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友達から突然、三ヶ月時間が取れるかとのお誘いが来た。世界一周の旅にでも出るのかな? と思ってOKを出したら大変なことになった。
被害者は私ともう一人の友達だ。
荷物もパスポートもいらぬと言われておかしいとは思ったが、乗りかけた船を降りるのは性分が許さなかった。
女三人連れで何をしでかすつもりだろうか?
二人と合流すると、女性スタッフが運転するマイクロバスが到着した。それから四時間ぐらい掛けて移動した。窓はスモークフィルムで隠されたし、トイレは車中でしたので、ここが何処か分からないが、山間にぽつんと佇む割と新しめの豪邸であった。
建物に入ると、サービスの説明が始まった。
三ヶ月間、人形になりきって生活できるというものだ。
なんだそりゃと思ったわけだが、同意書にサインを求められると、面白そうだと言う理由でサインしてしまった。誘った人間は当然サインしたし、もうひとりの子は押しに弱いので、促されるままにサインしたので、私だけが拒否する訳にもいかないと言うのもあった。
同意したものの、結構ハードな内容である。全身の毛を剃るところから始め、下剤を飲んで、腸内のものをすっかり出してしまわなくてはならない。
全身を綺麗にした状態で、指定のドリンクだけで三ヶ月を過ごすのだ。冷静に考えて、正気の沙汰ではない。しかし、サインしたのは私だ。とことんやってやるしかない。
準備が終わると、バキュームベッドのようなもののある部屋に通される。
言い出しっぺの子が最初にやると言い出した。当然だ。
看護婦のような格好の女性に、尿道と鼻にチューブを差し込まれ、口にはオナホのようなマウスピースを突っ込まれる。見ていると割と無様だ。
スタッフが、ベッドにローションのようなものを塗りたくる。これが垢や体毛を処理してくれるらしい。
ベッドの上に指定のポーズで仰向けになって横たわる。上からもう一つのベッドが降りて来て、スタッフがチューブを上のベッドに用意された穴に通すと、まるで、ハン・ソロのようなものが出来上がる。
更に金属製の器のようなものが現れ、これを完全にプレスしてしまう。
鋳型のようになっているのか、注ぎ口にシリコン状のものを注ぎ込む。薄い肌色をしていて、なるほど、こうやって作るのかと思った。しかし、そうなると、完全に自分では脱げないのだなと言うことに気付いた。これはヤバイのではないか。
プレスは三十分ほどで終了した。そして、プラスチックの成形品のように、バリのある姿の人形が出てきたのだ。
なんとなく、私が最後になったのか、二人目の子がベッドに横たわる。並行して、一人目が次の工程に移る。
バリを取り、体の各所に塗装を施す。眼球を取り付け、ウィッグを載せる。
簡単に言うが、作業に迷いはなく、そして、見事に美しく仕上げるのは職人技である。高い金を取るだけのことはある。
一人目が完成して、本当に美しいお人形さんになっている。質感も顔の作りも、まさに人形であった。
シリコンを盛られた割に、手先や足先は腫れぼったくなってはいないので、どういう素材なのか、全く想像できないが、それに触れる前に、ベッドへと誘導された。
ベッドの中は完璧な闇で、一枚目の板が乗る頃には身動きが取れないでいる。
そうしていると、股間に棒状のものが突き立てられる。ちょっと待った! これはなんだと叫びたくなったが、声も出ないし体も動かせない。
大人しくもなにも、動けないでいると、シリコンが注入されていく。少し生暖かいものを感じたが、その部分では不快感はなかった。
プレスが終わってからは、身の回りの事をせわしなく処理する人々の動きに目を見張り、本当に人形扱いされているのだなと感動してしまうほどだ。
人形のようなフリフリの衣装を着付けられて、その感情は強まっていく。
鼻と口と股間に色々と詰まっているのだけれど、それはそれで興奮した。
そんなこんなで、自分を含めて、三体の人形が現れた。
奥の部屋に通されると、ドアが締まり、錠が落ちた。
好きに過ごしていいという訳だ。
全身の質感は、決めの細かい肌のような感じである。柔らかくあるが弾力もある。
口はほぼ塞がれているので、言葉を交わすことは出来ない。唸り声は出せるだろうが、可愛くはないので声はほぼ封印だ。
お互いが、お互いに触れ合い、そして人形である事を確かめる。
自分を含め可愛くて仕方がない。貸し出し品のカメラで兎に角撮りまくる。一般に公開しない事を約束すれば、データはそのままくれるらしい。
一通り楽しむと、部屋の探検が始まる。
広いリビングと寝室、浴室にトイレ、三ヶ月の生活をするには充分に広い。ただ、窓はない。
