【RofF】ストーリー アカメ・ラピッドVSカムイ=ウルフ

  とある世界で行われている人外女子ボクシング大会【RofF】

  本来なら【RofF】の運営が用意した会場で試合で行われるが今回の試合の両選手は両方とも地下拳闘場に出た事がある。

  其の為【RofF】の運営は大会を盛り上げる為に特別な趣向を凝らしい今回だけ会場を地下会場を用意したのだ。

  そして今まさにその二人の選手の為に特別に作られたリングで戦いの火蓋が切られようとしていた。

  『レディース&ジェントルマン!

  皆様お待たせしました!!

  これより今回だけのスペシャルマッチを行います!!』

  ワァーと歓声が上がる中、実況席から解説兼実況者が観客達に向かって挨拶を始めた。

  そう言うと同時にアナウンスが流れて来る。

  『其れでは選手の入場です!』

  するとまず最初に赤コーナーの方にスポットライトが照らされた。

  そこに居たのは黒を基調にした赤いラインの入った試合着の間からは鍛えられた太い腕と足、そして腹筋が強者の証のように浮き出ている。

  そしてなにより、腰まで伸びた茶色い髪の上には狼のような大きな耳、そして腰の下からは尻尾が生えている。

  その尻尾を大きく振りながら甲の部分が黒く塗られた赤いボクシンググローブを付けてシャドーボクシングのように前に向けて拳を突き出していた。

  その姿に観客席にいる者達も大盛り上がりだ。

  『赤コーナー!

  種族は狼半獣人で相手をなぶるように追い詰め、徹底的に破壊する様は狩りと変わらない!

  その名もカムイ=ウルフ!!』

  紹介と共にまた一段と盛り上がる観客席。

  そんな声援を受けながら彼女は軽く手を上げて答えていた。

  次に青コーナーにスポットライトが照らされた。

  そこに居たのは身長165cm位で白を基調にした試合着にカムイ=ウルフほどでは無いが身体は程よく鍛えらえていて白髪のボサボサのロングヘア―の上には兎の垂れ耳、そして腰の下からは兎の尻尾が生えている。

  此方はめんどくさいように白色のグローブで頭を掻きながら花道を歩く

  『青コーナー!

  種族は兎の亜人で兎由来のスピードで翻弄しながら細腕から繰り出されるパンチの破壊力は計り知れない!

  その名もアカメ・ラピッド!!』

  紹介が終わると同時に先ほどと同じように湧き上がる観客席。

  両者ともリングに上がりお互い向かい合う

  「ハァ~、運営の奴め……こんなふざけた企画を考えやがって」

  「まぁいいじゃんか。僕は結構楽しみだよ」

  「あんたは気楽でいいよ。

  こっちは勝手に野垂れ死にしたクソ親父の借金返すためにやってんだ」

  「へぇ~そうなの?

  じゃあ、今回の狩りは大分簡単そうだね」

  「ハァ!

  兎だと舐めていると痛い目見るぜ?

  兎の皮をかぶった化け物だって居るんだよ」

  「フッ、面白い事を言うねぇ」

  「だったら此処でどちらが凶暴な獣か白黒つけようじゃないか!」

  「上等!」

  お互いに御凸を付き合わせて睨みあう二人。

  その様子には会場全体も盛り上がっていた。

  そんな中、レフェリーは

  「二人とも一旦離れなさい」

  二人は指示に従い距離を取る。

  「其れでは確認します。

  両選手とも地下拳闘の出なので特別ルールで行います。

  一ラウンド二分のインターバル一分、ラウンド数無限のフリーノックダウン形式です。

  両選手OKですか?」

  「問題ねぇ!」

  「僕もいいよ」

  二人の返事を聞いてレフェリーは

  「両者とも合意と見てよろしいですね。

  それでは両者マウスピースを受け取りに行ってください」

  レフェリーの指示通りに二人とも自営のコーナーポストに行き【RofF】のスタッフからマウスピースを受け取る。

  そしてそれを口に含んで準備完了する。

  レフェリーは両者ともマウスピースを口に入れたのを確認すると 両手を上に上げて構えて

  「其れでは、試合開始!!」

  振り下ろされて

  [カーン!!]

  ゴングが鳴り響いて戦いの火蓋が切られたと同時にお互い突進と言えるスピードで突っ込む。

  カムイは右腕、ラピッドは左腕を大きく引いて、そのままお互い相手の顔面に狙いを定めて、その瞬間にカムイの右ストレートとラピッドの左ストレート拳を突き出す。

  両者の拳はリングの中央で

  [バァン!]

