007-009
レ・ミュウとの約束に為にダインは料理を始める、メイン食材は岩茸でそれを主菜としてダインが考えたのは蒸し岩茸の肉味噌がけだった。
主菜の岩茸は麺の様に細く刻んでから障壁の下に水張って包んで熱魔術で蒸すと、保存食の干肉を細かく刻んでから鍋で煮込むと塩で味を整える、そして十分に煮込まれて柔らかくなった所に蒸し終わった刻み岩茸を投入してから水で解いた穀物粉でとろみを付けると、ダイン流岩茸麺が完成する。
そして時間は約束の三時間となり、大きな荷物を障壁で包み込んで持って来たレ・ミュウがちょうど戻って来た。
ダイン 「外は大丈夫でしたか?」
レ・ミュウ 「はい、上の出入り口も岩山に隠されて飛行出来なければ入る事も難しいでしょう、外は未だ荒涼な荒地が続いていて目ぼしい獲物も見当たりませんでした」
ダイン 「そうですか、夜は冷えるでしょうからここが見つかって良かったですよ、まぁ魔術で暖は取れますけどね、温まる為にも食事にしましょうか」
レ・ミュウ 「はい、とても美味しそうな匂いがしてます」
ダイン 「岩茸は熱を加えると香りが良いですね、味も濃いですしなかなか理想的な食材です」
レ・ミュウ 「でもこれどうやって食べれば、匙じゃ難しいです」
ダイン 「それはこの箸を使うんですよ、遊魔のミュウなら普通に使えるでしょう」
レ・ミュウはダインに示された箸を持つとちゃんと使いこなしてみせる、食文化の重要度が高い遊魔では箸を使う事は基本動作として知識として持ち、身体に動きも組み込まれているのだ。
レ・ミュウ 「初めてなのに不思議な感覚です、こうやって挟んで食べるんですよね」
レ・ミュウは餡でとろみの有る岩茸麺を器用に掴むと口まで持っていって啜る、麺を啜る動作も遊魔の食事方法として身に付いており、未知の料理でも苦労する事は無い。
ダインはレ・ミュウが食べる様子を少し緊張した表情で見守っている、遊魔の頂点に立つダインであっても、自分の料理に対する他者の評価はとても気になる様だ、そして咀嚼して飲み込んだレ・ミュウに感想を求める。
ダイン 「味の方は大丈夫ですよね、身体が受け付けない可能性も有りますから」
レ・ミュウ 「凄く美味しいです、岩喰い由来の食材という話でしたがこれなら毎食でも食べられそうです」
ダイン 「なら、生で食べてみますか、岩喰いのトルポは生でも食べると言ってましたよ」
レ・ミュウ 「流石にそれは無理そうですけど、色々と使える食材みたいです、耳長には茸料理が多いですからね」
ダイン 「なら、ここでしばらく岩茸の保存食を作りましょうか、干岩茸にするだけで良い出汁が出そうですから、それにマギマイナーという巨人魔導具もまだ調べたいですね、上手くすると再生出来るかも知れません」
レ・ミュウ 「魔動力が干からびてますけど?」
ダイン 「でもそれぐらいですよ、干からびた魔動力は私の尻尾から再生させますし、魔鋼は錆ませんからフレームに問題は有りません、枯渇している魔力は魔動力が再生すれば大丈夫でしょう」
レ・ミュウ 「でも岩喰いのマギマイナーはクフィカールみたいに飛べませんから、置いていく事になりそうですけど、主が楽しみたいんですよね」
ダイン 「どの道、私の身体じゃ大き過ぎて動かせませんからね、レ・ミュウならいけるでしょう?」
レ・ミュウ 「でも人類大陸で待つ姉様達の事考えると、先を急いで欲しいです」
ダイン 「それを言われると辛いですね、北方の人間に会ったわけでもありませんしね・・・解りました、北方に行く事を優先しましょう、ここには尻尾を残して目印にしておきましょう、どうせ調査するならテガスの工房の方が早いでしょうから」
レ・ミュウは遊魔思考に目醒めてダインの独占を罪と考えてしまっている、この思考自体ダインが遊魔の社会維持を考えて付与したモノだが、今回はダインよりもレ・ミュウの遊魔に対する種族愛が勝った様だ。
このまま北に向かう事に決めたダインであったが、ここで一夜を過ごす判断には変わり無い、皿として代用した素材を洗うと井戸近くに設置していた尻尾の形状を変化させて、ウォーターベッドを作るとレ・ミュウを誘う。
ダイン 「夜は冷えるでしょうから一緒に寝ますよ、ミュウが望むのであれば抱いてあげますけど」
