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夏祭りは俺と一緒に…

  A、B:(同時に)乾杯。

  A:くぅーっ!

  久々に飲む酒、うまっ!

  B:(ぼそっと)…おっさん…。

  A:うるせーよ。

  酒飲む暇もないくらい忙しかったんだから仕方ないだろ。

  B:ふぅーん。

  お疲れ。

  A:そういうお前はどうなんだよ。

  仕事の方。

  B:朝起きて会社行って、日付変わる頃に家に帰って寝る。

  そんな毎日。

  A:ハードな毎日送ってんな…。

  今日とか早く家に帰って寝た方がよかったんじゃね?

  B:いや…明日休みだし、1人でいるよりお前らと一緒に飲んでる方がいい。

  A:何?何?

  そんなに俺らのこと、好き?

  B:そういう意味じゃねーっつーの。

  帰って1人で寝るなら、ここで酒飲んで寝た方がいいってだけ。

  A:はいはい。

  ほんと、素直じゃないね。

  君は最近どう?

  無理してない?

  B:お前すぐ無理するからなぁ。

  そんなことなくねーだろ。

  がんばりすぎて倒れたくせに…。

  心配されたくなきゃ、無理する癖直せよ。

  A:言い方!

  B:別にいいじゃん。

  事実なんだし。

  A:キツい言い方してたけど、コイツなりに君のこと心配してるんだよ。

  …そっか…。

  なら、よかった。

  でも、くれぐれも無理はしないようにね?

  ってかさ、話変わるけど、同窓会の連絡来た?

  B:同窓会?

  A:うん。

  盆にやるって…。

  (スマホを見せながら)ほら。これ。

  B:…ほんとだ…。

  どうすっかなぁ…。

  実家帰るつもりなかったんだよな…。

  A:マジで?

  B:帰ったところで、やることねーし。

  帰る時間と金がもったいねーじゃん?

  だったら、こっちでのんびり過ごしてたい。

  A:あぁ…。

  お前ってそういうとこあるよな。

  君は、同窓会出る?

  ほんとに!?

  じゃぁ、一緒に行こうよ!

  あとで、待ち合わせ決めようね。

  B:……何、2人で盛り上がってるわけ?

  A:だって、お前同窓会行かないって言ったじゃん。

  B:…やっぱ、行く。

  A:(小声で)…お邪魔虫…。

  B:何か言ったか?

  A:何も。

  B:…わりぃ…。

  トイレ、借りる。

  A:ハイペースで飲みすぎなんだよ。

  B:うっせー。

  (B:退席)

  A:やっと、お邪魔虫がいなくなった…。

  ん?

  あぁ、こっちの話。

  あのさ、いきなりなんだけど、1か月後の今日って予定空いてる?

  …これ、なんだけど…。

  そ。

  夏祭り。

  …もし予定空いてるなら、一緒に行かない?

  …アイツ?

  アイツは誘っても来ないでしょ。

  人ごみ嫌いだし、仕事忙しそうだし…。

  こういうの時間の無駄って言いそうじゃん?

  だから、内緒で2人で行こ?

  (B:トイレから戻ってくる)

  B:…何やってんの?

  A:別に何もやってないけど?

  B:そのわりに、お前ら距離近くね?

  A:気のせいでしょ。

  さっきもこれくらいだったし。

  (A:スマホの着信が鳴る)※ 出るまで鳴らし続けてください。

  B:電話、出ねーの?

  A:あぁ…今はいいかなぁって…。

  B:相手、誰?

  A:……母さん…。

  B:だったら、今すぐ出とけ。

  親からの電話、後回しにしたら面倒なことになんぞ?

  A:(溜息)はぁ…。

  ごめん。

  ちょっと電話出てくる。

  (A:退席)

  (※ スマホの音、ここまで)

  B:さっきさ、アイツと「夏祭りに行こう」とかなんとか言ってるの聞こえたけど、行くの?

  ふぅーん。

  『俺抜きで』ね…。

  (小声で)やってくれんじゃん…。

  別に、なんでもない。

  で、行くの?行かないの?

  どっち?

  …迷ってんだ…。

  なら、行くなよ。

  アイツと2人きりになってほしくねー…。

  もし、どうしても行きたいんだったら……俺と一緒に行かね?

  (A:電話を終えて戻ってくる)

  A:いやぁ…ごめん、ごめん。

  なかなか切らせてくれなくって、遅くなっちゃった…。

  B:もっとゆっくり話してこいよ…。

  A:んなことするわけないじゃん。

  ……なんか空気悪くない?

  B:その元凶はお前な。

  A:えっ!?

  俺!?

  B:俺抜きで、コイツのこと夏祭りに誘ってたじゃん。

  A:…聞こえてたんだ。

  B:抜け駆けしやがって…。

  そういうのはナシっつー話だったのに…。

  A:えっと……話、見えないよね…。

  今までずっと隠してたんだけど、俺たち2人、学生時代の頃から君のことが好きなんだ。

  でも、3人でいる楽しい時間を壊したくなくて、抜け駆け禁止の約束をしたんだよ。

  B:で、コイツが勝手に約束を破ったと…。

  A:俺らも、そろそろいい歳じゃん?

  周りも結婚とかしてるし…。

  そういうの見せられたら、焦るつもりなくても焦っちゃって…。

  B:まぁ、分からんでもないが…。

  だからって、抜け駆けしていい理由にはなんなくね?

  A:ごめん…。

  B:別に怒っちゃいねーよ。

  俺もさっき夏祭りに誘ったし。

  これからは本気出してくから。

  A:マジで…?

  B:当たり前。

  欲しいモンは絶対手に入れる。

  たとえ、相手がお前でも。

  A:……そっか…。

  選ばれなくても恨みっこナシな。

  B:望むところ。

  A:俺らだけで話進めててごめん。

  君の気持ち、無視しててごめん。

  この3人が友達でいるのは今日が最後。

  もう今までみたいに、気持ちを抑えて近くにいるのは無理。

  夏祭りに一緒に行くの、俺かコイツか、どっちか選んで?

  B:無理に今決めようとしなくていい。

  来月の夏祭りまでに決めてくれりゃいいから。

  今更ひと月待つのなんかどうってことねーよ。

  今までさんざん待ってたんだからな。

  A(Bと同時に):君が好きだよ。俺と一緒に夏祭り行こ?

  B(Aと同時に):お前が好きだ。俺と一緒に夏祭り行こ?

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