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「おいおいこの有様は一体全体どうしたっていうんだよ!!」
[[rb:鮨詰 > すしづ]]めにされたデスクトップの隊列から漏れ出す赤色光が、奇怪に空間全体を彩っている。[[rb:三八 > さんぱち]]はそこへ果敢に足を踏み入り、先ほどまでの部屋の主につめ寄りこの惨状について問いただした。
「さ、三八さん……[[rb:一朔 > いっさ]]さんも一緒ですか? 僕、とんでもないことをしでかしてしまったみたいです……」
[[rb:陸斗 > りくと]]は身体を小刻みに震わせなにかに[[rb:怯 > おび]]えている様子だ。僕はその背中をさすって自身も冷静さを失わないように努める。
「安心して。まずは何が起こったのか話してごらん」
「うぅ……お二方ともごめんなさい」
三八がフリーズするメインマシンに悪戦苦闘しているなか聞いた話は次の通りだった。
陸斗は一人になって、手始めに内蔵されたソフトウェア群をかたっぱしから開いていたそうだ。専門性の高い生体シミュレーターから高度に拡張されたメモ帳まであらゆるツールが備わっていることを確認していると、メールボックスに通知が一件表示されていることに気づく。受信フォルダのメール本文を展開するなり操作不能になって、現在この状況ができ上がったという。
「つまりそのメール自体がある種のトラップだった、ってわけか」
「はい……ここにきてこんなのが待ち構えているなんて予想してませんでした。まったくなんなのでしょう」
「イッサとリクト。悠長に話しているところ申し訳ないが、どうにもコイツはタチの悪いウイルスに感染しているらしい。あと、ついでに英文が翻訳できた。事態は一刻を争うみたいだ」
僕ら二人が話し合っている間に三八の手によって事の深刻さが浮き彫りになったらしい。画面に目をやれば白い英文とカブトムシのマークに連なってIDとPassの入力欄が出現している。
「え、三八さんって英語が得意なんですか?」
「おうよ。数学と並んで高校一年の範囲までは独学しているからな! まあ知らない文法や単語はネットに任せるとして、訳はこんな具合になる」
三八の精度を信用するに英文は以下の内容となった。
『“[[rb:Beetle > ビートル]]0691”へようこそ。おっと、どうやら君は必要クリアランスを満たしていないようだ。
これ以上の情報にアクセスするにはカウントがゼロになる前に次の暗号を解いてもらわなければならない。そこから答えを導いてIDとパスコードを入力しろ。
ヒント:カエサルはエラトステネスを灰に[[rb:還 > かえ]]した』
肝心の暗号として意味ありげな数字が下に続いている。
“13744500e2160”
以上は、その場にいる全員がしどろもどろに同期して首をかしげるのに十分なものだった。
「……一体なんのこっちゃ???」
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