第二部 1/2 妊娠させ合った獅子王と虎王のお忍び散歩

  私、獅子王国のシシド王は大きく膨らみ妊娠した腹を抱えながら頭を抱えていた。

  頭を抱えて悩んでいる原因は明確だ。何故なら敵対する獅子王国と虎王国はお互いに犯し合いの戦を繰り広げた結果、王国民全てが敵対する王国民の子供を互いに妊娠させ合ってしまったのだ。

  本来ならあり得ないはずなのに、予想外の妊娠が起きて両国の政治も戦場も混乱状態なのだ。

  かくいう私も、国王として戦場に出て犯し合いの戦いに励んでいたため、同じく戦場に出てきていた敵対する虎王国のタイガス王と犯し合いの戦いをズッコンバッコン行った結果、お互いを妊娠させ合ってしまっていた。

  私とタイガス王はどうにか休戦協定を結んだのだ。

  その後は大変だった、どちらの王国も相手の言い分を飲むことになってしまったので反発が耐えなかった。

  しかし王国民全員が妊娠してるので誰も動けず、戦を再開させることなどできず、仕方なく和平を受け入れていた。

  そうして二つの国の王国民同士は、戦の最前線で野営地を張っていたお互いの国境付近で、二か国の野営地を合わせて一つの巨大な野営地を発展させた町を作り、妊娠させ合った相手と共に暮らしていた。

  他にもお互いに戦で攻め合った町で二つの王国の王国民が妊娠させ合った者同士暮らしている。

  獅子王国と虎王国が停戦協定を結んだことを条件に、近隣の他獣人国から医者や看護師を派遣してくれたので妊娠した者達の面倒を見てくれている。

  しかし頭が痛いのは、獅子王国民と虎王国民同士の仲が悪く、妊娠した腹を抱えての喧嘩が絶えないのだ。

  どちらの陣営もいつ戦を再開するかを待ち望んでおり、王と言えどもどうにかできることではなかった。

  王国民達も自らの意思で虎王国との争いを望んでおり、私も虎獣人は憎いが王国のことを考えると戦は難しい。

  野営地では妊娠した獣人同士の乱闘や犯し合いが絶えず、日々どこかしらで罵声と喘ぎ声が響いていた。

  私は王として妊娠で困っている王国民に寄り添う姿勢を見せるべく、王都を離れ二か国の野営地を発展させた町に身を置いていた。

  しかし、それは妊娠させ合ったタイガス王と同じ場所に住むためでもある。

  私とタイガス王は、お互いの腹の中にいる赤子のことが心配でならず、お互いを自分の王都の王宮に住ませようとしたが、敵国の王の元に住むなどお互いに出来るものではない。

  仕方なく町で王用の屋敷を建てさせて、お付きの者達を抱えて二人で一緒に暮らしているが、敵国の王と共に妊娠した腹を心配し合って過ごすのは窮屈な暮らしだ。

  私とタイガス王はお互いを監視し合い、お腹の中の赤子を見守るという名目で、一つのベッドで寝ていた。

  私が朝目覚めると、お腹の中の赤子は元気に動き回るが、そろそろ出産が近いように感じる。

  私は隣で眠っていたタイガス王に目を向けると、タイガス王も起きたようでお腹を抱えて困り顔をしている。

  シシド王「どうだ?腹の調子は」

  タイガス王「その言い方はよすんじゃ、腹を下したみたいじゃ。」

  シシド王「悪いな、赤子の調子はどうだ?」

  タイガス王「問題なしじゃ、今も元気に動いておる。外に出るのも近いじゃろう」

  異なる種族の雄獣人同士が交尾をして相手を妊娠させた場合、精子を注ぎ込んだ方の獣人種族が産まれるのだ。

  そのため、獅子獣人である私が犯して妊娠させた虎獣人のタイガス王からは獅子獣人の赤子が、タイガス王が犯して妊娠させた私からは虎獣人の赤子が産まれることになっている。

  私とタイガス王は互いの腹に手を当て、お互いの赤子の様子を把握する。

  私はタイガス王の腹に耳を当て、タイガス王は私の腹に耳を当てて胎動を感じ合う。

  シシド王「そうか、そろそろだろうと思ったさ。今日は執務はするのか?もう休んだらどうだ?」

  タイガス王「ほう、ワシを心配してくれとるとは、獅子王国の国王様も虎王国に従順になった証かのう」

  シシド王「ふん、お前のお腹の中にいる私の子供を心配しているだけだ。お前が出産したら殴り合いしてやってもいいぞ」

  タイガス王「赤子がお腹の中にいるうちは虎と獅子の王国も平和かのう」

  シシド王「そうだな…そうだな…?でも新たな争いの火種かもな」

  タイガス王「国境で虎軍人と獅子軍人が勝手に衝突して犯し合ってるからか?」

  シシド王「う~ん、獅子獣人と虎獣人の父親同士が育児方針で揉めて喧嘩したのがきっかけだろ?あとまだ産まれてもないどちらの我が子が可愛いか競っての喧嘩、こんなんばかり報告されてどうしろというんだ」

