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とにかく疲れた。年の瀬へ近付くにつれて忙しなさは加速する。足を引き摺るようにアナタは自宅へと歩いていた。
呼吸をするごとに口から溢れるのはため息。外気に触れると白くなったそれは歩くアナタの体を通り抜けていく。
疲れた、という思考しか出来ない。すれ違う人達の賑やかな声も。店の呼び子の元気な声も。
何を聞いても響かない。ただの音として、右から左へ流れていく。帰ったら寝よう。食事を取る気にもなれない。
とにかく横になりたい。そのまま眠りたい。身に付けている衣服がしわくちゃになろうと知ったことか。
どうせ明日は短い休みなのだ、それぐらいいいだろう。
賑やかな駅前を抜け、閑静な住宅街を通り抜け。きらびやかなイルミネーションの意味を思い出すのすら億劫だ。
この一年、本当に長く、忙しなく。とにかく、疲れた。
家が近付く。…そこでアナタは少し、疑問を抱いた。なんで明かりがついているのだろう。
家を出る前にしっかりと消していたはずだが…
鍵を取り出し、ドアの前。中から聞こえるのは換気扇の音。そして換気扇から漏れる、優しいスープの香り。
ドアノブに手をかける。鍵を入れて、回そうとして…鍵が開いている事にアナタは気が付いた。
ガチャ、とドアを開ける。その音を聞きつけたのだろう。
「あ、お帰りなさい、お仕事、お疲れ様ぁ。」
ドタドタと足音を鳴らし台所からダッシュで玄関へと駆けつけてきたのは狼。
大きな体格。寒さなど関係無い、という具合に身に付けているタンクトップと短パン。
パンパンに膨らみ切った胸には谷間が出来上がり、彼が呼吸をする度に上下にばるんっ、ばるんっ、と跳ねる。
盛り上がった背中でで出来上がるくびれ。張り付いたタンクトップにぴっちりと浮かび上がる腹筋。
短パンはかなり大きめのサイズであるはずだが太腿でピッチピチ。今にも弾け飛びそうであり、部位ごとに筋が浮かび上がっている。
その股間の膨らみも、大振りのリンゴが収まっているのかと思わせる。
大きな三角形の耳に、にょろりと伸びた尻尾はぶんぶんと嬉しそうに振られ。
細める目、緩む頬。
アナタのパートナーだ。頼もしくて、誇らしくて。でも、少し引け目を感じてしまう。
自分には不釣り合いなのでは、と。自分で良いのだろうか、と。今でも不安に思ってしまうのだ。
だから今日、誘うつもりも呼ぶつもりも無かった。実際、連絡も取れていなかった。仕事も忙しくいつ帰れるか分からなかった。
「どうしたの?」
狼の、彼の笑顔と空気に。アナタは笑顔を浮かべた。愛想や作ったものでは無い、心の底からの笑顔。自然と溢れ出してしまった。
ただいま、と一言返し。アナタは上着を脱ぎバッグを置くと…狼に早速抱きつく。
ふわふわの毛並み。汗の臭い。雄の臭い。毛並みを押し倒すと逞しく力強い肉体がアナタの体を包み込む。
自然と強張っていた肉体が徐々に解れていく。
疲れた、と一言。あぁ、会えて嬉しいのに。なんでこの一言が出てしまったのだろう。
狼の背中に手を回し、抱きしめ。肉体を密着させる。どく、どく、と心地よいリズムの心音。
「…お疲れ様、よしよし。頑張ってるね。凄いよ。」
狼はアナタの体を抱き寄せるとゆっくりと囁き、アナタの頭を撫でる。大きな手、肉球。太く逞しい指で撫でられるとくすぐったくて、心地良くて、じんわりと幸福感が全身を駆け巡っていく。
いつまでもそうしていたくて、そうされていたくて。
ありがとう、とアナタがふわふわと言葉を投げると狼は嬉しそうに笑い、尻尾を揺らす。