  とぶつかり合った。

  その衝撃は凄まじく、観客席全体に響き渡っていた。

  其のまま拳と拳の鍔迫り合いに発展する。

  両者は一歩も譲らずに力比べをしていたが

  「チッ!」

  ラピッドは舌打ちをするとラピッドの拳を引きながらバックステップで後ろに下がる。

  カムイは追撃する為にラピッドを追いかけてジャブ、フック、ストレートを繰り出す。

  それに対してラピッドはフットワークに合わせてスウェーバック、スリッピング、ウィービング、ダッキング、パーリング等を駆使して避けて

  「1・2・3!」

  カムイの攻撃の隙を付いてカウンターパンチをカムイの顔面に繰り返し叩き込む。

  そのカウンターに対してカムイは仕切り直したいのかバックステップでラピッドから離れた。

  ラピッドは初手の拳と拳の衝突の時に感じた衝撃で痛めたのか左手を開いて握ったり開いたりして感覚を確かめて

  (あいつ何通馬鹿力なんだよ。

  左手がジンジンする)

  内心毒づきながら目の前にいる対戦相手を見据えていた。

  一方カムイはラピッドに殴らた顔の部分を擦って

  (驚いた!

  僕のパンチを臆するどころか逆に殴り返してくるなんて。

  しかもあの威力、今はいいけど後から来るかも⋯でも関係ない)

  両者とも相手を見つめ合って

  ((勝つのは私、僕だ!))

  そう思いながら再び相手に向かって行った。

  [newpage]

  『試合は第四ラウンド目入りました』

  実況の声と共に会場全体が盛り上がる。

  リングの中ではカムイは積極的にジャブ、フック、ストレートなどのラッシュを繰り出すが

  (何で当たらないんだ!?)

  カムイのラッシュをラピッドはスウェーバック、スリッピング、ウィービング、ダッキング、パーリング等のボクシングの防御技術を出し惜しみなく駆使することでカムイの攻撃を全て回避していた。

  カムイは攻撃をラピッドに当てる為にカウンターとフェイントを織り交ぜて攻撃するが、

  (それでも僕の攻撃が当たらないのはどういうことだよ!!)

  ラピッドは集中力を高めて冷静に

  (相手の動きをよく見る!

  よく聞く!)

  対処してカムイの攻撃を捌いていた。

  そして、ラピッドはカムイの攻撃の隙をついて ラピッドがカムイの懐に入り込み連続でボディブローを放つ。

  幸いにカムイのお腹の腹筋は硬くそれが功を奏したのかダメージは殆ど無いが、カムイの周りを一瞬で離脱したラピッドはクイクイと手招きをして挑発した。

  その行動にカムイは頭に一瞬で血が上り青筋が浮かび上がり

  (鬱陶しいんだよ!

  この兎野郎!!)

  カムイの苛立ちは限界に達してカムイはラピッドにインファイトのプレス戦術を掛ける。

  ラピッドは只管にバックステップで下がり続ける。

  だが、その動きは直線的で直ぐにコーナーに追い込まれてしまう。

  コーナーに追い込んだ事でカムイはニヤリと笑いながら ラピッドの顔目掛けて右ストレートを繰り出す。

  その瞬間、ラピッドはタッキングで姿勢を低くし、カムイの右ストレートを回避して、更にコーナーとカムイの僅かな隙間を縫うようにすり抜けてカムイの後ろを取る。

  カムイは攻撃対象が消えて残った右ストレートの勢いを殺す事が出来ず、そのままコーナーに鼻を強打する。

  カムイは強打した鼻を抑えて新たな青筋が浮き出て

  「この兎野郎!」

  カムイはラピッドの方を時計回りに振り向くと ラピッドは大振りの左フックを構えて振り向たカムイの顔の右頬に狙いを定めて振り抜いて、その一撃はカムイの顔の右頬を捉えて

  [バァン!!]

  と音を立ててカムイを殴った。

  カムイは一瞬バランスを崩したが直ぐに体制を整えるがラピッドは其れされも予想したように今度は大振りの右フックを振り抜いて、その瞬間、カムイの左頬を

  [バァン!!]