  タイガス王「どうせいつも射精して賢者となって乱交してるだろ?ワシと貴様も昨夜はそうじゃった。政策を考えねばな、虎王国と獅子王国では子育ての制度も流儀も違うから今後もめるぞ」

  シシド王「そうと決まれば、大臣達を起こさなければな」

  私は寝室のあちこちで抱き合って寝ている妊娠している獅子獣人と虎獣人を見て呟いた。

  昨夜は政策を巡って獅子王国の大臣達と虎王国の大臣達交えての激論となり、お互い乱交状態となったまま寝てしまったのだ。

  

  私は大臣達と朝の激論と乱交を行い頭をスッキリさせた後、帽子などで顔を隠して国王だとバレないようにしながらタイガス王と共に町を歩いていた。

  お腹にいる赤子に外の風景を見せてやっているのだ。

  私は通りの店を見てタイガス王の肩を叩き話しかける。

  シシド王「おい、お前と私のお腹の赤子にあそこの店の人形を買ってやろう、王として店を訪れると騒ぎになるからこういう時がちょうどいい」

  タイガス王「貴様は楽しそうじゃがのう、どうせ人形を買うなら一つだけ買ってやって赤子達に奪わせ合うのはどうじゃ?奪い合うことを教えるのも帝王学として必要じゃろ?」

  そう言うタイガス王の目は歴戦の王らしい本気さと、私をからかっているようでもあった。そう言いながら赤子可愛さのあまりいくつも買ってしまうのだろう。

  シシド王「全く、恐ろしいことを考える父親がいたものだ。」

  タイガス王「なあに、貴様もワシも父親として国王として赤子達を育てなければならないんだ、こういう考えも必要じゃろう。虎王室と獅子王室の帝王学を教え込むんじゃ」

  タイガス王は私の顔を見ながら髭の生えた顔の上に意地の悪い笑顔を浮かべている。

  私とタイガス王の手はそっと触れ合い、お互いの肉球を握りしめた。

  既に何度も犯し合っている身だからこれくらいの触れ合いは何ともないはずだが、お互い初々しく緊張してしまう。

  シシド王「長年虎王国に対抗するために継承されてきた獅子王室の教えも、遂に虎王室と混ざるのか。なんだか私とお前の血が混ざっていくようだな」

  タイガス王「既にお互いを妊娠させ合ったんじゃ、何も変わらんよ」

  私とタイガス王は妊娠させ合ったことで仕方なく一緒にいるが、相手に好意を感じてしまっていることは分かっていた。

  お互いを見つめる目が敵意を持っていた時と明らかに違うのだ。朝目覚める度にお互いを愛おしく見てしまうが、相手にべた惚れだと分かれば、駆け引きに利用されてしまいそうだ。

  敵味方に分かれていることを思い出し、必死に憎い視線をを向け合っている。実際執務をしているときは、二つの王国の国王という立場で対立ばかりで憎たらしい。

  私とタイガス王が正直になるのはベッドでお互いを求め合う時やこうして手を握り合う時、何も言わずにお互いの身体を触れ合わせて感触を確かめ合う。

  お互いの腹の中にいる赤子を気遣うのではなく、お互い自身を気遣いあっている時が確かにあった。

  私とタイガス王は近くの花園のベンチに座り休んでいた。

  私とタイガス王は妊娠させ合ったことで思わぬ時間を共に過ごしていた。今までは王国同市の対立で会談や犯し合いの戦で敵として出会ってばかりだというのに、今は二つの王国をどう取りまとめるか話し合い協力するパートナーとなっていた。

  お互いにいつ寝首をかかれるやらという不安もあるにはあるが、今は共に過ごして赤子の様子を見守り合いベッドを共にする関係を続けたい。

  私とタイガス王は互いに目を向けず、遠くの花や景色をまっすぐ見ながら語り合っていた。

  シシド王「なあ、お前。赤子の名前は決めたのか?俺の腹の中にいるのは虎獣人だからお前が名付けてくれないと困るんだ、虎獣人の名前の種類がよく分からん」

  タイガス王「そうか、ワシも困っていたんじゃ。お腹にいる獅子獣人の名付け方が分からん。ダサい名前をつけても可哀想じゃからな。名付けてくれるか?」

  シシド王「ああ、もちろん。お互いの腹の赤子に名付けるか」

  タイガス王「いいとも。そう思って案を温めていたんじゃ。お前の腹にいる赤子は虎の息子だからトランジル、ワシの先々代の国王である祖父の名前を受け継がせたい」

  シシド王「獅子王国を戦で負かした相手の名前を付けられるとは複雑だな。私が考えていたのはレオニール、お前のお腹の中にいる獅子獣人にぴったりだ。獅子王国の偉人の名前だぞ」

  タイガス王「虎王国との戦で活躍した戦士の名前か、身籠っている身としては恥だが、赤子はいい名前だ」

  

