最強(自称)の虎ガキ武闘家、スライム風呂に全身ダイブす

  石畳は不快な湿り気を帯び、腐ったキャベツと泥水の饐えた匂いが薄暗い路地裏に立ち込めている。レンガ造りの建物がひしめき合う洋風の街並み。その日陰に覆われた一角で、薄汚れた身なりの男たちが、恰幅の良い老商人を壁際に追いつめていた。

  「おいおい、そんなに怯えるなよ。その重そうな鞄の中身を少し見せてくれるだけでいいんだぜ?」

  薄汚れたナイフをちらつかせる痩せこけた男が、下品な笑いを浮かべる。その後ろでは丸太のように太い腕をした大男が、逃げ道を塞ぐように立ちはだかっていた。

  「ひぃっ……た、助けてくれ……!」

  老商人が震える両手で胸元の鞄をきつく抱きしめ、ギュッと目を瞑った、まさにその瞬間——上空から、路地裏に差し込む僅かな太陽の光を遮るように、小柄な影が降ってきた。

  ズドォォォンッ!!

  強烈な衝撃音が路地裏の壁に反響し、着地地点の古びた石畳がクレーターのようにバキバキとひび割れる。もうもうと土煙が舞い上がる中、裸足の力強い着地音とともに――

  「へっ! 寄ってたかって、随分とセコいことやってんな!」

  [uploadedimage:23818649]

  高く、はつらつとした声が路地裏に響き渡る。

  現れたのは虎獣人の武闘家、名をタイガ。東方の地より旅を続ける古今無双の武闘家――その弟子である。

  「あぁ!? なんだ……って、ただの小せぇガキじゃねぇか!」

  痩せこけた男が目を瞬かせ、小馬鹿にするように鼻で笑う。男の言う通り、土煙を払って立ち上がった背丈はひどく低い。黄色に黒の縞模様を持つ顔立ちにも、尖らせた口元にも、未成熟な少年特有の幼さが色濃く残っている。

  しかし、粗末な白い道着に真っ黒な帯を締めただけの簡素な出で立ちから覗く肉体は、到底その年齢の枠に収まるものではなかった。背は低いチビのくせに、やたらとパンパンに詰まった無駄にガチムチな雄肉。日々の厳しい鍛錬によって練り上げられた、脂肪の少ないバネのような筋肉がみっちりと付随している。

  深く沈み込んだ着地の姿勢から立ち上がる際、彼の鍛え抜かれた太ももの筋肉が躍動し、きつく締め上げられた褌がゴッチリとした張りのある尻肉に深く食い込む。生意気にも太く育ちつつある股間の膨らみが、布地の上からでもはっきりとわかる。そこから、仄かな土の匂いと、若いオス特有の健康的な汗の匂いがふわりと周囲に放たれた。

  「ガキが……大人を舐めんじゃねえ! ぶっ殺してやる!」

  タイガの挑発的な振る舞いに激昂した大男が丸太のような腕を振り上げ、力任せに殴りつけようと突進してくる。

  「おそぉいっ!」

  バゴォォォンッ!!

  タイガは地を蹴り、大男の懐へと一瞬で潜り込む。そのまま跳躍し、だらしなく突き出た腹に容赦のない前蹴りを叩き込んだ。衝撃が脂肪と筋肉を突き破ってめり込む。大男は「ごべぁっ!?」とカエルのような潰れた悲鳴を上げ、そのまま路地裏のレンガ壁まで吹き飛んで激突。一撃で白目を剥いて崩れ落ちた。

  「なっ……!?」

  驚愕に固まる痩せこけた男を他所に、タイガの腰から生える太く力強い縞模様の尻尾は、闘争の興奮に当てられてピンと立ち、ご機嫌な様子でブンブンと左右に振られている。本能の赴くままに身体を動かすことへの純粋な喜びが、隠しきれずに露呈していた。

  「こ、こんのクソガキがっ!」

  痩せこけた男が恐怖をごまかすように叫び、距離を詰めてナイフをめちゃくちゃに振り回す。刃先がタイガの頬を掠めようとした。

  「弱ぇ奴は引っ込んでな!」

  タイガは微塵も怯むことなく、大人びた余裕を気取ったドヤ顔のまま、迫り来る刃を難なくいなし、男の右腕をあっさりと掴み取った。ギリィッという骨が軋む音。そのまま腕を捻り上げ、無防備になった顔面に小さな拳を叩き込む。

  ドゴォッ!!

  鼻血を散らす男は、一本の糸が切れたようにその場に崩れ落ち、ピクピクと痙攣して動かなくなった。

  ものの数十秒の出来事だった。考えるよりも先に身体が動く野生の反射神経と、暴力的なまでの身体能力が、小悪党たちを一方的にねじ伏せた。

  「ふんっ、このくらい、どうってことねぇ!」

  タイガは倒れ伏すゴロツキたちを生意気な目つきで見下ろし、得意げに鼻をフンッと鳴らした。腰に手を当ててパンパンに張った大胸筋を反らせるそのポーズは、見事なまでに背伸びしたお子さまそのものでしかない。しかし、頭の中には自らが思い描くカッコイイ武闘家の姿があった。

  壁際で震えていた老商人は、信じられないものを見たという顔で、ふらふらとタイガに歩み寄る。

  「あ、ああ…なんと勇敢な若き獣人よ! 貴殿の卓越した武の才と、慈愛に満ちた義侠心によって、私の薄命は間一髪のところで救済されました。この多大なる恩寵、生涯忘れることは――」

  長ったらしく、小難しい言葉を並べ立てる老商人の震える声。それを聞いていたタイガの丸い獣耳が、ピクッ、ピクッと不審げに動く。次第に口元が半開きになり、眉間に深いシワが刻まれていく。彼の単純明快な思考回路では、卓越も義侠心も恩寵も、何一つ咀嚼できない。ただただ、目の前の老人が自分に向かって呪文のような言葉を早口で唱えているようにしか聞こえなかった。

  「あ? あー……」

  数秒間、完全に思考が停止したように固まった後、タイガは無理やり大人の余裕を装ったドヤ顔を顔面に貼り付け直し、ブンブンと尻尾を振りながら力強く言い放った。

  「よくわかんねぇけど! 気にすんなって!」

  考えることを早々に放棄した彼は、ガハハと豪快な笑い声をあげながら、感謝の品や金貨を渡そうとする老商人を置き去りにして、そそくさとその場を後にする。小難しい話に付き合うよりも、早く師匠のところに戻って自分の武勇伝を自慢したくてたまらないのだ。

