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着ぐるみ噺18~ドラゴン着ぐるみ

  もうこれは、チビだから採用されたとしか言いようがないのだけど、地元でめぼしい仕事はここしかなかったので、何も文句は言えない。

  職場は遊園地。仕事は、着ぐるみでグリーティングや、舞台でダンスを踊ったりすることだ。

  他の人は兼業だが、私はどうも専業である。

  身体を採寸した後、完成するまではちょこちょこ手伝いをしていたが、ポンコツということもあって、着ぐるみができてからは、終業時間はほぼ着ぐるみを着ている。

  まぁ、汗が少ないのと、窮屈な着ぐるみを一日中着ていても苦痛に感じないのも理由の一つだろうか。

  真夏でも、着ぐるみの口からチューブで水分補給すれば、途中のトイレ休憩だけで、殆どお客さんの前にでていた。

  他に仕事ができないのに、ここで甘えていては仕事を失うという危機感があるからでもある。ただ、何よりも、このキャラクターがかなりの話題と人気になったというのもある。

  都市圏からそれほど離れてはいなかったが、途中に大型施設があり、また交通の便が微妙すぎる当園は、施設の旧式化の所為で、すっかり時代に取り残されたのだ。

  そんなところで、自虐ネタでファンを掴み、綱渡り状態の中で、目玉が着ぐるみとなったのだ。

  どうも、新しい社長が着ぐるみの職人と懇意だったとかそんな事情で、その手の人達から注目されるようになったとかナントカ。

  私の着ぐるみは、茜と言う茜色のドラゴンだ。

  ヘッドもボディも割とリアルめに作ってあり、鱗一つ一つが丁寧に作られてあり、近くで見ても破綻がないのだ。

  ボディラインに合わせて作ってあり、乳袋と大きめの鱗で私の乳が隠されている。身体が小さい割に巨乳だというので、こう言う事になる。

  腰と股間も、甲冑の前掛けのようにできている。インナーの股間部分にチャックがあるので、着ぐるみを着たままトイレにも行ける。

  着ぐるみの構造は、腰から下と、上半身、頭に分れていて、腰から下は、足先まで一体化してあり、ロングブーツのように足の内側にファスナーが付いているので装着しやすい。このファスナーは、別パーツをスナップボタンで取り付ける事で隠せるようになっている。

  上半身は、背中にファスナーはなく、各部が一体化している。ストレッチ記事に鱗が縫い付けられている構造で、完全に固定されている訳ではないので、存外着るのに苦労しない。勿論、手伝いは必要なのだけど。

  前掛けは上半身側に付いており、その内側に胴体を一周するようにファスナーが付いている。これで上半身と下半身を繋ぐ。尻尾の根元も、前掛けの延長で上手く隠してある。

  ヘッドは、顔の型を取って作ったぐらいであり、かなりピッタリしている。その為、視界は案外といい方である。頭身の事もあり、小顔に作られているので、かなりタイトである。

  後頭部の他に、胴体と接続する用に、首回りのファスナーが付いているので、この辺りを閉めると、完全に外界から孤立してしまう。

  口は自分の口と同じように動くので、鳴き声を上げれば、そのように口が開くようにできている。

  世界から遮断されると、もう、キャラになりきるしかなくなる。部屋で涼んでいても、徳にやる事もなくなるからだ。

  あと、自己暗示を掛けないと、ちょっと恥ずかしい格好というのもある。

  股間は数枚の鱗の内側は、インナー一枚で股間が露出しているし、ウェストもバストもラインも出ている。顔と鱗を外せば、ちょっとした露出狂だ。

  そんなわけで、自分なりに考えた雌のドラゴンの鳴き声をちょこちょこと漏らしながら、ちびっ子と戯れ、好奇の目を向ける大人に愛想を振りまくのだ。

  さて、当園は様々な事情で、面倒臭いファンが付いている。要は、私目当てのオッサン達が群がるのだ。

  リピーター率に繋がるので、ファンサービスは惜しまないが、失礼な客にはお引き取り願っている。

  控え室まで付きまとったり、ローアングルで撮ろうとしたり、盗撮しようとしたり、閉園後のスタッフをストーキングしたりする連中は、念書を書かせて丁重に引き取って貰った。(一部警察沙汰にもなっている)

  遊園地側が割と真剣にやっていると知られると、害悪のあるファンは少しずつ減り……と言っても、自治を振りかざす連中も出て来るので、この辺もやんわりと呼び出しを掛けたりしながら、リピートと安全のバランスを取ってやりくりしている。

  最近は、女性のファンも出てきて、こう言う人には、もっとファンサービスをしてしまったりする。(オッサンたちの不興を買うが、それで来なくなる奴は、まぁ、遠からず厄介な連中になるからいい)

  と、言う事で、その中で割と不定期に、しかし頻繁にやって来る美人さんが目に付いた。

  最初は大人しく写真を撮っているだけだが、私が気に入って近付いていくと、徐々に馴れ馴れしくなっていくのを感じた。

  これは、若干面倒臭い奴なんじゃないかな? と思ったが、美人である事が幸いしてか、他のスタッフの警戒感は低い。というか、地味に人当たりもいいものだから、スタッフとも打ち解ける。

  勿論、遊園地としてはいい客だ。必ずフリーパスを買って一回や二回遊具に乗り、食べ物飲み物は園内で済ませるので、「お手本的」なファンなのである。

  大体、平日休みの仕事なのか、暇な日に来る事が多いので、何気に私との接触が多くなるのだ。

  彼女と仲良くなると、自分も多少ボディタッチやっても怒られないだろうと思う女性も現われ……酷くはないがセクハラされる。

  私、そう言う趣味ないんだけどなと思いつつ、オッサンにやられるよりかは全然マシと思って割り切るしかない。

  尤も、私が女性ウケがいいと知ると、それを狙って撮ってくるオッサンもいるので相変わらず、その方向で連行される奴もいる。

  他の着ぐるみ、そこまでになってねぇだろうと思うのだけど、これも、露出と人気が多いからだと割り切る。

  そうこうしているうちに、何故か社長に頭を下げられた。もっと早く下げに来いと思ったのだが、状況はそんなに甘いものではなかった。

  どうも、例の彼女は、結構有名なイラストレーターらしい。

  彼女に仕事をして貰いたいから、接待をしてくれと言う事だ。

  もの凄く嫌な予感がしたが、断るという選択肢はないのだ。

  ローカルニュースで茜ちゃんに一目惚れしてから、もう、彼女に夢中になってしまっている。

  仕事の合間に落書きすると、大体茜ちゃんになる。尤も、私の公式垢でその手の画像を上げたのは一回キリだ。意外に少ないと思われるが、表面上健全垢なので、際どいもの、特殊性癖は隠している。

  大昔に運用していた個人垢を探れば、その手のものが出てこないわけではないが、今は堅気の商売をやっているのだ。そういうのをおくびにも出せない。

  それに、私が足繁く遊園地に通っている事を知ったら、変なファンにストーキングされるかも知れない。

  人から美人だ美人だと言われる故、顔で仕事を取ったみたいに言われるのが嫌になる。他にも厄介ごとが多いので、基本、顔を出さずに仕事をしている。

  ああ、もっと性欲を解放して変態トークをするようなキャラになりたかった!

