グラスフィールド

  ボクはニャローテ。ボクは今、ボクの家の近くにある草原に来ていた。ここは人影……ポケ影?がほとんど無いから1匹になるには最高の場所。どうしてこんな所に1匹でいるのかというと、話は数時間前に遡る。

  ボクはいつも遊んでいる公園で友達と共に談笑をしていた。ボクの友達はバチンキーというポケモンだ。

  同じくさタイプだからか、シンパシーを感じている。

  いつも通り楽しい会話で盛り上がっていたけれど、突然バチンキーが発した言葉により空気感が変わる。

  「なぁ、ニャローテ……ちょっと聞きたいんだが」

  「ん?……大事な話?」

  「いや……大事というか…………お前、オナニー……した事あるか?」

  頭を硬い何かで殴られたような衝撃が走る。まさか、バチンキーからそんな話題が飛び出すなんて。

  これを「はい」と答えたらどうなるんだろう。いや、でも…………ここは正直に……

  「ま……まぁ、たまに……なら。それがどうした?」

  「いや、実はさ……こういうのに興味あるかなって」

  バチンキーは後ろの毛から1つの筒のような物を取り出す。それを見てボクは驚愕する。どうしてバチンキーがそんな物を持っているのか。疑問が強く伸し掛る。

  「バチンキー……それって」

  「あぁ、オナホだ。コレを使ってオナニーするとめっちゃ気持ちいいらしいんだ」

  「な、何でバチンキーがそんな物を……?」

  「この前通販で見つけて買ってみた」

  ボクも実物は初めて見た。バチンキーからオナホを借り、手に取って眺めてみた。穴の中は……こうなっているのか。なんかヒダみたいなのが付いてる。

  これ、使ってみたらどうなるんだろう……

  「それで……これを出してどうするの?」

  「今日、このあと使ってみようかと思って。なぁ、ニャローテ……良かったらお前も……」

  興味はある。興味はあるが、少し怖く感じる。自分を抑えられない気がして……これに呑み込まれる気もする。

  「まぁ、オレも少し怖いし……だからどうだろう。後でニャローテの家の近くにある草原で一緒に……使ってみないか?」

  一緒に……え?という事は……シてるところをバチンキーに見られる……?

  ボクは恥じらいと共に興奮、興味、好奇心が押し退けて登場してきた。そしてつい、ボクは首を縦に振ってしまった。

  「よかった。じゃあ、すぐに行くから先に行って待ってて」

  そう言いバチンキーは自分の家へと帰って行った。一緒に来ないのか……何か持ってくるものでもあるのかな?

  とりあえずボクは家近くの草原へと向かう。

  そして現在、ボクは草原でバチンキーを待っていた。すぐ来ると言っていたからもうそろそろ現れてもいい頃合いだけど。

  「おまたせ。ごめん、少し遅くなった」

  「……家に帰って何してたの?」

  バチンキーの手にはビニール袋。その中には何やらたくさん入っている。何を持ってきたんだろう。

  「まずはこれ。ローション。挿れる時スムーズに入るようにヌメらせるための物。次はこれ、ち〇ちんの型。ディルドって呼ばれてるらしいけど。他にも媚薬とかマタタビとかあるけど……」

  「え……ちょ、まっ……何でそんなに持ってるの!?」

  ボクが質問を投げ掛けるとバチンキーは動きを止め、沈黙し……出した物を袋にしまう。そして恥ずかしそうに話す。

  「……全部通販で見つけて。い、いいでしょ、集めるの趣味なんだから!…………それに、使ってるとこ見たいし」

  ボクはため息を吐いた。呆れ顔で。

  そして、袋の中に入っているあるものが気になる。……どうしてマタタビなんて入れているんだろう。

  「あ、そうだ!」

  バチンキーは何かを思い出したように声を張り上げ、頭に付いている木の棒2本を手に取って地面を何度も叩き始める。初めは「何してるんだろう」と思った。

  その行為は次第に効果が現れていく。バチンキーが叩いた所から緑色のオーラが舞い上がり、辺りを包み込む。

  「“グラスフィールド”、これで疲れても体力を回復してくれるから……念の為に張っておいた」

  “グラスフィールド”……地面にいるポケモンは少しずつ回復していく技……確かに丁度いいのかな?