  路地裏を小走りで駆けていく後ろ姿。激しい動きに合わせて太ましい尻尾が揺れる。

  若々しい汗の匂いを残しながら、タイガは陽光の射す大通りへと飛び出していった。

  §

  ――最強(自称)の虎ガキ武闘家、スライム風呂に全身ダイブす――

  §

  石畳が敷き詰められた大通りは、強烈な陽光に照らされ、馬車の車輪が立てるけたたましい軋み音と客引きの怒声に包まれている。焼きたての麦パンと香ばしい肉の脂、馬の糞、娼婦たちのきつい香水。大都市特有の猥雑でむせ返るような匂いが、淀んだ空気に溶け込む。

  大通りには全身を鋼の鎧で包んだ傭兵、ローブを深く被ったエルフ、身の丈ほどの戦斧を背負ったドワーフ等々。多種多様な種族が肩をぶつけ合いながら行き交う。その中で、明らかに異質な和風の装いをした二人組が歩いていた。

  一人は、深い藍色の和装をゆったりと着流した大柄な竜人の男。長く伸ばした銀色の髭を束ね、鱗には深いシワと歴戦を思わせる鋭い眼光が刻まれている。足運びには一切の無駄がなく、人混みの中を歩いているにもかかわらず、誰の肩ともぶつかることなく静かに滑るように進んでいた。静かな威厳と底知れぬ実力を感じさせる老師だ。

  そして、石畳を乱暴に踵で打ち鳴らしながらついていくのが、彼の弟子であるタイガだった。粗末な白い道着に黒帯。装いこそ師匠と同じ東方の地のそれだが、漂わせている空気はまるで違う。先ほど路地裏で見せた大人を気取った余裕の表情は跡形もなく、見事なまでにバツの悪そうな顔をして、師匠の大きな背中を睨みつけるように歩いている。

  すれ違う街の住人たちが、奇異の目を向けてタイガを振り返る。彼らの視線は、道着の袖から覗く、年齢に見合わぬ異常な質量を持った腕と、それに相反するあどけない顔つきのギャップに向けられていた。背丈は周りの大人たちの腰ほどしかないというのに、胸板ははち切れんばかりに前へせり出し、道着の上からでも岩のように硬い筋繊維のうねりがはっきりと窺える。前を往く老師の威厳も相まって、二人組の歪な存在感に通行人たちはギョッとして道を譲っていた。

  「……早速、くだらん騒ぎに巻き込まれおって」

  人混みの喧騒を縫って、師匠の低く落ち着いた声がタイガの丸い獣耳に届いた。決して大声ではない。だが、逆らうことの許されない絶対的な重圧を伴う声音だった。師匠が足を止め、ゆっくりと振り返る。

  「自分から首を突っ込んだのではあるまいな?」

  静かな追及。冷たい眼差しに見下ろされ、タイガの背筋をビクッと走るものがあった。しかし、ここで素直に謝れるほど彼は大人びてはいない。

  「ち、ちげぇし! 向こうから絡んできたんだよ!」

  タイガはムキになって牙を剥き出しに甲高い声で吠えた。

  「それに、悪人ならいくらでもぶっ飛ばしていいだろ! オレが一発で片付けて、あのジジイを助けてやったんだぜ! 文句言われる筋合いはねぇよ!」

  己の正当性を主張するように、バンッと分厚い大胸筋を叩くタイガ。太く力強い縞模様の尻尾の毛を逆立て、左右にブンブンと荒っぽく振ってみせる。強い奴が偉い。悪い奴はぶっ飛ばす。そんな単純明快な思考回路しかない彼にとって、勝利は絶対的な正義なのだ。

  だが、師匠の表情はピクリとも動かなかった。騒ぎを起こしたこと自体を怒るわけでもなく、ただ静かに首を振る。

  「そうではない」

  すっ、と師匠の太い指が伸び、タイガの頬を指し示した。

  「……あ?」

  思わせぶりな仕草にタイガが小首を傾げた瞬間、チクッとした痛みが走る。指先で頬に触れると、ほんの僅かに血が滲んでいた。黄色と黒の被毛に覆われた頬に、薄く刃物で切り裂かれた傷が刻まれていたのだ。

  あの路地裏での戦闘中、タイガの頭の中はただ純粋な闘争の興奮で満たされていた。たかがチンピラ相手の小競り合いであっても、ひとたび拳を振るえば、肉を打つ快感に深くのめり込んでしまう。その血の気の多さと、真っ直ぐすぎる闘争心が生み出した熱のせいで、刃先が頬の毛を刈り取って薄く肉を裂いたことにすら、今の今まで気付いていなかったのだ。

  「こ、こんなの、ただのかすり傷だし! 蚊に刺されたようなもんじゃねぇか! 痛くも痒くもねぇよ!」

  タイガは慌てて手の甲で血を乱暴に拭い、顔を真っ赤にして誤魔化そうとする。

  「はぁ……まだまだなっとらん」

  師匠の呆れた声はちっぽけな強がりを一刀両断した。

  「相手は素人に毛が生えた程度の小悪党。本来のお主の実力と速度であれば、傷一つ負うことなく、相手に刃を振るわせる隙すら与えずに制圧できて当然の相手じゃ。己の力に酔い、闘争に呑まれ、動きが雑になった。実戦において、その油断はすなわち死を意味する……分かっておろう」

  ぐうの音も出ない正論に、タイガはギュッと奥歯を噛み締め、俯いた。

  「ちぇっ……次は、もっと上手くやってやるよ……」

  不貞腐れたように唇を尖らせ、しゅんと耳を伏せる。口では一丁前にふてぶてしい態度を見せるが、絶対的な実力者である師匠には全く頭が上がらない。さっきまでご機嫌に逆立っていた尻尾も、今は情けなく股の間にだらりと垂れ下がっている。

  「やれやれ。日々身体を苛め抜いておるおかげで、肉体だけは立派に育ちおってからに」

  師匠は呆れたようにため息をつき、道着の下で異常なほど重厚に仕上がっているタイガの肉塊を一瞥する。

  「精神の修練が全く追いついておらん。心・技・体のうち、心が未熟なままじゃ」

  この有り余る熱と気を、少しは制御できるようになれば良いが。師匠は密かに胸の内で案じていた。

  「うるせぇな!勝てばいいだろ、勝てば!」

  タイガはシャドーボクシングのように軽く拳を突き出し、不満げに鼻を鳴らす。

  「それより腹減った。早くデカい肉食って、宿で寝させてくれよ」

  「肉など後回しじゃ。まずはその昂った気と、未熟な精神の垢を落とす」

  「はぁ!? 冗談じゃねえよ!」

  タイガは露骨に顔をしかめた。師匠の言う精神修行が、とにかく退屈でひたすらじっと耐えるだけの苦行であることを、これまでの旅で嫌というほど学習している。

  「こんな面白そうな街に来てまで、なんでジジイの退屈な修行に付き合わなきゃなんねぇんだよ! オレはもっと暴れたいのに!」

  「黙って付いてこい。これも修行の一環じゃ」

  師匠の大きな手が、抵抗するタイガの首根っこをガシッと掴む。

  「うぎゃっ! 離せってば!」

  ジタバタと短い手足をバタつかせるが、万力のような師匠の握力からは逃れられない。ズルズルと引きずられながら、タイガは顔を真っ赤にして悪態をついた。

  無様に引きずられるたび、道着の下で丸太のように発達した太腿がすり合わせられ、きつく締めた褌が股間に乱暴な摩擦を生む。

  (クソッ……さっきの戦いで体が熱くなってんのに……。歩くたびにちんぽが擦れて、ムズムズしてきやがった……!)

