってことなのか尋ねる。

  「まあそんなとこだけどでも姿的には獣と思えてればいいよ、それじゃあ行きましょう」

  獣と思えていればいいと答え三人は外へと向かった。

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  外は雪が降り積もって一面銀世界になっていた。ケルベロス姿の三人は飛び出すと同時に雪の中を突っ込んだ。

  「ぷあっ!あ~ホント犬の気持ちになった感じ」

  フォックが顔を横に振ってついた雪を落とす。

  「おっ!フォックさんもそう感じているのか~」

  「ホントにそうですね」

  龍狼と天馬もフォックと同じ気持ちだ、ケルベロス自体の犬としての本能が三人を促している。

  「この姿だからこそできることやっちゃいましょう!」

  「お~!」

  「はい!」

  三人は気が済むまで遊んでみた、フォックが炎を吐いたり雪かきしたりなど犬らしい遊びや追いかけっこしたりなど楽しむことができた。

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  数時間後、三人は魔法陣の中に入っていた。

  「では元に戻りましょう」

  魔法陣は輝き三人は元の姿へ戻った。

  「あ~なんか楽しかった」

  「遊び疲れたね」

  「俺は懐かしさもあり楽しかったです。二人の誕生日を考えてこのような形にはなりましたが」

  どうやら二人の誕生日に考えたことだったようだ。

  「そうでしたか」

  「フォックとしては珍しかったな」

  「まあ俺には珍しくね」

  と、フォックも満足はしていた。

  「丁度お腹も空きましたし料理でも食べて満足しましょう」

  「そういえば確かに遊びまくったから」

  「お腹空いたね」

  三人は丁度お腹が空いたようだ。

  「では行きましょう」

  三人は食堂へと向かった、一枚の写真がテーブルから落ちて映っていたのは三匹のケルベロスが並んで笑顔になっている写真であった。