  「じゃあ、そろそろ始めようか。……心の準備、出来てる?」

  バチンキーの言葉と共にボクは深呼吸を1つして心を落ち着かせる。準備はもうできている。ここに来た時から、もう。

  「まずはお互い……アレを出さないとな」

  アレ……という言葉にボクは胸を大きく高鳴らせた。アレはつまり……生殖器だ。それを出さなければ今からする事は行えない。

  しかし、バチンキーに見られてる中出せるかどうかは不安だった。けれどそんな心配を他所に、ボクの下半身からはもう既に顔を出していた。

  これからする行為に期待と興奮が襲ってきた結果なのだろうか。

  ボクのモノは体毛と同じ緑色の皮が被っていて、先端は一際目立つピンク色の亀頭が露わになっている。さすがにこの格好は恥ずかしい。

  ふとバチンキーの方を見るとバチンキーも準備万端らしい。バチンキーのそれはボクのと違いピンク色の割合が大きく、皮を被ることもなくなってた。

  負けたような気がして少し悔しい。

  「じゃあ、まず……ニャローテのち〇ちんにローション、垂らすよ」

  バチンキーはローションの入った容器を手に取り逆さにしてボクのモノにドロッとした液体を少しずつ掛けていく。

  かなり冷たくて……ちょっと気持ち悪い。なんか変な感じがする。

  「これを塗りたくれば準備完了」

  そう言いながらバチンキーはボクのモノを掴んでくる。塗るために手を動かしてると思うけど、意識してなのか無意識なのか……ボクのモノを擦り上げてくる。その度に棒がピクンと跳ね上がる。

