決着と行く当てもない旅路

  第七ラウンド目でアオフとキメラは

  「おぉおお!!

  「⋯⋯!!」

  お互いのパンチが体に

  「ぐふ!」

  「⋯⋯!」

  と直撃する。

  アオフは右ボディフックを繰り出しキメラは左ストレートで反撃して均衡に見れるがアオフの口から

  「がはぁ!」

  と血が噴き出る。

  アオフは其れでもパンチの連打を繰り出してキメラはガードして反撃のボディフックがアオフのお腹に

  「⋯⋯!!」

  と叩き込まれてアオフはリングに膝を付きそうになるが踏ん張って堪えてバックステップでキメラのパンチの範囲から外れて

  「はぁ⋯はぁ⋯」

  と息切れをしながら

  (此処まで追い込まれるのは久しぶり⋯いや初めてか

  最初はハズレと思っていたが存外面白いな)

  アオフはそう思いながらキメラのパンチを躱してカウンターで顔面を殴る。

  キメラは少し怯むが直ぐに体制を立て直し攻撃を再開させる。

  とアオフとキメラの壮絶な殴り合いが始まる。

  アオフはキメラの攻撃を躱して、反撃をして、また躱すを何度も繰り返す。

  そして第七ラウンドが終わりインターバルに入って自営コーナーに戻る。

  キメラの方は錬金術師組合の研究者の手でアフタケアを行う

  一方でアオフはバケツを持って

  「お、おぇええ⋯」

  身体を殴られて出来た不純物をバケツに吐き出してセコンドを担当して居るスタッフの手でアフタケアを受ける。

  (体がボロボロになる位殴られたな⋯)

  アオフはそう思いながら体を確認する。

  左目は完全に腫れて視界が無く顔中ジンジンと痛み、衣服はボロボロで胸の右側は完全に乳首が出てしまって居る。

  お腹の腹筋はキメラの剛腕で殴られて青痣が出来る位半壊し、腕もガードをしてせいで骨まで響いている。

  其れを見かけていたスタッフが

  「棄権した方が良いのでは?」

  と言ってくるがアオフは首を横に振って

  「馬鹿言うな。

  此処まで噛み応えが有る相手は久しぶりだ。

  最後まで仕留めて勝つ」

  と宣言する。

  それを聞いてスタッフは

  「は、は⋯」

  と少し苦笑いしながら返事をする。

  第八ラウンド開始のゴングが鳴る。

  アオフとキメラただ一直線にお互いを目掛けて近づいて

  そしてお互いの射程距離に入った瞬間、アオフとキメラは同時に右ストレートを放たれてクロスカウンターに変わってお互いの

  「⋯⋯!」

  「ぐふ!!」

  顔面に直撃する。

  キメラの方は

  「⋯」

  殴られた衝撃で少し硬直してしまうがアオフは

  「畜生、鼻が潰れたな」

  と呟いて鼻から血をボタボタと流しながらキメラに追撃の左フックを繰り出して、キメラも追撃の右フックを繰り出してお互いの顔面に直撃する。

  其のままお互いが一歩も引かない殴り合いになるが徐々にキメラが優勢を占め始める。

  「ぐお”お”お”!⋯がふ!」

  アオフの動きが止まりキメラは其処にラッシュを繰り出してきた。

  キメラが殴るたびにアオフはノックバックで後退して、リングのロープに追い詰める。

  ここぞとばかりに更にラッシュの速度が上がり アオフは意識が朦朧中でもガードをしようとするが腕が上手く動かなくガードが出来ずにキメラのパンチを

  「がはぁ!」

  お腹に深深く突き刺さって内臓が

  [ぐちゅっ]

  と潰れる音がアオフの耳に聞こえて次にキメラが拳を引っ込めるとお腹の没落した部分の潰された内臓が戻る反動が

  [ぶちゅっ]

  アオフのお腹の中で動き回り

  「⋯!」

  アオフの頬が膨れ上がり我慢が出来ずに口から吐血や嘔吐がアオフは口から吐き出される。

  キメラは其れを見ても表情を変えずにトドメと言わんばかりの大振りの右アッパーをアオフの顎に

  「おごうぅぅえッ!!?」

  とアオフはアッパーを顎に喰らって、そのまま後ろに倒れてリングから転落した

  レフェリーはアオフが転げ落ちた方を見ながら

  「えっと、場外ダウン!」

  と宣言して

  「ワン!ツー!」

  カウントを数え始める。

  リングから落ちたアオフは

  「うぶうぅぅッ...!!おぶぅッ!!」

  身体をのたうちまわりながら口からは吐血が含まれた嘔吐、尻からは尿を垂れ流して居た。

  その間にも

  「ナイン!テン!」

  と此処で試合終了の合図が出るが場外ダウンした場合はカウントが10から20に上がる。

  なので

  「イレブン!トゥエルブ!」

  とカウントが続く

  其れを皮切りに野垂れ撃ちまわって居たアオフが四つん這いになってからアオフの口から吐血が付いた嘔吐を吐き出して、一通り吐き終わったのかゆっくりと立ち上がり千鳥足になりながらも

  「はぁ⋯はぁ⋯うぐ!」

  と呟きながらリングの階段を上って行きアオフのセコンドを担当して居るスタッフが気を使ってロープを上下に分ける。

  アオフはゆっくりだがロープを潜り抜けて少し縮こまりながらもファイティングポーズを取る。

  レフェリーは

  「まだやれる?」

  と質問すると

  「あ、あた⋯り、前だ⋯」

  とアオフは苦しそうに答える。

  レフェリーは其れを見て

  「ファイ」

  試合再開の合図を送る。

  キメラはアオフに近づく

  [カーン]

  ゴング鳴り響いて第八ラウンド終了のゴングが鳴る。

  お互いインターバルに入る。

  アオフはは自営コーナーに戻ってアオフのセコンドを担当して居るスタッフが直ぐにアフターケアに掛かる。

  一方でアオフは

  (す、少し見誤った。

  キメラがあんなに頑丈だとは⋯)

  と心の中で反省する。

  此の時アオフの考えの中に敗北の二文字が浮かび上がる

  (この世界に転生して一度も負けた事が無い私が⋯負ける?

