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僕の名前は下田 龍一(しもだ りゅういち)。
何をやってもうまくいかない、ごく普通の中学生だ。
中学3年生になって受検する高校を決めるとき、
「この高校に入りたい!」
と唯一思った高校は、"御徒高校"だ。
しかし、このままでは偏差値がすこし足りないのだ。
「国語は偏差値足りてるけど、他の教科がなぁ...」
そうだ、玩具屋のおじさんに聞いてみよう。
おじさんは自称"なんでも知っている人"だから、
何か売ってくれたりするかもしれない。
家から歩いて5分。玩具屋に着いたら、おじさんに、
「高校受検で偏差値が足りなくて...なにかやるべきこと
ってありますか?」
と聞いてみた。
「唐突じゃのう...まあ、人によっては陰謀論とか言われそうじゃが、この水晶玉がおすすめだぞい。」
「おじさんも唐突だ...とりあえず詳しく聞かせて
ください!」
「この水晶玉を服にしまっておくと偏差値が10上がる
んじゃ。」
「神アイテム...」
「まあもちろんデメリットはあって、これを飲み込む
と龍になってしまうから、気をつけるんじゃ。」
デメリットが大きすぎる...
「デメリットが大きいから、お代はいらないぞい。」
「えぇ...」
とりあえず、なんか危険な水晶玉をもらった。
これを服に入れておけば偏差値が10上がるのか...
そういえば、明日は塾の模試だった。
本当に効果あるのかな...
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怪しまれないように、2番目に偏差値が高い社会科の
ときだけ使ってみよう。
「それでは試験を開始してください。」
まあ社会は偏差値を1上げるだけでいいからなぁ...
井伊直弼が暗殺された場所はどこか。
A...五稜郭
B...印旛沼
C...桜田門
D...出島
いやわからな...
ん...桜田門...?なら答えはCか...
参議院議員選挙は何年に一度行われるか。
こんなところ勉強してないよ...
あれ、たしか3年だっけ...?
なんでわかるんだろう...
「回答をやめてください。」
社会では、人生で初めて解き切ることができた。
他の教科は使わずに解いてみると、やっぱりダメダメ
だった...
模試の結果は...
(教科名 点数 偏差値)
国語 85点 57.5
数学 72点 51.8
社会 96点 66.3
理科 68点 52.4
英語 57点 50.5
社会が異様に高い...?しかも前回より偏差値が10程度
上がってる...
水晶玉の効果は本当だったんだ...
この効果にできるだけ頼らないように合格したかった
けど、やっぱり本番は使おうかな...
とりあえず1教科ずつ使う教科を増やして、怪しまれ
ないように、かつ、受検する高校を下げられないよう
にしよう!
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なんやかんやあって、12月になった。
2学期も残り1週間になった。帰り時に、友達2人と話
をしていた。もう5時半か...
「なあ龍一、お前最近偏差値上がったじゃん。」
「どうしたんだよ...なにか怪しいものでもやったか?」
やばい、バレるかも...
「いや、してないよ...勉強するようになっただけ...」
まあ無理もないよなぁ...
だって今の偏差値は志望者平均よりも5くらい高いし
内申点も平均以上だから。
「御徒高校合格確率何%なん?」
「70%だよ。」
嘘をついた。本当は88%だけど。
「いや絶対85%はいってるでしょ...」
バレた...
「ごめん嘘ついた。本当は88%だよ。」
「なんだよ~」
「絶対何かやってるでしょ...」
「やってな...」
友達のうち1人(浜松)がポケットに手を入れてきた。
「やめてよ...」
「ん?なんかあるじゃん」
終わった...
「これおいしそう!」
「食べちゃだめだよ。これは家に帰ってから食べよう
と思ってたんだ。」
「ならふつう学校に持ってこないだろ!」
もう1人の友達(駿河)が浜松から水晶玉を奪いとった。
「おい、何してんだよ!」
「俺が食べてやろうと...」
「お前クズだな!あと通学路で立ち食いするなよ!」
「はぁ!?お前だって10月にクッキー食べて先生に叱られ
てただろ!俺もやってやるよ!」
「本当にやめ...」
これ食べたら龍になっちゃうよ!
絶対に止めないと...
「おいしかった~」
あっ...
「半分くらい残しておけよ!」
「そう言うと思って半分残しておいたぞ...」
「こんなとこで親切にしなくていいんだよ!」
「なんなんだよ!」
「...でもやっぱおいしい。」
「そうだろ?」
2人になんて言おう...
僕は泣きながら走って家に帰った。
「おい、どうしたんだよ!」
浜松と駿河が追いかけてきた。
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どうしよう...
御徒高校に合格できなくなるし、友達がいなくなって
しまう。
「なんでこんなもの貰ってきてしまったんだろう...」
「今お前、なんて言った!」
「あ...」
「貰い物かよ...売ってるところ教えてくれよ!」
「あっちの玩具屋で売ってるよ。でも、行かないほうが
いいよ。」
「なんでだよ!」
「まあ行こうぜ!」
そう言って2人は玩具屋にダッシュで行った。
3分後...
「すみません、下田って人が貰ってたお菓子あります
か?」
「はい!?いや、あれはお菓子じゃないぞい!」
「え?」
「食べてしまったのかね?」
「はい、おいしかったです!」
「君たちが食べたのかね...これから満月の日の夜は窓の
ない部屋に隠れるのじゃ。そうしないと、龍になって
しまうぞい。」
「え...?」
「今日って満月の夜じゃない?」
「あっ...」
満月が東の地平線から姿を現した。
次の瞬間、2人はたちまち龍に姿を変えた。
「うわあああ...」
「やばい、本当に龍になってる!」
「なんか空飛んでるし、すごく夢みたいな感じだ...」
「ここは現実だけどね...」
「...で、どこ行く?」
「神社とか?人の目も気にせず住んだりできるから...」
「それいいな!じゃあ行くか」
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数十秒後...
「一瞬強い風が吹いたような...?そういえば、2人は龍に
なっちゃったのかな」
僕はとても心配していた。
まあ2人ならきっと龍になっていても幸せに暮らして
いるだろう。
「そういえば、親になんて言うんだ?」
「あっ」
「あと、どうやって戻るんだ?」
「わかるか!!!」
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浜松さんと駿河さんは、龍になってしまいました。
これから僕とこの2人の家族は2人を探すのですが、
それはまた別のお話...
多分続かない___(((
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