  大きな音を出しながら捉えた。

  カムイは何とか体制を整えて反撃の左フックを繰り出すが、ラピッドはカムイの左フックをタッキングで避けて戻る反動を利用してアッパーカットを顎に叩き込む。

  その衝撃でカムイはフラつくがなんとか持ち堪える。

  (チッ、流石にタフだなぁ)

  ラピッドは内心舌打ちをしながら次の攻撃手段を考えていると

  [カァン‼]

  とゴングが鳴って第四ラウンドが終わった。

  お互いに自営のコーナーに戻りマウスピースを外して【RofF】スタッフから其々のアフタケア―を受けながら考える

  ラピッドは身体から滝の様な汗をかいて肩で息をしているので【RofF】スタッフはタオルで汗を拭き、酸素と水をラピッドに摂取させる。

  (相手はパワーが売りのファイタータイプ。

  其れに筋肉が硬い。

  強く踏み込まないと有効打にならない。

  だけど、あいつのラッシュを全て躱しきった上でカウンターを叩き込んで倒す前にあたしの体力が持つかどうか……)

  ラピッドは思考を巡らせて

  (兎に角、安全策を取っていくしかないな)

  そう結論付けて、ラピッドは呼吸が整い始める。

  一方はカムイは殴られた部分を氷袋でアイシングして痛みを和らげて水分補給して

  (あいつ、何で僕のパンチが当たらないんだよ!)

  内心毒づきながらカムイはラピッドをに目掛けて歯を食い縛って睨み付ける。

  そうしていると

  「ひぃぃ」

  【RofF】スタッフの一人が悲鳴を上げる。

  その悲鳴を聞いたカムイの怒りは一瞬で引いて我に返る。

  (僕は何をやっているんだ!

  今回はお姉ちゃんが居ないんだ!

  いつも的確に指示してくれる人がいないんだ。

  だから自分で考えて戦わないと)

  カムイは自分の両頬を叩いて気合いを入れ直す。

  [newpage]

  『インターバルが終わり第五ラウンドが開始しました』

  リングの中ではラピッドは深呼吸を繰り返して、

  (落ち着け、落ち着いて相手の攻撃を見極めろ!)

  自分に言い聞かせる

  一方でカムイも深呼吸して

  (相手のペースに飲まれたらダメだ。

  僕が勝つために冷静にならなくちゃいけない)

  カムイも自分に言い聞かせ、ゆっくりとお互い距離を詰めてお互いの攻撃が届く距離まで近づく。

  そして、カムイはラッシュを繰り出す。

  ラピッドは素早く躱して左回りで移動してカムイの利き手じゃ無い方を攻める。

  カムイはやりにくそうに何とかラピッドの攻撃を防ぐが

  「ぐぅ!」

  ラピッドの右ストレートがカムイの左目辺り当たって少し腫れる

  カムイは直ぐに左を庇うように右ストレートをラピッドの顔面に向けて放つ。

  だが、ラピッドはギリギリの所で左に回避してカムイの左側の死角に入る

  カムイは追いかけるように左フックを繰り出したがやりにくい上に左目の視界は腫れもののせいで狭くなっている為、ラピッドを捉える事が出来なくて空振りに終わり、その隙にラピッドはカムイの懐に入り込み、しつこく左側をラッシュで殴り続ける。

  カムイはなんとか左がに方向を変えようとするがラピッドはカムイの左側を執拗に追い掛け回しながら左を徹底的に殴る。

  カムイは搦め手を使って来たラピッドに怒りが込み上げてくるが、それでも必死に

  (落ち着け僕、今僕を引き留めてくれる姉ちゃんは居ない。

  だから怒りに飲み込まれたらあの兎野郎の思う壺だ)

  と自分に言い聞かせて、ラピッドの攻撃を捌きながら反撃の機会を伺っていた。

  ラピッドは

  (チッ)

  心の中で舌打ちをして

  (思ったより冷静に対処してくるなぁ

  さっきは簡単に怒ったくせに)

  ラピッドは内心毒づきながら次の手を考えながら右ストレートでカムイの防御を抜いて左頬を捉えられてカムイは無理矢理に右を向かされて、ラピッドは更に追撃を繰り出そうとしたが右方向から戻って来るカムイの横顔が手負いと血に飢えた狼の様に見えてしまい。

  「⁉」

  ラピッドに刻まれている兎の本能が危険を察知して咄嵯にバックステップで下がってしまう

  カムイにとってその隙は見逃せるものではなく、ラピッドを正面に捉えて右腕を最大まで伸ばして渾身の右ストレートをラピッドの顔目掛けて放つが、ラピッドは咄嗟にウィービングで首を右に曲げてカムイの渾身の右ストレートを左頬を掠り、出血するのも避ける事に成功させる。