  ハ、ハハ⋯等々私を負かせる強者が出て来たか⋯)

  アオフは思わず笑う。

  (だけどはいそうですかと負ける訳には行かないな)

  更に笑う。

  『セコンドアウト!』

  とアナウンスが流れてアオフのセコンドを担当して居るスタッフはリングから降りて行く。

  アオフは少しふらつきながら立ち上がり

  「ファイ」

  と試合再開の合図が送られ

  [カーン]

  第九ラウンド開始のゴングが鳴る。

  キメラに攻撃する為にアオフとの距離を詰める。

  一方でアオフは一歩も歩かずに背中を自営コーナーに預ける、背水の陣で迎え撃つ。

  そしてアオフとキメラの距離がお互いのパンチが当たる射程距離に入り アオフとキメラはお互い技術も防御もない滅多打ちの殴り合いが

  [パーン!!ズパン!!ゴッ!!]

  「⋯!」

  「んぶッッ!!」

  が始まった。

  お互い躱すも防ぐもせずにただ殴る、殴られるを繰り返す。

  殴り合いはキメラが優勢で

  [バン!!ズバン!!ドボォ!!]

  「おぶぅ!!ぐふ!」

  とアオフは殴られて口から血が混じった唾液が吐き出される。

  アオフはお腹の腹筋に力を籠めてキメラの攻撃を低減をしようとするが キメラのパンチは腹筋を貫通して内臓にダメージを与えて来る。

  其れでもアオフは歯を食いしばって

  「ぐぅ!」

  「⋯!⋯!」

  殴り返す。

  其れも決して止まらずただ殴る、殴り返す。

  周りから見れば絶望的に思えるがアオフは諦めずに殴り返す。

  そしてその瞬間がやって来た。

  アオフがキメラの右頬に右フックをクリーンヒットさせた瞬間

  「!?」

  キメラの動きが止まる。

  アオフは其れを見逃さずに

  「や、や⋯っと、効い⋯た」

  とアオフは言った瞬間ボロボロである体に鞭を打ってキメラにラッシュを繰り出した

  [ズンッ!!パァンッ!!ドズゥゥンッ!!]

  キメラはサンドバックの様に殴られる

  錬金術師組合の研究者達は硬直した原因を探ろうするが其れよりも一歩先にアオフが

  「此れで、終わりだ!!」

  アオフの身体はボロボロでカタコトだった筈なのに大声を挙げながら最後の一撃はキレとスピードが今までより速く鋭いパンチをキメラの顔面の中央に叩き込む。

  キメラはアオフの最後の一撃を喰らって

  [ドサッ]

  と操り人形の糸が切れた様にリングに倒れる。

  レフェリーは

  「ダウン!」

  と宣言して錬金術師組合の研究者の方を見る。

  錬金術師組合の研究者は両腕で×作る

  其れを見たレフェリー

  「勝者、アオフ!!」

  とアオフの勝利を宣言する。

  それと同時に観客は大歓声を上げて拍手喝采が送られる。

  アオフは

  「は、ハハ⋯の、脳震盪⋯を、狙って、正解だった⋯ぜ」

  アオフは緊張の糸が切れて操り人形の糸が切れた様にリングに倒れる。

  「や、やべぇ⋯此処まで⋯ダメージを、喰らった、のは⋯初めて⋯だ」

  アオフはリングに倒れたまま意識を失う。

  [newpage]

  この後アオフは近くの治療院に運ばれて治療を受ける。

  幸い命に別状は無かったが全身の打撲や内臓の損傷、更には肋骨や左腕の骨など骨折が酷く全治1か月と診断された。

  アオフが意識を失ってから三日後だったが動けるまで一週間かかるのでベッドの上で安静にしている。

  アオフは暇なのベッドの上でだらけて居ると

  「随分とだらけて居るな」

  デミリッチが現れた。

  「しょうがねーだろ。

  此処は病院なんだから」

  アオフはデミリッチに言い返す。

  デミリッチは

  「まあ、良い。

  それよりお前勝ちすぎだ」

  「生憎手加減と八百長が下手でな」

  手加減すれば手を抜いて居るとすぐにバレるから強い奴か下剤薬を用意する事をお進めするよ」

  「だろうな

  生憎あのキメラが今の俺達が用意できる一番強い奴だからな。

  もしお前が負ければ五対一の変則試合を組もうと考えたが⋯」

  「お生憎、この前ゴウキ達が喧嘩を売って来たから勝ってルール無用の三対一をやって簡単に勝ったよ」

  「やはりかエレが言った通りだな」

  「そう、其れにそろそろ潮時だとも思っている」

  「だろうな」

  デミリッチはアオフの病室を出ろうとドアに手を掛け再度アオフの方を見てアオフは

  「お世話になった。

  退院したら適当に旅するつもりだから」

  「そうかい」

  と言った後にデミリッチはアオフの病室を出て行く。

  一週間後にアオフは退院していく当ても無い旅路に出る。

  途中ゴウキが指揮いるアオフにボコられたから殴り返そう集団に出くわして襲って来たがアオフが全て殴り倒して全員を病院送りにした。