  シシド王「どうしてお前と私は王家の生まれなのだろうな。お互い背負うものが多い」

  タイガス王「生まれ持っての国王なんじゃ、仕方ないじゃろ。自由にやりづらいものさ」

  私とタイガス王の手の握り合いは一層強くなり、肉球の湿り気は互いの汗で更に濡れていく。

  シシド王「いつか赤子達に王位を引き継いだ時には、一線を退いて何をしようか」

  タイガス王「産まれる前からもうそんな先のこと考えてるのか?どちらの王位を引き継がせるかも決まってないだろ?」

  タイガス王は私の顔を見て、私の鬣に手を当て撫でてきた。柔らかに毛並みを整えてくれるようだが少しくすぐったい。

  私はお返しとばかりにタイガス王の帽子の中に手を入れて、耳を撫でてやる。

  シシド王「獅子獣人であるお前のお腹の赤子には獅子王家の王位、虎獣人である私のお腹の赤子に虎王家の王位、といきたいがそうもいかないな。」

  タイガス王「ワシとお前は出産を終えたら、しばらくはそれぞれの王都に戻るべきじゃろ?長年の戦を終えたばかりじゃし、ベビーブームで色々行う施策も多い。虎獣人は虎王国、獅子獣人は獅子王国で育てる。お互いの赤子をお互いに引き取り合って離れて暮らすじゃろ」

  シシド王「その予定だが、腹違いの兄弟を引き離してしまうのは心苦しいなあ」

  タイガス王「貴様も納得したことじゃろうに。貴様が赤子をどちらも私の王都で育てさせてくれれば解決するんじゃ」

  シシド王「それを言うならお前が赤子二人を私の王とで住まわせてくれれば良いんだ、そうもいかないから仕方ない」

  タイガス王「まあそうじゃな、お互い王家の者として難しい立場だな。話していても気が滅入る、そろそろ行くか」

  私とタイガス王はベンチを立って町の通りに進み歩き始めた。

  すると。妊娠した獅子獣人と虎獣人が膨らんだお腹のせいで互いの襟首をうまくつかみ合うことが出来ずに腹をぶつけて罵声を飛ばし合っている。

  よく見る光景だから珍しくもなければ、誰も止めない。誰もが別の獣人と喧嘩してしまっているので日常茶飯事だ。獣人の身体は丈夫だから妊娠しながら喧嘩していても赤子にも父親にも影響はない。

  お互い敵同士で犯し合っていたのに、赤子を妊娠させ合ったことで父親同士結ばれて頼り合うことになったことや妊娠のストレスで喧嘩が絶えないようだ。

  獅子獣人A「おい!なんでベビーベッドは虎王国のもの使うんだよ!俺が獅子王国の木材で一から作ったやつでいいだろ!」

  虎獣人B「生後の儀式を獅子王国の様式でやるだと!?俺の子供に獅子王国の儀式なんて受けさせるか!虎王国で行う!」

  獅子獣人C「俺の子供は獅子王国の英雄の名をつける、虎王国の英雄の名をつけてたまるか!」

  虎獣人D「獅子の野郎どもめ、俺の赤ん坊への贈り物に獅子王国のミルク粉を寄こす計画立ててやがった!虎の名誉を傷つける気か!?虎王国にもミルク粉はある!」

  獅子獣人E「お前ら虎獣人め!俺達や獅子王様の事を妊娠させやがって!今夜大人しく寝れると思うな!犯しつくしてやる!」

  虎獣人F「俺達だけでなく虎王様のことも妊娠させたお前ら獅子獣人は許さねえ!どちらがしごき合いに強いかでケリをつけようぜ!」

  周りには妊娠した獅子と虎獣人達の人だかりができてどちらが勝つか賭けをしている者もいる。私とタイガス王もそれを見ながら楽しんでいた。

  シシド王「ほう、やってるやってる、獅子獣人が勝つな」

  タイガス王「どうじゃか、虎獣人が勝つに決まっておる」

  シシド王「二つの王国の争いはいつまで続くんだか」

  タイガス王「まるで他人事じゃな、ワシらが争いの理由にもなっておるのに」

  シシド王「仕方ないだろ、私とお前は王国の象徴。長年の敵相手に仲良くできるか?お互いどちらが上か競うものだ」

  タイガス王「…もし、ワシと貴様が結婚したとしよう、もしもだ。二つの王国の王国民達は、ワシと貴様のどちらがベッドではタチウケかを探るじゃろう。ワシがタチだと分かれば虎獣人が獅子獣人に対して上に立ったつもりになるし、貴様がタチだと分かればその逆もある。意地を張り合って二つの王国民同士で犯し合い始めるぞ?」

  シシド王「じゃあこのまま元敵として睨み合っている仲を過ごすか、子供がいるから仕方なく付き合っていることにしよう」

  私とタイガス王は腹を抱えながら歩き始めようとするが、タイガス王が突然腹を抱えてしまった。

  タイガス王「うっ…こ、これは…」

  シシド王「どうした?まさか産気づい…ああ…私のお腹も…」

  私の腹の赤子がもうすぐ産まれようとするのを感じる。私とタイガス王はお互いの腹に触れ合いながら悶えて意識が遠くなってしまう。