changed好きがchangedの世界に入り込んでしまう話(4)
さて、右側の部屋にあるプーロ君の自画像の裏に通れるダクトがあるはずなんだけど、、、
通るためにはSHIZIさんを誘き寄せないとなんだよね。
えっと、確かこのカピカピになった粘液を何回か踏んだら出てくるから、、、
あっ来た。
素早くプーロ君のいる部屋に戻り、もう一度部屋に入って確認する。
うん、ちゃんと通れそうだね。
ここからステージが図書館からメンテナンス用通路になる。
「なんだかんだここも魅力的なTF多いんだよね。
する気はないけど」
先に進むことのできる左側の道を進む。
セーブできる機械があったのでセーブ。
「…ヒリュウ、こっち こっち!」
プーロ君の声が聞こえたので、少し進んだ先にある広くなった空間に入る。
「…ここ、ボクの家!
…プーロのねぐらにようこそ!」
大きなクッションにたくさんのオレンジ、
山積みになった本に紙とペン、水、、、
改めて見ると結構ごちゃごちゃだね。
「どうやって先に来たの?」
分かってはいるけど一応尋ねる。
「…この建物、所々に換気ダクトの穴が空いてるでしょ。
…見ての通り、そこら中にね。
…出口さえ覚えていれば、ダクトからどこにでも行けるって事なんだ。
…ヒリュウみたいな人間が使うには小さいから、点検口を使うしか無かったけど。
…この場所、図書館とはひとつ壁向かいで、通路一つ潜ればすぐここに帰れるんだ。
すっごく便利なんだよ!
…ヒリュウ、またとは無い機会だしボクと一緒に座らない?
…ぼ、ボク 話すことが沢山あるんだよ!」
少し考えるふりをしてから言う。
「じゃあ、ちょっと話そうか」
クッションに座ると、プーロ君は僕の隣に座った。
体育座りで。
「…言いたいことも、聞きたいことも、たくさんあったはずなんだけど…
…でも、なんだろう。
頭が空っぽになっちゃった…
何から話せばいいかな。」
「思いついた話題でいいんだよ」
プーロ君が考えている。
「…んと、ヒリュウ…
…ボクのこと、怖くないの?」
「うん」
食い気味に答えると、プーロ君はちょっと困惑していた。
「…ヒリュウって、警戒心とか無いの…?
…実はね、図書館で色々やっていた間、ヒリュウの事、何度も思い浮かべようとしたんだ。
…男の子なのか女の子なのか、デカくて強いのか、小さくて賢いのか…」
多分、小さくてすばしっこい、かな。
「…でも今のヒリュウの姿は…どうなんだろう。
ボクが期待してたモノだったのかな?
…ヒリュウは結構お喋りだし、ボクと同じ言葉で話せるんだよね。
…せっかく勉強したんだから、無駄にならなくてよかった」
僕は外国語とか苦手だから、ちゃんと日本語訳されたバージョンでよかったと思ってる。
メタいけど、そうじゃなきゃ終わってたね。
「…ヒリュウは、
…ボクと、
…友達、に なってくれるのかな?」
「えっまだ友達じゃなかったの?」
「…えっ?」
、、、やばいどうしよう!
1人も友達がいなかったからどのラインから友達なのかわかんない!
「…でも、元々がヒリュウを襲う計画だったのは事実なんだ…
…ヒリュウはボクのこと一切怖がってないみたいだけど…
…それに、ヒリュウが図書館に来てくれた時、ボクはホントにヒリュウを…
…でもその時、すごく悩んでた…
…強くなるためにヒリュウを取り込むか、
それとも、自分から話をしようとするのか。
…ボクは …本当は何をするべきなんだろう?
…ボクは…ホントは、何をしたいんだろう?
…道を駆けまわりながら、日がな一日ぼーっとしながら、よくそんな事を考えてたんだ。
…聞こえ、ばかみたい だよね…」
「、、、」
「…でもヒリュウを見た今、取り込むのはだめだって思った。
だってヒリュウ、ボクより背が高くも、強くもないんだもん!」
「ウ゛ッ」
身長の話題僕のコンプレックスだから地味に心に刺さる、、、
「…どうかしたの?ヒリュウ」
「あぁいやごめん。
でもね、僕はとある「能力」を持ってるんだ」
「…能力?」
クッションから立ち上がり、目の前に障壁を出す。
「…な、何それ!?」
「「障壁」って言って、s僕の見える範囲にこういう壁を出せるの。
触ってごらん?」
プーロ君が僕が作った障壁に触れる。
「…うわぁ何これ!
…本でも見た事ないや!