  其のままラピッドは右腕を構えて

  「倒れろぉ!!」

  叫び声と共にラピッドはカムイの顔のど真ん中に右ストレートを

  「うぶぅッ...!!?」

  叩き込み。

  追撃に右フックを脾臓部分に

  「ぐふっ……!」

  叩き込んでカムイは苦痛の声を漏らす。ラピッドは更に

  左フックを右脇腹

  「ごほっ……」

  右フックを左頬

  「うぶっ」

  左アッパーを顎に

  「がはっ」

  叩き込んで口からマウスピースが口からはみ出しそうになるがカムイは堪えるがラピッドはもう一度脾臓部分、右脇腹を叩き込んで

  「うげぇ」

  とカムイは苦悶の表情を浮かべながら四つん這いに崩れ落ちて口からマウスピースが零れてリングに落ちる。

  「ダウン!ワン、ツー、スリー」

  カウントが始まる。

  その間にラピッドはニュートラルコーナーに下がり

  「はぁ、はぁ、はぁ」

  呼吸を整えながら

  (あの横顔はヤバかった。

  思わず逃げてしまった)

  ラピッドは深呼吸して

  (あいつの左側の目は私が潰したんだ!

  後は其処を集中的に攻めれば勝てる!!)

  そう考えてカムイを見る

  立ち上がろうとしていたカムイの顔は手負いと血に飢えた狼に見えて更に狼の牙には小さいが赤く染められた白い毛が付いた肉片が付着していると錯覚してしまう。

  ラピッドは其の幻覚を見て背筋が凍る感覚を覚えて慌ててカムイに付けられた左頬の掠り傷を白いグローブで拭うと、少しだけ血が付いていて

  (まさかね)

  ラピッドは頭を振って気持ちを切り換えてカムイを見る

  「ナイン!」

  カムイはダウンしてナインで立ち上がりレフェリーからマウスピースを受け取って口に含んで噛み締めてファイティングポーズを取る。

  ラピッドもファイティングポーズを取って

  「ファイト!」

  試合が再開されると同時にラピッドは左側に回り込みながらジャブのラッシュを仕掛ける。

  カムイはラピッドのジャブのラッシュを防ぐ。

  ある程度ジャブを打ちこんで

  (相手は完全に左を見えてない。

  行ける!)

  ラピッドはそう確信するとラッシュから右腕の大振りのストレートを放つ為に構えて

  (今だ!)

  ラピッドは右腕を勢い良く振り下ろそうとした瞬間

  「⁉」

  カムイの左フックがラピッドの右頬を捉える。

  そしてカムイは左フックを力任せにラピッドの顔面に叩き込む。

  ラピッドはカムイの力任せの左フックを喰らいながらも何とか耐えようとする。

  だがラピッドはカムイの一撃で視界はぼやけて意識は飛びかけで身体はフラついて膝がガクッとなり、弾かれてラピッドはうつ伏せに倒れて

  「ダウン!」

  ダウン宣言されて

  「ワン、ツー、スリー」

  カウントが進む。

  カムイはラピッドが倒れている間にニュートラルコーナーに向かう。

  ラピッドは

  (如何言う事!?

  左の視界は潰したはずなのに何で!)

  混乱しながら思考を巡らせていると

  「シックス!」

  カウントが進み

  ラピッドは

  (兎に角、立たないと)

  ラピッドは立ち上がろうと足に力を入れて立とうとするが上手く立てない

  (ヤバい!

  脳を揺さぶられて平衡感覚が狂った!?

  取り敢えず上手くバランスを取れなくてふらつくけど、まだ戦える!)

  ラピッドはふらつきながら立ち上がりファイティングポーズを取って

  「ファイト!」

  試合が再開される。

  ラピッドは脳を揺さぶられて居る為、スピードを活かした動きが出来ずに、ゆったりとした動作でカムイに近づく。

  するとカムイが

  「やっと僕のパンチが当たってくれたね、兎野郎!!」

  叫び声と共にラピッドの懐に入り込んでラピッドの顔に右ストレートを繰り出す。

  ラピッドは

  「グぅ‼」

  寸止めで躱したが追撃の左のボディーフックが

  「ぐふっ!」

  ラピッドの鳩尾を捉えて苦悶の声を漏らす。

  ラピッドは

  (ヤバい!)

  焦りながらカムイの頬に連続で左右にフックを叩き込んで直ぐにバックステップでお互いの攻撃がギリギリ届かない距離まで離れる。

  「ハァ、ハァ、ハァ、ど、如何して⋯」

  「何が?

  僕がお前を捉えた理由?」

  「そ、そう、左は、完全に、見えていない筈、なんだけど」

  「ああ、確かに僕は右目しか見えないよ」

  「じゃあ、何故、あたしの、居場所、分かったの!?」

  「簡単な話だよ。

  あの時お前の左頬に掠り傷を付けて血を流していた。

  だから血の臭いと感でお前の位置を把握したんだよ」

  「そんな、方法で、私の、位置を、把握したの!?」

  「狼の嗅覚を舐めんじゃねぇぞ! 兎野郎!!」

  「そうとう、舐めて、いたみたい」

  [newpage]

  『さぁ、只今十ラウンド目に入りました!