  それは兎も角、茜ちゃんは私にドストライクなので、ちょっと嫌な事があると、疲れることがあると、仕事が仕上がると、仕事が行き詰まると、ついつい遊園地に出掛ける。

  あの遊園地は、ファンの行儀に厳しいので、兎に角、いい客に徹することが第一だ。そして、上手く振る舞っていれば、女性と言うこともあって、茜ちゃんとの接触も夢ではないのだ。

  始めて彼女を見た時は、ちょっと呼吸が乱れた。でも、そんなのをおくびにも出さないように、クールに振る舞ったモノだ。冷静に考えると、それもそれで挙動不審だったのだけど。

  二回目に来たときに、始めて握手をした。合皮の手袋の感触と温かみが忘れられない。

  何度か行っていると、何となく彼女も私の顔を認知してくれたようだ。徐々に距離が縮んでくる。

  着ぐるみオタクのコミュ障とか思われたくないので、スタッフにもそれとなく声を掛けて、当たり障りのない話をしてみたりする。

  着ぐるみ一辺倒のファンの中で、オタクっぽい会話をしない私を、スタッフは警戒せずに受け容れてくれた。

  行く回数が増えると、ちょこちょこ裏話的なものも話してくれる。

  馴れ馴れしくなっていく自分を感じる。抑えなければ。もうあと十数センチで胸とか尻とかに触りそうになる。いかん、そういうのはダメだ。

  彼女の感触を思い出し、自分で撮った写真と、イラストでオナニーしたりする。完全にダメなヤツである。

  そんな忍耐力と自制心のチキンレースみたいな状況で、ふとスタッフから出た言葉「そう言えば、お仕事って何をされているんですか?」に鋭く食い付いた。

  勿論、そんな態度を隠しつつ、怖ず怖ずと名刺を出してみる。「ちょっとしたイラストレーターをやってまして」

  これが巡り巡って、エライ人の耳にでも入ったらチャンスあるかなと思ってたら、このスタッフがガチの食い付きをしてきた。

  「むっちゃファンです!」

  「あ、でも、顔は出していないので、内緒にして下さいね」

  「上司には言ってもいいですか?」

  「お仕事戴けるのでしたら」

  みたいな感じのトークをして、その時はひとまず収まった。もの凄く心臓バクバクである。上手く行けば茜ちゃんの公式絵が描ける。いや、そんなことより、もっとお近づきになれるかもだ。

  で、この遊園地、妙にフットワークがいい。二日目に、マネジメントしてくれる会社の電話が鳴った。

  この会社、本当にフリーランスの救世主みたいな会社で、僅かなロイヤリティで色々な事を面倒見てくれるのだ。そして、私の性癖も地味に見抜いている。絶対に裏切らないでおこう。

  それは兎も角、その話が振られると「手弁当でもやってみたい」と答えてみた。尤も、会社の営業は「いきなりそう言うこと言っちゃいけませんよ」とクギを挿した。

  そして、一度遊園地でお話ししませんか? と言う事で、営業の人を連れて、いそいそと出掛けていったのだ。

  難しい話をしている最中、私はただニコニコするぐらいしかしていなかった。

  金額を提示されて驚く遊園地側。いや、そりゃそうよ。

  そっから何だかんだと話をして、続きはまた後でと言う事で、閉園の時間も近づいてきた。

  「どうです? ウチの茜と遊んでいきませんか?」

  私が茜のファンなのは、もう、遊園地のスタッフの全員が知っているようなものなので、こんな形で接待しないはずがなかった。

  人払いした会議室で、むちゃくちゃ茜を撫でまくり、触りまくり、写真を撮りまくった。勿論、セクハラは"殆どしない"ように気をつけた。ここで問題になってもアレだからだ。

  その後も、もう一回、やり取りがあって、そこでも接待を受けた。

  二回も茜ちゃんを好きにさせたくれたからと言う事で、お試しにイラストを描いてプレゼントをしたら、これがまぁ、実に反響がよかった。

  そりゃぁ、私、世界で一番ぐらい茜ちゃんのイラスト描いていますから……表に出せないだけで。

  これで気分良く仕事を出してくれたら、それはそれで面白くないのは私である。

  一晩ぐらいレンタルしてくれたらなぁ……なんて思っていたら、心の声がダダ漏れだったのか、営業の人が、笑って、それが報酬でもいい? みたいな事を言われた。

  営業の人曰く、遊園地行くようになって、仕事の効率が上がったという。一晩遊んだら、どんな風になるか見たいとか抜かしやがった。

  が、一晩か……悩む。否、悩む事じゃないだろう。だが、しかし、一晩も理性を保つ自身はないぞ?

  と、言いつつ、話は一旦、これで結した。

  一晩のレンタルと共に、数点のイラストで話が付いたのだ。

  接待は、存外にも常識的な接触だけで済んだ。他の女性のセクハラに比べれば、甘いぐらいだ。

  若干息づかいが荒くて怖かったが、何もなくて良かった。

  これなら大丈夫と、二回目の接待もやった。距離が近いがまぁいいか。我慢できる。

  のだけど、今度は、一晩のレンタルだという。これはヤバイ。

  特別ボーナスが付くと言うけど、逆にヤバイだろ。

  地元の大きめのホテルの一番いい部屋で着ぐるみを装着すると、彼女が姿を現した。

  ストップの合図と、給水とトイレの事情を説明して、スタッフが姿を消すと、さぁ、明朝までの一本勝負である。

  私は私でどうしたらいいか分からないし、彼女も彼女でどうも派手な事をするのを躊躇っているようだった。

  こんな状態で一晩も嫌だなとは思ったので、こちらから近付いていく。

  両手を掴んで向き合ってみたけど、さて、やっぱり、ここからどうしようか?

  彼女もその危機を察したのか、ハグしてきた。身長差があるので、包み込むようなハグになった。

  その状態でまた固まったが、こちらからも抱きつき返して、静かな部屋の中で二人の呼吸音が響く。

  彼女の手が徐々にお尻に近付いてくるのは分かったが、まぁ、お尻ぐらいなら触らせてやろうと言う気持ちになった。既に胸も接触しているしね。

  そこから、迷いながらのセクハラが始まる。

  それが疲れると、添い寝をして……私は横向きで寝るしかないので、それに合わせて、相手も横を向いてベッドに入る。

  そうなると、今度は胸が丁度良い位置になるので、当然胸を触られる。

  ここまで私も相手も無言だと言う事に気付く。

  ドラゴンの鳴き声で、ちょっと気持ちいいぐらいの声を出した方が、相手も気分がいいのかな? などと思って、そんなファンサービスをしてやると、彼女は私の手を掴んで、自分の胸を触るように促した。

