スペシャルクッキー、そのクッキーの袋には稀にチケットが印字されているものがある。
そのチケットはとある洋館への招待状のようなもので、手にして行く者を決めると即座に行く事が出来るという摩訶不思議なチケットである。
そしてアリス・ツーベルクとなりそのチケットを手にした彗月流可は親友でユージオとなった葉月と行く事にし、玄関から出るや即座に現れた光る階段を上るとその先にあった青と白を基調とした洋館へと入っていった。
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[ようこそ当館へ 順路に従い進んでください]
葉月と流可を出迎える一枚の看板、それに従って矢印の方に進んで部屋へと入るとそこには額縁を伴った真っ白なキャンバスが壁にかけられていた。
「これは・・・額縁?」
「いや、キャンバスがセットされてるけど・・・何も描かれてないな。」
一体なんの意図が、葉月も流可もジッとそれを見つめる。
するとその時、
「あ、あれ・・・?」
葉月の身体が水色に、
「か、身体が・・・。」
流可の身体が黄色に染まりだしたかと思うとその身体はチャプチャプ音を立ててながら至る所で波を立てだした。
また頭の先から足の先まで水色黄色に染まると、
「「あ。」」
という声をともに葉月と流可は溶解、バシャッと音を立てその場に溜まりを作ったかと思うと今度は壁を伝ってジュルルと真っ白キャンバスに吸い込まれていく。
そして一滴残らず葉月と流可を吸い込むとキャンバスには抽象的にデフォルメされた水色の少年、同じく抽象的にデフォルメされた黄色の少女が描かれた。
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シーンと静まり返った部屋の中、葉月と流可を吸い込み絵を作り上げたキャンバスは少しするとドボドボと音をさせながら水色黄色の液体を噴き出させ床へと流していく。
ドボドボドボドボ
キャンバスから次々出てくる液体、それに伴ってキャンバスに描かれた絵は薄くなっていく。
そして絵がすっかり消えてしまうと床には水色黄色の液体の溜まりが出来上がり、その溜まりはゆっくり盛り上がりながら形を作っていくとユージオ葉月とアリス流可へと戻った。
「はぁ・・・ふぅ・・・。」
「なんか・・・よかったぁ・・・。」
顔を緩ませながら見合う二人、興奮冷めやらぬ内に二人は次の部屋へと入るとそこには台が一つあった。
黒く重そうな金属の台、それを見ると二人はその上に乗ってみたいという考えが頭に浮かびその台へと向かうと仲良くその台へと乗る。
すると今度は葉月の身体が金、流可の身体が銀へとその色を変えていくと同時に身体の起伏を失っていく。
「あ・・・こ、今度はぁ・・・。」
「何にぃ・・・。」
身体を震わせまた変わっていく身体を見つめる葉月と流可、起伏が失われ十分すぎるほどの艶やかさを身体が得ていくと二人の顔から目や鼻や口が消えていく。
また手足の指がくっつき合い一つとなると葉月の腕は流可に、流可の腕は葉月に長く伸びながらグルグル巻きついていき頭部はまた目鼻口などを無くしながらツルツル卵のようなものとなる。
そして葉月と流可の身体の震えがピタッと止まると・・・台の上には抱き合う人間と思われる形をした全身ノッペリの金と銀のオブジェが存在していた。
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コトコト コトコト
それから少しして震えるオブジェ、ツルツルととして起伏の無いそのボディに起伏が戻っていくと金と銀の肉体が元の色を取り戻していく。
「・・・ぁ・・・はぁ・・・。」
「ぅ・・・むぅ・・・。」
口が戻ってきて息とともに声を吐く葉月と流可、手が裂け指が戻ると卵のような頭部は人間の頭部へと戻っていく。
そして二人の身体がユージオとアリスの姿へと戻ると二人はドタリと台座から腰を下ろし、今度は何になるのだろうかとドキドキと胸を高鳴らせながら次の部屋へと入るとそこには一枚の大きな皿が存在していた。
