ロキドさんが洗脳されて魔術師の番になってしまうお話

  白いタテガミが生えた、狼のような顔を持つ男が海岸に佇んでいた。

  胸、肩、前腕、下腿部は金色の板金鎧で、股間部はベルトに付随したプロテクターで守られている。だが腹部は露出しており、伸縮性のある赤いズボンを着ているため、防具を着けながらも素早く動けそうな格好だ。

  見ただけで武人であると察せられる装いをしているこの男の名はロキド。魔獣と人間の間に生まれたハーフだ。

  以前は魔獣と人間、そのどちらからも迫害されて生きてきたロキドであったが、現在は心を許せる人間の仲間と出会えて穏やかな日々を送っている。

  今日、ロキドは何をするわけでもなく一人でじっと海を眺めていた。普段は人間と魔獣が共存できる世界を目指すべく、必要とあらば悪を屠るために拳を振るっているロキドであるが、仲間たちにたまには休息を取るように勧められたようだ。そして、今に至る。

  「むう……」

  ロキドは、海岸で波音を聴くのが好きだった。だが、今日の波音は何かが違うと感じているようで、腕組みしながら落ち着きなく長い尻尾を揺らしている。

  「何故、こんなに違和感を覚える?」

  ロキドの心臓は、早鐘を打っていた。

  これから、今までに体験した事のない何かが起こる。ロキドは、そう予感した。そしてその予感は、すぐに的中する事となる。

  「こんにちは。君が、ロキドだね」

  背後から聞き覚えのない声がしたため、ロキドは慌てて振り向く。

  ロキドの背後に立っていたのは、フード付きの黒いローブを纏った偉丈夫だった。しかも、ただの人間や魔獣の姿ではない。

  「一体、誰だ? その姿はもしや……」

  「生憎、私には名前が無くてね。私の存在を知る僅かな者は、私を[[rb:魔術師 > ウィザード]]と呼んでいる。それと、お察しの通りだ。私は、人間と魔獣の混血。君と同じだよ」

  魔術師は笑いながら、被っていたフードを脱ぐ。

  露わになった顔は、白獅子に似た姿をしていた。

  「これは驚いたな。まさか、俺と同じようなやつが居たとは……」

  「ああ。人間と魔獣の間に子供が生まれる事なんて滅多に無いだろうからね。だから、同族を見つけるのに苦労したよ」

  「俺を探していたのか?」

  ロキドの問いに、魔術師は深く頷く。

  「そうだよ。……私は、人間も魔獣も嫌いでね。ずっと同族に会って、その同族と[[rb:番 > つがい]]になりたいと思っていた」

  「……特殊な生まれから、人間や魔獣を嫌う気持ちは察せられる。だが、番になりたいだと?」

  「ああ。ロキド。私は、君と番になりたい。一生、君と添い遂げたいと思っている」

  ロキドは目を丸くする。同族に会えただけでも驚きだというのに、出会ったばかりで番になりたいと言われたのだ。彼が衝撃を受けるのも当然であった。

  「待て。俺は雄だし、お前も雄だろう? 番というのは雄と雌がなるものではないのか?」

  「私にとっては関係ないよ。同族であるというだけで、好意を寄せる理由になる」

  「……だとしても、だ。いきなりそんな事を言われても、受け入れがたい。すまないな」

  「ああ。謝らなくても良いよ。そう言いそうだと思っていたから。けれど、こちらこそすまないね。君を番にするためなら、私はどんな手も使っちゃうんだ」

  魔術師がパチンと指を鳴らす。その直後、まるで鼓動を刻むような間隔で、辺りに波音が響き始めた。

  「ぐっ……!? 頭が、痛い……! 何をした……!」

  ズキリと痛む頭を押さえながら、地面に膝を突くロキド。そんな彼を見下ろしながら、魔術師は語り始めた。

  「私は水の精霊の加護を強く受けていてね、水を使った魔法を使うのが得意なんだ。だから水辺では、こんな風に水音を使った魔法が使える」

  「水音を使った、魔法だと……!?」

  「ああ。音は心を揺さぶるって言うだろう? 私は本をよく読むから知っているのだけれど、心というものは脳が紡ぎ出すものだという考えが最近広まっているようだね。私も、その考えは正しいと思う。音は脳を揺さぶり、相手の考えを変える手段になると知っているから」