  なるほどね。

  そんな状態で、二人でいちゃいちゃと乳繰り合って、彼女も調子に乗ってくる。

  お触りの手つきが、段々いやらしい感じになってくる。開口部は少ないなりにも、鱗の隙間から、中の人を攻撃してくる。

  この指先のタッチが、大いに効いてくる。いや、「マジで、あんたが男だったら、もっといい感じのセックスもできただろうに」とか思うほどには、前戯として優秀だった。

  気持ちは盛り上がったモノの、相手が女の人と思うと、若干萎えるものもあり、そして、そんな気持ちを察しているのかいないのか、彼女の愛撫も次第にフェードアウトしていった。

  一旦落ち着くと、喉も渇く。彼女もお茶に手を出した所だったので、私も喉が渇いたサインを出した。

  彼女はすかさず気付いて、ペットボトルに、長いチューブを刺して、もう片方を口の中に突っ込んでくれた。

  口の構造は上手くできていて……呼吸がしやすい上に、唇にぴったりくっついている感じがするため、チューブはすんなり口に入ってくる。

  これは、外から口の中を覗いても、口の周りの肌色が目立つことがないと言う点もあるらしい。

  何はともあれ、喉の渇きを癒すと、落ち着いて対峙する。

  尤も、相変わらずのドラゴンの演技の最中なので、不思議そうに覗き込むばかりだ。

  彼女は嬉しさと恥ずかしさを覗かせて、再び、私をどうしてやろうかと攻めあぐねているようであった。

  そんな感じで、暫く眺められていたら、今度はトイレに行きたくなった。

  自分の手では、爪が長くて、股間のファスナーを開けられない。そもそも尻尾が邪魔なので、尻尾を外さなければならないのだが……尻尾の着脱はコツが必要で、知らない人がやると、小一時間奮闘することになるのだ。

  と、言う訳で、今回は苦肉の策で、大型犬用のトイレシートを敷いて、そこに彼女に見られながら小便をすると言う事になってしまった。

  兎に角、クソ恥ずかしいのは間違いないのだが、もう、ここは自己暗示を強くして、ペットとして飼われているドラゴンがトイレをするだけなのだと、自己を客観視しようと努力する。

  先ず、彼女が股間のファスナーを下ろす。彼女も、流石に失礼と思ったのか、さっと下げて、他には触れないように、そして必要以上に覗かないようにしていたように感じる。

  そこからが長かった。彼女が、視野の外に出ているので分からないが、見ているにしても見ていないにしても、同じ部屋に人がいて、そこで便器でもない所に、小水を漏らすと言うのは、流石に気合いのいる事だった。

  集中しろと念じて、漸くすることができたのだけど、しかし、恥ずかしい。

  そして、その後が、もっと恥ずかしいのだ。彼女に、あそこを拭いて貰わなくちゃいけない。

  ここで、一瞬冷静になる。拭くタイミングを知るためには、好むと好まざるとに関わらず、見ていなくちゃいけないじゃないかと。そして、拭く時には、凝視までしなくちゃいけないのだと。

  で、私相手にあんなことしてきた人間が、当然ノンケとも思えないわけで、ああ、なんか終わったなと言う感じになった。

  終わったなら仕方ないと、破れかぶれに、相手に身を任せると、それは丁寧に、私の大陰唇、小陰唇を拭いてくれた。

  もう一度、恥ずかしさなんて捨てようと決意した。

  決意したのだけど、彼女は小水後のおまんこふきふきのあと、股間のファスナーを上げてくれないでいた。

  そして、少し考えるように、むしろ踏ん切りをつけるようにして、私の前に座り込んだ。

  何をするのかは分かっていた。分かっていたが、拒否しても終わらないだろう。

  終わらないときのその先が怖くて、私は動けずにいた。

  彼女が始めたのは、当然クンニだった。

  しかし、このクンニ、地味に上手い。少なくとも、今まで受けたことのあるクンニの中では一番であった。

  私は、こんな体型だから、割とロリコン傾向の強い彼氏しか出来た事のないので、彼等の手技がイマイチと言うのはあるのだろうが、それを差し引いても上手いのだ。ただ、同性にやられていると言う感触を差し引くと、微妙に上手いと言う感想になるのだ。

  本当に、コイツ、何者だよって感じなのだけど、しかし、身体の方は正直だ。自分が思う以上に正直なのだ。

  なので、声を抑えようにも抑えきれない。

  すぐに立ってられずにヘタレ込んでしまう。

  彼女の目の前で座り込むと、彼女は、その太腿を使って、膝枕と言うか、股間を枕にして横になった。

  その後の展開は、予想できたのだが、実際、私の息が落ち着いたところで、「腰を上げて」と言われる。

  もう、これは、もっとエグいタイプのクンニをやられるんだろうなと分かったので、一度立ち上がり、ベッドの方に誘う。

  もう、これは同意である。分かっているけど、もうどうでもいい。変な体勢でクンニされて、微妙な感触になるぐらいなら、ベストの体勢で、ベストの絶頂を迎えた方がいいだろう。少なくとも、彼女は、私をそうできる技術がありそうだからだ。

  彼女は枕を下げて設置し、ベッドの先から足が出る程度のポジションで寝転がった。そして、私は、彼女の顔というか、口に自分の股間が当たるような位置に座り込む。

  そうすると、彼女は、私のお尻を掴み、そして揉みながら、クンニを始める。

  もう、座り込んでいる以上、逃げ場はなく、快楽に身を任せるしかない。

  先よりも、ずっと舐める勢いが凄くて、もう、声を我慢する事なんてできなくて、演技とかどうこうなんて言ってられなくなる。

  クリトリスは、もう今までにない以上に熱くなっていて、言葉にできない。

  頭が真っ白になって、そこからの記憶はない。おそらく、そのまま彼女の顔側に倒れたのだろう。彼女は、それを見越して、枕をずっと下の方に下げたのだ。

  それから気が付いたら朝だった。

  その間に、彼女が私に何をしたのかは気になる所であるが、少なくとも私が起きなかったところからして、そんなにハードなことはしなかったのだろう。

  程なく、お迎えが来て、今回は終わった。

  その日は一日お休みを貰ったのだけど、記憶が飛ぶ程にイった事が、頭から離れないでいた。否、それからずっと、茜を着る度に思い出されるのだ。

  自分の姿を鏡で確認する度に、股間が疼くのを感じてしまう。

  完全にやってしまった。色々調子に乗ってしまった。

  流石に嫌われただろうなと思った。

  というか、茜ちゃんと言うキャラを最後まで演じてくれたモノだから、それに甘えてしまっている。

  それ以上に、私自身がレズビアンでもないのに、女性をクンニしまくった事も、今思えば、随分なものである。

  あそこで、あんなに恥ずかしそうにおしっこをする茜を見せられたら、理性もぶっ飛ぶモノ。それは仕方ない……と、自分を納得させるしかない。

  あー、もう、普通の顔して、遊園地行けないかも知れない。

  そんなことを考えながら過ごすと、なおも、遊園地に行けなくなる。

  と、言う訳で、粛々と仕事を進めていくのだけど、色々な邪念から、仕事は捗らない。

  本当に捗らなくて、ちょっとした鬱が心配されるほどだ。

  半月あまりで、随分と仕事の積み残しを増やしてしまった。

  息抜きの落書きにも、茜ちゃんを描けなくなっていた。

  と、言う事を心配した営業の人は、また別の仕事を持ってきた。

  「月に2度、24時間茜ちゃんを好きにできる権利と引き換えに、例の遊園地に関わるイラストを描き続ける」と言うものである。

  当然ノーギャラで、管理会社もほぼお金を受け取らないと言う。かなり無茶な営業だが、会社の人が言うには、「変なことを考えて、仕事の効率が下がるなら、振り切った状態で仕事をしてくれた方が、よっぽど安上がり」らしい。

