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第4章 兄弟国―狗国·琅国
前回宍国で移動魔法を使い彪国へと来た僕達。次に目指すのはアオバさんの国―狗国である。狗国は商業が発展していて…野菜や果物等の青果やそれを加工した食品を売っているとのこと。更に合成や調合にも長けていてこの世界の国の中では狗国と琅国が特に魔力が高いそうだ。因みに僕はというと…アオバさんに魔力を測って貰ったところ「貴方はSSSランクですね。」と言われた。それには驚きを隠せなかったが他のみんなも動揺しているのだった。
「さて…これから狗国に行きますが歩きになります。達也さんは長時間歩けそうですか?」
彪国と狗国は隣同士だけど距離は半端なく遠い。歩けなくなったらシロンかクロロさんあたりがおぶってくれる…はず!
「頑張って歩きます。」
「そうですか。では行きましょうか。」
アオバさんを先頭に僕達は歩き出す。それにしてもみんなモフモフしてるな…。なんて思ってたらミズキさんが僕の隣に来てじっと見ていた。
「どうした?もしかして…触りたいのか?」
「いえ…。(実はそうですとは言えない…。)」
思わず目を泳がせるがもうバレバレである。
「狗国についたらこっそりと触るか?」
「…よろしければお願いします。」
何言っているのだろう…僕は少しずつ獣人に興味を持ち始めていると言うことか?ミズキさんは嬉しそうに笑顔になっている。彼らは人族と違うんだな…。[newpage]
「ここが狗国です。」
自分でここまで歩けたのは奇跡かもしれない。まだ平地だったからかな?それはさておき…漸く目的地の狗国に辿り着いた。その前に虎、狼、馬がいる。
「琅国には騎獣でいきます。ここでは虎の騶虞(すうぐ)、狼の饕餮(とうてつ)、馬などが借りれます。誰かが獣化してもいいですしそこは自由です。ここに来る前に事前に私が執事に頼んで騎獣を借りてきてもらいました。」
騶虞は山や崖などの高い所に棲息しているそうだ。ホワイトタイガー種なのでまるでシロンみたいだ。因みにシロンもホワイトタイガー種である。饕餮は騶虞より捕らえるのが難しいそうで…暗い所に棲息しているらしい。見た目はミズキさんそっくりでかっこいい。馬はというと普通に家畜として育てられるそうで大きく成長したら騎獣として乗ることができるようになるらしい。
「先に行ってるぞ。」
といったのは麒麟のヴァイさんである。麒麟と言っても首の長い方ではなく中国で代々伝わる伝説の獣だそうだ。それでギンジさん、ルリさん、アイラさんも獣化し先に行ってしまった。
「空を飛べる奴らはいいよな…まあ騶虞や饕餮も飛べるから文句は言わないけどな。じゃあ俺達も行くとしよう。好きな騎獣に乗ってくれよな。」
シロン、アオバさん、ミズキさん、グレンさんは騶虞、クロロさん、ジオンさん、ライムさん、レインさんは饕餮に乗るようだ。僕はどうしようかな…。と思っているとシロンが手招きしていた。
「お前な…俺だって達也を乗せたいと思ってたんだぞ?少しは我慢したらどうだ?」
「やだね!!頑固な俺に言うな。」
結局僕はシロンと一緒に乗ることになった。その前にミズキさんが買い物をしたいと言っていたので狗国に入る。本当に商店街みたいで野菜…果物…指輪などのアクセサリーに合成に使う調合瓶まである。
「大量に買い込むからな。少し待っててくれ。」
シロン達…嫌がると思っていたけど素直だった。ミズキさんは次々と野菜や果物を大量に買い込む。これ…買いすぎではないだろうか。
「大丈夫だ。執事に頼んで移動魔法で俺の経営している店へ運んでもらうつもりだ。」
「それなら執事さんに頼んで僕達も移動させてもらえませんか?」
「…全員は無理だ。というか荷物運んだだけでも魔力を消費している。」
それなら仕方ないかもと納得してしまった。その間に買い込んだものはあっという間になくなりすっきりしていた。執事さんも大変だな…。
「じゃあ行くか。」