  波音のリズムに合わせて、激しい頭痛がロキドを襲う。

  「……よく考えなよ。君について調べさせてもらったけれど、最近、君は人間と仲良くしているみたいだね。でも、人間は私たちとは違う。分かり合える事なんて絶対に無い。勿論、ただの魔獣とも分かり合えはしないだろう。今まで、どちらからも迫害されてきたんじゃないかい?」

  「ぐっ……」

  「君を理解できるのは、私だけのはずだ。君は私の番になるべき。番になるしか、幸せになる道は無いんだ」

  水音と重なる魔術師の言葉が、痛みと共にロキドの脳に刻まれる。徐々に、ロキドの瞳が虚ろになっていく。

  「誰かから強く愛されたいと思った事はないかい? 私なら君を愛せる。私だけしか、真に君を愛せない。君を幸せにできるのは、私だけだ」

  「お、俺は……」

  「さあ、こっちにおいで。私が、沢山愛してあげるよ」

  迫害せずに受け入れてくれた人間の仲間の顔を思い浮かべ、ロキドは魔術師の言葉を振り払おうとした。

  だが、徐々に彼の中である気持ちが膨らんでいく。

  ――同じ境遇の者から愛されたい。同じ境遇の者を愛したい。そんな気持ちが。

  尤も、彼がそんな気持ちを抱いたのは魔術師の魔法のせいである。

  水音を使った魔法で暗示をかけて、ロキドが抱く孤独感と愛欲を増幅させ、優しい言葉をかける。それだけで、ロキドの心を強く揺さぶれる――洗脳できると、魔術師は確信していた。

  「俺には、仲間が……。なか、ま……?」

  ロキドの脳内から、仲間たちの姿が薄れていく。

  「君の仲間は私だけだろう? 番である、私だけだ」

  「番……。そうか、そうだったな……」

  「理解できたようだね。じゃあ、君から私に口付けをしてくれ。その行為を以って、君が私の番であると証明するんだ」

  ロキドはゆっくりと立ち上がった後、覚束無い足取りで魔術師に歩み寄る。

  「すま、ない……」

  自身を受け入れてくれた人間の友に向ける、届かぬ謝罪の言葉。これが、ロキドの最後の抵抗だった。

  謝罪の言葉を吐き出すのと同時に、友の姿がロキドの脳内から消え失せる。

  「んむ……」

  完全に洗脳されたロキドは魔術師を抱き寄せ、口付けをした。

  初めは啄むように優しい口付けだったが、やがて舌を絡ませる激しい口付けへと変化する。

  ――いつしか、鼓動を刻むような波音は止んでいた。代わりに辺りに響くのは、舌が絡み合う淫靡な水音。

  「……ふう。ずいぶん長い口付けをしたね。余程愛に飢えていたようだ。誰かと口付けをしたのは初めてだろうけれど、感想を教えてくれるかな」

  魔術師がパチン、と指を鳴らす。

  「あ、ああ。とても心地良かった。いつまでも、口付けていたいと思う程に」

  「それが君の本音か、嬉しいよ」

  魔術師が指を鳴らすだけで、胸の内を正直に打ち明けてしまう。洗脳済みのロキドは、そんな条件付けをされてしまったようだ。

  「君が激しい口付けをするものだから、こうなってしまったよ」

  魔術師が下衣を脱ぎ、怒張した肉棒を取り出す。

  魔術師の肉棒は、並の人間や魔獣のものとは比べ物にならない程に太くて長い規格外のサイズだった。鈴口からは大量の先走りが溢れ、亀頭が湿り気を帯びて潤っている。

  「顔を近づけてごらん」

  命令されたロキドはしゃがみ込み、巨大な肉棒に顔を近づけた。

  「しっかりと匂いを嗅いで、覚えるんだ。これが君の番の匂いだってね」

  「わ、分かった……」

  言われるがまま、ロキドは魔術師の肉棒に鼻先を押し付ける。そしてそのまま、深く息を吸った。

  ――ロキドの鼻腔に、汗と混ざり合った濃い雄の匂いが満ちていく。

  「今、どんな気分だい?」

  魔術師が指を鳴らし、問いかけた。

  「上手く言葉にできないが、むずむずする……。胸が高揚し、腹の下が熱くなるような……」

  「そうか。とりあえず、その股間のプロテクターを外してみようか。私の想像通りならば、君のペニスははち切れんばかりに膨らんでいるだろうからね。窮屈だろう?」

  ロキドは腰のベルトと、それに付随するプロテクターを外して地面に投げ捨てた。

  魔術師の想像通り、ロキドが履いている赤いズボンの前面は大きく膨らんでいる。彼が性的に興奮し、肉棒を硬くしているのは明らかだった。

  「私の匂いで興奮したようで嬉しいよ。次は、味も確かめてもらおうかな」

  魔術師が笑みを浮かべながら、ロキドの口に肉棒を擦り付ける。僅かに粘り気がある先走りがロキドの口の端に付着し、つう、と滴り落ちた。それが合図だったかのように、ロキドはゆっくりと口を開ける。そして、熱を帯びた舌で魔術師の亀頭を舐め始めた。

