ある日の事、二人の兄弟が道を歩いていた。
手をつなぎ喋り合うその様子は実に仲睦まじいものである。
しかしそんな兄弟の兄、その兄の方の胸が・・・
グッ ググッ
突如として張り出した。
「お、あ、あぁぁぁぁぁ!」
叫ぶ兄、ビリビリと服が破けなおも張っていく兄の胸をはじめとした兄の肉体の全てが露わとなると次の瞬間にはその胸に羽が生えてきた。
灰色をした鳥の羽、それは胸を起点として兄の肉体を包み込んでいく。
また髪がまるで歳を一気に取ったかのように白く染まったかと思うとその髪は形を変えて羽へと変わり頭部がその白い羽に包まれると兄の目は鋭くなっていき、
グッ ググッ
口が突き出て黄色く染まっていくとそれは固く立派な嘴へと変わり果ててしまう。
「あ・・・あ・・・。」
目の前で変わっていく兄にただただ愕然とする弟、そんな弟の目の前で兄の手は灰色の羽に包まれては腕とともに形を変えて翼へと変わっていく。
また足の指が五本から三本へと数を減らすとともに形を変えていくと爪は鋭さを増していき、脚に切れ目のような横線がいくつも走るとその色は黄色く染まっていく。
そして少しすると兄は人間ほどの大きさをした二足立ちの鷲となり、
「う、嘘だろ・・・俺・・・俺・・・。」
兄本人は愕然、
「兄ちゃん・・・。」
弟はそんな兄の変わり果てた姿に怯え、兄は弟を大丈夫だと抱きしめなだめる。
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しかしなだめている内にムラムラと心の奥底から性欲が襲来、
(だ、駄目だ・・・堪えろ・・・堪えろぉ・・・。)
兄は弟を抱きしめたまま必死に堪えるが性欲はみるみる昂っていき羽の中で何かが立っていくような感覚が伝わってくる。
そしてその昂りが限界に達したまさにその時、
ドブッ
そんな音がすると同時に羽の中からドロリと白い粘液が零れ落ちると兄の頭の中、心の内が肉体と同じように変化を起こしだした。
「あ・・・ぎ・・・あ・・・。」
顔を歪める兄。
抵抗を見せるが頭の中も心の内も本来のそれではなくなっていき今自分が抱いているのが自分の弟だと言う事も、自分の名前の事すらも分からなくなっていく。
そして分からなくなった自分の名前がクリアになっていき『アポロ』というのが自分の名前だと思い出し全てが失われてしまうと兄・・・ではなくアポロは自らが抱きしめている見知らぬ少年を、見知らぬ少年は自らを抱きしめているアポロを見ては理由が分からない涙を流した。
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それから数日後、アポロはあの見知らぬ少年とともに歩いていた。
「ねぇねぇアポロお兄ちゃん。」
「ん?なんだワイ?」
何もかも違う姿ながらも親しげに話し合う二人、近所同士の付き合いであるが親しげに会話するその様子は傍から見れば本物の家族・・・兄弟のようであった。