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自慢の愛車に跨り、漆黒の狼―牙はアクセルを全開し鬱蒼とした森の中をぶっ飛ばしていた。
その左腕にはきらり、とブレスレットが光り輝いている。
まだ若いが、少年の時から戦い続けていた彼にはベテランヒーローと同じような風格が漂い。
こんな所で彼が何をしようとしているかというと。
自分とどこか重なる犬の少年からの依頼。
「僕を助けてくれた、狼さん…あの人を…助けてあげて…!」
大粒の涙を流しながら彼は牙に願ったのだ。
願いを叶え、人々に希望を与えるのは、ヒーローの仕事だ。
狼は、彼に微笑みながら優しくそう教えた。
その笑顔に自分はどれだけ救われたことだろう。今こうして戦い続けられるのは、彼のおかげだ。
そんな彼を失う訳には、いかない。
本当ならヒーロー団に報告をし、対策を練り救出作戦を行うのだろうが…
そんなことをしている余裕も何もない。
彼は一人、臭いを頼りに狼のいる場所を特定し乗り込むことを決意したのだ。
「ハウルさん…!貴方は、俺が…!」
呟く彼はいつの間にか身につけていたロケットペンダントを握り締めていた。
それは狼―ハウルから渡されたもの。少年だった時代に渡された、ハウルの私物。
どんな劣勢でも力強く笑っていた彼。その表情を思い出す。
失う訳には行かない。彼を。
牙は強く頷くとバイクの速度を更にあげた。
薄暗い森の中には不釣合いである幾何学的な建物。その前に牙はバイクを停めた。
余りにも静かで、警備も居ない。本当にここが敵の基地なのか、疑ってしまう。
しかし。スンスンと黒い鼻を鳴らして臭いを嗅ぐとハウルの臭いはここからしてくる。
ここにきっと、ハウルが居る。助けを今も待っているはずだ。
「あの人は…大丈夫。俺より、ずっと、ずっと強いから。」
幾度も戦場を共にしたことがある。
何度も助けられた。何度も助けた。
思い出すのは彼の逞しく、頼れる背中。そして笑顔。
どんな苦境でも。決して。くじけなかった。
ヒーローとしての力は牙に劣っていた。しかし。
強い精神力を持つ彼。こんなことに、屈したりしないはずだ。
ふぅ、と自分を落ち着かせるために瞼を閉じ呼吸を整えて。
目を開く。
「変身ッ!WAKE UP!」
力強い言葉に、左腕につけていたブレスレットが一際強く光輝いた。
その光はどんどん強さを増していく。そして牙を包み込んだ。
少しずつ光が収まっていくと。
後に残っているのは牙であり、牙でない存在。
漆黒のスーツ。黒いサングラス。首元には柔らかそうな―しかし弱点を守り、かつ動きやすい―毛皮のようなマント。
仮面ビーストブラックDX。それが、今の彼だ。
「…行くぞ。」
機械によって加工された音声。それに並々ならぬ決意を込めて。
彼は静かに、力強く。構える。そして。
「…はぁっ!!」
道を塞いでいた扉をぶち壊した。
ガゴォォォン、と凄まじい破壊音。ぱらぱらと舞い散る瓦礫の欠片を纏い、牙は基地の中へ侵入した。
中には侵入者を迎え撃つようなシステムも、ましてや人の姿もない。
警備がザルなのか、それとも。
なにか不穏なものを感じながらも牙は慎重に基地の中を進んでいく。
ハウルの臭いは、どこからだ?
すんすん、と鼻を動かす。ハウルの臭いがあちらこちらから漂ってくるのだ。
同時に漂ってくる臭い。それが何のものなのか、彼には分からない。
青臭いような、生臭いような。でも血の臭いではない。
この臭いはなんだ?
『こんにちは、正義のヒーローさん?』
突然基地の中に小ずるそうな声が響いた。牙は思わず構え牙をむき出し唸った。
素早く視線を動かすと…天井からモニターが降りてきた。
そこに映し出されたのは狐。楽しそうな表情を浮かべている。
「てめぇ!ハウルさんはどこだ!」
画面越しに届かないであろうことは彼にも分かっているが、思わず吼える。
しかしどこからか声を収集しているのか狐は楽しそうな表情のままカメラの前から離れる。
『ハウル?あぁ、あの狼ですか?』
目を凝らすと、カメラ越しに写ったのは。
『んはぁぁぁぁ!ちんぽっ、しゃいこうれしゅう!!せーえき!たくさん!』
大量の精液を浴びながらだらしない嬌声を上げ雄達に奉仕をする狼の姿。
蕩けた表情はもはや理性の欠片もないように見られる。
ただ肉棒から噴き出す精液をあび、肛門に肉棒を受け入れ、筋肉で形作られた豊満な胸を使い肉棒を扱き。
『んはぁっ!あづいぃっぃぃぃ!イグぅぅぅうぅぅ!!』
そして自らも大きく勃起させた肉棒から精液を噴き出し、全身をびくびくと痙攣させる。
その様子に牙は絶句する事しか出来なかった。
何を、彼らは何をしているのだろうか。知らない、あんなこと。
性行為…?男同士で?なんだ、なんなんだ、これ。
しかしハウルの淫らな嬌声を聞くたび、精液を噴き出す肉棒を見るたび、精液に彩られる肉体を見るたび。
頭の奥がじんじんとしてきて、体の一部に血が集まっていく。
スーツ越しにでも分かるほど、自分の肉棒が硬く大きくなって。
『あがぁぁぁあぁぁっ!ひぎぃぃぃ!』
悲鳴のような嬌声。しかしそのマズルでじゅぶじゅぶと数本の肉棒をくわえ込みしゃぶりつくそうとしている。
そこで狐がカメラに写りこみにやり、と笑った。
『今じゃとても素晴らしい肉便器ですよ。私達のいい性処理道具です。ね?』
振り向きハウルに尋ねる狐。
『は、はひぃ!お、おれはぁ、ごしゅじんさまたちのぉ、せーえきをそそがれてぇ、いっちゃうぅぅ!へ、へんたいぃぃ!にくべんきれすぅぅぅ!あがぁぁぁっ!いぐぅっ!まだいぐのぉぉぉ!』
壊れた言葉を撒き散らしながらびゅるびゅるびゅると何度も出したとは思えないほど濃く大量の精液をハウルは噴き出した。
蕩けて崩れた表情。でも、それでも。
牙は叫ぶ。
「ハウルさん!俺の声、聞こえますか!?牙です!貴方と一緒に戦った!」
『んひぃぃぃぃっぃ!せーえきもっとぉぉぉ!もっといぎだいぃぃぃ!』
牙の叫びは、壊れた彼には届きそうにもない。
絶望がその身を焦がす。その時。
がたん、と背後から音がした。そして前からも音がして。
どうやら閉じ込められてしまったようだ。
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