「ミズキさん、貴方は方向音痴ですから私が先導します。いいですね?」
「うう…それは認めるけどよ…もう少し言い方をな…。」
アオバさんとミズキさんの口喧嘩に僕達は苦笑しているのだった…。[newpage]
騎獣に乗って数分…琅国に到着した。歩いてでも行けそうだが狗国と琅国の間には惑わしの森という難所があるらしくそこには魔物が溢れるほどいるとか。それで戦闘にでもなったら困るので騎獣で越えるか移動魔法を使うしか方法がないらしい。
「相変わらずその癖は治りませんね。達也さん達もお付き合いしていただいてすみません。」
「よし…じゃあ俺の店にいくぞ。」
狼の国―琅国。ここは狗国と兄弟国。飲食店が多くて…
狗国から食材を買ってこの国の店で料理する。狼獣人は一人ずつ店を持つことができるそうで…ミズキさんも王様になる前に店を経営している。得意料理がなにかわからないけど楽しみである。ミズキさんの店は皇宮の向かい側にある。中央には狼の絵が描かれていてすごく目立つのでわかりやすかった。その前にはギンジさん、ヴァイさん、アイラさん、ルリさんが待っていた。
「遅かったな。」
「仕方ないだろ!…じゃあ準備するから入って待っててくれ。」
ミズキさんを先頭に僕達は店の中に入る。中は僕の世界のとあまり変わりないがとても広い。獣人が大きいからそれに合わせてるのかもしれない。
「いらっしゃい、席に案内しますね。」
「カムイ頼んだぞ。人数が多いからお前も作るの手伝ってくれ。」
「はい!任せて下さい!」
ミズキさんには弟子がいるのか。その人はウェイターもしているらしいけど…1人で大丈夫なのだろうか。ミズキさんが厨房に入ってからその数時間後…漸く料理が運ばれてきた。この人数だから仕方ないけどね。因みにミズキさんの料理はというと…
「天麩羅に蕎麦を作ったぞ。食べてくれ。」
まさかの和食だった。一方カムイさんの方は中華と洋風の料理ばかりで…今テーブルにあるのは和洋折衷である。一人ずつ作れるものが違うようだ。
「早速食べるとするか。どれにしようかな…。」
「俺は…う〜ん…。カムイの作った料理の方が美味しそうに見えるからこっちをもらうぞ。」
みんなはカムイさんの料理しか取らずミズキさんのは手を付けなかった。
「…僕はミズキさんの料理を頂きます。」
「ありがとな…達也。1人でも俺のを取ってくれると嬉しいぞ。俺も食べるからな…。」
ミズキさんが可哀想に見えたので仕方なかった。なんで他のみんなは取らないのだろう…。
「俺は和食が嫌いだからな。」
『右に同じく。』
シロンが言ったことにみんな納得していた。それにしても酷くないか?少しでも食べようという意識はないのかな?ミズキさんに失礼だよ?
「ふう…やはり狼族の料理は格別ですね。」
「俺の料理を食べてくれなかったが…まあいいか。」
みんな満足したようだ。料理を食べていると魔力があがったように感じたんだけど…きのせいかな?
「さて…次はどうしよう?やることがなくなってしまったぞ?達也はどうしたいんだ?」
確かに…他の国にも行ってみたいけど一日に1つしか行けなさそうだし…と―
「ミズキ様!大変です!魔物が現れました!」
「なんだと!?」
「しかも野生の饕餮です!なんとかしてください!」
ミズキさんは慌てて店の外に出ていった。いつの間にかみんなもいない。窓の外を見ると狼の魔物が…しかもシロン達より遥かに大きい。
『ニンゲン…ヨコセ…。ニンゲンノ…チカラ…ヒメタルチカラ…ヨコセ…。』
「人族の力?…魔力か?」
「お前なんかに渡すか!」
シロン達が狼の魔物―饕餮に向かって魔法を放つ。しかし全く効いてないようだ。このままだとみんなやられるかもしれないと思い僕は店の外に出てしまった。
「達也!?なんで出てきた!中に入ってろ!」
「僕は…僕はみんなを護りたいんだ!!」
僕がそういった瞬間指輪が光りだし…光の柱が現れ饕餮を包み込む。そして僕は意識を失った…。
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