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相撲×ムッチリ体型(熊)×少年と青年

  放課後になると決まってある種族が何処かへと駆けていく。

  それも2,3人の話ではなく数十人単位での熊獣人の少年達が下校をしている。お互いにクラスは違えど小学生の列が並んでいると思えば最後尾では中学生くらいの熊獣人も数人はいる中でとある場所へと向かう。

  やってきたのは都会

  ハンバーガー、ゲームセンターが立ち並ぶ駅構内の飲食店に目もくれず目的の場所にたどり着く。駅より徒歩10分にある郊外に木造平屋の大きな家に押し寄せる熊獣人達はバックに持ってきた廻しを取り出して仲間同士で付け替えて部屋入りを始めた。

  すると出迎えてくれたのはガタイが良くムッチリなお腹が特徴の熊獣人が笑顔で接してくれた。彼とは少年たちよりも10歳は離れている。ここは熊獣人専用の相撲教室――

  「よし、出席を取るぞ。まずは少年部からだ」

  少年部の熊獣人は10歳から11歳が多く、中学生の生徒は20人くらいだが全体的に多い。月ノ光部屋という熊の中でも種類としてツキノワグマ種で彼らは好成績を残しているほどの有名な部屋なので入部希望者が絶えないと言う。

  「よし、少年部の方は全員いるな。次は…」

  青年部の出席に取り掛かろうとしたが少年部の年長の1人が質問で手を上げる

  「先生、今日練習とかを早めに切り上げてもいいですか?」

  「何か予定があるのか?」

  「予定ってわけではないですが本場の試合を見たいかなって」

  後ろに掲げているカレンダーを見ると今日に二重丸の印が付けていて青年部の1人もその予定のことを忘れていたと少し考える。

  「そうだな。今日は白熊たちの相撲大会が開かれる日だったな」

  「本場の試合が見られるの?やったー!!」

  「但し、少年部の15歳と青年部の数人が行くだけだ。神聖な舞台でふざけていたら床掃除とかさせるからな」

  少年部のブーイングが響き渡るも年長の子がレポートに纏めてみんなに教えてあげるよと宥めて約束する。さて青年部の熊獣人は16歳から30歳のムッチリ体型の熊獣人が稽古を教えていく。青年部でも優勝カップを取るほどの実力を持っているので地域にいる人は皆がその月ノ光部屋を認知するほどのものだという。

  この日は白熊たちの相撲大会が開かれるので早めの稽古をつけて15歳の少年部と青年部の数人が国技館へと足を運んで少年部たちはお留守番で追加の稽古をしていた。しかし子供たちは好奇心旺盛で20人の少年部達がコソコソと悪巧みを考えている。

  「俺たちも白熊たちの相撲大会が開かれる国技館へ行こうぜ」

  青年部の数人がいるので後を付けられていたことがバレたらお尻を叩かれることは確定だ。そこで熊たちの鼻を使って後を追うのだと言う。

  熊の嗅覚は鋭いため仲間の匂いを頼りに行くことが可能であるため、年長の子と一緒に居た時間がここで生きていく。

  「俺たちが行っても大丈夫なのか?」

  「子供でもお金があれば行けると思うよ」

  熊の種族の為に作られた国技館はツキノワグマ種だけでなくヒグマ、シロクマ種の相撲大会が開かれる。中にはアマチュア・プロが入り混じる混合戦も行われるほどのものでひと月を通してニュースで報道特集が組まれるほどの人気なスポーツとして活気づいている。

  尾行されていないかと何度も後ろを振り返っては心配そうに見ている少年部の年長者。

  「どうした?あいつらはもう帰っているだろうよ」

  「付けられていないのか心配で…」

  考えすぎだよと青年部の数人が笑いながら歩いて15分の所で国技館にたどり着く。会場は土俵を中心に座席が展開されており近場から展望席と約300名が収容できる観客動員数を誇る。既に会場ではシロクマ種の力士がぶつかり稽古を始めていた。