ルームサービス的なものもある。飲み物は可能だが、食べ物はないと言う違いはあるが、ホテル的ではある――後半になると、ラブホテル的な内容と道具も出てくる。コレについては、お互いに見なかったフリをする他なかった。
なにはともあれ、人形になって初めてのドリンクを飲むことになる。
栄養素は何でも入っているが、糞便にはならないとか言うものだ。
口の中はほとんど埋まっているので、味などどうでもよくて、口の穴にチューブを差し込むと、チューブに取り付けられた小さなポンプが液体を胃に流し込んでくれる。胃瘻されるとこうなるのか……
飲んでから三十分ぐらいは、落ち着いてまったりしていた。時計がないので時間が分からないが、雰囲気的にもう夜だろう。
服を部屋着に着替えようかなと言うところで、なんとなく、体が火照ってくるのを感じた。
おかしいなと思っていると、他の子も様子がおかしい。これはなんだと言う戸惑いの中で、猛烈にエッチなことをしたくなってくる。
これは一服盛られたなと直感が訴える。スタッフの含みのある笑顔などを思い出すと、それもこれも仕組まれていたのだなと。
しかし、これから逃げ出す術はない――相手も可愛いからまぁいっかーと言う気持ちが徐々に自分を支配してくる。
あ、これはヤバイと気付いた頃には、元凶がもう一人を襲い始めていた。
相手は明らかに戸惑ってはいたが、しかし、さりとて拒絶する風ではなかった。なんというか、自分がこれから何をすればいいのかわからないでいると言う雰囲気であった。
この光景をみて、股間に響くものを感じる。
抱きついていた手は、胸を弄り、股間を弄り、触られている子の方は、喉の奥で「うっ」と反応する。
ふたりとも、こちらを見つめている。表情は変わらないけれど、しかし、誘っているように見える。
私が、見て見ぬ振りをしていると、そうかとばかりに、二人は盛り上がっていく。
スカートをたくし上げ、ショーツの中に手を突っ込み、片手ははだけさせた衣装から胸を揉む。
見ていられないと思っているが、目を離せない自分がいる。
くぐもった喘ぎ声が響く。
表には出てこないが、自分も濡れているのがわかる。
最終的に、被害者一号はイったみたいで、声を上げたあと、体を痙攣させるようにして、ソファーに横たわった。
やられるぐらいならやってやろうと、私は相手に近づき、そこから、奇妙な取っ組み合いと言うか、可愛いムーブをしながら、主導権をどのように取ろうかと手を伸ばし、お互いの体を触り合うという行動に出ていた。
この争いに私は勝った――と言うか、いいように使われたと言うのが正解だろう。
彼女を愛撫していじめて、その反応を見ながら遊ぶ事に注力した。
二人目もすっかり出来上がる頃には、自分の性欲も全く手のつけられないものになっていた。
自分は迷わず、注文用のタブレットを取り上げ、ありったけのアダルトグッズを発注した。
ものはまもなく届き、勝手に気持ちよくなっている二人をよそに、大きな姿見を見ながら一人えっちをした。これは半ばやけくそであった。
それからは、もうほぼ毎日、こんな感じでやったりやられたりである。
衣装は豊富なので、雰囲気を変えて沢山遊べたし、本当になんでもありの状態であった。
時間はいくらでもあるので、やることが付きてくると、演技をするようになり、後々自分たちが楽しむ為の動画や写真を撮ったりするようになった。
人形に徹したり、割とハードな拘束をしたりと、道具と体力と技術がある限りは、思いつきでなんでもやった。
今思えば、コミュニケーションが身振り手振りしかない状況で、よくやれたものだ――尤も、腹のさぐりあいもあったので、なかなかスリルのある遊びであったのかもしれない。
そんなことが日常になってしまった頃、この狂気の合宿の終了が知らされた。
もはや、元の顔すら忘れてしまっている気がしていた。というか、声の出し方や人間としての生き方さえも忘れてしまっているようですらあった。
特殊な工具で、頭から背中へと切れ込みを入れると、全部が一気にずるりと剥けた。
鼻から口から股間から、詰まっていたものが抜けると、開放感による爽やかな気持ちになる反面、喪失感もあった。
肌はすべすべつるつるで、十年以上若返った気がする――全体毛がないのだけど。
毛生え薬も処方され、眉毛などはじきに戻ってくるそうだ。髪の毛は、しばらくウィッグ生活になるだろう……なのだけど、なんだか惜しい気がする。
またやりたい、もっとやりたい気がしている。
そこでまた、怪しい提案を耳にするのだが、それはまた、別の機会に。
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