人間なら誰でもできるの?」
「多分無理かな。
でもこれ、僕が感覚で出してるものだから、多分取り込んでも使えないと思うよ」
「…そうなんだ。
…ヒリュウ、知ってた?
…ボクがただの子犬だった時、ボクはみんなと、少し違っていたんだ。
…他のみんなと違った何かが欲しかった。
喜びを知らないまま育って、結晶化して、次の世代を生むだけの人生は嫌だったんだ。
…自分の人生を、種のためじゃない何かに使いたかったんだ。
周りと違うのも あの時は気にしなかった。
…それで 群れを 離れて、図書館を探検したんだ。
いろんな知識に触れて、外の世界のことも色々知った。
…その時、人間の事を知って、ボクの冒険のためには人間が必要なんだって理解した。
…そこからは知っての通りだったんだけどね。
人間を襲う計画は諦めて、図書館に引き篭もる日々は変わらなかった。
…希望も何もかも時間に飲まれて、孤独感が胸を貫いて…限界になっちゃって。
…本当に来てくれるとは、もうあの時には思ってなかった。
音もなく歩いて来たことにはびっくりしたけど…
…ヒリュウを見た時、どれだけ驚いたか…どれだけ興奮したか!
…木の裏に逃げ込んで…準備も何もしてこなかったから…どうすればいいのか迷って…
…だけどヒリュウは逃げないでくれた…!
…それどころか、初対面で返事までしてくれて…
…襲うなんて考え、頭からすっ飛んだ…
…だって、ボクの人生で学んできたことが、ついに報われるんだって、
このために頑張って来たんだって、直感したんだもん!
…あの時ようやく、ボクが求めていたモノを理解したんだ…
…この建物から出たかった。
外の世界を、ボクは見たかった。
…だけど…
…もっと大事なのは、誰でもいいから脱出したボクを 讃えてくれるパートナーがいる事だったんだ…
…黒曜獣なんて、普通だれも受け入れない。
明曜獣は種族そのものが敵になっているし、あの怪しいハカセはボクと話そうともしない…
…ここには、誰も居なかった。
ボクを慕う人も、受け入れる誰かも、友達になりたいって人も、誰も…
…本当に寂しかった…ただ…」
プーロ君の目に、黒い涙が浮かぶ。
「…ボクは、 弱かった …
…チカラも カタチも無い曜獣…
博士が言った通りの、失敗作…
…もし強い体が手に入っても、ボクには、何をする勇気もない…
…何も できないんだ。
色んな黒曜獣も、入り組んだ部屋も…
…その 勇気が無かったら、ここから出られない…
ボクはヒリュウに何か してあげられるのかな?
…約束を、果たすこと できるのかな…
…それに 弱いだけなら…
いろんなモノを勝手にぐちゃぐちゃにして…
図書館でキミを危険にさらしちゃって…
…何もしちゃいけないんだよ、ボクは。
ボクが動いたら、ヒリュウを引き留めたり、トラブルばっかり起こすから…
…それで…友達になりたいんだ、なんて…
…笑いものだよね…ヒリュウ…」
、、、プーロ君って、こんなに自己肯定感が低かったっけ?
「確かにトラブルメーカーっていうのは大変だけど、
同時につまらない旅にならなくて済むって事じゃないかな?」
「…どういうこと?」
「行く先々でトラブルが起きる方が、山も谷もない旅なんかよりもずっといい。
それに、友達がそばにいれば大体はなんとかなるからさ」
ウィンクしながらプーロ君を見る。
「…!」
どうやら上手いこと言えたようだ。
「それに、あれはプーロ君のせいじゃないしね。
Kが待ち伏せていたのも白しっぽが追いかけて来てたのもプーロ君は知らなかったんでしょ?
だからそんなに気にしなくていいんだよ。
あと、もしかしたら僕に嫌われるかもしれないとか考えてない?」
「…なんで分かったの!?」
そりゃあ知ってるからね。
「プーロ君が僕に思いっきり悪口でも言わない限り、
僕はプーロ君を嫌いにはならないから、安心して。」
「…う、うん!
…ぼ、ボクも元気出すから。
どんな未来が待っていても、一緒に脱出しようね…!
…クゥン…」
プーロ君がクッションから立ち上がったので、僕も立ち上がる。
「…ありがとう、ヒリュウ!
…結構長々と 喋っちゃった」
「僕は話を聞いたりするのが好きだから大丈夫だよ。
元気出た?」
「…うん、大丈夫。元気になったよ。
…色々感動的だったから 泣いただけ!
…だから、気にしないで…」
「うん。
そういえば、そこの袋に入ってるオレンジは何?