するとその刹那、葉月の身体が黄色く染まりながら人の形を崩しだす。
「俺ぇ・・・今度はどうなってぇ・・・」
「葉月君・・・なんか甘い香りがする・・・。」
蕩けた顔をしながら変形していく葉月、流可のその言葉通り全身から甘い香りが放出されており身体のてっぺんと底はペタンと平らになっていく。
また流可の身体は茶色く染まっていくと葉月の頭にもたれかか、
「あ~・・・あ~・・・。」
そんな声をさせながら蕩けていく。
そして少しすると二人がいた所にはプルンッと震えるプリンが一つあり、そのプリンが宙に浮かび皿に乗っかったかと思うと今度はどこからともなく更に負けず劣らず大きなスプーンが現れプリンを丸ごと乗せると上へと持ち上がった。
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「「はっ!」」
同時に目を覚ます葉月と流可、一体となりプリンとなったその身はいつの間にやら元のユージオ姿とアリス姿へと戻っていたがプリン特有の甘い香りと何とも言えない気持ちいいような感覚が身体には残っており思わず身体を震わせる。
「こ、今度は・・・。」
「何になるのかな・・・。」
ドキドキしながら次へと移動する二人、すると足を踏み入れた途端二人の顔にムズッと妙な感覚が走る。
何だろうと互いに見合うと葉月と流可の顔、正確には鼻と口の間にピョンピョンと髭が生えている。
猫のような、六本の髭が。
「葉月君、髭が・・・。」
「流可も生えてるよ。」
互いに生える髭を触りながら見つめ合い続ける葉月と流可。
すると次の瞬間、葉月と流可の瞳孔が縦に伸びたかと思うと葉月と流可の身体がシュンシュンと縮みだした。
また手足が人間のそれでなくなっていくと手の平足の裏にはプニプニ柔らかな肉球が出来ていき、顔が前に突き出て人間の顔から変化していくと同時に耳はその形を変えながら頭頂部へと移動、お尻がムズムズしたかと思うと長く伸びた尻尾が生えてシュルンと動く。
そして頭に生える金色の髪と同じ金色の毛が全身を包み込むと・・・
ニャ~
ミャ~
葉月と流可は猫となって服の中から姿を出し、ポンポンと音をさせながら小さなボールがどこからともなく出現すると葉月も流可もそれに飛びついてじゃれたのだった。
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ミャ~
ニャ~
猫としてじゃれ遊び疲れた葉月と流可。
二人のお尻の尻尾がみるみる短くなっていくと二人の身体を包む金色の毛はパラパラ抜け落ちていき、四つ足の肉球が消えて無くなると足は人間の手足へと戻っていき顔も耳が定位置へと戻っていくのに合わせて人間の顔に戻っていく。
そして少しすると二人は元へと戻った、猫となる際に服が脱げたため誕生したばかりの姿だが。
「ひゃ!」
「あわわ!」
思わず顔を赤くし脱げた服で葉月と流可、しかしまだまだ変身したいと思っている二人はそのまま次の部屋に移動する。
すると部屋に足を踏み入れると二人の服がドロッと溶けると同時に二人の身体を包み、手と頭部以外を出すタイツのような格好となった。
また二人の身体がシュンシュンと縮みだすと手足は腕脚が短くなっていくと同時に小さくなっていき、顔はみるみる丸くなって幼くなっていく。
「こ、こりぇ・・・もちかちてぇ・・・。」
「あかたんに・・・なうぅ・・・。」
若返っていく自分たちに驚きながらもワクワクの葉月に流可、脚から力が失われコロンと倒れると二人の口にどこからともなく現れたおしゃぶりが咥えられる。
そしてようやく止まると葉月も流可も小さく可愛い赤ちゃんユージオと赤ちゃんアリスとなり、チュパチュパおしゃぶりをしゃぶりながら目をゆっくり閉じると二人の身体は浮かび上がり軽く揺らされた。
まるで母親にあやされる子供のように。
そんな風に揺らされながら、葉月と流可は思うのだった。
次はどんな変化が待っているのだろうか、と。