  ぴちゃぴちゃと、淫靡な水音が辺りに響く。

  「んっ、はふっ、んん……」

  鈴口、裏筋、そして、大量の精が溜め込まれているであろう陰嚢。刺激すれば快感を得られるだろうと考えた箇所を、ひたすらにロキドは舐める。

  「ああ。良い感じだ。だけど、もっと刺激がほしいかな」

  「んむうっ!?」

  魔術師はロキドの頭を掴み、開いた口へと乱暴に肉棒を押し込んだ。そしてそのまま、乱暴に腰を振り始める。

  「いいね。君の口の中、凄く温かいよ」

  「むぐっ、んっ、んんっ!!」

  肉棒の先端が喉奥を圧迫する度にロキドはえずき、目尻から涙を零す。だが、乱暴な扱いを受けながらも、ロキドの目つきはとろんとしており、恍惚の表情を浮かべていた。愛ゆえの行為であり、幸せな事であると脳が認識しているようだ。

  「まずは一回、君の口の中で射精させてもらおうかな。君があまりにもいやらしい表情を浮かべるものだから、私の精液を飲む姿を見たくなった」

  魔術師が腰を振る速度が上昇する。絶頂が近いようだ。

  さらなる刺激を与えようと思ったロキドは、口を細めて肉棒を吸引するように息を深く吸った。

  「おっと、そんな事されたら我慢できないな。出すよ。私の精液、しっかりと味わってくれ」

  ロキドの口内で魔術師の肉棒が小刻みに何度も跳ね、熱い精が大量に放たれる。

  「んぐ、む、んんっ……」

  青臭く、どろりとした粘り気の強い精。それをロキドは嫌な顔一つせず、喉を鳴らしながら飲み下していく。

  「ふう。気持ちよくて、いっぱい出してしまった」

  射精を終えた魔術師がロキドの口から肉棒を引き抜くと、白濁の糸が魔術師の肉棒の先端とロキドの舌先を繋いだ。それも数瞬の事で、糸はすぐに切れる。だが、目に見えない形で二人を繋ぐ糸は結ばれ、その糸が切れる事は今後決して無い。精の味の余韻を堪能しながら、ロキドはそう感じたのであった。

  「私の精液を飲んだ感想はどうだい?」

  魔術師が、指を鳴らして尋ねる。

  「ほんの少し苦いようで、酸味もあり……不思議な味だった。本来ならば美味いと思うものではないと思う。だが、番が出したものだと思うと愛おしくて、美味いと感じた」

  魔術師の問いに、ロキドは頬を赤く染めながらそう答えた。

  「よしよし、良い子だ」

  魔術師がロキドの白いタテガミを優しく撫でる。目を細めて心地良さそうな表情を浮かべる今のロキドに、警戒心は一片もない。彼はすっかり、魔術師に心を許しているようだ。

  「素直になった君には後でご褒美をあげる。でもその前に、ペニスが元気を取り戻すまで私はちょっと休憩させてもらうよ。その間、君にしてほしい事があるんだけれど、いいかな?」