  タイガは奥歯を噛み締めながら、己の下半身へと熱が集中していくのを感じていた。まだ発展途上の小粒な身体には不釣り合いなほど太く育った肉棒が、分泌し始めた先走り汁でグチュリと滑りながら、ざらついた布地の中で窮屈そうに蠢く。戦いの暴力的な興奮が、そのまま雄としての生々しい欲求へと変換され、暴走を始めていたのである。

  こんなジジイの退屈な説教や修行に何時間も付き合わされるくらいなら、さっさと宿のベッドに転がって、この燃えるように熱い股間を力任せに扱き回し、溜まりに溜まった鬱憤と濃密な性欲をぶち撒けている方がよっぽど有意義だ。

  「最悪だぜ……」

  タイガは恨めしそうに師匠の背中を睨みつけながら、ズキズキと疼きだした思春期真っ盛りのエロガキちんぽを持て余し、大人しく引きずられていくのだった。

  大通りの喧騒から少し外れた、石畳が綺麗に整備された閑静な区画。ちょっとした上等な店が立ち並ぶ一角に、立派な瓦屋根と磨き上げられた巨大な木造の門構えを持つ湯処が鎮座していた。入り口には万病に効く薬湯だの、肌を潤す泥湯だの、様々な効能を謳う色とりどりの幟がはためいている。

  精神の修練――道中、老師はそんな高尚な理屈を並べ立てていたが、要するにこの威厳ある老人はただの重度な温泉巡りマニアなのである。強い奴と戦うか飯を食うかくらいしか頭にないタイガにとって、この趣味に付き合わされる時間はただの苦行でしかなかった。

  「……また爺くせぇ趣味かよ。こんなとこ入ったって、腹の足しにもならねぇじゃんか」

  ウンザリした顔で、立派な暖簾を睨みつけるタイガ。隣に立つ師匠は、どっしりと腕を組み、いかにも「これより心身を清める」と言わんばかりの表情で目を閉じている。偉そうに澄ましてはいるが、長年連れ添ったタイガの目には誤魔化しがきかない。ピンと伸びた背筋の裏で、着流しの裾から覗く尻尾の先がピクピクと痙攣している。それに鼻息もフンスフンスと妙に荒い。内心めちゃくちゃテンションが上がっているのはバレバレだった。

  暖簾をくぐり、番台へと向かった老師の行動を見て、タイガはさらにウンザリすることになる。

  「全種類の湯を利用できる最上級の木札を二人分頼む」

  チャリン、チャリン、と。番台の盆の上に、分厚い金貨が惜しげもなく積まれていく。

  普段は厳しい節制を強いて、宿代も飯代も極限までケチるくせに。タイガには硬い黒パンと塩漬け肉しか食わせないというのに、自分の趣味の時だけは財布の紐がガバガバになるらしい。その金貨が一枚あれば、デカい骨付き肉が何本食えると思っているのか。理不尽な矛盾に、タイガは内心で盛大なツッコミを入れずにはいられない。しかし、番台の女将に愛想よく案内され、足早に奥へと進んでいく師匠の背中に文句を言えるはずもなく、タイガは恨めしげにその後を追うしかなかった。

  案内されたのは、街の喧騒から隔離された貸切状態の脱衣所だった。床は綺麗に磨き上げられた板張りで、ふわりと硫黄と薬草の入り混じった清潔な香りが漂っている。

  「ほれ、さっさと脱げ」

  「はいはい」

  タイガは乱暴な手つきで真っ黒な帯を解き、汗と土に塗れた白い道着を床にバサリと脱ぎ捨てた。

  清潔な湯気に包まれた脱衣所に、彼の身体が露わになる。幼い顔つきからは想像もつかない、異常な質量を持った肉体。胴の半分を占めるのではないかというほど分厚く隆起した大胸筋。そこから続く腹部は無駄な脂肪が一切なく、見事な六つ割れのブロックを形成している。丸太のように太く発達した腕は、少し動かすだけで岩のような筋繊維がボコボコと脈打ち、大地を蹴り上げる脚は大木のように太く強靭な筋肉の鎧を纏っていた。日々の過酷な鍛錬によって限界まで練り上げられたバネのような雄肉が、脱衣所の照明を受けて鈍い光を放つ。

  そして最後に残った、腰にきつく巻き付けられた少し黄ばんだ越中褌。タイガが無造作に結び目を解き、下腹部からペサッと床に落とす。

  むわぁっ……

  布によって密閉されていた股間から、生温かい匂いの塊が放たれた。先ほどの戦闘の熱によって噴き出した、むせ返るような健康的な汗の匂い。だが、それに混じって、若いオス特有の濃厚で生臭い蒸れた性臭がはっきりと主張している。

  この街に到着する前、宿のベッドで一人激しく慰めていた時の痕跡だ。手入れのガサツさが災いし、陰茎の裏筋や皮の間にこびりついた拭き残しが褌の中で汗と混ざり合い、発情した獣のような淫靡な匂いへと変質してしまっていたのだ。

  「ふぅーっ……やっとせいせいしたぜ」

  自分の股間からそんな匂いが撒き散らされている自覚など微塵もなく、タイガは窮屈な布の拘束から解放されて大きく伸びをした。股間から弾み出たのは、声変わりの途中の小粒な身体には到底似つかわしくない、生意気に太く長く育ちつつある立派な肉棒だった。

  普段は亀頭まですっぽりと分厚い包皮に覆われている仮性包茎だが、日々の過剰すぎる自慰行為によって無理やり剥きグセがつけられており、手で簡単にずるりと剥けるようになっている。

  今はだらんと萎えて太ももの間にぶら下がっているものの、過敏になっている先端は少しの刺激でも即座に反応してしまう若さゆえの貪欲さを隠しきれていない。事実、先ほどの戦闘の熱と、歩くたびに太ももと褌が擦れ合った物理的な刺激の余韻だけで、足元に脱ぎ捨てた褌の股間部分には、くっきりと丸く濡れた先走りの染みができていた。

