【企画】 ワンフレーズ物語 【薔薇虎&龍虎&炎虎 短編】

  [chapter:ご注意]

  

  一応、ワンクッション。

  

  ワンフレーズ物語にて、使用しているフレーズは次の通り。

  ・薔薇→虎 笑顔の訳 引田香織

  ・龍→虎 夢を見た やなわらばー

  ・炎虎 あなただけ見つめてる 大黒摩季

  無いと思いますが、フレーズや曲名のブクマはご容赦下さい。

  

  [jump:2] 薔薇→虎

  [jump:3] 龍→虎

  [jump:4] 炎虎

  [jump:5] 後書き

  

  

  

  

  [newpage]

  

  

  

  ご注意 悶着後の、対面。

  

  

  

  

  

  素直になれなくて、なりたいのに。

  アイツの前で、可愛くしていたいのに。

  どうして、こんなことになるの?

  ああもう、折角、タイガーが復帰したのに。

  丁度よく、煩いバディも居ない…今しかないのよ、カリーナっ!!

  女なんなだから、覚悟して言わなきゃ。

  タイガーは遠まわしに言ってもわかんないの、伝わらないの。

  鈍感すぎるの、ものすごく。

  それが自分に向けられる感情なら尚更、例外は娘さんかしら。

  じゃなくって。

  

  

  「タ、タ、タイガー」

  

  「ん?どうした…ブルーローズ」

  

  「今、それは禁止っ!!ヒーローで居るんじゃないもの」

  

  「お前なぁ…それを言うなら俺の事をタイガーって呼ぶなよ」

  

  「ちっ、違うわよっ!!折紙に聞いたんだけど本名にもタイガーって意味のスペルを使ってるんでしょっ」

  

  「スペルっつーか、漢字な。ん?じゃあ」

  

  もしかして、と。

  妙に勘が良いらしい、本日のタイガーは。

  

  嬉しいけど嬉しいんだけども、なんだかなんだか…。

  

  

  「あのなぁ、カリーナ」

  

  「何よ」

  

  「ちっとは落ち着け、おじさんは何もしないから」

  

  「はぁっ?」

  

  「威嚇されまくってる気分だよ…何かしたか?」

  

  「っっっ、違うのよ、自己嫌悪なの、タイガーが悪いんじゃなくて」

  

  や、ヤダ、もう。

  なんなのよ、何でこんなことになるの。

  赤くなって忙しかったのが、今度は白くなったり青くなったりと忙しいカリーナを見て。

  はぁ、と。

  虎徹は腹の底から息を吐き出し、深呼吸。

  平常心、平常心っと。

  

  「パニックなんだろ、なんか買ってきてやるから座ってろ」

  

  とりあえず座ってろと、ゼスチャーしたら。

  何故か、その手をはっしと捕まれた。

  

  「カリーナ?」

  

  「やだ」

  

  「??」

  

  「行かないで、居てよ」

  

  「・・・」

  

  「何も言わずに勝手にどっか行っちゃわないでよ」

  

  ぎゅっと捕まれる指が、手が、震えてる。

  どれほど、必死なのか。

  一回り以上に離れた相手、きっと庇護すべき存在。

  

  けど、一度事件が起これば。

  勇ましくも、ヒーローとして飛び出していく。

  思っていた以上に、成長しているらしい。

  心配をかけてしまったらしい、色々ありすぎたから当然なのか。

  

  

  「カリーナは喉渇いてないのか?」

  

  「・・・」

  

  「わかったわかった、一緒に座ってるか。落ち着いたら二人で自販機行ってなんか飲もうぜ」

  

  目元を冷やさないと真っ赤だぞ?

  

  少し冷たい、節だった指が遠慮がちに触れてくる。

  うっとりしちゃう、こんなこと、はじめてなのに。

  多分、タイガーは処置のつもりなんだろうけど。

  それでもいいの、今は、今は。

  こうやって捕まえてられるから。

  

  

  ねぇ、タイガー。

  呼んで。

  呼んでよ。

  私を。

  私の名前を。

  

  特別になるわ。

  頑張れるわ。

  大切なものは手を離しちゃいけないの、やっと気付いたの。

  だから、ね。

  

  

  

  

  [chapter:「二度とこの手を離さない」]

  

  

  

  「タイガー、何時か名前で呼ぶわよ」

  

  「おー。練習とかすんのか」

  

  「あ。当たり前でしょ」

  

  「…どうせなら、俺の前で練習しねぇ?」

  

  「・・・」

  

  一瞬、何を言われたかわからなくて見つめ返せば。

  虎徹の琥珀の瞳がとろけそうに細められてて、其処に自分が映ってて。

  

  首が折れてしまうと思うくらい、ブンブンと首を振り続けたカリーナだった。

  

  

  完全ホールド、するんだから。

  この人の心を、絶対に。

  

  

  

  

  

  

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  ・龍→虎

  