  「何だ? 俺にできる事ならなんでも言ってくれ」

  ふさふさとした白い尻尾をゆっくりと揺らしながら、ロキドは魔術師の命令を待つ。

  「君が自慰するところを見たいと思ってね。私の目の前で、いつもしているように自慰をしてくれ。君だって雄だから発情するだろうし、普段から自慰をしているはずだからね」

  「むう……。些か、恥ずかしいな」

  「良いんだよ、恥ずかしい姿を見せて。番は、恥ずかしい姿を見せ合うものだよ」

  「そうなのか。それならば……」

  ロキドは自身のズボンと下着に手をかけ、膝上まで下ろした。天を仰いでいきり立つ肉棒が窮屈な枷から解き放たれ、魔術師の前に晒される。

  魔術師には敵わないが、ロキドの肉棒も充分に太く、立派なものであった。

  「あっ、んんっ……」

  右手でしっかりと肉棒を掴んで上下に動かしながら、艶やかな声を漏らすロキド。そんな彼を笑顔で見つめながら、魔術師は指を鳴らしてこう問いかける。

  「いつも、週にどのくらい自慰行為をしていたんだい?」

  「ぐっ、三回は、している、んうっ……」

  「そうなんだ。でも、三回で足りていたのかい?」

  「本当は、もっとしたいと、思っていた……。毎日でも、射精したいと……」

  先走りに塗れた肉棒をぐちゃぐちゃと音を立てて擦りながら、ロキドは魔術師の問いに答えた。

  「へえ。じゃあ、喜ぶといい。これからは毎日私と交わる事になるからね。毎日、射精できるよ」

  「くっ、ふぅ……っ、それは、嬉しいな……」

  肉棒を擦るだけでは物足りなかったのか、ロキドの左手が陰嚢に伸びた。

  左手で陰嚢を揉みしだきながら、右手で激しく肉棒を扱き、恍惚とした表情を浮かべる。そんなロキドに煽られ、魔術師の肉棒はすぐに硬さを取り戻した。

  「君があまりにもいやらしいから、すぐに元気になってしまったよ。約束通り、ご褒美をあげよう」

  「ご褒美……?」

  「うん。自慰よりも、ずっと気持ちいい事をしてあげるよ。ズボンを膝下まで下げて、四つん這いになってごらん」

  命じられた通りにズボンをさらに下げて四つん這いになったロキド。そんな彼の後ろに魔術師は回り込む。そして、ロキドの尻たぶを両手で掴み、左右に押し広げた。

  「綺麗な色をしている。それに、締まりが良さそうだ」

  露わになった薄桃色のロキドの肛門を、魔術師はそう評する。今まで誰にも見せた事が無かった恥部をまじまじと見られたロキドは羞恥で耳を赤く染めつつも、彼の肉棒は何かを期待するようにぴくぴくと小刻みに動いていた。

  「さてと、また魔術師らしい事をするかな。空気中の水蒸気を集めて、粘度を上げてっと」

  「うおっ……!?」

  冷たく、どろりとしたものが肛門に付着したのを感じ、ロキドはびくりと身体を震わせる。これは魔術師が魔法で生成した潤滑ゼリーだ。

  「これと私の指で、じっくりと拡張させてもらうよ。それじゃ、早速指を挿れるからね」

  魔術師は人差し指に潤滑ゼリーを纏わせた後、ロキドの肛門に先端をぴたりと押し当て、力を込めた。

  ぐちゅりと湿った音を立てながら、魔術師の太い指がロキドの体内へと沈み込んでいく。

  「ぐうぅっ……!」

  「痛いかい?」

  「痛くは、ない。違和感はあるが……」

  「そっか。でも安心して。その違和感はすぐに快感に変わるはずだから」

  予言めいた魔術師の言葉が真実になるのはすぐだった。

  魔術師の指先がある一点――前立腺を抉った瞬間に、ロキドの身体はガクガクと痙攣した。

  「うお、が、あああぁぁっ!?」

  射精をしていないはずなのに、射精をしたかのような多大な快感がロキドを襲う。

  「おっ、凄いね。その反応は多分、ドライオーガズムってやつだよ。君はお尻で感じる才能がばっちりあるようだ。流石、私の番」

  「ま、待ってくれ、おかしく、な、があああっ!!」

  魔術師は容赦せず、挿入する指の数を増やしていく。

  二本、三本と指の数が増える度に前立腺を抉る刺激も大きくなり、ロキドが得る快感も増していった。

  「指だけでこんなに感じているんだ。私のペニスを挿れたら、どうなるだろうね」

  巨大な肉棒で奥深くまで抉られたら、二度と元の自分には戻れなくなる程の快感を得てしまうのではないか。ロキドはそう考え、ごくりと喉を鳴らす。

  自分が自分でなくなってしまうかもしれないという不安を抱きつつも、さらなる快感を与えて欲しいという欲にロキドの脳が支配されていく。

  「さあ、どうしてほしい?」

  ロキドの肛門から指を勢いよく引き抜いた後、魔術師は指を鳴らしながら彼に投げかけた。答えが分かり切った問いを。

  「いっ、挿れてくれ……! お前の逸物を、俺の尻に突っ込んで、ぐちゃぐちゃに掻き回してくれぇ……っ!」

  ロキドは地面に顎を付け、尻を高く上げた状態で自らの手で左右の尻たぶを押し広げ、魔術師に肛門を見せつけた。

  色素の薄い肛門が収縮と拡張を繰り返し、魔術師を誘惑する。

  涙を流しながら肉棒の挿入を懇願する今のロキドに、武人としての面影は一切無い。魔術師の前に居るのは、一匹のケダモノ。仲間や使命を忘れ、ただ快楽を貪る道を選んでしまった一匹のケダモノだ。