  なんか、小学生のように利用されている気がしないでもないが、他の仕事が安くなっても、確かに、そう言う生活の方がいいかもしれない。

  それは兎も角、よく、そんな条件を相手に呑ませたなと感服するばかりだ。

  と、言う訳で、二度目のお泊まりだ……と、今度は、色々節約するために、我が家でやると言う。

  私は、そんなにモノを持たないタイプなのだけど、殺風景な部屋の方がストレスがないと言う理由で、割と広めで何もおいていない部屋に住んでいる。

  これは、着ぐるみとよろしくやるには、持って来いの環境だと言える。

  と、言う訳で、一旦私が部屋から退去している間に、彼女の準備を済ませて貰って、それが終わってから、部屋に戻った。

  茜ちゃんは、もじもじしつつも、私を快く迎え入れてくれた。

  胸元まで近寄った彼女が、下から覗き込む姿が実に可愛い。

  オープニングのハグと、そこから始まる愛撫の応酬をかれこれ三十分も続けた。最初はそんなものかと思っていたが、徐々に攻めあぐねている感じが出てきていたので、こちらも困った。

  しかし、この前の失敗が、失敗じゃなかったら? と、言う気持ちがある。アレが完全にダメだったら、彼女は義務だとしても、こんなハグをしてくれるだろうか? それとも、ハグで済ませようとしているのだろうか?

  頭の中がこんがらがってくる。

  そんな時、彼女の手が、太腿に触れ、それがそこはかとなく股間に近い位置にあった。

  これはチャンスだと、「うぅん……もっと……」とわざとらしい甘えた声で喘いでみると、茜ちゃんはピクっとした。コレはありかなと、彼女の手を掴んで、私の股間に当ててみると、ぎこちない手つきで撫で始めた。

  茜ちゃんに攻められるなんて想像もできなかったが、もう、こうなったら何でもアリだと、スカートを捲る。ショーツは既に濡れている。そうすると今度は、その中に手を突っ込んできてくれた。

  爪が長いので指の腹で少し撫でるぐらいになるのだが、それでもクリストスにクリーンヒットしているので、茜ちゃん補正が付いて、なかなか気持ちがいい。

  彼女の顔を見ながら気持ちを高ぶらせると、そこから暫くして軽くイッってしまった。

  そこで一旦、彼女とのプレイは終わったのだけど、気持ちは俄然燃えているので、そのまま全裸になってみた。

  彼女は、じっとこちらの方を見つめている。

  実のところ、こんな姿を人に見せると言うことは滅多にない。恥ずかしながら、この歳まで処女だったりする。

  そんなわけで、相手の中身が女性と分かっていても、結構恥ずかしい。とは言え、自主的に脱いだのは自分だし、さて、どうしたものだろう。取り敢えず、もう一度ハグをしよう。

  そうやって茜ちゃんに近付くと、彼女にベッドへと誘われる。

  大人しくベッドに横たわると、彼女はお尻を向けて、私の上に乗っかってきたのだ。

  ああ、これが噂に聞く……と言いつつ、イラストに散々描いてきた69ってヤツね。

  理解すると早い。彼女の股間のファスナーを開き、そこを手で色々いじって遊んでやるのだ。

  彼女も彼女とて、私のアソコで遊んでいる。

  疲れてきたのか、感じてきたのか、茜ちゃんの腰が落ちてくる。これは、むしろ手より口の方が早いなと舌を伸ばす。

  短い喘ぎ声が聞こえた。

  ああ、これが好きなのねと散々舐めてやると、もはや、地声を隠そうともせずに、声を上げる。

  私の方への責めは、休み休みというか、思い出し思い出しになってきて、遂に自分が感じるのにいっぱいいっぱいになったようだ。私の身体にしがみついてきて、その姿を想像するだけで胸いっぱいになる。

  そうこうしているうちにフィニッシュ。ビクビクと身体を痙攣させて、それから脱力していった。

  遊んでは休み、休んでは遊ぶという、結構体力使う一晩を終えて、彼女もこう言う遊びが好きなのだと言う事がはっきりした。

  着替えのために、私が部屋を出る間際、「また遊ぼうね?」との声に、遊園地で見せるようなテンションで手を振り、そして首を縦に振った。

  遊園地での打ち合わせは、定期的に行われるのだが、その時、「私が着替えさせる事が出来れば、彼女一人だけでいいですよね?」と提案してみた。

  今更言う事じゃないかも知れないが、ただのエロい遊びの準備と後始末に付き合わせるのは悪い。

  そればかりではない。このまま、中の人とコミュニケーションも取らずに、ただただお互いのまんこを慰め合う仲というのは、些か奇妙すぎると思ったのもあったのだ。

  相手にも悪い話ではなかったので、それで行こうと言うことになった。

  「こんにちは」

  お互い、散々遊び散らかしているし、なんならこっちは半ばストーカーみたいな事をしていたと言うのに、言葉を交わすのは初めてだった。そして、初めての割には感動も何もなかった。敢えて言うなら、小さくて可愛らしい人だなと。

  何せ、共通の話題が今の所ないのだ。否、別に茜ちゃんの事を話してもいいのだけど、本人を前にして、そんな話をしても仕方がないだろう。

  相手の表情も硬く、そして、何か話し出しにくいと言う雰囲気が醸し出されている。

  冷静に考えれば、何でもないときに常連と風俗嬢が出逢うみたいなものだろう。適切な例えとは言いがたいのだけど。

  そう言う事で、粛々と茜ちゃんの装着の仕方を学ぶ事にしたのである。

  先ず、上半身下半身を着込むのだけど、これもなかなか一人ではしんどいようである。

  本人は慣れれば着やすいと言ってはいるものの、それでも補助が必要ではある。

  特に手先は一体化しているので、上半身を着たら細かい作業は何も出来なくなる。

  足と、ウェストの鱗で隠れる部分のファスナーを閉じると、飾りになる部分や、目隠し用のパーツを取り付ける。

  意外にパーツ点数が多くて、そして、そのパーツパーツが、悪戯や何かの弾みで外れないように、複雑な仕組みで止められている事が分かる。なるほど、これは初めての人には無理だ。

  メモを取りながら話を聞く……と、そのメモのために描いた模式図が分かり安いので、後で貰えないかと言われた。

  勿論、これでもプロだから……と言いたいのだけど、遊園地絡みのイラストでお金を取るわけにはいかないので、あとでマニュアルにしたのを送るよと約束して、説明は進んでいった。

