俺の尻尾で腰振るな

  [[rb:斑雪 > はんせつ]]高校のバレー部にマネージャーとして入部し初めての合宿───

  俺は小学校の頃からの親友で同じくバレー部に入部したキツネの“ヒサ”と相部屋になった。

  ヒサは俺の長くて太い尻尾が・・・なんというか、結構気に入ってるらしい。ユキヒョウである俺の尻尾は上に伸ばせば簡単に身長を追い越し、片手では指が回りきらないほど太い。ヒサにもよく触られたり、甘噛みされたりしている。

  しかし、そんなの比にならないくらいの出来事が俺の尻尾に起こってしまった。

  これは親友が他人に絶対見せない姿を知ってしまった俺の尻尾の体験談だ・・・。

  [chapter:俺の尻尾で腰振るな]

  「ユキ、布団どっちがいいか決めて」

  ヒサが俺に聞いた。

  [[rb:稲里 > いなさと]] [[rb:久史 > ひさし]]───俺と違い、プレイヤーとしてバレー部に入部したキツネの親友だ。

  「じゃあ、壁側」

  [[rb:氷野 > ひの]] [[rb:行也 > ゆきや]]───ヒサには“ユキ”と呼ばれている。

  俺の返答を聞いて、ヒサは俺が襖側なと言って寝床の準備を始めた。

  バレー部の合宿で使わせてもらっている宿の部屋は横長の和室で、襖を使って3つに区切れるようになっていた。1部屋6人で、この部屋には俺達1年生4人と、2年生2人で使っている。俺のペアはヒサだ。

  襖を隔てて隣の部屋は同じく1年生で同期の[[rb:白太刀 > しろたち]]というオコジョと、[[rb:大峰 > おおみね]]という犬のペアが使っている。[[rb:大峰 > おおみね]]はアラスカンマラミュートという大型種で、同期の中で1番身体がデカい。

  ヒサと一緒に布団を敷いていると、襖の向こうから[[rb:大峰 > おおみね]]と[[rb:白太刀 > しろたち]]の話し声が聞こえた。

  「そういえば合宿前にちゃんとしてきたか?」

  最初に聞こえたのは[[rb:大峰 > おおみね]]の声だった。

  俺は[[rb:大峰 > おおみね]]が何のことを聞いているのか分からなかったが、それは[[rb:白太刀 > しろたち]]も同じらしく、疑問符を浮かべたような声で聞き返していた。

  「決まってるだろ、丸2日出来なくなるんだからさ、毎晩のおつとめ───」

  そこまで聞こえて[[rb:白太刀 > しろたち]]の怒号が飛び、枕で殴る音が繰り返し聞こえてきた。

  確かに健全な男子高校生にとっては死活問題なのかもしれないので、殴らなくていいんじゃないかと思ったりもする。しかし、[[rb:大峰 > おおみね]]が言うと真面目に言ってるのか悪ふざけなのか分からない。きっとあのペアは最終日まであんな感じだろう。まあ、いつも通りだ。

  ちなみに俺はシてない。

  「・・・やべ、忘れてた」

  そんなヒサの声が聞こえたような気もしたが、俺は気のせいということにして黙々と寝床の準備を進めた。

  ◆◆◇◇◆◆

  ───午前2時。

  尻尾の違和感に気がついて目を覚ました。動かそうとしても自由が効かない。

  振り返ってみると、ヒサが俺の尻尾を抱き枕にしていた。さらに、返さないぞとばかりに俺に背を向けて抱き込んでいた。

  もしかしたら、俺が先にヒサの眠りを妨害してしまったのかもしれない。俺が一人っ子で誰かと寝る機会も中々無いため、自分の尻尾の長さを失念していた。少し布団の距離が近過ぎただろうか。