  もう既にヤバいんだけど……

  「じゃあニャローテ……このオナホ、装着するよ?」

  鼓動が尋常じゃない程激しく高鳴っている。全身が心臓になったかのように。息遣いも荒くなっていき、意を決して瞬間を待った。

  「……ひゃぁっ!」

  肉棒がオナホへ入った瞬間、あまりの快楽に変な声が出てしまう。突然出た声に驚きボクは手で口を塞いだ。

  バチンキーも動きを止め、ボクらの間にはしばらく沈黙が走った。

  「ご、ごめん……大丈夫?」

  先に口を開いたのはバチンキーだった。痛かったのかと思われたのか、謝ってきた。

  「だ、大丈夫。ちょっとビックリしただけ……」

  「……続けて大丈夫かな」

  ボクが小さく頷くと、バチンキーは再びオナホを掴み動かし始める。そして少しずつボクの下腹部まで下ろしていく。

  ローションで滑りがよくなっているからか、オナホはスムーズに動いてくれる。ヒダが絡みついてきてこれじゃすぐに……

  オナホは意外にも底が深く、ボクの棒の根元までスッポリと嵌ってしまった。ここまで来るともうさすがに……

  「ね、ねぇ……バチンキー。ボク……そろそろヤバいかも……」

  「じゃあ……1回目、出しちゃお」

  バチンキーはオナホを掴む手を動かしていく。1往復させた時に既に限界が来てたボクのモノはその全てを吐き出した。

  ボクのモノから溢れ出た白濁の液体は遠くまで飛んでいき、辺りを白くする。今までした中で今回が1番飛んだと思う。

  「わ……すご。コレ使うとここまで飛ぶんだ……」

  バチンキーは何やら感心していたけれどボクにはそれを聞く余裕は無く、疲労で息が上がっていた。

  「ニャローテ、疲れた?……でもこのフィールドがあるから少し休めば元気になるよ」

  ボクの状態を察してなのか、バチンキーは言う。体の疲れは取れても中身の疲れは取れない気がする。

  でも確かに疲れは取れてきたかも……でもこれって、このフィールドって……常に回復し続けるということは……

  「じゃ、もう1回……やるよ?」

  やっぱり……ある程度回復したら続ける……行為の無限ループ。精神的に疲れるまでやらされるのかな。

  「今度はこの……ディルドもお尻に挿れてみよう」

  バチンキーは嬉々として袋を漁り、中々にグロテスクな肉棒を象ったオモチャを出してきた。それをボクの肛門に挿れると言うのだ。

  さすがに入らないし……痛いと思う。

  そんなボクの気持ちを余所にバチンキーはディルドにローションを塗りたくっている。

  「こんなもんでいいかな」

  バチンキーはローションでドロドロになったディルドを見せてきた。さすがに塗りすぎじゃないかな。

  それを見せられたボクの反応を見て満足したのか、ディルドを持つ手を下ろし、ボクの肛門へと宛てがった。

  「ま、待って待って!まだ心準備……」

  「往生際が悪いよ?こういうのは一気にやっちゃった方がいいんだって」

  言いながらバチンキーはディルドをボクの中へとねじ込んでいく。今までに感じたことの無い……多分初体験の感覚が電流のようにボクの中を駆け巡ってきた。

  「あっ、あっ……中、入って……」

  「ほら、見える?どんどん中に入っていくよ」

  バチンキーはそう言うが、下腹部の更に下にあるソレは見ることができない。見えないが、入る時の音、そして感覚。それらが入っている事を鮮明に情景として頭の中へ映し出す。

  ボクは「あ」という言葉しか出せず、流れに逆らうこともできなかった。

  「あ、そうだ!そういえばもう1つ、特別なディルドがあるんだよね〜」

  朦朧とする意識の中でバチンキーの声だけが聞こえる。そしてバチンキーは何処から出したのか、ディルドをもう1本持ち、それをボクの目線に合わせて見せ付けてきた。

  「これは特別製でね、お尻に挿れるタイプじゃなくて(挿れてもいいけど)口で咥えるディルドなんだ。しかもある仕掛けが……」

  ディルドについて説明してたバチンキーは急に口を噤む。

  「仕掛けは内緒。試しに咥えてみてよ」

  薄れゆく意識の中、もうヤケクソになってたのかもしれない。もうどうでもいいと思うようになってたのかもしれない。ボクはバチンキーに促されるまま、ディルドを口で咥えた。

  少し甘い気がする。甘いと言ってもソレが飴だとかお菓子だとか、そういう事ではなく。ただ、つい細かいところまで舐めてしまう。ディルドには感覚器官なんて付いてないのだが……これは本能的なものなのだろうか。

  「そろそろ……かな」

  舐めてる途中で何か意味ありげな言葉がバチンキーから聞こえてきた。そろそろ……とは何が起こるのか。

  そんな事を考える隙も与えてもらえず、ディルドをひと舐めした次の瞬間、ディルドが膨らんだと思いきや先端から何かが勢い良く噴き出してきた。

  「んっ!んぶっ!……げほっ!」

  それは喉へと直接攻撃するもので、噎せてしまう。その結果、ボクの口や鼻から液体が溢れてきた。

  「げほ、げほっ……な、何……これ」

  「驚いた?これがこのディルドの仕掛け。美味しいでしょ?」

  確かに言われてみたら美味しい。急に出された時は味わう暇もなかったけれど。でもこの味……もしかして……

  「これ……“モーモーミルク”?」

  「そ、正解!このディルドは一定回数舐め続けるとモーモーミルクが飛び出す仕掛けになってるんだ!ミルクを仕込むのは大変だったんだけど……本物を再現してるんだって」

  最初に言ってくれたら苦しくなる必要無かったのに。口の周りがベタベタでスゴく最悪な気分。ボクは荒くなった息のまま口周りを拭こうと手を伸ばした時、バチンキーが目前まで顔を近付けていた。