  試合の流れはカムイの方に流れています。

  ラピッド選手、この流れを断ち切れるのか!』

  実況が熱く語る中、ラピッドとカムイの攻防は進むに連れラピッドの動きが悪くなって行く。

  カムイが右ストレート、左フック、右フックの順で放つ

  ラピッドは右ストレートを躱すが、左フックを避ける事が出来ずに咄嗟にガードするが

  「!?」

  カムイの左フックの一撃でガードが引っされてしまい、そのままカムイの右フックを

  「うぶっ……」

  喰らいラピッドは口からマウスピースが零れそうになるが足に力を踏ん張って

  「ま、だま、だ、たたか、え、る」

  右アッパーをカムイの顎に

  「ごほっ」

  叩き込んで

  「追加でもう一つ」

  今度は左のボディーアッパーを

  「がはっ!」

  叩き込む。

  「お返しだ!」

  カムイは反撃の右ストレートをラピッドの顔面に

  「がふっ!!」

  叩き込む。

  「これで、最後!!」

  カムイも左のボディーアッパーをラピッドのお腹に

  「がふっ!」

  叩き込む。

  ラピッドは転倒しなかったがお腹を両腕で押さえて前屈みになって

  「ぐうぇ」

  苦しそうな声を漏らしながら後退してしまう。

  カムイは追撃のラッシュを加えろうとするが

  [カァン!]

  ゴングが鳴り響き十ラウンド目が終了する。

  お互い自営のコーナーに戻りスツールに座るがラピッドの口がリスの様に膨らんでいる事に【RofF】のスタッフは気づいて

  (まさか!?)

  【RofF】のスタッフは急いでバケツを持って来てラピッドの前に置き、ラピッドはバケツの中に

  「ゲホッ! ゴホ!」

  嘔吐した。

  ラピッドは吐瀉物をバケツに吐き出すと

  「 ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」

  荒い呼吸をして息を整えようとする。

  「大丈夫ですか?」

  【RofF】のスタッフはラピッドを心配するが

  「うん……何とかね」

  ラピッドはそう答える

  (とは言えこのままじゃキツイ)

  ラピッドは自分がお変えている状況を整理する。

  顔は元の顔が分からない位に腫れて利き目の右目は腫れ物で塞がっていて唯一見える左目の視界がぼやけていて殆ど見えない。

  カムイ程鍛えていないがかなりあった腹筋は紫色に変色して力を軽く入れだけでも激痛が走る。

  (こんな状態だと次のラウンドでKOされる)

  ラピッドはそう予想する。

  一方、カムイは

  (此処まで責められたのはアイラぶりかな)

  と、いつもカムイに絡んで来る嘉例川アイラの事を思いながら自分の身体を確認する。

  ラピッド程、顔は腫れていないが所々に紫色に変色した打撲痕があり、左目は腫れ物で塞がっている。

  ラピッドよりも鍛えられた腹筋は紫色に変色していて腹筋に力を入れても痛みは来ないがラピッドの前では半壊したカムイの腹筋ではほぼ無意味だろう。

  ラピッドは

  (正直に此処で出し惜しみして勝てる相手じゃない)

  カムイは

  (草食系動物の獣人で此処まで僕を追い詰めた奴は初めてだ)

  (だから)

  (あの獣を)

  (仕留めるのは)

  この時に二人の思考はほぼ同じタイミングで

  ((次のラウンドで仕留める‼))

  そう決まると

  [カーン!]

  第十一ラウンド目が始まる。

  お互いにスツールから立ち上がり自営のコーナーから飛び出して

  「「うぉおおお!!」」

  雄叫びを上げながら相手に近づき

  「「はぁああ!!」」

  拳を握り締めて同じタイミングで相手の顔面に振り下ろしてお互いの拳が其々

  [uploadedimage:15746092]

  「ぐふっ!」

  ラピッドは左頬

  「ごふっ!」

  カムイは右頬に拳を叩き込む。

  其処からはお互いラッシュの応酬が始まる。

  カムイは肉食獣にふさわしい純粋な暴力のラッシュでその対極にラピッドはカムイに殴られる瞬間に体を動かしてダメージを軽減させてカムイの顔や筋肉が薄い所に的確なパンチを繰り出して反撃する。

  が、ラピッドが右アッパーカットを繰り出し

  「げほッ...!」

  受けたカムイは軽いダメージアクションで収まってしまう

  対してカムイはラピッドに左フックを繰り出すと

  「ごぁえッ!!」

  ラピッドの首が強制的に右に曲がって口から血が混ざった体液が飛び出る。

  ラピッドは直ぐに反撃しようとするが其れよりも早くカムイの右ボディーアッパーカットが

  「がふっ!」

  ラピッドの壊れかけている腹筋に突き刺さりマウスピースがはみ出る

  ラピッドは必死にマウスピースを噛んで堪えて反撃の左のボディーフックがカムイの

  「うげ...ッ!」

  脇腹にめり込む。

  ラピッドは腹筋に力を入れて激痛に顔を歪めながらカムイの反撃が来ないようにラッシュで抑え込もうとするがカムイはラピッドのラッシュを受けながらも右のボディーストレートがラピッドの腹筋の真ん中に

  [ドゴォ!]

