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魔物調査×カメラマン×いつの間にかあなたと一緒の姿に

  エノルド。

  それは魔物で唯一の服を一生を終えるまで履き続ける狩人タイプの魔物で、私はその調査ギルドから派遣されたカメラマンだ。

  コボルトという犬型の小人を知っているだろうか

  エノルドはそのコボルトの落ちこぼれから生まれた種族らしく、実際な種族のルーツはわかっていないが脱ぎ捨てられた服を解剖して繭糸で作れば衣服が出来るんじゃね?と思った種族のエノルドは産まれた。

  彼らと出会ったのは7か月前のこと

  新緑が生い茂る5月の季節。

  カメラのセッティングで固定撮影の準備をしているところにビンビンと弦を弾く音が聞こえて来るので茂みの奥に顔を出してみると少年のエノルドが体格に見合わない弓を一生懸命に構えようとして集中していると気づいたようだ。

  「誰!?に、人間がなんでこんなところに」

  「驚かせるつもりはないけど…実は」

  話してみると言語は理解できる様だ。

  コボルトは言語を話すがカタコト混じりの言語だがエノルドは普通に聞き取れる言語。

  コミュニケーションだってとれる。

  話すうちに群れが住んでいる集落へと案内される。

  衝撃的なのはずんぐりむっくり体型まで育ち、僅か1年で大きくなる生態の持主。

  長が居るとされるツリーハウスにお邪魔すると男臭いものがプンプン匂う。

  「すまんね、旅のモノ。見苦しい所を見せてしまって」

  「い、いえ…このくらい大丈夫ですよ」

  本当は鼻を取り換えたいほどの臭さで捥げそうだ。エノルドは男女ともに麻布で作られた衣服を寿命が尽きるまで、命尽きるまで薄くなろうが透けようが履き続ける生態で集落の中にはおっさんのエノルドがいるけど、産まれた頃に授かった麻布は切れそうなほどに細く黄ばんでいる。

  もはや着用しているのかどうかも分からないほどに伸び切っている物を丁寧に使っているほど習慣が大事なのだという。

  「エノルドはこのように狩りをしては1人で火を熾したりするんですよ」

  「子供でもみんなそうなんですか!?」

  「ええ、男も女も同じように子供、大体その子だと生後2か月になると1人で狩りをするんですよ」

  弓を構える姿勢はエノルドの個体によって違う。

  基本的に猪やウサギを弓で射る生活と弓の弦と木の棒を絡ませて火起こしもできるそうで、指笛で仲間を呼び寄せては集会で近況報告なども出来る。時には犠牲を払ってでも集落を襲う大型生物を討伐することもあるそうだ。

  長老と長話をしていると新しいエノルドが産声を上げる。

  やがて乳母に抱っこされてこちらにやってきたのは赤いフードと白い褌を着用しているエノルドの赤子だ。彼らは1年で成人を迎えた後は約2年しか生きられない。

  「麻布の褌が擦り切れたらどうなるんですか?」

  「擦り切れたエノルドは体を川で清めた後で別の集落に力比べで勝負を仕掛け、勝てば部族を総取り、負ければ子供たちの世話としてこき使われるそうじゃな」

  「彼らなりのルールがあるんですね」

  気づいた頃には夕方になり日が暮れ始め影が森を包んでいく。

  エノルドのことをノートに纏めるために家に戻ろうとした時だ。

  「人間様、お礼のドングリです。いつの日か立派な狩人になってみせます」

  「いい心がけだね。また生態調査の時にもし出会えたらね」

  幼子のエノルドから贈り物を貰った。

  手が黒くなるまでエノルドの生態や体をスケッチで表しては、いつかはまた会いたいのだと思うようになった。それからしばらくして夏のある日――

  あれから2か月は経つ頃

  エノルドの研究成果をもっと見せてほしいと言われたので再び森に向かい集落を訪ねると誰も居ない。もぬけの殻だ。

  何かあったかもしれないと探索すると香ばしい匂いが立ち昇る。

  私の建てたキャンプ施設を勝手に利用している輩が居るのでとっちめてやろうと思ったが、あのエノルドの幼子が少年数人と焚火を囲んで肉を喰らっているではないか

  「もしかしてあの時のエノルドかい?」

  「そのお声は人間様ではないのですか!?お久しぶりです」

  覚えていてくれている。

  エノルドには1度見た相手を生涯忘れない特性を持っているらしい。

  「それはそうとして、チームで狩りをしてるのかい?」

  「そうですね、集落がダメになってしまったので家を造っては暮らしているんですよ」

  「2か月の間に何があったの?」

  熊の襲撃を受けて多数の犠牲を出したが集落を守り切ったが数を増やすために元居た集落を捨てて数人の群れを各自作ってその日暮らしをしているようだ。以前の身長より30㎝も大きくなって弓矢を普通に番えて構えることも出来る。

  大人の数が減ってしまったのは確かだが何とかしたい。

  部族の少年たちにとあるお願いをしてみた。

  「本当によろしいのですか?二度と人間には戻れないのですよ?」

  「君たちと一緒に生きられるなら後悔は無いよ」

  エノルドの部族と熱いキスと抱擁を交わすと自分自身がエノルドの姿と同じように姿かたちを変えていく。

  後に魅力的なボデイで森の中で生きる彼らの分布図を街の中まで拡大するのは別の話に――

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