  最後は頭を被り、首回りと後頭部のファスナーを閉めれば完成である。

  着替えが終わった後は、しっくり来ているか確認をして、完成となる。

  尤も、被った瞬間から、人間の言葉を一言も発しないし、上手く言っているのは、ジェスチャーで答えたので、「プロだな」の一言しか出なかった。

  個人的には、着ぐるみを着た状態で、普通に会話できる距離感も味わってみたかったのだけど……

  難しいモノだなと思った。

  あんだけ遊んでいた人なのに、初対面だからと言う理由で、挨拶をする程度の事しか出来なかった。むしろ、遊んでいたからなのだろうけど。

  生身で見ると、一層美人だと言うのが分かる。その程度の事だ。そこから先は、上手くものを考える事ができなかった。

  さっさと茜に没入できれば、気が楽だと、黙々と着替えるしかなかった。

  そこからは、もう、遊ぶ事ばかりで頭がいっぱいだったのだけど、彼女は真面目に装着箇所を点検し、そして、何カ所かについては、着脱を何度かやって確認していた。

  そして、脱ぐときの諸注意の話が終わると、スタッフは部屋を後にした。

  その間も待ちきれなく、そして、待ちきれないと言う風な、如何にも外向けな演技をしてしまうぐらいだった。

  彼女は、若干硬い表情を残しながらも、私が求めると、求めたものを与えるように、応えてくれた。

  いつも通りにエッチをして、そして、お互いが満足して添い寝をして朝を迎えるという風だ。

  とは言え、朝、目覚めたばかりのテンションから、脱いでしまうと言うのは、何か絶望的な感じがした。というよりも、脱いで終わってしまうと言う事に、名残惜しさを感じてしまった。

  そう言えば、茜がこの"夜遊び"を始めた頃ぐらいから、茜が今まで以上に生き生きとしていると言われていた。ひょっとすると、着ることと報酬が頭の中で結びついてしまったからなのかも知れない。

  何にしても、今日は一日仕事が休みなのだし、最悪、明日の出勤時に返すことができれば何にも問題はないのだと思うようになってしまった。

  と、言う訳で、彼女を再度求めてみると、やや疲れの色を見せながらも、付き合ってくれた。

  そのままいちゃいちゃしていると、「そろそろ時間だし」と言われてしまった。

  気付けば、昼を過ぎていた。

  恐れていた時間がやって来た。脱ぐしかないのだ。

  脱いだらもう二人っきりである。そこから無言で立ち去る事ができればいいのだが、そんなわけにもいかない。

  細かいパーツを外しているうちに、テンションはどんどん下がっていく。

  そして、頭を外したら、もう、彼女の顔を見ていられなかった。

  「ありがとうございます……」

  精一杯の言葉だった。

  「ごめん。私こそ……」

  お互いに何かやりきれないものがあった。

  そこから片付けを進めていくのだけど、何も会話らしいことはできなかった。

  だが、最後の最後で、彼女も言い出しにくそうにしながら、「シャワー浴びていきます?」と聞いてくれたので、私も「いいんですか?」と何となくラフな回答をしてみた。

  シャワーを浴びている間、どうやってここを抜け出そうかと考えていた。

  顔を見合わさない事がこんなに楽だったとは。

  自分自身、自分は表裏がないと思っていたぐらいなのに、何というザマだろう。

  考え込んでいるうちに、凄く時間が経ってしまった気がしたので、浴室を出た。

  彼女が何をして待っていたのか分からないが、脱衣所の扉が開くと、すぐに駆けつけてくれた。

  「何かご免なさい。こんなに遊んで貰っているのに、何も話すことがなくて……折角だから、ご飯食べにいきません?」

  このまま逃げ帰るようにするよりは、まだ何か会話のチャンスがあった方が、今後は楽だろう。そんなことを考えながら、「いいですね」と返事をした。いくらか上の空だったかも知れない。

  と、外に出たところで、彼女のシャワーはどうなのだろう? と思ってしまった。そして、それを口に出さないようにする事は、どうしても無理なような気がしてきたのだ。

  お店は、彼女の部屋からすぐ近くで、昼も過ぎていたので、すぐに席に通された。

  となると、もう、言わざるを得ない。

  「シャワーお借りした所為で、シャワー浴びられなくて……」

  そんなことを口にしたら、彼女ははっとして、そして赤面した。

  「テンパっちゃって、何をしたらいいか分からなくて……もうちょっと、普通にお話しできたらいいのに。ご免なさいね」

  お互いに、何か気まずいので、何かしら謝ってばかりだった。

  ただ、一つだけ言ってはダメだと言うのは、お互いに分かっていた事だ。それは、茜にしか興味がないこととか、茜を着ていないと彼女に興味がないとか言うことを探ってはいけないと言う事だ。

  そんなわけで、ぎくしゃくとしながら、差し障りのない話をして、ご飯は終わってしまった。

  終わってしまった。あとは、もう、彼女と一緒にいる理由はなくなってしまう。

  別に、次の回もあるのだが、今のうちに、お互いの懐に飛び込まないと、次回はずっと会いにくくなるぞと言う気持ちがあった。

  焦っていたと言う事もあり、ついうっかりと、とんでもない事を言ってしまった。

  「私を抱いてくれませんか?」

  彼女は、眼を丸くしながらも、状況を呑み込もうと、暫く黙っていた。そして、そこから導き出されたのは。

  「私、女の人に興味ある人じゃないけどいいの?」

  と言う言葉だった。

  実際、私も女の人に興味なんてないのだが、しかし、もう、そうでもしないといけないような気がしていた。というよりも、他のあらゆる女性がダメでも、彼女相手ならばいいような気がしていた。

  「えっと……それでもいいから」

  私も女の人同士が、どういう流れでセックスしているのか全然分からなかった。

  でも、取り敢えずと、彼女の服を脱がし、そして私も脱いでいった。

  何か言葉でその気にさせるべきなのだろうけど、「スタイルがいい」とか「肌が白い」とかそんな事を褒める事しかできなかった。

  相手も相手で、「胸が大きくて羨ましい」とかそんな事を言ってくれた。

  そうこうしながら、結局、茜の時と同じように、股間を弄り合い、69なんかやってみて、股間を擦り合わせたりしてみた。

  あまり盛り上がれなかった。

  そんなことは、当たり前だ。私もレズビアンではないのだから。

  相手の申し訳なさそうな表情が、罪悪感を募らせる。

  「あ、あ、大丈夫! 大丈夫です。私も女の人とのエッチは初めてだから!」

  その刹那、二人の間で微妙な空気が流れた。

  今まで、二人して何をやっていたのだろうと。

  そこから大爆笑した。二人して、腹がよじれるほど笑った。

  「私、また着ますね! 明日の朝までに帰ればいいだけですから!」

  ほぼヤケクソに近いテンションだったが、それが一番楽だった。

  彼女も諸手を挙げて賛成してくれたので、もう一度着替えて、二人でエッチをし、そして、朝早くに部屋を後にした。

  別れ際は、お互い名残惜しさが滲み出ていて、嘘偽りなく、また遊ぶ事が出来るだろう。

  そんなことがあってから、二人の距離はもの凄く近付き、仕舞いには、同棲するようになってしまった。

  で、そうなると着ぐるみを毎回運ぶのは大変だと言う理由で、古い着ぐるみを払い受けて、遊園地の方は、新しい着ぐるみを着る事となったのだ。

  えっちの事は、それで何の障害もなくなった。そして、えっち以外に関して言えば、むしろ、茜のいない時の方が、ずっと上手く行っている気がする。

  彼女は性格はいいし、美人だし、特に私に本当によくしてくれる。様々な相談をお互いに持ちかけ、そしてそれが概ねいい方向に進むと言う好循環は、私以上に、彼女が感謝してくれる。本当に、私なんかでいいのかと思うほどだ。