  直に見ると迫力が違うなと少年部の年長者は心に決意を抱く。

  「そうだ。もうすぐで青年部に昇格だけどこのまま相撲教室は続けるのかい?」

  16歳を迎えた熊獣人は青年部の仲間入りを果たす。

  高校も両立しながらの生活は大変なのでここらでリタイアする少年部も少なくないだとか

  「親と相談したんですが学校が隣街なのでここでリタイアします」

  「無理もないさ。若いもんは勉強が一番だからよ」

  少年部の年長者は最後に国技館で開催されるシロクマ種の相撲を見学するために来訪して来たのだ。相撲教室はあくまでも自由参加。

  学業や転校にその他の都合で抜ける少年部も青年部も最後に相撲試合を見学すると言う夢のような体験をさせてくれる。

  「そろそろ練習が終わって大将さんが見えて来るぞ」

  のしのしと入り口から入所してくるのは貫禄のあるシロクマ種の力士だ。

  百戦錬磨を勝ち抜いてきた証拠に鍛えられた太ももと腹筋が割れていた。顔つきも凛々しい感じでシロクマ種のエースがやってきたと思われるが足取りが重い――

  怪我でもしたのかと思えばぞろぞろと付いてきたのは少年部の熊獣人たちであった。

  「みんな付いてきて来ちゃったの??」

  少年部の熊獣人20人を叱ろうとするが少年部の年長者に止められる。

  「もしかして僕が離れるのを聞いてた?」

  「…だって俺たち教えられて強くなったんだもん。離れるだなんて嫌だよぉ~!」

  年長者との思い出が込み上げて一斉に泣き出してしまう少年部の熊獣人達。

  騒ぎを聞きつけたシロクマ種の力士がツキノワグマ種の彼らに近づいてきた。

  「こんな小さい子供まで見に来てくれるだなんて。泣くのをおやめ」

  男の子でシャキッとせねばと顔を叩いて気を引き締めてシロクマ種の力士に向かって挨拶を交わす少年部の熊獣人たち。彼らの誠意に胸を撃たれたのか、特別に少年部の熊獣人21人とシロクマ種の力士1人の集団相撲を取り組むことにした。

  力いっぱい押してやろうと円陣を組んで喝を入れた少年部の熊獣人たちがシロクマ種の力士に全力で立ち向かうように押してもびくともしない。微笑ましい光景に青年部の熊獣人もほっこりしたのもつかの間――

  足腰に力を入れて押した時、少年部の熊獣人たちは反撃する間もなく土俵の外に押し出されてしまう。他のシロクマ種の力士が受け止めると彼らは笑い合う。

  十分に遊んだところで少年部の熊獣人たちとシロクマ種の力士が模擬戦の様子を見学することにした。青年部の熊獣人から怖い視線に怯えながらも…

  観客席には模擬戦を見るために多くの人が集まる。

  今日は少なめだが千秋楽では満席になる日も連日続くだとか――

  「見合って見合って…はっけよ~い――のこった!!」

  勢いよく繰り出される足と巨体同士がぶつかり合う音が国技館に響き渡る。

  張り手の音もよく鍛え上げられた努力があるんだなと少年部の熊獣人や青年部の熊獣人も一目瞭然だ。しばらくして模擬戦を眺めていて最終戦まで見入ってしまった。

  「みんなのことはお仕置きしないでもらえますか?」

  年長者の少年部の熊獣人はエースと呼ばれていて少年部の間では勉強や相撲のことについて教えてくれた優しくも強いそんな彼も高校が隣町にあることからリタイアせざるを得ないことで最後にシロクマ種の力士が来日することを聞いた彼は密かに計画を立てていたが子供達には筒抜けだったようだ。

  「俺たちも良い経験を得たんだ。今の力をバネに優勝カップを取るぞ~!」

  『おぉ~!!』

  ツキノワグマ種の相撲教室は貴重な経験を得て子供から青年へとスポーツを通して成長していく。今日も入部希望者が何人か見学しに集まったようだ…

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