アナタを抱き上げ、狼は玄関のドアを閉めた。
今にも眠ってしまいそうで。でも眠りたく無い。アナタはすんでの所で意識を保っている。
「ご飯作ったけど、食べる?」
狼の言葉に、アナタは首を横にふった。一瞬ですら離れるのが惜しくて。触れていたい。今はただ、この身を委ねていたい。
抱きしめる。胸元から顔を上げて。見つめる。狼の鋭く、けれど優しい光を宿した瞳を見つめる。
ドキドキする。真っ直ぐに見つめ返してくれる狼の瞳にドキドキする。
アナタがそれとなく顔を少し近付けると狼は拒む事なく。
「んっ…」
アナタの唇に、唇を重ねた。啄む様な優しく甘い口付けを交わす。一度、二度。
アナタが吐息を漏らすと狼はアナタの頭を撫でて。今度は深く。
「んふぅっ…」
狼の吐息がアナタの体を包み込んだ。熱い。身を焦がす様な熱。少し生臭く、獣の臭いがする。けれど、嫌じゃ無い。
むしろ、心地よく、ドキドキと鼓動が強まる。腹の奥、腰の奥、へその奥が切なくなる。
ぢゅぶ、ぢゅぶ、と淫靡な音がアナタの口から脳内へ直接響き渡った。絡めた舌は太く長く、逞しい。
狼もまた、アナタを求める様に舌を絡め、アナタの口腔内の粘膜を弄った。
粘膜同士が触れ合うと、ぞくぞくと背筋に寒気に似た快楽が走る。腹の奥の切なさが疼きに変わる。身を悶えさせ、吐息を漏らすとそれは熱く甘く、震えていた。
唾液を交わす。泥の様に濃い唾液。狼の臭いが濃縮されたそれを口に含めば、心地よさと疼きは強さを増していく。
狼の頭に両腕を絡め、必死に抱き寄せると狼はアナタの腰に片腕を回し、もう片方の腕で尻を抱き抱える。
アナタを抱き寄せ、腰を撫で回す。心地よい。甘い痺れがビリビリと、全身へ。
深い口づけで交わす快楽と、幸福感に入り混ざる。
狼はアナタを抱きしめたまま居間へと向かう。居間はとても暖かく、自分の部屋の臭いに狼の臭いが混ざり合って…不思議な心地。
「ぶはっ…んっ…」
狼は居間の真ん中に座り込むとアナタを一心に見つめる。アナタを包み込み、抱き寄せて。
「…疲れてるんだよね、今日はここまでにしておく?」
狼の言葉に、アナタはやはり、首を横に振った。
確かに疲れている。けれど、この疼きも、心地よさも、手放すにはあまりにも惜しい。
アナタは狼の下半身に、股間の膨らみに手を伸ばす。大振りのリンゴ程だったはずの膨らみは、更に大きく膨らみ時折脈動してアナタの手にその熱を伝えた。
欲しい。狼が欲しい。繋がりたい、もっと、もっと深くまで。
アナタは衣服を身につけているのが煩わしくなって。それらを脱ぎ捨てると下着一枚になった。
雄穴が、疼く。逸物が跳ね、下着をうっすらと濡らしていく。長時間衣服を身に纏いながら仕事をしていたせいだろう、むわ、と蒸れた汗の臭いが立ち昇る。
狼はごくり、と喉を鳴らすとグルルゥ、と唸る。先程交わした唾液が垂れて、アナタの肩を濡らした。
普段であれば顔をしかめてしまう様なその臭いも、今は劣情を煽るものにしかならない。
「…うん、分かった。じゃあ、シようか。」
狼の言葉が嬉しくて。瞳に浮かべる光に欲望の色が混ざり、ぞくぞくと背筋が粟立つ。期待に腹の奥が疼く。
もう一度、啄む様な口付けをかわして。
アナタは下着をずらした。
狼は少し腰を浮かせるとタンパンに手をかける。少し焦らす様に、ゆっくりと。
いじわる、とアナタが狼に不満そうな声を上げると、狼は少し困った様に、でも嬉しそうに、楽しそうに。
「ごめんね。…キミのその顔、可愛くて。」
自分はどんな顔を浮かべているのだろう。狼の目に映る自分は、どんな表情?