  もう、彼女から離れられない気すらしてくる。

  同棲をするようになって、大体いつも茜ちゃんがいてくれるので、仕事の効率がもの凄く上がった気がする。仕事を終わらせれば、茜ちゃんと遊べる。そう考えるだけで、手が早くなった。

  そのお陰で、収入が増えてしまったぐらいで、増えた収入は、茜ちゃんの為に使えるようになる。実質、彼女を扶養する事さえ出来るようになってしまった。

  彼女はそれを望まなかったのだけど、色々な事は、私が出すのが慣例となってしまった。

  勿論、私は生身の彼女も好きだし、会話だって盛り上がる。話してみると面白い子だし、実際可愛い。だから、茜ちゃんがいなくても、彼女を愛することはできるだろう。否、日に日に彼女自身のことを好きになって来ている。

  さて、実生活が充実してくるにつれ、えっちな遊びの方は、若干マンネリしつつあった。

  そんな時、着ぐるみ製作者が、ノリでとんでもないモノを作ってきたのだ。

  それは、茜に装着する用のディルドパーツであった。

  送られてきたモノを二人で見て、顔を見合わせて、あの時のような、微妙な雰囲気となった。

  「使ってみたい? 入れられるのは貴方だし」

  と言われ、恐る恐る「うん」と答えてしまった。

  じゃぁ、早速と、軽いノリで準備が始まった。

  彼女は知らないが、私はこう見えて処女だ。別名でエロいイラストを描いているぐらいなのだけど、実践はしたことがないのだ。

  で、そんなわけで否でも応でも緊張するのだけど、茜はちんこを生やすと、今まで以上のテンションを見せてくれたのだ。

  「優しくね?」

  ありきたりな言葉だが、それが精一杯であり、そして、唯一の願いであった。

  ベッドに寝そべって、茜ちゃんを待つ。

  すぐにやってきて、私を跨いで膝立ちとなった。

  自分のペニスに手を添え、私のクリストスをぐにぐにと玩ぶ。

  緊張しているが、期待もしているのか、濡れているのは確かだ。

  茜ちゃんが手を伸ばして、触りたての愛液を私に見せつけて来たぐらいだからだ――私は、まだ挿入前だというのに、両手でしっかりとシーツを握ってしまう程だと言うのに、彼女は余裕綽々なのだ。

  前戯はそれから暫く続いて、私の緊張も限界に来てしまった。

  「そろそろ頂戴?」

  可愛いっぽく言ってみたのは、その状況をなるべく早く終わらせたかったからである。

  茜ちゃんは、「これから入れるよ」とばかりに、私のウェストをぽんぽんと叩いて、そして、実際に挿れはじめた。

  約束通り、ゆっくりと優しい感じにしてくれている。だが、徐々に股間が痛くなってくる。

  ディルドが大きいというのもあるのだろうが、始めては皆痛いと言われるアレの方が大きいだろう。

  こんなことならば、ズバっと入れて、ささっと終わらせてくれた方が良かったかも知れない。

  そうこうしているうちに、頭の中は痛さに占領されるようになってきた。

  歯を食いしばって、状況に耐えている。

  そして、完全に奧に入ってきただろう所で、茜ちゃんの動きが止まった。

  頭がぼーっとして、何も出来ないでいる。

  私がそんな状態だからだろう。茜ちゃんも動けないでいる。

  痛みが落ち着いて来たが、早く終わって欲しい一心で、「動いていいよ」と言い、そして、動き始めると、ついつい感じている演技をしてしまった。

  そして、あろうことか「もっと早く」とか「強くして」とか「奥まで入れて」とまで口走ってしまう。

  ただ、この痛みを含めて、茜ちゃんに処女を奪われているのだと思うと、じんわりとした多幸感が湧き出てくるのであった。

  そうしていると、この痛みもじきに止むだろうし、そうなれば、もっと気持ちよくなれるに違いない――などと考えるようになってきた。

  狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。偽りても感じていれば、それは実際感じているも同じじゃないだろうか?

  そう言い聞かせながら、存分に感じる演技をし、そして、イク演技もしてみた。

  ああ、男の人とのえっちも、基本、こう言うモノなんだろうなと考えるようになってしまった。

  茜ちゃんは、このセックスにいたく感動したのか、その後も、この方式を求めるようになった。

  回数を重ねるごとに、私自身も求めるようになる。それは、気持ちよさと言うよりも、安心感のようなものを感じていたからだ。

  そして、これが新たなスタンダードとなり、そして、ローテーションに加わった。

  低めの丸椅子に茜ちゃんを座らせて、いわゆる抱き地蔵や、手懸けの体位で遊ぶこともできる。

  そんなこんなで、生活はまた充実してしまった。

  茜にディルドを取り付けるのは、気が引けるところがあった。あんな綺麗な人にこんなものを使ってよいものかと言う意識があったからだ。

  別に彼女が求めるなら、それでもいいのだけど……と、自分に言い聞かせるために、割と卑怯な質問までしてしまった。

  同意したことをいいことに、意気揚々とエッチをしてしまった。

  彼女の苦しそうにする表情や、イク時の表情を見ると、どんどんのめり込んでしまう。

  今までは、一方的にイカされることばかりだったと言うのもあるだろう。反撃というよりも、気持ちよくなってほしいと言う気持ちだったような気がする。

  今になっては、もうどうだっていい。エッチが終わった後の多幸感がすべてだ。

  それからは、もう、このセックスが大好きになってしまって、ことあるごとに、彼女を犯し続けた。

  彼女もまんざらではない反応をするようになってきたので、もう、それでいいじゃないかな。

  ただ、性生活は充実しているけれど、それ以外の時は、寂寥感と焦燥感の間のような感情があります。

  彼女の好意は、結局、茜に向けられているだけなのではないかというものだ。

  勿論、彼女はそんなことはないと言うようなことをしばしば口に出して言ってくれる。なのだけど、なかなか疑念が払拭できない。

  それもこれも、こちらもドライであれば、気にならないのだろうけれど、セックスを重ねるごとに、彼女個人への思いは強くなってくる。

  彼女は、かなり勤勉に仕事にいくものだから、私の生活リズムは、このような仕事をやっている癖に、ずっと規則正しくなっている。

  規則正しくなるのと、茜ちゃんのこともあるのか、生産性はさらに上がると、なににつけても上手くいく。生産性が上がれば、収入に余裕もでき、時間にも余裕が出る。そして、セックスは気持ちいいし、茜ちゃんは可愛い。

  すべてが順調だ。

  私が仕事に集中している時は、空気を読んで、静かに時間を過ごしてくれるし、ほかに何も手がつかない時は、家事も積極的にやってくれる。こんなにいい子は、私にはもったいない気がする。