他のとはちょっと違うみたいだけど」
「…僕特製の「プーロスナック」だよ。
…食べてみる?」
「じゃあ頂こうかな」
乾かされているみたいでカラカラになっているけど、甘くて、ちょっと不思議な味、、、
「美味しいね」
「…気に入ると思ったよ!」
次は箱を押して穴に落とさなきゃいけないんだけど、、、
動かそうとしたらプーロ君が話しかけてきた。
「…穴を箱で埋めようとしているの?
…手伝おうか?」
「じゃあ、お願いするよ」
そう答えると、プーロ君は箱を押していき、穴の手前で止まった。
「…よーしよし、これでいいよね」
プーロ君が戻って行ったので、箱を押して穴に落とす。
そして先に進み、鉄の箱の間にある布の壁をめくり、先に進む。
ここも月の部屋みたいに、知っていればスルーできるんだよね。
部屋に入ると、中は水漏れしていた。
プーロ君が部屋に入ってくる。
「…ヒリュウ、隠し通路 もう見つけちゃったの?
…それに、何のヒントも無く!驚いちゃった!」
「なんかちょっと壁が動いた気がして、触ってみたら隠し通路だったんだ」
「…人間の強みってやつだね、凄いよ!
…この隠し通路を通れば、発電室にはそのまま行けるはず。
ボクが前に来たのはだいぶ昔だったかな。
…発電室にたどり着ければ、脱出の一歩目になるはず。
…ここからの換気ダクトは明かりが一個もないけど…
…普通の黒曜獣が暗闇でどうなるかは分かるよね。
とてもじゃないけど、ボクは…」
「無理しなくていいよ。
僕は暗くてもある程度は見えるし。
心配しないで」
「…ヒリュウがボクみたいに狭いパイプをするする滑れたら、どれだけ良かったか…
…道中、気をつけてね。
換気ダクトの中もそれなりに狭いし、明曜獣もたくさんいるから。
…ボクは別の道で発電部室に行くよ。
また会おうね!
…助けの声が聞こえたら、いつだって助けに行くよ。
見えなくても!
…だから、大丈夫。
こっちも うまく並走出来る様にするから!
…じゃあ、また後で!」
そう言うとプーロ君はダクトに入っていった。
隙間に無理やり入る猫みたいな動きで。
流石に少し笑ってしまった。
「…ちょっと?笑わないでよ!」
トラップのセーブとピンクのパンツを無視して部屋を出て、廊下を進む。
壁は、よく見たら赤い粘液が漏れていた。
避けて先に進むと、ダクトからプーロ君の声がした。
「…ヒリュウ?」
ダクトを覗き込むと、プーロ君がポンという音と共に顔を出した。
「…ボクだよ、プーロ!
ひとつ言うことがあったの!
…明かりが全くないここに住む曜獣は、また少し違うんだ。
…イタズラしたり、騙したり。
やることなすこと 全部いやらしくて!
ヒリュウは特に気を付けないといけないよ!
…あそこじゃボクの目は役に立たない。
飛び出しても一緒にイタズラされるだけだろうから…」
「わかった。
発電室でちゃんとこの姿のまま会えるように気をつけるよ」
「…ヒリュウって警戒心なさそうだから一応、ね…」
そう言うとプーロ君はダクトに戻って行った。
まぁ僕はケモノ好きだからね。しょうがないね。
ちなみにここは左側をずーっと通っていれば大丈夫なんだよね。
左右の部屋にも色々あるけど今回はスルー。
点検用っぽい小さなダクトの扉を開けると、その先は真っ暗だった。
夜目は利く方だけど流石に暗い。
障壁は光っているわけではないから、照らすこともできない。
とりあえずまっすぐ進んで箱を持ってきて、その先にある穴に落とした。
なんか後ろで音がしたけど、調べに行くと詰むのでスルー。
セーブすると、その機械は壊れてしまったらしく、反応しなくなった。
この辺りは初見殺しが多いので気をつける必要がある。
正面、右、突き当たりを左、粘液を障壁で飛び越えて直進、右、左、左、、、
「うわっ!」
足元にあった紙で滑り転んでしまった。
ここにあるのは分かってたのに、、、
その音を聞きつけたのか、何かがすごい勢いで向かってきている。
まぁ誰かは知ってるんだけど。
箱を押しながら逃げていると、プーロ君の声がした。
「…ヒリュウ!いま、押さえてるから!
…は、走って!」
「プーロ君ありがと!」
そのまま逃げて部屋に入った。
special版ってこういうところ優しいよね。
無印版だと容赦なく襲ってくるから。
「はぁ、、、はぁ、、、」
体力が、、、きつい、、、
足は早いけど、スタミナはないんだよなぁ、僕。
「…ゥオオーン!」
そんなことを考えていたら、プーロ君の遠吠えが聞こえた。
「…はっぁ..こっち!ここ!」
ダクトから聞こえる。
「…僕だよ、プーロ!