  ご注意 虎は二部、龍は一部設定。

  

  

  

  バクバクする心臓。

  夢、夢。

  大丈夫、タイガーは生きてるから。

  此処の何処かに、生活してて。

  会うことが滅多になくなったけど、多分、元気で。

  足りない、足りないよぉ。

  タイガーが足りない、足り無すぎて。

  居ないって、いうことが。

  寂しくてたまらない。

  

  幸せだった、過去の、あの時間。

  何時崩れてもおかしくなかった、誰かが何時欠けても不思議じゃなかったのに。

  怪我をしたり色んなことがあったけど、協力して乗り越えて来れて。

  

  トレーニングルームに、タイガーの気配が無い。

  今、タイガーは二軍だもん。

  バーナビーさんまで二軍で。

  いいなぁ、バーナビーさん。

  羨ましがっちゃいけない、彼らは彼らで大変なんだから。

  

  だけど。

  こんな夢を見てしまった後じゃ。

  恋しくて、切なくて。

  

  

  「ナターシャさん、知ってるかな」

  

  それで、駄目なら。

  ネイサンとかに聞いてみよう。

  今日誰かに会いたい、特にタイガーに会いたい。

  頭を撫でて欲しいのに。

  今、すぐ。

  

  でも、今すぐは無理で。

  

  今だから、わかるんだよね。

  その時はわからなかった事だらけなのに。

  

  会いたい。

  会いたい。

  会いたくてたまらない。

  何処に行ったら、会えるかな?

  

  ね、タイガー。

  

  

  

  

  会いに行けば良い。

  驚かしちゃおう。

  走る走る、夢だってわかっていても直接会いたい。

  服装とかぐしゃぐしゃになっても、構わないから。

  会いたい。

  会って何を言いたいのかもわからないけど。

  ボクが行って、邪魔になるかもしれなくても。

  でも。

  でも。

  

  タイガー、に。

  会いたくて。

  逢いたくて。

  話がしたくて。

  会話をしたくて。

  一緒に笑い転げたくて。

  刹那でも良いから、居るって実感させて。

  

  

  

  「タイガーっ!!」

  

  見えたシルエット、見慣れていたはずのシルエットに。

  泣きたくなって、どうしようかと思うが足は走ったままで。

  段々近づいてく距離に、障害物をひょいっと乗り越えて抱きついた。

  

  「っとととぉっ!」

  

  間一髪。

  地面に倒れこむのは阻止できた、が。

  困惑した気配に、顔を恐る恐る上げた。

  

  「突然来て、怒った?」

  

  「ぃや、よく来れたなぁと思って驚いてた。急にどうしたんだよ」

  

  「あのねボク、お願いがあってきたの」

  

  「お願い?おじさんは今二部だから…」

  

  「そっちじゃないよ、そっちがいいならするけど違うの」

  

  「ん?その前に服が乱れまくってるぞ、パオリン。ちょっと身だしなみ整えないとナターシャさんにバレたら

  大変だろ」

  

  伸ばしかけた手が、途中で止まる。

  なんで?

  

  「タイガー、頭、撫でて」

  

  「…髪型が乱れるぞ」

  

  「良いの、後でちゃんとなおすから。ね、後ね~」

  

  絶対の必須。

  このために、来たの。

  

  

  [chapter:「嫌になるくらい、好きだといって」]

  

  

  

  それが、どんな愛でもいいから。

  ボクに頂戴。

  此処にタイガーが居るって、実感させて。

  

  

  

  

  

  少し遅れて公園にやってきたバーナビーさんが驚くぐらいに、ボクはタイガーにベッタリしていた。

  

  CALLが入らなくて、良かった。

  充電、出来たっぽい。

  勿論、タイガーをね。

  携帯にもメッセージを入れてもらって。

  

  ああでも、離れるの嫌だなぁ。

  

  

  「また来るね、タイガー。バーナビーさんにらも会いに」

  

  「僕はオマケですか、せ…」

  

  「うん。だってタイガーに会いに来たら一緒に居るでしょ」

  

  

  だから。

  タイガーを何処にも行かないよう、捕まえててよね。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

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  ・炎虎

  

  

  

  

  

  「今日もいいお尻ね、アントニオ」

  

  日課となった挨拶に、彼は何時慣れるのか。

  まぁ、一方的に自分が日課にしているだけなのだが。

  楽しいじゃない、その反応。

  

  「…いちいち触るな」

  

  性懲りも無く、俺をダシにするなと漏らすアントニオに。

  いいじゃないのよと、ネイサンは言う。

  確かにアンタのケツも大好きなのよ。

  アレが別格過ぎて、気安く触れないのよね。

  特別すぎて?