  「んぶぅえぇぇッー!!」

  と、音を立てて叩き込まれた。

  更にカムイはラピッドのお腹に打ち込んだ右のボディーストレートを敢えて抜かずに逆にゆっくりとねじ込まして

  「がは……あ、、、、」

  ラピッドは苦しそうな声を漏らす。

  そしてカムイはねじ込んだ右のボディーストレートを一気に引抜く。

  すると右のボディーストレートで圧迫されていたラピッドの胃は

  [グチャ!

  ヌチャ!]

  っと嫌な音を鳴らしながら

  「おっぶ・・・・・ おぷっっ、ぶぶぅ・・・・・・・・・・・っっ」

  マウスピースの隙間から

  [ゴボゴボ]

  大量の胃液が溢れているが其れでもラピッドは只管に

  「⋯!」

  「んげッ!」

  殴り返すがカムイに殴られる度にラピッドの殴る力が弱まっていく。

  更にラピッドと自営のコーナーの距離が徐々に縮まっていき、ラピッドがコーナーポストに追い込まれていく。

  ラピッドも其れが分かって何とかして逃げようとするが、

  「あッ!!

  うぶえぇッ...!!

  んあッ!!」

  カムイに殴られて退路が塞がれる

  其れでもラピッドは必死に反撃するが弱り切ったラピッドの攻撃ではカムイにダメージを与える事が出来ずに一方的に殴られてしまう。

  そしてとうとうラピッドは自分の自営のコーナーまで追い込まれてしまう。

  ラピッドは今にも途切れて無くなりそうな意識で見たのはカムイは口元が緩んで血に飢えた狼が獲物を喰らう寸前の様な表情をしていた。

  ラピッドは

  (ああ……此処が限界か)

  諦めに近い思考に染まり切ってしまう。

  其処からは殴り合いでは無く、肉食獣が掴まれた獲物が二度と逃げられないようにじわじわといたぶり続ける様に 一方的な蹂躙が始まった。

  「ぶへぇ!」

  [ドシャ!]

  「ぐふぉ!」

  [グシャ!]

  「ぶしゃ!」

  [バシュ!…]

  「 ぐへぇ!」

  殴られる度にラピッドの呻き声と肉を打つ音が響く。

  ラピッドは無意識に本能的に反撃がするが虚しくカムイに殴られる度にラピッドの身体は揺さぶられて反撃は明後日の方向に飛んでいく。

  そしてラピッドは殴られ過ぎて走馬灯に囚われる。

  (ああ、あたしの人生、クソッたれだったな)

  ラピッドは今までの人生を振り返って思う

  (生まれてからずっとクソ親父に殴られ、喧嘩で食い繋いできて、クソ親父が勝手に野垂れ死んで残った借金返済をする為に胸出しの地下拳闘会に参加して其処であたしの女の初物が壊されて、こんな人生なんてもう終わっても良いやと思ったけど…………..)

  ラピッドは走馬灯に最後に見た物は何度もラピッドに何度も殴り倒されても起き上がったグラスウィードの姿が浮かぶ。

  (あいつのタフネスを気に入って強くしてやると約束して私も意地を張って背伸びしたのに此れじゃ示しがつかないよな)

  思っているとカムイの右フックが元の顔の原型も残って居ないラピッドの左頬にめり込み。

  ラピッドは 右側を強制的に向いて僅かに左目に見えたのは

  「ーーー!」

  泣きじゃくりながら何かを訴えるグラスウィードが写った。

  (そう言えばグラスウィードはあたしの試合を見に行くって言っていたんだ。

  そんな顔をされたらただでは負けられない)

  ラピッドがそう思っている間にもカムイはラピッドのもう防御の役目が無くなった腹筋に左ボディーアッパーが容赦なく突き刺さりラピッドは大きく目を見開いて

  「あッ…… うぷっっ…… おええええええええええええ!!」

  マウスピースと一緒に胃液を吐き出す。

  そしてカムイは大振りの右フックを繰り出すと同時にラピッドは強制的に右に向いて居て左ボディアッパーで殴らえた弾みで正面に戻る瞬間に産まれる遠心力を使ってなけなしの右フックを繰り出す。