  「口の周り、緑色が真っ白になっちゃったね。オレが舐めとってあげるよ」

  バチンキーは急にボクの頬を舐め始めた。くすぐったくて……少し気持ち悪い。

  「ちょ……やめっ……!んっ!」

  バチンキーの舌は次第にボクの口へと訪れ、そこを何度も舐めていた。そして舌はボクの固く閉ざしたはずの口をこじ開けて口内へ侵入してくる。

  『え、ちょ、待って……これ……って』

  バチンキーの舌はボクの口の中で暴れ回り、舐め回している。少しずつ口の中がバチンキーの味に染まっていくと感じた頃には目は虚ろになり、思考が鈍くなっていく。

  「ふぅ……キスまでするつもりはなかったんだけどな。これも……ニャローテがエロいからいけないんだ」

  キスをして満足したのか、バチンキーの視線は再びボクの下半身へと移る。そしてまたオナホを弄りだし、動かし始める。

  「あっ……あ、ん……それ、ダメ……」

  「あれ?さっきより敏感になっちゃってるね。どうしたのかな?」

  バチンキーは意地悪に聞いてくる。バチンキーがオナホを動かす度、さっきとは違う感覚が込み上げてくる。喘ぎ声も自分では抑制できないほど大きくなってきていた。

  「ふふ、かわいい反応するね。まるで女の子みたいだ」

  「やめっ……女……とか、言わ……いで……」

  女と言われて体がゾクゾクする。そういう性癖は無いはずだけど。

  「じゃあ、2回目……出しちゃおっか」

  バチンキーは手の動きを早めていく。その摩擦でボクのモノに感覚がほとんど残ってないくらい。

  そしてボクはまた……

  「あ、まっ…………っ!にゃっ……にゃあぁぁぁっ!」

  断末魔は今まで上げたことのない声だった。正気であれば「こんな叫びをするなんて」「こんな声も出るんだ」と恥じてしまうのだが、今はそんな余裕もなく。

  肩で息をし、頭の中は真っ白に……思考回路は既に停止していた。

  さすがのグラスフィールドでも回復は追いつかないかも。

  「……すっげ。ニャローテって、こんな声も出せたんだ。オレ、久しぶりにドキドキしちゃったよ」

  するとバチンキーはボクの前へと立った。ぼやける視界から見るバチンキーの顔は不気味に映っていた。

  「オレもさ……そろそろ辛抱できないんだよね。だから……今からニャローテを…………女の子にしてあげようと思って」

  バチンキーはそう言いながらボクの肛門に入れられているディルドを抜いた。この時点でボクは何をされるのか悟った。

  力が入らない体で何とか抵抗しようと、首を横に小さく振る。それだけは……ダメという意味を込めて。

  しかしそんな抵抗もバチンキーを興奮させるだけで終わり、ボクの言う事を聞くはずもなかった。

  「ローションは……いらないか。お互いこんなに濡れてるんだし。……さてと」

  バチンキーは再びボクへ向き直る。虚ろな瞳からでも見える。バチンキーのモノが大きく、太くなっていた事を。

  バチンキーはボクのアナに自分の下の棒を宛てがい、そして先端から少しずつ挿入していった。

  「……ほら、感じる?中、どんどん入っていくよ」

  ついに入れられてしまった。痛覚と快楽の両方がボクを襲ってくる。目からは自然と涙が溢れ出し、声も巧く出せず荒い息を吐くことしかできなかった。

  するとバチンキーはボクの背中を徐に摩っていた。

  「力んじゃってる?……ほら力抜いて、リラックス。どうせするなら長く楽しみたいし、お互い気持ちいい方がいいからね」

  ボク自身自覚はないのだけれど、背中が弱点らしく、背中を摩られると力が抜けてしまうらしい。なぜかそれをバチンキーに知られていて、ボクを落ち着かせる為の手段としてこの行動をしていた。