  ちょっと違うわね。

  ちがうわ、アレが、タイガーが。

  亡き人だけに全てを渡しすぎてるから、亡くなった相手のもののままで。

  情けないかもしれないけど、タイガーに触れるときが一番緊張するのよね。

  他人のもの、を。

  穢してしまいそうで。

  毒牙にかけるなって?遊ぶだけならいいじゃない、翳りが魅力的な男ってそうそう居ないわよ。

  

  「…見ているだけで満足するのか」

  「満足できないから、お触りするんじゃない」

  「…理解できんぞ」

  「アンタはノンケだからしろって方が無理よ」

  

  誰にでも優しいのに、根っからのヒーローなのに。

  自分に対しては厳しくて、厳しすぎるんじゃないかって心配にもなるけど。

  だってねぇ。

  初対面のときから気になって、気に入って、ああこれって恋かしらとよろめいて。

  指に光るリングで、失恋を即迎えたわ。

  まぁその流れで、アントニオと仲良く?なることが出来た。

  結果オーライなのかしらと、思っていたのも束の間で。

  

  愛しのにゃんこ(タイガー)が何より大事に大切にしてただろう相手が、病で亡くなって。

  見ていられなくなるほど落ち込んで、痩せていって。

  近いうちに命の危険にあうんじゃないかって、思えるほど。

  交代で様子を見たり、酔い潰して強制的に寝かしつけて。

  なんだかんだと、気付けば世話を焼いていた。

  嫌いじゃないわ、むしろ好きね。

  

  だってワタシは、大好きなお気に入りには笑っててほしいもの。

  物凄い威力なのよ、最近ご無沙汰してるけど。

  女優も真っ青。

  亡くなった嫁さんもソレにやられたとは、アントニオの意見。

  

  

  「ねぇ、にゃんこ。いつか…その傷が癒えるといいわね」

  

  まぁ、悪化や化膿する場合があったら。

  ワタシが美味しく、処理してあげるわ。

  遠慮しなくていいの、うふ。

  

  そうね、それまでは。

  良好な関係を築きましょう。

  時間はあるわ…にゃんこは生きているんだから。

  

  虎じゃなくて、今のアンタはにゃんこで十分よ。

  

  

  その後、平然と何事も無かったように振舞いだして。

  自分達はヤキモキしたが、タイガーの性分と諦めた。

  時折。

  時間が合えば、飲みにいって。

  色んなことを話して、聞いて。

  

  

  

  ねぇまさか、このワタシが。

  

  大事に大事にしてたにゃんこを、傷つける行為に及んでたなんて。

  信じがたい現実だったわ、火傷は全部ワタシの所為で。

  他にも傷が無いとこがないくらい酷くて、無茶苦茶で。

  操られたというか、そういった事があったとしても、してしまったのはこの腕だ。

  自分なのだから。

  

  ケジメが必要だ。

  そう痛感した。

  

  

  

  

  

  

  

  「タイガー、一寸いいかしら」

  「どうした、ネイサン」

  「詫びの件に関して、よ」

  「・・・なぁ、これって・・・」

  「受け取りなさい、恥をかかすつもり?」

  「いやだって、これって」

  「ただの指輪よ」

  「指輪っ?何を考えているんだよ」

  「責任を取って、にゃんこ…手負いのタイガーを伴侶に迎えようと思うけどどうかしら」

  「どうかしらって、会社の役員とかそういうのからは反対食らうだろうが」

  「そうでもないわよ、にゃんこは大人気なんだから」

  

  自覚は無いわよね、絶対に。

  どれだけ周囲を魅了しているか。

  

  

  

  

  [chapter: 「あなたの微笑みは薔薇色の鎖」]

  

  

  

  

  絶句でパクパクしているタイガーに、今のうちかしらと箱を開けて指輪を取り出してはめてしまう。

  本当は此処がよかったけど、其処は亡き人の位置だから。

  こっちで我慢よね。

  

  

  「早く治しなさいな、愛しいにゃんこ」

  

  「おれ、ネコじゃねーぞ・・・」

  

  「知ってるわよ。でも後悔はさせないわよ、存分に悩んで頂戴。絶対にワタシに落とすから」

  

  うふふふふ。

  可愛い可愛いにゃんこ。

  実はそのにゃんこに繋がれてるのがワタシって知られたら、周囲はどうするかしらね?

  

  

  

  「ネイサンはアントンが一番だと思ってた」

  「あらあら、一番最初からにゃんこだけだったわよ。まさか間男になりたくなくて我慢してたのよ」

  

  だから、安心して甘えなさいな。

  ご褒美あげるわよ、ワタシが。

  

  

  そのうち、にゃんこの娘も呼ばなきゃかしら。

  ああでも、元バディヒーロー片割れが煩くならないうちに進めてしまわないと。

  

  

  「大好きよ、ワタシのにゃんこ」

  「・・・はずかし・・・」

  「そのうち、慣れるわよ」

  

  

  

  

  

  

  

  

  [newpage]

  

  

  アンケ撤収、ネイサンこっちになりました。

  しかし、ネイサンが…男前。

  青薔薇と龍がかすむ…(汗)