普通の遊魔なら直ぐに飛び付く言葉だが、まだ見ぬ姉達に遠慮するレ・ミュウには難しい判断である、もちろん身体は待ち望んでいるのだが心にブレーキが掛かっているのだ。
レ・ミュウ 「でも、姉様達に申し訳ない気がします」
ダイン 「それは考えるだけ無意味ですよ、今私が抱いてあげられる遊魔はミュウしかいませんので、自分に正直に生きれば良いだけです」
ダインの言葉にレ・ミュウも納得する、今居ない姉達に気を遣って幸福を逃すよりも貪欲に幸福を求めて行くのが遊魔でもある。
レ・ミュウ 「なら、ミュウでお楽しみ下さい」
ダイン 「当然ミュウも満足して下さいね、今を精一杯楽しむのが遊魔の生き方ですからね」
ダインの言葉はレ・ミュウの心の枷を取り払った様だ、服を脱ぎ捨てベッドに先に入ると膝曲げ仰向けでダインの挿入を誘う。
レ・ミュウ 「どうぞミュウを堪能して下さい、後ろよりも前の方が好きですよね」
何度か肌を重ねたレ・ミュウはダインの好みを把握してきている、その好みとは幼さの有るミュウの身体を自分主導で堪能する事だ。
レ・ミュウの予想通りに、覆い被さったダインは既に潤んでいる陰裂に肉槍を突き立てると一気に埋没させて行く、ダイン専用に作り変えられたレ・ミュウの身体はその大き過ぎる肉槍に悲鳴を上げるどころか完全に受け入れてしまい歓喜の声を上げる、そして悦ぶレ・ミュウにダインの興奮も増して更に激しく肉槍を突き入れて行く。
レ・ミュウ 「みゅっ、みゅっ、みゅっ、みゅう気持ちいいですかぁ?」
自身の名前とはイントネーション違う声を上げてレ・ミュウは押し寄せる快楽を表現する、自分の牝に違いを求めるダインに対してはこういった表現が好まれる事をレ・ミュウはもう感じ取っている。
ダイン 「もちろんです、私は絞まる穴が大好きですからね、この愛らしい姿のミュウが肉槍でよがる背徳感も興奮します、私の居た世界はいろいろ五月蝿かったですから、繁殖出来る牝が魅力的なのは当たり前だと思うんですがね」
レ・ミュウ 「それは当たり前ですよぉ、発情期の耳長は純潔護るのに苦労しますからぁ、普段やる気の無い雄達の様子が豹変しますからぁ」
ダイン 「耳長の発情期とはそういう物なのですか、遊魔になった耳長達はどう映るのか気になりますね、発情状態では有りませんけど性的な魅力は格段に上がってますから、現に人間の男達は私の牝達に無駄なアピールしてますから」
レ・ミュウ 「人間はいつでも発情期じゃないですかぁ、今のミュウも変わりませんけどぉ、主以外は求めてませんよぉ」
ダイン 「それが遊魔という種族ですからね、浮気しない牝というのは男の理想でも有ります、まぁ寝取らせという特殊性癖も有りますが」
レ・ミュウ 「主以外の遊魔は遊魔としか交尾しませんからぁ、ミュウも早く牝の遊魔と交尾してみたいですぅ」
ダイン 「ミュウは欲張りですね、ならばもっと私に溺れる様に尻尾も犯して上げましょう、これが出来るのは私だけですよ」
唯一の雄遊魔ダインは牝同士の様に挿れ合う事は出来ないが、肉槍と尾チンポで陰裂と尾マンコを同時に楽しませる事が可能だ、これは牝遊魔にとってとても刺激的な行為で、ダインの遊魔における特殊性をより一層高める事にも繋がっている。
レ・ミュウ 「アレして貰えるんですかぁ、ミュウ十分に満足してますぅ」
二本挿しは元々性に貪欲では無い耳長のミュウにとって刺激が大き過ぎる行為だ、だが、より深い交わりを求めるダインの性は、ここで唯一の同族であるレ・ミュウをより深く愛したいのだ。
こうして、ダインの情欲を一身に受け止めるレ・ミュウはより遊魔として成熟して行く、ダインが堕す堕液には遊魔の牝をより進化させる能力が有り、魔龍という特殊な形態を持つレ・ミュウの進化は本人すら未だ見た事も無い魔龍形態時に集約されており、ダインと交わりを重ねたレ・ミュウは最強の遊魔として密かに進化を続けていた。
熱く交わった翌日の朝でも遊魔の身体には疲れなど無い、特にレ・ミュウはサイズ的に大き過ぎるダインとの性交で身体的にダメージも負っていたのだが、遊魔の脅威的な再生能力は破壊されたところをより強靭に修復して、ダインとレ・ミュウの相性を向上させて行くのだ。
そして、ダインが目醒めるよりも早く起きたレ・ミュウは虚で怠惰な時間を最愛の者の腕の中で幸福に過ごしている。
レ・ミュウ思考 『主の安らかな寝息、ミュウとても落ち着きます、でもこの先はミュウも知らないところですから、気を引き締めないと・・・』