  空間に漂い始めた生臭い匂いに、老師が呆れたように鼻を顰めた。

  「タイガよ……お主、臭うぞ。また始末もせず放っておいたな。湯を汚さぬよう、念入りに下洗いをせい」

  図星を突かれた上に、自分の発する濃密な匂いに全く無頓着だったタイガは、顔を真っ赤にして牙を剥いた。

  「う、うるせぇな! オレは別に臭くねぇし!」

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  見え透いた強がりを喚き散らしながら、タイガは自身の不釣り合いに立派な肉棒をぶらぶらと揺らし、いよいよ様々な湯船が待ち受ける広大な浴場へと、乱暴な足取りでドスドスと踏み入れていくのだった。

  広大な浴場に足を踏み入れるなり、タイガは師匠から厳しい監視と指導を受ける羽目になった。

  「これ、タイガ。湯に入る前は念入りに下洗いをせい。特に股間じゃ。その下品な汚れを徹底的に洗い落とせ」

  「わかってるよ!」

  不満げに口を尖らせながらも、タイガは洗い場にどっかりと腰を下ろした。備え付けの柔らかい布に湯を含ませ、石鹸を泡立てて、ゴシゴシと力任せに自身の身体を洗い始める。

  普段のガサツな水浴びと同じ仕草で、太い腕や分厚い胸板を擦り、そのままの勢いで股間へと布を滑らせる。皮をずるりと剥き、露出した赤黒い亀頭ごと無造作に洗い上げる。

  「んっ……ふぅ……」

  思いのほか肌触りの良い柔らかな布と、温かい湯の温度。それが日々の過剰な自慰で擦れっ枯らしになっている仮性亀頭を包み込んだ瞬間、汚れがするりと落ちていく心地よさと合わさって、タイガの背筋をゾクッとさせるような微かな快感が走った。温かさと摩擦の気持ちよさに、身体が自然と強張ってしまったのだ。しかし、それだけのことで、タイガの太く長い肉棒はじんわりと熱を持ち、石鹸の泡の中でゆっくりと首をもたげ、半立ち状態へと膨らんでしまった。

  (やべぇ……なんか気持ちよくて、ちんぽ勃ちそう)

  誤魔化すように慌てて股間へ湯をぶっかけながら、タイガは自身の若さゆえの過敏さに一人で焦っていた。

  湯気が白く立ち込める、広大な岩風呂。薬効のある白濁した湯に、老師は肩まで深く浸かり「ふい~……」と腹の底から息を吐き出していた。完全に目を閉じ、シワの刻まれた顔に汗の粒を浮かべながら、ピクリとも動かずに気を練っている。己の世界に没入した、完璧な瞑想だ。

  しかし、血の気と性欲を持て余すやんちゃ盛りの小僧にとって、ただ熱い湯の中でじっとしているだけの行為は苦痛でしかない。タイガは早々に限界を迎え、退屈しのぎに湯面をバシャバシャと手で叩いたり、湯の縁に掴まって短い脚をバタバタと動かして遊び始めていた。

  「……これ、タイガ。暴れるでない」

  目を閉じたまま、老師の低い声が響く。

  「湯治とは単なる水浴びではない。己の気と向き合う神聖な儀式じゃ。静かに身を沈め、精神の垢を落とすのじゃ」

  「わかってるっての。あーあ、つまんねぇな」

  完全に焦れたタイガは、退屈な瞑想にこれ以上付き合いきれず、勢いよくザバァッと岩風呂から立ち上がった。一人で面白そうなものを探すべく、ジジイの小言も置き去りにその場を飛び出す。

  広い浴場内を気ままに歩き回るタイガ。歩幅は短いが、低い重心とバネのような歩法が、彼の全身に詰まった筋繊維の連動をありありと浮かび上がらせる。背中から腰、そして強靭な太ももへと流れるような筋肉のうねりが、立ち込める湯気を切り裂いていく。水を弾く若々しい肌の上で水滴が滑り落ち、むき出しの股間でぶら下がる重たい肉棒が無防備に左右へと揺れ動いていた。

  途中、深緑の薬草湯やどぎつい紫色の根菜湯など、色鮮やかな湯船をいくつか見かけたが、タイガは鼻で笑って通り過ぎた。

  「なんだよ、ただお湯の色が違うだけじゃんか。ちっとも面白くねぇぜ」

  闘争か、あるいは直接的な快楽しか頭にない単純思考の獣童の興味を惹くようなものは、いくら種類があろうとただのお湯には存在しない。

  そうして浴場の奥へ奥へと進んでいくと、他のエリアとは岩壁で少し区切られた、薄暗い小部屋のような空間に出た。そこには、透明度の高い、淡く青みがかった綺麗な湯を張った浴槽があった。

  「なんだ、ここもただの色付き温泉か……ん?」

  近づいて覗き込んだタイガは、首を傾げた。水面が妙にタプタプとしていて、通常のお湯とは明らかに違う、とろとろとした粘度を感じさせるのだ。

  不思議に思って入り口に掛けられた立派な木の看板を見上げると、そこには大きな文字でスライム風呂と書かれていた。

  「スライムの……風呂?」

  タイガの脳内におけるスライムの認識は『最弱の雑魚モンスター』でしかない。道中で見かけては、ぷにぷにとした身体を拳で殴ったり、足で踏み潰したりして、その奇妙な弾力を楽しむための遊び相手。それが風呂に詰まっているとは、一体どういうことなのか。

  看板には、大きな文字の下に小さな字で効能や利用方法がびっしりと書き連ねられていた。しかし、多少の文字は読めても、勉強が不得手でひどく物臭なタイガの目に、そんな細かい注意書きなど入るはずがない。

  「へへっ、よくわかんねぇけど、なんか面白そうなモン見っけ!」

  好奇心に完全に支配されたタイガは、浴槽の縁に立つと、躊躇うことなく大股を開き、歓声を上げながらスライムの海へと勢いよく全身でダイブした。

  どぷんっ…ぐにゅぅぅっ……

  明らかに水とは違う。とろみのある湯とも違う。圧倒的な質量とゼリー状の弾力を持った生温かい感触が、タイガの小柄な肉体を一瞬にして胸元まで包み込む。ずりゅん、と粘性を帯びた物体が肌の上を滑り、筋肉の隙間に入り込んでくるような奇妙な感覚。

  「ひゃっほう! なんだこれ、すっげぇ気持ちいいぜ!」

  タイガはスライムの粘体の中で無邪気にはしゃぎ、短い手足をバタつかせた。抵抗感のあるゼリー状の液体の中で動くたび、全身の皮膚が優しく揉み解されるような心地よさがあった。

  薄暗い小部屋の中で一人、歓声を上げながらゼリー状の感触を無防備に堪能しているタイガ。その一方で、彼が完全に読み飛ばした入り口の掛け看板には、小さな文字でハッキリとこう記されていた。

  『※足湯専用 全身浴はお控えください』

  [newpage]

