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その1にゃ:たまちゃんはへっぽこだにゃん!?

  ここは私立にゃあにゃあ学園。

  たまちゃんやみおちゃん達が通う学園です。

  「じゃあお兄ちゃん、またあとでね」

  「うん……みお、学園内ではたまちゃんと呼んで、って何度も言ってるでしょ?」

  「はーい、お兄ちゃん」

  みおちゃんはニッコリ笑顔で、そのまま6年生の教室へ向かって行きました。

  「みおったら、絶対わざとだよね……誰かに聞かれたらややこしくなるもの」

  みおちゃんに「お兄ちゃん」と呼ばれていたたまちゃん。

  彼女は4年生の教室へ向かいます。

  どうもたまちゃん、お兄ちゃんなのにみおちゃんよりも学年が下のようです。

  4年生の教室へ入ると、たまちゃんのお友達が先に来ていました。

  「おはよー」

  「おはよ、ねこちゃん」

  「私、ここねなんだけどー、まあいいけどねー」

  [[rb:心音 > ここね]]ちゃんと呼ばれた女の子、愛称はねこちゃん。

  「だってねこちゃん、何だか猫みたいなんだもん。のんびりのほほーんとしている感じだもの」

  「えー、たまちゃんの方が猫っぽいよー。名前からしてねー」

  結局どっちも猫っぽい、と言う事のようですね。

  「さーてと、授業で使う教科書の整理しなくちゃー」

  ねこちゃんは腕を動かすと、胸に付いている立派な物をぷるんと震わせます。

  「……劣等感」

  「んー、どうしたのー?」

  「何でもにゃい……」

  どうやらたまちゃん、ねこちゃんの大きな胸が気になるようです。

  「んー、私、何か付いてるかなー?」

  「うん、付いてる。すっごく大きいのが」

  「うんー?」

  こんなやり取りをしていると、勢い良くクラスのドアが開きました。

  「みや、間に合ったよね!? 遅刻じゃないよね!?」

  「あ、みやちゃん、おはよー」

  「ねえねえ! みや、遅刻じゃないよね!?」

  「うん、ギリギリ間に合ったねー。でもたまちゃんよりギリギリなんて逆に凄いねー」

  「みやちゃんが転入してくるまでは、いつもあたしが最後だったものね……」

  たまちゃんはしっかり者の妹が居ながらも、毎朝結構ギリギリの時間に登校してくるのです。

  「でもたまちゃんって凄いよねー、こんなギリギリで来る程だらしないのに学級委員なんだよねー」

  「だらしないって思ってたんだ、あたしの事……」

  「あ、ごめん今のは忘れてー? そういう所も含めて、たまちゃんは可愛いと思うんだー」

  「あまり嬉しくないです……」

  事実を指摘されている以上、たまちゃんはあまり強く言い返せませんでした。

  「たまちゃん! みやとトイレ行こ!?」

  「え、でももう朝の会始まっちゃうよ?」

  「いいからいいから☆」

  「え、ちょっと……わーっ!」

  「あ、たまちゃーん」

  みやちゃんは強引にたまちゃんの腕を引っ張り、廊下へ連行してしまいました。

  「みやちゃん、そんなに強引に腕引っ張らなくても……」

  「ねえたまちゃん、ちょっと真剣なお話があるんだ!」

  「え、真剣なお話?」

  みやちゃんは本当はトイレではなく、何かお話をしたくてたまちゃんを連れ出したのでしょうか?

  「猫精霊、って知ってる!?」

  「え、猫精霊?」

  たまちゃんはみやちゃんに聞かれた事について、少し心当たりがありました。

  「多分知ってるような……」

  たまちゃんは曖昧な返答をします。

  「そっかそっか☆ うん、分かった!」

  みやちゃんはそれだけを確認すると、教室へ戻って行ってしまいます。

  「えーと、一体何だったんだろう? 猫精霊って……何でみやちゃんからその言葉が出てきたのだろう? まあ、あたしも詳しくは知らないけど……」

  たまちゃんはみやちゃんの後を追って、教室へ戻りました。

  [newpage]