レ・ミュウは決意を示す意味を込めてダインに口付けすると、ちょうどダインの瞼が開く。
ダイン 「正に目醒めのキスですね、牝からの愛情表現は大歓迎ですよ」
レ・ミュウ 「ミュウをこんなにしたのは主じゃないですか・・・」
ダイン 「嫌なワケ有りませんよね?」
レ・ミュウ 「勿論です、でも何もかも手に入れた今の幸福が怖いです、今以上って考えられませんから、落ちて行くって事ですよね」
ダイン 「私との関わりだけが遊魔の幸福じゃ有りませんよ、他の遊魔達とも関わって遊魔社会の中でのミュウの位置を考えてみて下さい、そうすればやるべき事が理解出来てやりがいという楽しみが生まれます、楽しんで生きるのが幸福という事でしょう?」
レ・ミュウ 「主に依存しない楽しみですか・・・それを探す試練ですね」
ダイン 「いや、やっていて楽しい事をやればいいだけです、みんな自発的に何かやるべき事を見つけてますから、遊魔で夢を叶えた者も大勢いますよ」
レ・ミュウ 「夢ですか・・・人の身でこの力を手にしたならどんな願いも叶うかも知れません」
ダイン 「そう都合の良い力でもありませんよ、でも人として生きる事を思えばいろいろ道が開けてますね、だからミュウも生き甲斐を探してみて下さい」
レ・ミュウ 「生き甲斐ですか・・・正直言ってこの身体に戻れた事で混乱してます、また美味しい食事も食べれましたし」
ダイン 「私が作った料理などユーマ食文化の中では最下層ですよ、ミュウは先ず千年分の食事を堪能してみてはどうでしょうか、ユーマ食文化の真髄は甘いお菓子ですからね」
レ・ミュウ 「甘いお菓子って甘美な言葉ですね、ミュウが耳長の時代でも甘い食べ物は果実ぐらい有りませんでした」
ダイン 「私がこの世界に来た時もそんな感じでしたよ、食は生物の最も重要な行いなのにこの世界は軽視し過ぎです、ミュウは私の混沌の旅が終わるのを楽しみにしておいて下さい」
レ・ミュウはダインの言葉を聞いて飛び起きると早速出発の準備を始める、ダインが遊魔に対して嘘を吐かない事を理解している為に、まだ見ぬ料理に対する欲求が身体を動かしているのだ、そしてダインも名残惜しそうに一夜を過ごした地下施設を見渡すと渋々準備を始める。
数十分後、ダイン達の準備は整い再び北を目指す旅が始まるのだが、空を高速で飛べる遊魔には大した苦労も無く、半日ほど飛んで辺りの景色が針葉樹林に変わった頃、レ・ミュウが複数の人の魔力を探知して、ダインに触れ合えるほど近付いて来る。
レ・ミュウ 「前方から多数の人の魔力を感じます、後10分程飛んだ辺りでしょうか?」
ダイン 「集落が近いという事ですか、ギリギリ低空を飛んでバレない様に近付きましょう、飛んでいるところを見られてしまうと確実に警戒されるでしょうから」
レ・ミュウ 「解りました、逸れた魔力にも注意しますね、狩りなどで集落から離れている者もいるかも知れません」
魔力探知に優れたレ・ミュウの存在はダインにとってもありがたい、なるべく不審がられない様に北部の人間達と接触したからだ。
そして集落直前で地上に降りて旅人の雰囲気を漂わせたダイン達は徒歩で集落へ向かって歩き始める。
おまけ
岩茸 岩喰いが主食としているキノコの様な食材で岩喰いが暮らす坑道に生えている、実は岩喰いと共生する様に生み出された魔術生命体で、岩喰い社会を影から支えている。
主食である事は勿論の事、坑道内生活の大きな助けとなっており、実は岩喰いの糞便を元に自生している。
岩喰いは坑道内に糞便塚を作るのだがこの糞便塚が岩茸の自生地となる、岩茸は岩喰いの食されても完全に消化されずその糞便を菌床として、そこからまた岩茸へと成長する。
岩茸の菌糸には糞便の悪臭を除去する効果があり、岩茸の菌床となった糞便塚は悪臭を放つ事なく、坑道内の環境を保つのに役立っている。
岩茸は子実体ではなく胞子を生み出す能力は無いので、岩茸は実はキノコでは無い、あくまで岩喰いとの共生を考えてデザインされた物で、岩喰いを生み出した古代文明の産物である。
味は旨味の強いキノコといった感じで弾力のある食感だ、岩喰いは生で食べたりもするが調理した方が遥かに美味である、特に熱を加えると旨味と香りが引き立ち、毎日食べても飽きない食材だと言われている。