  生温かいゼリーの海でひとしきりはしゃぎ回り、タイガは少しばかり息を切らしていた。

  「ふーっ……変な疲れ方すんな、これ……」

  浴槽の縁に広い背中を預け、短い腕を大きく広げて岩肌に乗せる。全身の力を抜き、透明度の高い青い粘体の表面にプカプカと身を委ねた。足は行儀悪く大股開きにされ、つま先が湯の中でだらしなく揺れている。股の間に鎮座するのは肉棒だは、先ほどの下洗いで石鹸に擦られ中途半端に赤みを帯びたまま、今は熱を持たずふてぶてしくゼリーの中に垂れ下がっていた。

  にゅる……

  タイガが激しい動きを止めたことで、浴槽内の生態系に変化が訪れる。身を潜めていた無数のスライムたちが、本来の老廃物を食べるという活動を本格化させ始めたのだ。

  そもそも、このスライム風呂は効能書きにある通り足湯である。旅や労働で酷使され、古い角質や皮脂汚れ、きつい汗の臭いが溜まりやすい足先。その老廃物を餌とする特殊なスライムの群れに足を突っ込ませることで、汚れを綺麗に喰わせ、同時に彼らの柔らかなゼリー状の身体がうねることで極上の揉み解し効果を得るという、画期的な温泉療法であった。

  しかし今、スライムたちの獲物となるのは足先だけではない。文字の読めないアホが注意書きを無視して全身ダイブなどという凶行に及んだせいで、彼らは足以外の極上の餌場を感知してしまっていた。

  そうとは知らないタイガの全身を包み込む柔らかな感触の中から、微かな水流のような蠢きが生まれ、より汚れや匂いの強い部位へと集中的に群がっていく。足の指の間はもちろんのこと、汗の溜まる大胸筋の裏側と、日頃から蒸れっぱなしの腋窩、そして――先ほどの下洗いで刺激され、若々しい汗と濃密な雄臭を放っている股間だ。

  「ん? なんかモゾモゾするな……」

  最初は、小魚が肌をつつくような微かな違和感だった。タイガは気怠げに眉を寄せ、首を傾げる。しかし、股間周辺に集まるスライムの密度は秒を追うごとに増していく。ぽってりとしたゼリー状の質量が、無防備に垂れ下がる陰嚢を下から持ち上げ、太い陰茎にまとわりつき始めた。ぐにゅ、とろり。生温かい粘体が毛皮に浸透し、皮膚の表面を這うように滑る。

  「お? お? なんだこれ、勝手に動いて……」

  タイガは目を丸くし、自分の股間を見下ろした。透明な青いスライムたちが立派な肉棒に群がり、こびりついた見えない汚れを舐め取るように蠢動している。だが、彼にはまだ余裕があった。むしろ、その予想外のマッサージ効果に、生意気な口元がだらしなく緩んでいく。

  「へへっ……なんだかよくわかんねぇけど、悪くねぇじゃんか」

  ニヤニヤと笑いながら、タイガは性的な心地よさを素直に受け入れ始めた。スライムの柔らかな蠕動は、先ほどの乱暴な下洗いでヒリヒリと痛覚を刺激されていた剥き出しの亀頭を、まるで極上の軟膏のように優しく包み込んでいく。痛みが和らぎ、代わりにじんわりとした甘い痺れが腰の奥で弾けた。

  快感を求めて、タイガの分厚い尻肉が浴槽の底で震え、腰が無意識のうちに揺れ始める。

  ずりゅ、ちゅるんっ

  継続的で、ひどく丁寧な優しい刺激。それに呼応するように、ふてぶてしく垂れ下がっていた肉棒が次第に熱を持ち、太さを増していく。先端の亀頭口から、透明で粘り気のある先走り汁がじんわりと分泌され、スライムの海へと溶け出した。その瞬間、濃密な雄の液の匂いと、それに含まれるタンパク質に強烈に反応し、スライムたちの動きが一段階、明確に活発化する。

  「っあ……」

  ちゅるんっ、と。ひときわ大きな粘体が、赤く腫れた亀頭の笠の裏側――最も過敏な裏筋の溝を、舐め上げるようになぞり抜けた。

  「おほっ」

  不意に襲いかかった強烈で心地よい刺激に、タイガの口から、嬉しさと気持ちよさが完全に混ざり合った、アホ丸出しの素直な声が漏れた。

  「お~……っ……はあぁ……っ」

  もう、抗う気など微塵もなかった。タイガは目を細め、岩風呂で瞑想していた師匠と同レベルのひどく雄々しく汚い呻き声を、スライム風呂の空洞内に響かせる。

  それは、彼が今まで知らなかった未知の快楽だった。普段のタイガが行っている自慰は、武闘家として鍛え上げられた分厚く硬い掌で、ただ力任せに自身の肉棒をゴシゴシと擦り上げるだけの粗雑なものだ。摩擦の力で無理やり果てる、暴力的なまでの性欲の処理。

  しかし、今は違う。手は一切動かしていない。それなのに、太い肉棒の根本から、皮の裏側、そして過敏な先端に至るまで、全方位から柔らかく生温かい粘体が隙間なく密着している。それがまるで生き物のようにうねり、吸い付き、揉み解してくるのだ。

  ぐにちゅ、ぬっちゅ、ぬっちゅ……ぬぽぉっ、ずりゅぅぅん

  自分自身の武骨な手では絶対に作り出せない、圧倒的な優しさで包み込まれるような感触。スライムの群れは、タイガのちんぽの形に合わせて自由自在に形を変え、あらゆる角度から最適な圧をかけてくる。

  「んあぁ……っ、すっげぇ……これ、すっげぇ……」

  タイガは完全に警戒心を解き、だらしなく大股を開いたまま、この極上のスライム風呂がもたらす受動的な快楽を、骨の髄まで堪能し尽くそうとしていた。

  完全に警戒心を解き、スライムの波に身を委ねるタイガ。生温かい粘体の中で不遜にもぶらついていた太いちんぽは、極めて自然な生理現象として熱を帯び、とっくに勃起を始めていたのだが、ここにきて血の巡りは最高潮に達する。

  「ん……っ、なんだ、これ……うほっ、すげぇ……」

  ぽってりとしたスライムの質量が、太ももの間で存在感を増していく生意気なちんぽを下から持ち上げる。日々の過剰な自慰行為によって酷使されてきた仮性の包皮が、内側からの暴力的な膨張に耐えきれなくなり、ゆっくりと、だが確実に後退を始めた。

  ぬちゃり……ずぶりゅっ

  皮がずるりと根元まで剥けきった瞬間、小柄な体躯にはおよそ不釣り合いなほど太く、赤黒く充血した巨大な亀頭が、自ら進んで極上の餌として身を差し出したかのように、薄っすらと青く色付いたゼリーの海の中へと完全に曝け出された。