  だがその右フックはカムイの右フックより早いが威力が無い為、先にカムイの右フックよりも早くカムイの頬に当たるが、当たるだけに終わりその直後にカムイの右フックがラピッドの顔面にめり込みラピッドは自営のコーナーに串刺しにされる。

  そしてそのままカムイの右フックが抜かれた瞬間にラピッドは操り糸が切れた操り人形の様に倒れた。

  ラピッドは穴という穴から体液を流していた

  レフェリーはラピッドの様子を確認するがレフェリーは両手を使ってラピッド、試合続行不可能と判断されて

  [カン!カン!カン!]

  試合終了のゴングが鳴らさて

  『勝者! カムイ=ウルフ選手!!』

  アナウンスが響き渡りレフェリーはカムイの右腕を挙げる。

  其れを見て聞いた観客達は歓声を上げる。

  一方で敗者ラピッドは担架を持って来た【RofF】スタッフの手によって静かにリングを後にした。

  [newpage]

  「⋯う⋯うん~」

  ラピッドは左目だけ開けると

  「⋯こ、此処は?」

  明らかに地下会場ではない天井が視界に映る。

  ラピッドは上半身を起こそうとするが

  「いっつ……!」

  全身に激痛が走って起き上がれない。

  其れに体を圧迫するように全身に何がか拘束されている感覚もある。

  ラピッドは何とかして自分の身体を見ようと首を動かそうとするが何がで固定されていて動かない。

  其の為ラピッドは何処かの天井しか見えない。

  すると扉が開く音が聞こえて誰かが入って来る足音が聞こえる。

  ラピッドは目線だけで誰かを見る。

  其処にはグラスウィードと見知らない女性が二人いた。

  グラスウィードと見知らない女性達は別れて見知らない女性達はラピッドの隣のベッドに行きグラスウィードはラピッドの方のベッドに来てラピッドを覗き込んだ。

  ラピッドは

  「グ⋯ラス、ウィ⋯ド」

  口に何がか覆いかぶさって上手く喋れずにいるとグラスウィードはラピッドに気が付いたのかラピッドの口元に耳を近づけてラピッドはもう一度

  「グ⋯ラス、ウィ⋯ド」

  言うとグラスウィードは涙を流しながら

  「おはようございます!」

  そう言って横からコードが付いたリモコンを取って操作するとベッドが動いてラピッドの上半身が起き上がる。

  ラピッドは起き上がってから改めて

  「此処は⋯?」

  グラスウィードに聞くとグラスウィードは涙を拭いて

  「此処は病院です。

  ラピッドさんはあの後直ぐに会場の医務室に運ばれたんですが、医師の診断で身体が医務室での治療では治せない程のダメージを負っているので、急遽に此方に移動して治療を受けたんですよ」

  「⋯そう⋯

  其れで今は如何なって居るのなんか?

  体が拘束されている感じで動けないんだけど……」

  「ああ、それはですね⋯」

  グラスウィードは鞄から手鏡をラピッドに渡す。

  ラピッドはその渡された手鏡で自分の今の姿を見ると病院服を着ていてその下のお腹と顔は左目以外は包帯でグルグル巻きにされて首には動かないようにギプスを着けられて腕は点滴の管が刺さっていた。

  「成程ね⋯それで完治するまで何日ぐらい掛かるの?」

  グラスウィードに質問する。

  グラスウィードは

  「えっとですね⋯病院の医師から聞かされた話だと亜人や獣人系の人達は身体がかなり頑丈なので骨などには小さな罅が入っている程度ですが内蔵の方はかなりダメージが大きいのと出血量が多過ぎたの最低でも一週間は安静です」

  「そう⋯」

  「其れから⋯」

  グラスウィードは手に持って居た手鏡の角度を変えると

  「ヤッホー!

  元気?」

  昨日、ラピッドを病院送りにするまでボコったカムイがラピッドと同じ病院服を着ていて更にラピッドと同じ部屋でラピッドのベットの隣のベットに居て片手を上げて挨拶してきた。

  ラピッドは左目をジド目にして

  「何であんたが此処に居るの?

  しかも同じ病院で入院しているし」

  カムイは笑顔のまま

  「いや~、あの戦いの後、急に体に力が入らなくなって更に意識を失って気が付けばこの病院に入院していた。

  お医者さんの話によると緊張が切れた反動で疲労や痛みが一気に襲ってきて気絶したらしい。

  今日精密検査をしたら明日退院だってさ」

  「さいですか。

  それでそっちの人達は?」

  「あぁ、僕の姉ちゃんと妹の⋯」

  「ウルフ四姉妹の次女のヤヨイ=ウルフと⋯」

  「末っ子のホシミ=ウルフだよ。

  よろしく」

  「宜しく⋯あれ?