  背中を摩られる度、力が抜けていくのを感じる。これがリラックスの状態なのか分からないが、少なくとも力を入れることはないのでさっきより痛く感じることは無くなった。

  「結構簡単に奥まで入ってくね。ディルドのお陰かな?それとも……」

  「して…………ないっ……」

  「それとも」の後に続く言葉を予想してボクは返答をした。アナを広げるなんてこと、ボクはしてない。

  「あれ、まだ何も言ってないんだけれど。何を想像してたのかな?」

  バチンキーは意地悪に聞いてくる。その言葉でボクは恥ずかしくなり口を閉ざし、歯を食いしばり、目を固く瞑る。

  そんなボクの耳元でバチンキーはまた囁き出す。

  「そんなニャローテも、オレは好きだけど」

  挿入は遂に奥まで到達したようで、腹を下から押し上げるような感覚が体中に巡ってくる。この奥をつつかれる感じが気持ち良く感じ、つい強請ってしまいそうになる。

  「じゃあ、そろそろ動かして……いいかな」

  バチンキーがそう言うとボクの返答も待たず、腰を引き始めた。そしてまた棒を奥まで押し付けてくる。

  「んっ、んんっ……!」

  それが数回繰り返される度、耐えていた喘ぎ声がくぐもった声として漏れ出てしまう。

  「耐えてるニャローテもかわいいけど、もっといい声で鳴いてほしいな」

  バチンキーは再びボクの背中を擦り出す。そんな事をされると力が抜けて声が耐えられなくなってしまう。

  「あ……ぁんっ……やっ、声……」

  「いいよ……もっと声、出してみようか」

  するとバチンキーは勢い良くボクの奥を突いてくる。その時ボクに今まで以上の快楽の感情が襲ってくる。

  「んっ……!それ、だめ……ぇ」

  腹の底を突かれるだけではなく、頭の奥まで突かれているような感覚。そんな感覚にとらわれる。

  気持ちいいような、くすぐったいような……もう自分でもわけが分からなくなってくる。

  ふと自分の腹部に目を落とすとオナホやディルドを使ってた時以上にボクの肉棒は大きく、更にそそり勃っていた。

  先端からは2回も出していながらまだ出し足りないのか、白濁の液体が何度も小さく飛び出してきてる。

  その精液の発射口は完全に顔に向いている。このまま射精したら顔に掛かるのかな……そんな事を思っていた。

  「ニャローテ、出そう……なのか?」

  自分の棒ばかり気にして気付かなかった。バチンキーの声がして、その声の方を向くと至近距離までバチンキーは顔を近付けていた。

  「じゃあ、一緒に出して……ニャローテの精液、ニャローテと……オレの顔に掛けちゃおうか」

  バチンキーはボクの口元に再びキスをする。バチンキーの匂いにも慣れてきていたボクは拒むことなく、バチンキーをそのまま受け入れていた。この時間が少し恥ずかしくて、気持ちよくて……頭が真っ白になっていく。

  もう…………どうでもいいや。

  そして、バチンキーはボクの中で射精をした。それに合わせるようにボクも限界が来て、思い切り射精をする。

  とてつもない気持ち良さが襲ってきて叫びたい気持ちが強かったが、キスで口が塞がれ、声の代わりにバチンキーの口の中で息が漏れ出ていく。

  その白濁液はボクとバチンキーの腹部や顎を白く染め上げていく。

  もう汚れるのなんてどうでもいい。ただこの快楽に身を委ねていたい。

  ──あれからどのくらい時間が経っただろう。ボクは気を失っていたみたいで、眠っていたらしい。

  気が付き目をゆっくりと開けると、空が赤く輝いている。どうやら、夕方が訪れているみたいだ。そして、ある事に気付く。

  「“グラスフィールド”……効果が消えてる」

  それ程長い時間眠っていたのか、それとも長い時間行為をしていたのか……身体を動かそうにも重くて動けない。ひどい倦怠感に襲われる。

  ふと隣を見るとバチンキーも眠っているらしい。お互い、精液や唾液でベタベタのドロドロになってしまっている。

  少し……気持ち悪いな。臭いし。身体を洗いに行きたい。

  近くで川のせせらぎが聞こえる。この辺りの地形の記憶を辿っていると思い出した。この近くに川が流れていたことを。

  重い身体を気力で起こし、立ち上がり……寝ているバチンキーの足を掴んで引き摺りながら川の音がする方へと向かう。

  川へ着くと、すぐさまボクはダイブした。冷たい水がとても気持ちいい。腹部を、顔を、念入りに洗い流す。

  その汚れは流れに合わせて川下へと流れていくのがよく見える。

  ……バチンキーの身体も洗ってあげなくちゃいけないのかな。

  ボクが大変なのに呑気に寝ているバチンキーに少しイラッと来て、ボクはある起こし方を思い浮かぶ。

  手で川の水を掬い、それを……バチンキーへと放り投げた。投げた水のほとんどがバチンキーへと降り注いだらしく、驚いたバチンキーは変な声を上げながら川の中へと落ちてきた。