  その日のお昼休み、たまちゃん達は3人で仲良くランチタイムです。

  「ここの中庭の猫の像って、結局何で壊されちゃったのか分からないんだよねー?」

  「うん、そうみたいだね」

  「みおの聞いた噂では、誰かが破壊したって聞いたような」

  「そうなんだ? そんな悪い事をする奴が居るんだ。あたし、許せないな」

  たまちゃんは学級委員をやっている程、正義感が強いのです。

  悪い奴の事を許せないタチなのでしょうね。

  「でも何でそういう事するんだろうね?」

  「分からないよねー」

  「ただのイタズラなのかな?」

  「学園の守り神って聞いてるから、守り神が居ないとなるとこの学園、大丈夫なのかな?」

  「確かに……そういえばそれからじゃない? この学園にみやちゃんが現れたのって」

  「そうだよねー、みやちゃんにはいつも困っちゃうよねー」

  みやちゃんとはクラスメートのみやちゃんではなく、魔法猫少女のみやちゃんです。

  悪の魔法猫少女……と言うよりは凄く無邪気っ子な感じで、急に現れては遊び感覚で暴れて迷惑な子なのです。

  「たまちゃん、みやと遊ぼうよ☆」

  「あ、言ってるそばから……」

  「みお、お弁当まだ食べ終わってないのに。仕方ない、2人共行くよ」

  「うん、仕方がないね」

  「じゃ、行こうかー」

  3人は人目の付かない所へ移動して、スカートポケットからステッキを出して変身の呪文を唱えます。

  「魔法猫少女、始動だにゃん!」

  「魔法猫少女、始動!」

  「魔法猫少女ー、始動だよー」

  皆が呪文を唱えると、一斉に体が縮んで人型から猫のような体系になります。

  たまちゃんとみおちゃんは全身ピンク色に、ねこちゃんはオレンジ色に変化します。

  たまちゃんとみおちゃんは胸部分にリボンが装飾され、ねこちゃんはハートのワンポイントが付きました。

  手足は猫の物になり、尻尾と髭を生やして本物の猫っぽくなります。

  決定的に違う部分は二足歩行で服も着ている事で、その姿はまるで「猫少女」と言うべきでしょうか。

  「魔法猫少女たまちゃん! 今日もバッチリ平和を守るにゃん!」

  「魔法猫少女みお! 今日も元気に頑張るよ」

  「魔法猫少女ここねだよー、ラブの力で幸せにー」

  3人は「魔法猫少女」に変身しました。

  「どうしたにゃん? ねこちゃん」

  「猫少女になるとー、何だか胸がすっごく軽くなるんだよねー。何でだろうー?」

  「……劣等感だにゃん」

  「ここねちゃん、見事にぺったんこだよね。人間の時はあんなに大きいのに」

  魔法猫少女になると、どうやら胸はぺったんこになってしまうようです。

  身体能力が向上したり猫のように俊敏に動けるので、動きやすいようにする為なのでしょうか?

  「一度でいいからこの姿のまま、たまちゃんを包み込んでみたいのにー」

  「ねこちゃん、そういうのはいいにゃ……」

  「それより2人共、早く行くよ。みやちゃんが本格的に暴れ出しちゃう前に」

  3人はみやちゃんが現れた校庭の方へ向かいます。

  [newpage]

  「みやちゃん!」

  「現れたね!? たまちゃん達! みやと遊んでよ☆」

  「ランチタイムにまで現れるなんて、ほんと迷惑だよ。みお達、お昼食べてたんだから」

  「知らないよ! みや、遊びたくてうずうずしてるんだもん☆」

  「これからチョココロネ食べようと思ってたのにー。許さないんだからねー」

  たまちゃん達は戦闘態勢へと入ります。

  「行っくよー。バリアー!」

  「えいにゃん! えいにゃん!」

  『パァン! パァン!』

  ねこちゃんがバリアで皆を守り、たまちゃんが攻撃を仕掛けます。

  「痛くも痒くもないよ☆ たまちゃん、やる気あるのかな!?」

  「効いてにゃいにゃ……」

  「ま、いつもの事だよね……」

  実はたまちゃん、魔法猫少女としては超が付く程へっぽこなのでした……。

  「まあいいよ、いつも通りみおが決めちゃうから。ここねちゃん、引き続きバリアで援護をお願い。たまちゃんは……とりあえず無理しない程度でね」

  「あたしだって頑張ってるにゃん……」

  「大丈夫だよー、たまちゃんの頑張りは私が1番良く分かってるからねー。あとでにゃんにゃんしようねー」

  「ここねちゃん……集中しないとバリア、脆くなっちゃうよ」

  「こっちからも良くよ! えいっ!」

  みやちゃんがステッキを一振りすると……。

  『ちゅどーん!』

  「わわっ、危ないな」

  ねこちゃんのバリアがあるから無事でしたが、みやちゃんは結構な威力の攻撃魔法を撃ってきます。

  「あはは! みや、もっとやっちゃうね☆」

  『ちゅどーん! どーん!』

  「このままじゃバリアが持たないよー。みおちゃんー、どうにかなりそうー?」

  「えいにゃん! えいにゃん!」

  「あと少し……よし、今だ」

  みおちゃんはステッキにチャージした魔力を一気に放出します。

  『ドカァーン!』

  「わーっ! みおちゃんったら酷いなー! もういい! みや、帰るもん!」

  みおちゃんの強力な攻撃を受けて、今日の所はみやちゃんも引いたようです。

  「今日もみやちゃんを倒したね」

  「愛の力で勝利だねー」

  「バッチリ平和を守ったにゃん!」

  「でも……どうしよう。校庭に空いたこの大きな穴……」

  みやちゃんとみおちゃんの攻撃魔法により、校庭には巨大な穴が開いてしまいました……。

  「みお、今日もお願いだにゃん……」

  「私は守り特化だからー、ごめんねー何もできなくてー」

  「修復できるけど、魔力消費激しくてしんどいんだよね……」

  みおちゃんは時間を掛けて沢山の魔力で校庭を修復しましたが、結局時間が掛かり過ぎてその日のお昼は食べ切れなかったそうです……。

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