  四姉妹だから⋯」

  「うん、勿論、長女は居るけど仕事の都合で来れないんだ。

  因みに僕が負ければ長女の方の姉ちゃんがラピッドに絶対に挑戦状を叩きつけるから」

  「へぇー、絶対カムイより強いんでしょ?」

  「うん、そうだよ。

  僕は一度も勝った事が無い、上に僕が行く地下拳闘のチャンピオンでもあるんだよ」

  ラピッドはカムイの言葉に自分が行っていた胸出しの地下拳闘のふたなりのライオンの獣人チャンピオンを思い返して

  「カムイ、聞くけど過去にライオンの獣人や亜人を仕留めた事はある?」

  ラピッドの質問にカムイはいつも自分に突っかかって来るライオンの半獣人の嘉例川アイラを頭に浮かべて

  「ライオンの獣人や亜人は無いけどライオンの半獣人ならあるよ」

  「あたしは過去に昔に行っていた地下拳闘のライオンの獣人のチャンピオンを一回だけ仕留めた事はある。

  あなたは?」

  「僕の方は獅子のプライドがどうこう言って挑んできて勝ったり負けたりする。

  数は⋯もう数えるのは辞めちゃってる」

  「はぁ~道理で強い訳だ」

  ラピッドは納得して溜息を吐くとグラスウィードは

  「あのぉ、ラピッドさん、何か買ってきましょうか?」

  「そうだ!」

  「どうかしましたか?」

  「カムイ、退院してリハビリにグラスウィードと練習試合しない?」

  「え⁉ちょっと待って下さい!」

  「あぁ、確かに良いかも」

  「待って下さい!

  ラピッドさん、私に死ねと言っているんですか!」

  「大丈夫、グラスウィードの耐久性は高いしそれからヘッドギアなどの防具を付けていれば問題ないと思うよ。

  其れに私より強い強者のハードパンチャーを喰らった方が良いよ」

  「そう言う問題ですか?」

  「僕も出来るだけ手加減するから。

  其れとグラスウィードを揉むからホシミを揉んで欲しいけど良いかな?」

  「カムイお姉ちゃん⁉」

  「別に良いよ。

  あたしも退院のリハビリに丁度いいから」

  「決まりね。

  ヤヨイお姉ちゃんも良いよね?」

  「はぁ~、まぁホシミにハイスピードな戦い方を体験させるには良い機会かもしれないわね。」

  「ヤヨイお姉ちゃんまで……」

  「それじゃ先ずはグラスウィードからね」

  「任せてね」

  「そ、そんな簡単に倒れるつもりはありませんからね」

  「楽しみにしているよ」

  その後カムイの精密検査が来るまで話し合った。

  カムイが退院して直ぐにカムイの行きつけの地下拳闘の練習場でカムイとヘッドギアなどのボクシング防具一式を装備グラスウィードの練習試合が行われて結果はグラスウィードの防御をカムイの攻撃で強引にこじ開けらえてそこから連打を浴び続けてグラスウィードはKOされた。

  グラスウィードは防具とカムイの宣言通りに手加減してくれてお陰で顔に大量の絆創膏を貼っているだけで済んだ。

  そして一週間後に、ラピッドは退院してその日にホシミとラピッドの練習試合が行われた

  ホシミは出来るだけ早く動いて攻撃をするがラピッドはホシミよりも早く動いてホシミの攻撃を全て躱しきったうえでホシミに一方的にラッシュを浴びせてホシミはラピッドのスピードに付いて来れずに最後はラピッドのアッパーカットを顎に受けてラピッドに負けた。

  その後は居酒屋で長女のミドリ=ウルフと一緒に打ち上げを行った。

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  最後までお読みいただき有り難う御座います。

  この作品の文章は私、[[jumpuri:ダイビングビードル > https://www.pixiv.net/users/35691491]]とイラストは[[jumpuri: 尾瀬ヒカ> https://www.pixiv.net/users/82125740]]さんの合同作品です。

  もしこの作品を見て自分も【RofF】に参加したい方は此方の[[jumpuri:【人外×ボクサー企画】リング・オブ・フリークス【RofF】 >https://www.pixiv.net/artworks/107861091]]参加用紙に説明を見ながらオリキャラのデータを入れてpixivに投稿すればエントリーは完了です。

  そして文章に自信が無い方は私にメッセージを送って下さい。

  参加お待ちしております。