  「え……なになに!?」

  まだ状況を把握しきれていないようで、バチンキーは辺りを見渡していた。ボクはそんなバチンキーを呆れたような目で見ていた。

  「……ほら、さっさとその汚れた身体、洗いなよ」

  ボクの言葉で目を覚ましたようで、ボクの顔を見ながら唖然とした顔をしていた。

  「えー……と?まだ状況が読み込めないんだけど、オレは何でここに…………今まで何して……」

  その言葉にボクはムッときた。さっきまでの事を「忘れた」なんて言わせない。言わせてたまるか。

  ボクの…………初めてを奪ったんだから。

  「本当に……覚えてない?」

  「ん〜……何か気持ち良かったような気が……」

  バチンキーは腕組みをしながら唸っている。本当に忘れてしまったのかな。

  するとバチンキーは自分の身体に付着している汚れを見て驚き立ち上がった。

  「これ……もしかして……夢、じゃなかった……?」

  「…………思い出した?」

  それから数分間、ボクらは一言も喋らず身体を洗い流していた。水の音だけが辺りに響いている。

  一通り洗い流すと、バチンキーの一言でその静寂は破られた。

  「それにしてもさ、いつもクールなニャローテもエロい顔を見せるオナホって、スゲーよなー」

  「…………うるさい」

  エロい顔……そう言われて妙に恥ずかしくなったボクは俯きがちに呟く。それでもバチンキーの言葉が止むことはなかった。

  「やっぱりニャローテもこのオナホやディルド、ハマった?良ければまた持ってきてあげようか?あんなに気持ち良さそうな顔をするんだもん、ハマるよなー」

  ボクはバチンキーの身体を押し倒していた。肩を掴んだまま、バチンキーの身体を川底へと叩き付ける。

  今ボクらがいる川は浅いので、押し倒されても顔や腹部は普通に水面から顔を出す程度だ。

  ボクの突然の行動にバチンキーは言葉を噤む。

  「いい加減にしてよ。ボクがどんな思いで……どんなに恥ずかしい思いをしたか…………」

  ボクはバチンキーの身体を見てある“わるだくみ”を思い付いた。そして……そこら辺に落ちていたオナホを片手にバチンキーへ問い掛ける。

  「ねぇ……そういえばバチンキーもコレ……使う予定だったんじゃなかったっけ?」

  「え……あ、いや……ニャローテの反応見て……もう満足、しちゃったから……」

  その答えを聞いて、ボクは決心した。

  …………仕返ししてやる。

  「へぇ。ボクの反応で満足したんだ。でも、何事も経験をした方がいいと思うんだよね。だから……バチンキーも」

  ボクは精一杯の笑顔を作ったつもりだけれど、それがバチンキーの恐怖心を煽ったようだ。何か謝ってる。

  でもボクはそのままオナホをバチンキーの……モノへ装着させる。

  「あ、あの……ニャローテ………?ち、調子に乗ってごめ……」

  「…………まだまだ楽しめるよね」

  草原にバチンキーの断末魔が響き渡る。時刻は夕暮れ。

  行為は日が沈んだ夜まで及び、ボクらはヘトヘトになるまでその行為を楽しんだ。

  ……いや、正確には楽しんだのはボク……かな。

  それからというもの、バチンキーはボクに対してはしおらしくなっていた。怒らせてはいけない……っていう事が脳内にインプットされたらしい。

  ……でも、ボクもあの時の事は嫌じゃ……なかったけど。

  それに……ボクの初めてを奪ったバチンキーには責任取ってもらわないと。ね。