  はち切れんばかりにパンパンに張った海綿体。尋常ではない熱を帯びてテカテカと光る粘膜。その器官の生々しい完成度は、もはや『体付きが立派な子供のそれ』ではなく、今すぐにでも十分にオスとしての役目を果たせるほどに成熟した『男のチンポ』になっていた。

  完全勃起によって肉棒の体積が増大し、表面の皮膚が限界まで引き伸ばされたことで、ちんぽ全体の感度も爆発的に跳ね上がる。大きく膨れ上がった熱い肉の柱を最高の獲物と認識したスライムたちは、弾力ある粘体をさらに押し広げ、細部へと貪欲に侵入してきた。裏筋のデリケートな襞、カリ首の深い溝へとびっしりと入り込み、さらには怒張によって竿の表面に浮き上がったぶっとい血管のうねりをなぞるように、容赦なく吸着し始める。

  ちゅぅぅっ……ぬちゅちゅんっ、ぐぽぉっ

  「おっ、おおぉっ……! んおっ……!」

  激増した快感の奔流に、今まで気取っていた背伸びした余裕が一瞬にしてショートする。生意気にも快感に堪えようと半開きになった口元からは、ツーッとだらしない涎が垂れ下がり、下のスライムたちに吸い込まれていく。

  「あ゛っ!? そこ、ごりごりって……お゛ぉっ……」

  野太く濁った、オスガキ特有の呻きが漏れた。スライムたちの狙いは竿だけではなかったのだ。

  成長途上の肉体の過剰な発達に引きずられるように、年齢不相応にずっしりと重く、不遜なほどのサイズを誇る二つの睾丸。ぽってりとしたゼリー状の粘体は、その張りに張った陰嚢を底からすくい上げるように包み込んだ。そして、やわやわとした絶妙な力加減で袋の中の二つの球をコリコリ、ゴリゴリと擦り合わせ始めた。

  にゅぷっ、こりっ……こりこりっ

  「あ゛あ゛っ! キンタマ、それ、すげっ……んお゛っ!」

  タマを直接捏ね回される強烈な刺激が相乗効果となり、限界まで膨れ上がった亀頭の先端から、粘り気のある濃密な先走り汁がブチュッと勢いよく絞り出された。タラタラと絶え間なく溢れ出す雄の液とタンパク質の匂いに、スライムたちが狂喜する。

  ぐちゅぶちゅぶちゅっ! ぬるぅぅっ、ずぼぉっ、ぢゅるるるるるんっ!

  スライムによるちんぽへのマッサージが、優しく揉み解すものから、貪るように吸い付き搾り取るような激しい蠕動へと明確にレベルアップした。竿表面の気持ちのいいポイントに吸盤のように張り浮いては直接肉を引っ張り、ぶっとい血管を扱き、裏筋をちゅるんと弾き飛ばしてくる。

  さらに、暴力的な快感と熱によってタイガの全身から大量の汗が吹き出していた。そんな極上の餌を巻き散らせば、分厚く隆起した大胸筋の裏側や、熱の籠もる腋に張り付いていたスライムたちも一斉に激しく動き始める。

  にゅるるんっ、こちょこちょっ、ぴちゃぴちゃっ!

  「ひゃっ、は、あ゛っ!? ちょっ、腋は、やばいっ、あひぃっ!」

  股間を激しく搾り取られる快感に加え、脇や胸を執拗にくすぐられる未知の刺激。くすぐったさとエロティックな快感が脳内で完全に混濁する。タイガの単純な頭脳を占めていた強さへの執着、武闘家としての矜持など、とうの昔に彼方へ消し飛んでいた。激増する快楽の波が、なけなしの知能を完全に溶かし尽くす。脳髄が濁ったピンク色に成り果て、そこにはただ「もっと気持ちよくしろ、もっと激しく擦れと要求する、純粋な雄のスケベ心だけが剥き出しになっていた。

  「あ゛っ、お゛ほぉぉっ! ぐ、あ゛っ、いいっ、すっげぇ……もっと、もっとだぁっ!」

  スライムの粘着質な摩擦音はさらに卑猥さを増し、アホ丸出しな喘ぎ声は原型を留めないほどに間抜けに、そして野太く濁っていく。

  ぐちゅ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅっ! ぬっぽぉぉっ、ずりゅりゅりゅりゅんっ!

  「あ゛ーッ……お゛ぉっ、んあ゛あ゛っ……!」

  全身を駆け巡る快感の奔流に、とうとう短い脚だけでは水中で身体を支えきれなくなる。ズルッと体勢を崩したタイガは、浴槽の縁に両肘を突いて上体を大きくのけぞらせた。カチカチに強張った尻肉を少し浮かせ、両脚は限界まで大股に開かれる。尻尾は水面を行ったり来たりしてバシャバシャとスライム飛沫を上げ続け、押し寄せる快感に耐えるように足のつま先が湯の中でピンと立ち上がっていた。

  もはや恥じらいなど微塵もなく、完全に股を開け渡しただらしない恰好。スライムたちに己の極太ちんぽを好きなだけ貪らせながら、頭の中は射精したい、気持ちよくなりたいという強烈な性欲だけで塗り潰されている。理性を手放した育ち盛りの筋肉肢体は、絶頂という名の底なし沼へ向かって、さらなる快楽を貪欲に求め続けていた。

  毎日毎日、暇さえあれば力任せに己のちんぽをしごきまくっているタイガにとって、イく直前の感覚など当たり前に熟知している。キンタマの奥底にドロドロの白濁がパンパンに溜まり、ちんぽの根元からドクドクと沸騰したような圧力がせり上がってくる、あの射精のサインだ。

  だが、今のそれは普段の粗雑な自慰とは次元が違っていた。全方位から押し寄せる濃密で致死量の快感が一気に流れ込んでくることで、射精のサインがいつもより遥かに早く、そして暴力的で巨大な質量の熱となって、腰の奥をガンガンと内側から殴りつけてきているのだ。

  「あ゛っ、あ゛っ、あ゛ぁっ! くるっ、なんか、やべぇの、きそうっ!」

  浴槽の縁に上体をのけぞらせ、パンパンに張った尻肉を浮かせ、つま先立ちで大股を開く。そんな最高にみっともない体勢のまま、もはやスライムの受動的な按摩だけでは限界を迎えたタイガは、爆発しそうな射精欲求に完全に突き動かされた。

  「お゛お゛ぉっ! んあ゛ーッ! い゛ぃっ、これ、やばっ!」

  バシャバシャバシャバシャッ!

  自ら、腰を前後にヘコヘコと激しく振り始めたのだ。武闘家として日々苛め抜き、鍛え上げられた分厚い太ももと強靭な大臀筋。本来ならば強敵を粉砕するために使われるべきその圧倒的な筋力が、ただ己の極太ちんぽをスライムの奥深くに叩き込み、激しく擦りつけるためだけに、ひどく無様に躍動する。

  ずっりゅ、ずっりゅ、ずっりゅぅぅんっ!

  ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅっ!

  腰を振るたび、赤黒く怒張した巨大な亀頭がスライムの高密度の粘体を無理やり押し広げ、強烈な摩擦を生み出す。自分で動くことで生じるねっとりとした抵抗感が、裏筋から竿の根元までを強烈に扱き上げ、タイガの脳髄を完全に白く飛ばしていく。

  ぐちゅぶちゅぶちゅぶちゅっ!

  ずぶりゅ、ぬちゅちゅんっ、じゅぶじゅぶじゅぶじゅぶっ!

  「お゛ほぉぉぉっ! あ゛っ、あ゛っ、あ゛っ! やばっ! きもちっ、い゛ぃぃっ!」

  純粋に快楽に貪欲で、それに翻弄されるだけのただのオスとして、知能の底が完全に抜けた野太い喘ぎが乱れ撃ちされる。

  そして、タイガの激しい腰ヘコ運動に呼応するように、スライムたちの活動もただの按摩から明確な搾精モードへと移行した。

  仰向けちんぽが撃ち込まれるたびに、ゼリーの塊が極太の竿を全方位からギチギチと締め付ける、強烈な圧迫。

  ずきゅぅぅっ、ぎゅむむむっ!

  「う゛ひぃっ!? すげ、しまるっ、やべぇって……お゛ぉっ!」

  締め付けたまま、今度は裏筋の弱点へ集中的に摩擦を浴びせられる。無数の粒で殴りつけられるような、猛烈な乱打。

  ちゅるるるるるっ、ぶちゅ、びちゃびちゃびちゃっ!

  「ひぃっ! うらっ、そこっ、あ゛あ゛あ゛っ!」

  そして、極めつけは亀頭の先端、先走り汁が溢れ出し続ける鈴口への、絶え間ない強烈な吸着。

  ちゅぽぉぉぉっ、じゅるるるるるっ、ぬぷ、ちゅううううぅっ!

  「あ゛ーッ! あ゛ーッ! もうでるっ! でるでるでるっ!!」

  段階的に押し上げられる限界突破の搾り取り。限界の限界、ちんぽの快感処理だけで、タイガの単純な脳のキャパシティはとうに限界に達していた――その、完全に隙だらけで無防備な背後。

  普段は武闘家として固く引き締めている、未開拓のきつく窄まった尻の穴。そのデリケートな表面の皺を、一筋の生温かいスライムの波が、ちゅるんっ、と舐めるようになぞり抜けたのだ。

  「ぬほおぉっ!?」

  出口を軽くなぞられただけだ。だが、未知の急所への想定外の接触が、完全に隙だらけだったタイガの神経に電撃を走らせた。かつてない間抜けな奇声が浴場に響き渡る。

  「あ゛っ!? け、ケツはっ、なんか、ひやぁっ」

  ドグンッ!!

  尻への刺激を起爆剤とし、全身のバネのような筋肉が弓なりに反り返って痙攣。それを合図とするように、群がるスライムたちが一斉に、赤く腫れた亀頭へ向けて最大級の吸引をかける。

  ずきゅぅぅんっ、ちゅぽぽぽぽぽぽぽぽぉぉぉっ!!

  「あ゛っ、すげ、あ゛ぁぁっ! むりっ、いくっ、オレ、いくぅっ!!」

  強烈な快楽と未知の刺激の板挟み。もはや思考など一ミリも残っていないアホな小僧の顔には、ただひたすらに気持ちいいという、最大級のオスとしての幸福感に満ちただらしなすぎる笑顔が張り付いていた。

  ちぎれんばかりに振られていた尻尾がピーンと直立し、タイガの肉体は強制的な射精準備状態――射精直前の絶頂の助走へと、完全に引きずり込まれる。

  スライムの執拗なタマ揉みで限界まで増産されていた極濃の精液。不意の尻への刺激で括約筋が急激に収縮し、それを合図に二つの玉の奥底からドロドロの白濁が一気に汲み上げられ始めた。

  じゅわぁぁぁぁっ……ずずずずずずずずずっ……!!

  かつてない巨大な射精の予兆に喉が引き攣り、タイガは「ひゅっ……」と一瞬だけ息を呑む。湯の中で大股を開いてピンと伸ばされていた足指がわなわなと痙攣し、熱い塊が通過する会陰がヒクッ、ヒクッとみっともなく脈打っていた。

  体内の奥深くから、とてつもない質量の熱い精液がせり上がってくる。おぞましいほど生々しい、射精直前の感覚が全身を支配する。

  どくどくどくどくどくっ、どくぅっ、どくんっ!!

  「あ゛っ!? ぐ、お゛ぉ゛ぉ゛ぉっ……!! くるっ、なんか、すっげぇの、ちんぽに、くるぅぅぅっ!!」

  健康男児ゆえに猛烈な勢いで準備された大量の白濁が、ついに極太ちんぽの根元へと到達した。あまりにも量が多く、粘度が高すぎるがゆえに、己の精液でありながら強烈な異物感を伴っている。それが狭い尿道を内側から暴力的に押し広げ、粘膜をゴリゴリと抉る生々しい感触を伴って猛スピードで突き進んでいく。ちんぽが真っ二つに裂けそうな極限のプレッシャーと、それに比例して増す快感が爆発的に膨れ上がった。

  「あ゛、あ゛あ゛あ゛っ! でるっ、でるでるでるっ! でるぅぅぅぅぅっ!!」

  目は限界まで見開かれ、全身の筋肉がギチギチと音を立てて強張る。そして、限界突破。パンパンに膨れ上がった亀頭の先端が、ついに弾け飛んだ。

  「お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っっ!! でるっ! ぶっといの、でる゛ぅっ!! ちんぽからっ、でるぅぅぅっ!!」

  ドッッッビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!! ビュルルルルルルルルルルルルルルッッッ!!!!

  爆音のような水音とともに放たれた第一波は、凄まじい勢いでスライム風呂を突き破り、水面をぶち抜いて空中へと濃密な精液をド派手に撒き散らした。最強のオスとしての本能を全開にした、暴力的なまでの射精だ。

  ドビュッ!! ビュルルルルルルルルルルルルッ!! ビュッ、ドピュゥゥゥゥッ!!

  「あ゛ーッ! あ゛ーッ! はぁっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!! い゛っ、きもちっ、い゛ぃぃぃぃっ!!」

  弾け飛ぶたびに脳の髄を激しく揺らす莫大な快感を受け、タイガは無様にも絶叫を乱れ撃ちにする。かつてない頻度と音量で炸裂する野太い雄叫びと、絶え間なく続く濃密な白濁の噴出。

  どくんっ、どくんっ、どくどくどくどくどくっ!! どぐんっ!