  「そこまで言われちゃ、期待に応えないとね。挿れるよ」

  魔術師はそう宣言した後、小さく口を開けた肛門に肉棒の先端をあてがい、ゆっくりと腰を前に突き出した。

  「んおっ、おっ、おおおおぉぉっ!!」

  だらしない嬌声を口から漏らしながら、ロキドは全身をガクガクと震わせる。亀頭部分を挿入されただけで多大なる快感を得たようで、ロキドの怒張した肉棒の先端からは大量の白濁液が噴出し、地面に大きな水溜まりを作った。

  「沢山出したね。でも、まだまだ出せるだろう? 全部挿れたら、どうなるかな」

  「うがあああああぁぁっ!?」

  魔術師が全体重をかけて一気に根本まで肉棒をねじ込むと、ロキドは悲鳴にも似た声を上げながらさらに大量の白濁液を水溜まりに放った。

  「ほら、セックスは自慰よりもっと気持ちいいだろう? 私の番になったから、これから毎日セックスできるよ。嬉しいかい?」

  「ああ、嬉しい……っ! お前と、番になれて良かった……っ!!」

  それは魔術師に洗脳されたせいで出た言葉か、はたまた自身の内に眠っていた本性から出た言葉か。どちらであろうとも、今のロキドにとってはさして重要ではない。ただ、番と交わって快感を貪れたらいい。それが全てであるという考えに、支配されているからだ。

  「私も、もう我慢できないな。本能のままに、君の身体を味わわせてもらう」

  「ぐっ、んおっ、あっ、んんんんっ!!」

  魔術師はロキドの腰を掴み、乱暴に腰を前後に動かし始めた。粘膜同士が擦れる湿った音と、魔術師が腰を打ちつける乾いた音。そして、ロキドの艶やかな嬌声が辺りに響く。

  「まったく、こんなに締め付けて! そんなに私の精液を中に出して欲しいのかい!?」

  魔術師が言うように、ロキドは肛門を強く収縮させて肉棒に刺激を与えていた。

  「ああ、欲しい……! お前の精で、俺を満たしてくれ……っ!」

  「いいだろう! すぐに望みを叶えてやる!」

  魔術師がピストン運動を行う度に、淫靡な水音を奏でながらロキドの肉襞が勢いよく捲れる。その度に、二人の身体を電流に似た強い快感が駆け巡った。

  「出すぞ、ロキド! 私の精を全部受け止めろ!」

  叫びながら、魔術師はロキドの奥の奥まで肉棒をねじ込んだ。直後、全身を大きく震わせて絶頂を迎える。

  規格外のサイズの肉棒から放たれる精液の量もまた規格外。二度目の射精だというのにロキドの中に放たれた精液は尋常では無い量であり、彼の腹をまるで妊婦のように膨らませた。それでも彼の体内に収まり切らず、粘度の高い精液が結合部からごぼりと溢れ出る。

  「んおおおおおおぉぉぉっっっ!!」

  熱い精が体内を蹂躙していくのを感じながら、ロキドは大きく仰け反り、何度目かも分からない絶頂を迎えた。同時に、体力の限界を迎えたロキドは脱力し、精液の水溜まりに身を投げ出してしまう。

  「んお、あ、うっ……」

  自らが放った精の温もりを身体の前面で感じつつ、ロキドは幸せそうに笑った。

  「ふふっ。良い顔だ。私が先程言った事を心の底から理解できたようだね。君を幸せにできるのは、私だけだって」

  魔術師が、ロキドの肛門から肉棒を引き抜く。直後、栓を失った肛門から大量の精が噴水のように勢いよく放出された。

  「これからはずっと一緒だよ、ロキド」

  魔術師が、精に塗れたロキドの身体を抱き寄せる。ロキドは残された力を振り絞り、穏やかな笑みを浮かべながら強く抱き締め返した。

  この日を境に、ロキドは世界の表舞台から姿を消す。

  ロキドの仲間であった者たちは懸命に彼を捜索したが、見つけ出す事はできなかった。

  仲間であった者たちは、今後も知る事は無いだろう。ロキドは、大切な番と愛し合う幸せな日々を送っている事を――。

  【了】