  そんなことを考えていると、ヒサが寝返りをうってこちらを向いた。

  少しだけ拘束が緩んだので尻尾を引き抜こうとしたが、さっきより強く抱きしめられてしまった。

  無理やり抜けなくもないのだが、俺の尻尾でまたヒサの睡眠を妨害してしまうかもしれないと考えると忍びなかった。

  「んっ!」

  突如、ヒサに尻尾を咥えられて変な声が出た。自分も癖で咥えるし、ヒサにも咥えられることはあるのだが、不意打ちの甘噛みでびっくりしてしまった。

  咥えるのは構わないのだが、ヒサは繰り返しハムハム甘噛みしてくる。くすぐったくて眠れない。

  そして、落ち着くまで我慢しようと再び目を閉じた瞬間だった。

  「ふぁっ!」

  また変な声を出してしまった。

  ヒサが俺の尻尾を股の間にも抱き込んで再び背を向けてしまったのだ。ヒサはまるで木の枝にしがみつくかのように俺の尻尾を抱いている。

  もう少し寝相のいいタイプだったと思うのだが・・・。

  別に尻尾を抱き込まれようと、少々動けないだけで寝ることは出来る。しかし、現状はハムハム甘噛みされるのに加えてもう1つ問題があった。

  ───当たってる・・・。

  抱き込まれた尻尾にヒサのヒサが当たっている。しかも興奮状態のモノが。

  それは不規則なタイミングでビクリと脈打ち、生々しい刺激を尻尾に伝えてきていた。

  ・・・割と大きい。

  なんとか尻尾を離そうとするが、少し動かそうとするたびにヒサが抱き込んで離してくれない。甘噛みのペースも上がって、たまに鼻から大きく息を吐いたりもしている。

  本格的に寝れなくなってきている。

  「んンッ!?」

  ヒサの腰が尻尾を撫でるように動き、また俺は変な声を出してしまった。尻尾を撫でたのは密着しているヒサのヒサだ。今まで尻尾に押し付けられて輪郭を捉え続けていたそれが突然撫でるように動いて、俺は声を出すと同時に身震いしてしまった。

  「あっ・・・ちょ・・・」

  そのままヒサの腰は止まらなかった。一定のリズムで興奮した自身を尻尾に擦り付けるように動いていた。そして、たまに加わる変化は自分が気持ち良くなれるポイントを探しているようにも思えた。

  親友の情事に触れるだけでもいたたまれないのに、俺は今その興奮の全てを敏感な尻尾で受け止めている。

  俺は尻尾から背筋にかけてダイレクトに感じるヒサの興奮の全てに身震いしながら声を抑えて耐えていた。

  [uploadedimage:18832774]

  「んッ・・・んンッ!」

  一切抵抗出来ない尻尾をヒサはペースを変えずに責め続けてくる。繰り返される刺激に、俺は俺自身にも熱が集まるのを感じていた。

  「アッ・・・ヒサッ!」

  ヒサのペースが速くなり始めた。このままではマズい。もし、最後まですることを許してしまったら、俺の親友は合宿初日からみんなの前で赤っ恥をかくことになってしまう。親友として、それだけはなんとしても阻止しなければ。

  「ヒサッ!」

  俺は背筋に走る痺れるような刺激を気合で抑え込み、振り向くと同時にヒサの両肩を掴んで尻尾を引き抜いた。

  「ん・・・ユキ?」

  案の定、ヒサは起きてしまって、眠そうな目で俺を見上げていた。

  「・・・どしたの?」

  「あ・・・いや・・・その・・・」

  俺は咄嗟に言い訳を思い付かず、なんでもないと言って逃げるように布団をかぶり、自分の尻尾を抱き込んだ。

  ヒサはその後、一度トイレに行って再び眠りについた。

  ◆◆◇◇◆◆

  ───翌朝、みんなで朝食前のランニングに向かう途中のことだった。

  「[[rb:氷野 > ひの]]」

  名前を呼ばれ、後ろからやってきた[[rb:大峰 > おおみね]]に突然肩を組まれた。

  「安心しろ。俺は応援してるぜ!」

  [[rb:大峰 > おおみね]]はそれだけ言って、優しく肩を2回叩き、足早に先へ行ってしまった。

  何のことだと疑問に思っていると、近くにいた[[rb:白太刀 > しろたち]]が目に入った。

  [[rb:白太刀 > しろたち]]はすぐ俺の視線に気付いて、何故か身体をビクつかせた。

  「お、俺は・・・何にも聞いてないから!」

  そう言って[[rb:白太刀 > しろたち]]は尻尾を真上に立てたまま走って先に行ってしまった。

  「ユキ、なんかあったの?」

  そう俺に尋ねるヒサの顔を見た瞬間、全てを察した俺は尻尾と全身の毛を逆立てて、弁明のために全力で2人を追いかけた。

  その後もヒサに教えてくれてとねだられたが、言葉にするのが恥ずかし過ぎて言えなかった。

  あれからヒサに尻尾をモフられる度に、あの時のことを思い出してしまっている。

  尻尾の感触が消えない───

  [chapter:俺の尻尾で腰振るな]

  今回も裏で捧げさせて頂いていたFAの蔵出しでした!

  さらに!

  小説を公開するお話をしたところ、原作者の“[[rb:途狗 > とく]]”さんから読者の方へサプライズということで挿絵まで頂いてしまいました!!(尊)

  登場してもらった[[rb:氷野 > ひの]] [[rb:行也 > ゆきや]]くんと[[rb:稲里 > いなさと]] [[rb:久史 > ひさし]]くんの小説とイラストが原作者の“[[rb:途狗 > とく]]”さんのページで見られるのでリンクから是非!

  [[jumpuri:途狗さんのユーザーページ > https://www.pixiv.net/users/53393196]]

  [[jumpuri:原作小説 > https://www.pixiv.net/novel/series/11475461]]

  いつもありがとうございます

  蒼空ゆうぎ