  第一波以降も、射精快楽にビクッ、ビクッと脈動しまくるちんぽの脈打ちに合わせて強烈な射精が止まらない。スライムたちは精液を貪るように亀頭へ吸着し、容赦ない搾精の追い打ちをかけてくる。

  ぐちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅっ!! ぬちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅっ!! ぐぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽっ!!

  「が゛っ、はっ、んお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉっ!! ぐっ、はぁっ、はぁっ、あ゛っ、まだっ、ちんぽっ、すげっ! あ゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛お゛お゛っ!!」

  ぬっぽぬっぽぬっぽぬっぽぬっぽぬっぽっ!! じゅるぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅぶちゅっ!!

  全身の毛穴から快楽が吹き出す絶頂の中、タイガはなけなしの頭脳を完全に溶かしきりながらも、迫り来る快楽を真っ向から受け止めた。己のちんぽからドバドバと精液を吐き出し続ける。理性を失ってもなお、圧倒的な体力で快楽すらもねじ伏せようとする絶対的なオスの度量が、その無骨な咆哮の中に満ちていた。

  第一波、第二波と続いた爆発的な噴出がようやく峠を越える。だが、スライムたちの貪欲な搾精は終わらない。

  ぬぷっ…ちゅるるるるっ、じゅぽっ、じゅるるっ!

  弱まりつつもまだまだ脈動を続けるちんぽにスライムがねっとりと絡みつく。残った白濁を一滴残らず吸い出そうと、ぱくぱくと気持ちよさそうに開閉する先っぽの割れ目と、カリ首の溝から裏筋にかけてを重点的に、執拗に、ねちっこく擦り上げる。

  「あ゛……っ、はぁっ、はぁっ……ぅ゛お゛ぉっ……まだっ、でる……っ、んお゛お゛ぉ゛……」

  搾り取られる快感に、タイガの白目を剥きかけた顔がだらしなく上を向く。勢いこそ弱まったものの、吸着されるたびに尿道の奥からどろり、どろりと濃厚な後引きの精液が搾り出される。

  どくっ…どくどくっ……

  びゅっ……とろぉ……

  「んあ゛っ、はぁっ、あ゛っ……」

  もはや自力で射出しているのではない。スライムの蠕動によってちんぽの奥から無理やり引っ張り出された白濁が、先端から絶え間なく垂れ流され、青いゼリーの海へと溶けていく。息も絶え絶えになりながら、タイガはただ力なくビクつき、最後の最後まで精液を搾り取られ続けていた。

  やがて、怒涛の精液の噴出がようやく収まる。股間周辺の青いスライムは、吐き出された大量の白濁で完全にドロドロの濁白色へ変わり果てていた。

  タイガは呆然としたアホ面で浴槽の縁に寄りかかり、だらしなく首を垂れる。

  「おぉ……っ、はぁ……っ、はぁっ、はぁっ……すげぇ……でた、ちんぽから、すっげぇ、でた……っ、やべぇ……」

  それでも、分厚い大胸筋は力強く上下して酸素を貪り、股間に鎮座する極太のちんぽは凄まじい熱を帯びたままビグンッ、と空を打って跳ねている。その気になればまだまだ暴れられるだけの体力が残っている証拠だ。成長途上の武闘家ではあるものの、底知れぬポテンシャルを秘めたオスの強靱さが、濃厚な余韻の中に漂っていた。

  怒涛の精液の噴出がようやく収まると、荒々しい水音が止んだ小部屋に、生々しい静寂が降り降りた。

  かつて澄んだ青だったスライム風呂は、タイガが放ち続けた極濃の精液によって完全にドロドロの濁白色へと変貌している。風呂の熱気のせいだ。むせ返るような栗の花の匂いと、未成熟な雄獣の汗の匂いが混ざり合う。空気がねっとりと重くなり、空間の異常性を際立たせていた。

  時折切なげに震える射精済みちんぽは、限界まで搾り取られた結果、ぽっかりと開ききったまま鈴口が閉じなくなっていた。そこから残った白濁がとろりと溢れ、スライム風呂の中で白い糸を引く。事後特有の生々しい視覚情報がそこにある。

  タイガの規格外の特濃精液を限界まで吸収したスライムたちは、完全に飽和状態に陥っていた。先ほどまでの貪欲な搾精はとうに鳴りを潜め、ぽってりとした粘体がぬぷぬぷと、赤く腫れ上がった亀頭や敏感な金玉を労るように優しく愛撫し始めた。

  射精後の過敏になった神経に与えられる、甘く心地よいマッサージ。限界までイかされ搾り取られたタイガは、白目を剥きかけたアホ面のまま浴槽の縁でだらしなく脱力し、虚脱状態へと沈み込んでいる。

  「あ゛あ゛ぁ……うへへ……すげぇ……」

  浴槽の縁からは、白濁したスライムがぽちゃり、ぽこっ、と分裂しながら床へと溢れ出していた。タイガの精液を養分にして、異常な速度で増殖を始めている。不気味かつ滑稽な光景だった。

  「――何事じゃ、この惨状は」

  そこへ遅れて小部屋にやってきた老師が登場する。異様な生臭さと、床にまで溢れ出した白濁スライムを見て、完全に言葉を失った。

  呆れ果てる師匠に対し、タイガは完全に脳が溶けたアホ面を向ける。

  「あ、ししょ……この風呂、すっげぇイイぞ……へへっ……」

  間抜け極まりない返事が、湿った空間に虚しく響いた。

  湯処を出て、夕暮れの石畳を歩く二人の姿があった。

  「はぁ……まったく……何をやっとるんじゃ、お主は……」

  「別にいいだろ、喜ばれたんだし!」

  賢者モードのタイガは、嘘のように憑き物が落ちた無害なオスになっている。だが特濃の精液を出して新陳代謝が爆発したのか、毛艶が異常なほどピカピカに輝いていた。筋肉の張りもここ最近で一番。足取りもどこかふわふわと軽い。

  師匠は深く息を吐き出す。あれから、白濁して増殖したスライムに店側は慌てた。タイガの生命力あふれる精液を取り込んだスライムたちは、なんと大繁殖を遂げていたのだ。どうしてこんなことになったのか説明まで求められたが、結果として店主は大歓喜。弁償どころかVIP待遇を受ける運びとなった。

  「なあ師匠。あのスライム風呂、最高だったぜ! あんなのがあるなら『精神修行』も悪くねぇかもな……うへへ……」

  叱られることもなく極上の思いをしたタイガは上機嫌。対する師匠はタイガのアホさ加減に深く頭を抱える。対照的な二人の会話と足音が、夕暮れの街の喧騒へと溶けていった。

  その後、件の湯処の奥まった小部屋では、特定の客層に向けた『大人向けコース』が新設された。連日連夜、密かな賑わいを見せるようになったという――

  [newpage]

  ここで力尽きたようだ。もったいないので供養

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