きっと、それはきっと。狼にしか向けない、向けられない表情なのだろう。
短パンを膝下までずらした。そうすれば溢れ出す、飛び出すのは凶悪な逸物。
狼種といえどここまで大きい逸物はそうそうお目にかかれないだろう。ぐるぐると絡みついた血管はグロテスクに。
狼自身の胸元に届く先端。腹筋をまるごと覆い隠せる竿。こんな凶悪な逸物が入るのか、いや、無理だろう、と最初は思っていたそれは。
アナタに極度の興奮をもたらす。雄穴が収縮を繰り返し、腸液を多量に溢れさせている。
「可愛い。良い子、良い子。頑張ってるね。いっつも凄い頑張ってる。今日も頑張ったね。」
そう言いながら狼はにこやかに微笑み。アナタの頭を撫でながら尻を撫で回す。
慣れた手つきだ。アナタよりもアナタの性感帯を理解しているようだ。ピンポイントでアナタが心地よいと感じる部分を撫で回して。
やがてその手が、アナタの尻の谷間へと伸びていく。指先が触れる。軽く指を曲げて。
雄穴の入り口に入り込むと。ぐい、と引っ張られて。
アナタは快楽のあまり全身をびくんっ、と跳ねさせた。目尻が下がっていく。声が上ずって、漏れ出てしまう。
アナタの雄穴を拡げる狼の指。それは太く熱い。雄穴を通り抜け、雄膣を撫でる。圧迫されると外へ押し出そうと自然と蠢く。
数度抜き差しを繰り返すと、アナタの雄穴はあっという間に拡がり…淫猥な香りを居間に立ちこめさせた。
「それじゃあ、入れるね。」
アナタの尻をがっぷりと掴み、狼はアナタの体を浮かせる。こくこく、と頷きアナタは視線を下ろした。
禍々しく、凶悪で、蠱惑的な逸物。先走りを溢れさせ、竿がうっすらと濡れて。今からこれが自分の中に入るのだと思うと、腹の奥の疼きが強まって。腸液が溢れ出してしまう。
アナタのリアクションに狼は嬉しそうに口角を上げた。そのままアナタの雄穴に逸物の先端を充てがう。ぐちゅぐちゅと粘液の擦れる音。心地よい熱。
吐息を漏らし。アナタは荒く呼吸を繰り返した。
…ず、ぶぐぅっ♥
アナタの雄穴を拡げる肉の塊。熱。密度。全てがアナタを絶頂へと導いていく。
声を抑えることが出来ない。あまりの快楽に頭が吹き飛びそうになる。何も考えられなくなる。
「グゥゥゥッ…!うっ…ぅぅっ、ふぅぅぅっ…!」
アナタの雄穴に逸物をねじ込むと狼は大きく息をついた。
アナタの雄穴は狼の凶悪な逸物をあっという間に飲み込み、アナタに、狼に莫大な快楽をもたらす。
雄膣を割り拡げられる。肉で圧迫される。前立腺を押し上げられる。全てがアナタの疼きと幸福感を快楽へと昇華させて。
蕩けた声を抑える事が出来なくて。アナタは狼の肩に抱きつき喘ぎ続ける。
「きもち…いい…凄い気持ちいい。そっちはどう?」
気持ちいい。とても気持ちいいと。言葉がするりするりと出てくる。ただその言葉が、ちゃんとした言葉になって狼に届いているか、アナタには分からない。
崩れて蕩けて淫猥に響いているかもしれない。けれどそれでも構わない。
アナタの体は快楽に貪欲に。咥え込んだ狼の逸物を吸い上げ、扱き、撫で上げ、収縮を繰り返す。
「良かった。じゃあ、動くね。」
言うや否や。狼はアナタの体を、自らの腰を動かし始める。
ずるるぅっ、と半分程抜き取られた逸物が再びアナタの中へ収まっていく。腸壁を圧迫される。前立腺を先程より鋭い角度で抉り上げられる。