  尤も、彼女は私との収入差を気にしているきらいもある。

  この関係が、重みになっているのではないか? と不安になる時もある。

  と、言う事で、例の着ぐるみ職人に相談してみた……この関係をざっくばらんに評価できそうなのは、この人しかいなかったからだ。

  言うまでもないのだが、相手は着ぐるみを作るのを生業としているのだから、着ぐるみで解決せよと言うに決まっている。

  何だかんだで、身体を型どりされ、そして、着ぐるみを作る事が決定してしまった。

  「茜の妹だから、葵にしよう。乗る気になったから、最速で作るよ」

  何か、ものすごく火をつけてしまったような気がする。

  それからも、彼女とは上手くやっていけているつもりだ。葵が到着するまでの数ヶ月、特に大きな変化はなく、ただひたすらに茜ちゃんとえっちをし続けていた。

  そして、到着してみると、何より喜んだのは彼女の方であった。

  私自身も待ちわびていたのだけど、どこか強引に引き込まれたようなところがあったので、一体どうなるか心配であった。それに、私が肉体的に興味があるのは、着ぐるみの方であるとして、彼女が着ぐるみを着た私に興味があるのかは、今ひとつ確証がなかった。いな、あのときの生身のセックスのように、やってみて気持ちよくなかったら、どうしようかと言う思いもある。

  なにはともあれ、早速着替えてやってみるしかない。

  下半身を履いて、上半身を着て……要領は茜とほぼ同じだ。手先が着脱式と言う点を除けばだけれど。

  手先の仕様変更のおかげで、茜よりも随分着やすいようだけれど、しかし、それでも一苦労する。

  着替えを手伝ってくれる彼女でさえも手こずるぐらいだ。

  これは、脱ぐのも大変だなと思いながら、背中のファスナーが閉まり、頭を取り付け、首の周りまで閉じられる。

  もう、底まで来ると、密着感が凄くて、確かに体の延長のような気がしてくるのだ。もう、自分の姿がどうなっているか気になって仕方がないのだけど、パーツの取り付けがある。これで散々じらされた挙げ句に、後ろ向きの姿見が用意される。

  彼女にいいよと言われると、すぐに鏡に向かった。

  見た瞬間、子宮口がきゅっとなるのを感じた。

  そして、まるで鏡を見るのが初めての動物のように、自分の姿に見とれ、それに触れようと手を伸ばしたぐらいだ。

  全世界が、私とこの可愛らしい生き物だけになった。

  どれほどの時間か、鏡に釘付けになっただろう。漸く相手のことを思い出した。

  彼女は、私が気づくのを辛抱強く待っていたのだろう。そして、私がハグすると、しっかりと抱きついたまま動かなくなってしまった。私も心地がよくて、そのままだ。

  合計でものすごく時間が経った気がしたが、実のところ、そこまででもなかった。飽きたわけではないけれど、このままでいるわけにもいかないなと思い、少し身を動かすと、彼女も束縛を解いた。

  気が抜けたところで尿意が出てくる。そうだ、排尿だ。

  茜のトイレは、私が尻尾の付け外しに熟達するようになってからも、表で続けられた。そんな理由で、今や羞恥心なと抱いてないように見えるが、中の人曰く、今でもちょっと恥ずかしいらしい。それを今でも半ば強制しているのだから、復讐されないわけがない。

  彼女は意気揚々と大きなトレイとペット用のトイレシートを用意した。

  股間のファスナーを下ろし、さてどうぞと言う具合である。

  これはしないわけにはいかないので、頑張って小便しないわけにはいかない。

  彼女は、私の視界に入るところでガン見している。

  ものすごく恥ずかしい。

  結局、相当な気合いを入れて排尿すると、よく出来ましたと撫でてくれた。

  そこから、当然のように始まるクンニ。正直上手いとは思えないのだけど、鏡が前だと格別で、割とすんなりイってしまった。

  彼女は、ビクビクしている姿も可愛いと笑い、そしてしばらく眺めると、抱きついてきてくれて、そして再び精神は落ち着いてきた。

  落ち着いているとはいえ、葵自身は高ぶったままだ。

  そんな時に彼女が用意したのが、葵用のディルドアダプターだ。

  どのタイミングで投入しようか迷っていたが、いきなりである。

  もう、これは自動的といえるほどの勢いで、軽い前戯の後にすぐさまバックから突き上げた。

  彼女は、葵ちゃんに犯されていると大興奮で、それにつられて、私もコンセントレーションが上がっていく。

  もう、一体になって腰を振ると言うことに専念していて、何か向こう側が見えるようなぐらいの気持ちになった。

  もう、頭も心もいっぱいになったと思ったところで、彼女も絶頂に達した。

  普通に女性器でイった時とは違う何かが頭を駆け巡った。

  初の葵ちゃんは、本当にヤバかった。もう、それ以上の形容が出来ないぐらいに陶酔した。

  そして、当然ながら、この先に、茜と葵を同時に着たらと言う話が出てくる。

  当然である。

  むしろ、葵の手先が取り外し可能である事を考えると、そのようにしろと言われているようなものだ。

  自分が葵ちゃんを着付けて、葵ちゃんが私に茜を着付ける。そして、葵ちゃんの手先を茜が取り付ける。

  相互が相互の生殺与奪の権を持つことになる。

  それはとても危険な匂いがした。恐らく、体力の限界まで着続けることになるからだ。

  尤も、そういうプレイは嫌いじゃない。そして、彼女が密かに書きためたイラストや漫画に、茜に対して加虐的な匂いが満ちているのも知っている。恐らく、葵に対してもだ。

  そんなわけで、そんな話を持ちかけると、彼女も二つ返事で同意した。

  「当面の仕事を早めに切り上げなくちゃね」

  そこからの集中力は恐ろしいほどだった。否、集中自体は彼女にしかわからないことだが、しかし、殺気にも近く手を動かしている姿を見れば、もう、それは明らかなことだろう。

  休憩時間を見計らって茜を出してみようかと尋ねるが、

  「絶対に楽しい事があるのだから、少しぐらいは我慢できる」

  と譲らなかったので、少しばかり残念な気分にもなったが、しかし、自分にも家事のことや自分の仕事の事もあるから、手持ち無沙汰にはならずに、二週間弱のラッシュを見守る事が出来た。