…ヒリュウが逃げたあと、ヒョウは通路の奥に引き寄せておいたよ。
もう追って来ないから、安心して!
…何も見えない中でヒョウの動きを止められる何かを掴めるかは、結構な賭けだったけど…
…今回は正真正銘、ヒリュウを助けられたよね!」
「うん、プーロ君が助けてくれなかったら危なかったよ。
さっきも言ったけどありがとね」
「…どういたしまして!
…それにしても、ヒリュウって足早いんだね。
びっくりしちゃった!」
「その代わり体力はないけどね、、、」
今もまだ呼吸整ってないし。
「今後もこういうことがあったら助けてくれると嬉しいな」
「…も、もちろんだよ!
…とりあえず、僕は先に行くね。
…この通気口から出るのは、ちょっと小さくて難しそうだし…
何とかこの先で出口を探して、ヒリュウが来そうな場所で待つことにするよ。
…じゃあ 発電室で、ヒリュウ。
またね!」
「あっちょっと待ってプーロ君」
「?どうしたのヒリュウ」
「この建物って温室みたいなところってない?」
「…あるけど、それがどうしたの?」
「嫌な予感がしたんだけど、その時になんだか温かい感じがしたんだよね。
僕の勘って良くも悪くもすごい当たるんだよね、、、
もし向かう途中で僕を見失ったら、温室を探してみて」
「…よくわからないけど、もしヒリュウを見失ったらそうしてみるね」
「お願い」
「…じゃあ、今度こそまたね!」
そう言うとプーロ君はいなくなった。
機械のパスワードは確か、0802のはず、、、
何かが開いた音がした。
通路の左側をダッシュで進む。
そうじゃないとレッサーパンダにTFしちゃうし、ヒョウに追いつかれちゃう。
正面の扉には入らず、左折して進み、下に見えるダクトに障壁を張る。
もうこうなったら意地でもQTEは回避してやる!
よし、セーブ。
先に進むと、壁が一面だけ水槽になっている廊下に着いた。
そういえばこの先って、、、
部屋に入ると、換気扇が回り始めた。
ヘックション!
思いっきりくしゃみをしてしまった。
次々と床が落ちていく。
でも展開がわかっている状態で大人しく落ちるほど、僕は間抜けじゃない!
落ちる先が同じなら、障壁を階段にして安全に降りる!
ちなみに、先に進めそうなドアは開かないので、そのまま下に降りるしかない。
下の地面に着地する。
ついでにセーブもして、先に進む。
「なんともひどい、被験者」
「ちゃんと僕のこと監視してるんだね」
「お前は災厄なのだから、監視するのは当然だろう?
あの真っ黒スライムの相棒も、お前の落下は予想していないだろう。
発電室に急ぐのに精一杯だろうからな」
「一応「勘」と称して僕が温室に行くことになるってことはプーロ君に伝えてあるんだけどね。
プーロ君も多分僕をすぐに見つけられると思う」
「…お前は本当に未来が見えるようだな」
「これはただの知識だよ。
この世界を知っていて、さらに選択肢を選べる状況だからこそできる事だよ。
あと、僕の能力は「未来視」じゃなくて「障壁」だからね」
「だが、彼が気付いたとしてもここまで来るのに時間がかかるだろう。
今回は彼に頼る事は出来ないと言う訳だ。
ところで、お前は本当に彼を必要としているのかな?
彼はひとつだってお前を、助けたような事はしていない。
愚直で、不器用な様を。見てきただろう。
お前との出会いにどれだけ錯乱したのやら。
だが、彼にも一つだけ認めるべきものがある。
配管を這いまわったり、必死なその姿は終始 滑稽で微笑ましいものだ」
「、、、まだ話すつもりなの?」
「おっと、無駄話が過ぎたか?」
すぐ近くの扉から、カチャッという音がした。
扉が開くようになった時のお決まりの音だ。
「行け。
ここにいても何も進まないだろう?」
頑張れば障壁で一応上に戻れるけど結構厳しいだろうし、ここ以外に先に進むことのできる道はない。
「じゃあ温室エリア、攻略開始だね。
夕食前のガイドとしての一仕事、お願いするよ」
「…お前が本当にただの人間か分からなくなってきたな。
まぁ、お前に対する態度は変わらないが。
お前を、キュートで おとなしい曜獣へと変えさせてみせる。」
「まだ話終わんないの?
僕この先にあるガスエリアに早く行きたいんだけど」
「…分かった分かった。
そんなに早く進みたいならさっさと進め。
さっさと進んで曜獣になるがいい」
【続く】