先走りと腸液が混ざった液体が潤滑油がわりに、先程よりもよりスムーズにアナタの中へ収まる。
心地よい。快楽。恍惚。充足。幸福。あぁ、言葉では表せない。
上ずる声が大きさを増していく。狼の背中にまわした両腕。強く抱きしめると爪を突き立ててしまう。けれど狼は何も言わない。
「フゥゥッ、フゥゥッ、フゥゥゥッ!!!」
ずぢゅんっ、ぐぢゅんっ、ばぢゅっ、どぢゅんっ♥
下腹部から繰り返し繰り返し聞こえる肉の音。狼の唸り声。血走る目。
アナタを求めて止まない獣の、雄の相貌。
喘ぎ声を上げながら、アナタは狼に強く抱きつき、唇を求める。狼の長いマズルに口付けをする。それが合図。
狼は腰を振りながらアナタの唇を貪った。先程と明確に違うのは強さと激しさ。思いやりが無いわけでは無い。だがそれでも。アナタを自分のものにしたいという明確な意思。
「ぶはっ、んぅ“っ、フゥ“ゥ”ゥ“ッ!!」
毛並みを逆立てながら。アナタの唇を夢中で貪り、腰を振る。逸物がびくんびくんとアナタの中で暴れ回り膨らんでいく。
竿の根元に亀頭球が浮かび上がりアナタの尻をこつんこつんと叩いて。
ぞんっ、ぞくっ、ずくっ、と。腰の奥の疼きが一層強まり、今にも弾け飛びそうになる。目が自然と上に向いてしまう。
唾液を飲み込む余裕もなく、ただただ狼に強く抱きついて。雄穴を締め付ける。自らも腰を揺らすと、快楽は天井知らずで。
「グルルゥゥッ!!!ゥゥゥゥッ!!!」
狼の唸り声が太く低くなる。絶頂が近いのだろう。それは自分も同じだ。だからアナタは、淫らに声をあげた。
雌犬のようだと思っても。なんだって、いい。狼が絶頂を解き放つ事が出来るのなら。
腰を前後左右に。雄穴を締め付け。雄膣に、へその奥に、腹の奥に力を込めて。狼の逸物を包み込めば。
「ガッ、ァ”ァ“ァ”ッ…!で、るッ…!!!ゥ“ゥ”ゥ“ゥ”ォ“ォ”ォ“ォ”ンッ!!!」
びゅぐっ…どぼぼぶびゅるぅぅっ♥ごびゅっ、ぐびゅっ、ぼびゅぅっ♥ぼびゅるっ、ぼぶびゅるぅっ♥
注ぎ込まれる。アナタの中に、狼の熱く濃い欲望が注ぎ込まれていく。それは何よりも尊く、愛おしい。
意識が飛びそうになる。目の前がチカチカと明滅を繰り返して、アナタの全身を凄まじい幸福感が包み込んでいく。
溺れていく。波に溺れていくような心地。
それがどこまでも、心地よくて。ぽっこりと膨らんでいく腹と、ぜぇぜぇと呼吸を繰り返す狼の両方を見比べながら。アナタは狼の唇を貪った。
真夜中になってしまった。もう明け方も近付く頃だろう。
シャワーを浴び、さっぱりとして。でも腹の奥にまだ狼の種は残っていて。熱くて、体を動かす度にたぷたぷと波打つ。
テーブルの上に並べられたのは簡素な料理。野菜をたっぷりと入れたポトフ。唐揚げ。そして小さなケーキ。
あぁ、そうか。疲れていて、忙しなさに追い立てられて、すっかり忘れていた。
今日は。
「メリークリスマス。」
どこの誰とも知らない聖者の誕生日。
けれど今は、感謝しよう。こうして、狼と、愛おしい相手と共に居られる瞬間を。
アナタはにっこりと。心の底から。疲れも何もかも忘れた、素晴らしい笑顔を浮かべて。
返す。
メリークリスマス。
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