  尤も、二週間近くも無休で頑張れば無理が出てくるもので、そこから40時間ぐらい眠ることになったのだけど。

  何時間耐久になるかわからないので、自分も長めの休暇を入れて、全力で遊ぶことにした。

  「二人ともドラゴン同士だから、普通にしゃべってもいいよね?」

  と、提案したら「いいね!」と全力で肯定された。

  入れ子のような着替えの手順を踏んで、部屋には二匹のドラゴンが現れた。

  お互いを抱きしめ、愛撫し、お互いを可愛い可愛いと褒め合った。

  詳細を述べれば冗長になろう。同じようなことでも飽きもせずにずっと続けられたのは、偏にお互いが可愛すぎるからだからだ。

  抱き合ったまま横になり、一日と一晩が過ぎる。

  それでも飽き足らなかったが、体力を考えると、やりたいことは次々に試さなければならない。

  そんなわけで、葵ちゃんが茜用のペニスアタッチメントを取り出すと、葵ちゃんは手先を取り外してもらう為に、私に向けて手を伸ばした。

  彼女は丁寧にアタッチメントを取り付けると、自分の手の用意をするのももどかしいかのように、手先の取り付けを急がせた。

  身長差に加え、お互い尻尾があるので、挿入はいろいろと工夫が必要だった。

  一つは、例の丸椅子を使うこと、もう一つは、尻尾を抱えてバックで突く事だった。尤も、ペニスが長めに作られているとはいえ、後者は浅めにしか挿入できないという弱点がある。

  となると、必然、前者の方が楽しいというわけだ。

  二日目は、この二つの体位を行ったり来たりしながら贅沢に楽しんだ。

  勿論、一回目のセックスから彼女は満足していたようだ。

  お互いに「葵!」「お姉ちゃん!」と叫びながら、無限に高まっていける気がした。そこらへんが潮まみれになったが、そんなことはお構いなしだ。そのために、フローリングを防水ワックスで磨いていたのだから。

  三日目ともなると、体力の行く先が気になり始めて、おとなしくなる。

  尤も、二人とも着ていたい、そしてお互いを見つめ合いたいと言う意思だけは強かったので、作り置きの飲む完全食だけで頑張っていた。

  若干、体臭のことが気になりつつあるのだけど、それは相手も同じ事であり、そして、実のところ、それさえも愛おしく感じた。

  何はともあれ、この格好で、どこまで日常生活出来るかのチャレンジとなった。

  食に関しては、アレで済むし、排尿排便は、介助し合えば着たままでもなんとかなる事がわかった。

  犬猫もいないのに、猫砂や大型犬用ペットシートが本当に有効だったのは、ある意味人間を捨てている証である。

  尻尾を気にしながら横になって寝る事も出来たし、葵ちゃんはタブレットを使って、簡単なお絵かきまで始めた。

  なんか、このまま自活できるのではないかと思えるほどだった――外に出なければだが。

  四日目も、そんな調子で過ぎていったが、さすがにその翌日は私の仕事があった。

  着たままの状態で迎えに来てほしいぐらいだったが、さすがに体臭があるまま、人前に出る訳にはいかなかった。

  そろそろ、そろそろと何度も言いながら、そしてごねながら、脱ぐタイミングを延長していた。葵ちゃんは手先を外させてくれなかったし、茜も取り外したくなかったからである。

  それじゃぁ、と言うことで、私だけがすっかり脱いで、葵ちゃんはずっと着ていていいかな? と言う話をしたが、さすがに一人で放置プレイされるのは、彼女の趣味ではなかった。

  と、言うことで、二人して人間に戻ったのである。

  「なんだか、女同士でもいけそうな気がするね?」

  どちらともなしにそんな話が出たので、着ぐるみの手入れを済ませたら、茜と葵の時のようにずっといちゃいちゃしていられたのは、新しい何かの目覚めであった。

  幸福な四日間のあと、私は暇だった。半月ほど先の仕事を全部片付け、その先は仕事を控えていたからだ。

  だが、家でボケっとしていても仕方ないし、葵ちゃんが一人でお留守番するのもパッとしなかった。

  と、言うわけで、勢いで、そのまま遊園地デビューしようと心に決めたのだ。

  葵を車に詰め込んで、二人して遊園地に向かった。

  遊園地側は柔軟だった――と言うよりも、私が着ぐるみを作った段階で、既定路線だったのかもしれない。

  何はともあれ、それを楽しむことにした。

  しかし、冷静に考えると、表に出るには若干恥ずかしい格好ではある。

  彼女が茜ちゃんになりきってやり過ごしている気もわかる。少なくとも、彼女ははじめから、こういうのが好きだった訳ではないのだから。

  とはいえ、やると言い出したのに引っ込むわけにはいかない。

  ふたりでイチャイチャしていて、気分がアガっていたと言うのも理由の一つだし、もっと二人で遊んでいたかったと言うのももう一つの理由だ。

  私はこんなに迷っているのに、現地ではスタッフによってテキパキと葵を着付けてもらった。

  後は出るだけしかないようだ。

  今日は三連休の初日だ。普段より人が多い。休んでいた茜ちゃんがここから暫く出るのだと言うのと、ファンも自ずと集まってくる。

  ああ、私もあっち側にいたのだなと感じる。この思いは、その後もずっと強まっていくことになる。

  茜ちゃんが手を引っ張ってくれる。

  怖ず怖ずと外に出る。おっきなカメラのレンズを向けられる。スマホのカメラが周囲を取り囲む。

  もの凄い圧を感じる。

  こんなところで、彼女はあんなに自然な動きをしていたのか。

  前からよく出来た子だとは思っていたけれど、また惚れ直してしまう。

  葵は自分でもわかるほどぎこちない。でも、明らかに自分に向けられた「可愛い」の声は届いている。

  遊園地としてはかなりのサプライズである――のだけど、どうもグッズの用意はあったようだ。私のイラストがいらないぬいぐるみ類がそうだ。

  と、言うことで、踊らされているのをわかっていながらも、心地よい冷や汗を掻き続けている。

  小さな子が駆け寄ってきてくれるし、割と紳士的なカメコもいるにはいるし、女性ファンもいる。

  その中には、見知った顔もいるのだけど、あくまで私と言う人物はここにいない。

  そういえば、茜ちゃんの追っかけを最後にしたのはいつだっただろう?

  同棲が始まってからも、名前が忘れられない程度には出かけているのだけど、めっきり少なくなっていた事が、少しばかり反省させられる。

  仲のいい子に、少しばかりサービスしてもよいかなと言う気にもなる。

  勿論、私からセクハラを誘導する訳にもいかないので、それはそれでかなりもどかしいのだけど……

  茜と葵で挟み撃ちにしてデレデレになっているのを、彼女のスマホで、スタッフが写真に収めたりした。これはいい思い出になるだろう。だが、ちょっとした裏切りかもしれない。

  罪悪感がなくもないが、しかし、それ以上に表でこんなにも肯定的な言葉を浴びせかけられるのは、凄く楽しいし、自信にもつながる。

  絵のお仕事は暫く余裕があるし、このまま着ぐるみで遊んでいるのも悪くないかなと心に決めた。

  相変わらず茜ちゃんの背中がまぶしい。

  私ももっと自然に動き、愛想を振りまかなくちゃならないだろう。

  またライフワークが一つ増えてしまった。楽しい日々は当面終わりそうにない。

  さて、家に帰ると、ファンの仲間から「なんで来なかったのか」と言われ、そして「明日も来るみたいだから、絶対に来た方がいい」と催促されてしまった。

  やんわりと断ったけれど、今後はどうしようか。悩ましい問題である。

  代わりに着てくれそうな子を見つけるとか言う妄想が頭をもたげるが、しかし、そうなると、葵と茜の性生活に誘い込まなければならないと言う問題が生じる。

  その辺の事情については、また先の話である。

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