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地球侵略日和 番外編1 君に推されたくて? (店主 × バーナド(白頭鷲獣人)
狼の縄張りの店主 料理が上手 狼が大好きな重度のケモナー バーナド 白頭鷲の獣人(怪人) 技術があるものに惚れる反面、支配欲というか、一番になりたいと思ってしまう ちょっとかまってちゃん? ※本編とはちょっと異なる性格かもですが
タイトル
君の一番になりたくて
次の日の夜、店主は商店街の静けさを感じながら店じまいの準備をしていた。外では風が優しく吹き、遠くの街灯がポツポツと灯っている。最後の客が帰り、店内にはほんのりとした温かさとカレーの香りが残っていた。
その時、店のドアが控えめにノックされた。店主は一瞬驚いたが、時計を見てまだ閉店の時間には数分あることに気づく。溜息をつきながらドアに向かい、「すみません、今日はこれで閉店なんですが……」と言いかけた。
扉を開けた先に立っていたのは、銀の羽根が月光を受けて淡く輝く白頭鷲の獣人姿の**バーナド**だった。彼は上目遣いで店主を見上げ、ほんのりと頬を赤らめたまま口を開いた。
「グランと一緒ぐらい……いや、グラン以上にボクを贔屓しろ! ……なんでもするから」
その言葉は、あまりに不意打ちだった。店主は心臓が一瞬で跳ね上がるのを感じ、胸がズキュンと射抜かれたような衝撃を受けた。こんな夜遅くに、わざわざ足を運んでまで、このような言葉をかけるなんて――その純粋な気持ちが伝わり、店主は思わず口元を緩めた。
「バーナド、こんな夜に来てくれてありがとうよ。嬉しい申し出だね」と言って、ニコリと優しい笑みを浮かべた。「ああ、カレーが残っているんだが、一緒に食べるかい?」
バーナドは目をぱちぱちと瞬かせた後、顔を少し下げて恥じらいながらもこくりと頷いた。小さな微笑みが彼の唇に浮かび、店主はその様子にさらに心が温かくなった。
店内は、店主がテーブルを整え、バーナドのためにカレーを温め直す音で満たされていた。バーナドは控えめに席に腰掛け、周囲を見渡して静かにその空間を感じていた。カレーの香りが立ち上る中、心地よい沈黙が流れた。
「お待たせ、熱々だよ」と店主がカレーの皿を差し出すと、バーナドは「ありがとう」と小さな声で礼を言い、スプーンを手に取った。食べ始めた瞬間、その目が少し驚いたように開き、温かな味に満足そうな表情を浮かべた。
「おいしい……店主さんの作る料理は、心がこもっていて、安心する味だね」と囁くように言った。
「そう言ってくれると作り甲斐があるよ」と店主は頬を赤らめ、肩をすくめた。ふたりは月明かりに照らされた店内で、穏やかな時間を共有し、いつもとは違う特別な夜が静かに進んでいった。
店主がふと腕を動かそうとしたその時、**バーナド**の鋭い視線がその傷を捉えた。カレーの香りに包まれた温かな店内に、少しの緊張感が生まれる。店主の手には、まだ完全に治っていない小さな傷が見えていた。
「その傷、痛む?」と、バーナドが静かに尋ねた。
店主は一瞬驚き、そして微笑んで言った。「ああ、料理をしているとこういうのは日常茶飯事さ。気にしないでくれ」と、冗談めかして軽く言うと、カレーを食べるためにスプーンを手に取った。
しかし、その瞬間、バーナドは店主の手首をそっと引いた。その動きには優しさがあり、店主は驚きと共に何も言えなくなった。次に感じたのは、バーナドが嘴を開き、小さな舌がその傷口を撫でる感触だった。
「ば、バーナド君……な、なにを?」と店主は戸惑いの声を漏らした。だが、その問いかけが終わる頃には、ちくりと痛んでいたはずの傷がすーっと消えていくような心地よさが広がっていた。
バーナドは一瞬目を伏せ、誇らしげに小さく微笑んだ。「ボクの方がグランより凄いんだからな……」
店主は思わず息を飲み、次に口を開いた時には、心の中からこぼれるように言葉が出そうになる。
バーナドが店主の手を放し、彼の瞳に優しさと少しの緊張が混ざった表情が浮かぶ。店主は、その一連の行動に思わず心が温まり、ふと何かに突き動かされるように、言葉を口にした。
「……そうだね、君はグラン君よりかわいいよ」
その言葉を聞いた瞬間、バーナドの顔が真っ赤に染まった。彼は慌てて視線をそらし、目を細めて少し震える声で言った。「そ、そんな……恥ずかしいよ……」
店主はそんなバーナドの姿に胸が締め付けられるような感覚を覚え、思わず「失礼します」とだけつぶやいて、そっと彼を抱きしめた。バーナドの細くて軽い体が店主の腕の中で少し硬直し、次第に安心したようにそのまま寄り添った。
店の静かな夜空気の中で、二人は言葉を交わさず、ただその温もりを感じ合っていた。バーナドの羽毛の感触が、店主の肩を優しく包み込んでいた。
店主はふと目を開け、夜明け前の静かな店内の薄明かりに目を凝らした。彼の胸はまだ、夢の中で感じたバーナドの温もりと優しさで高鳴っていた。心の中でその感触を反芻し、思わず微笑んだ。
「……夢、か」
店主はため息混じりにそう呟きながら、枕元で小さく伸びをした。目の前に浮かんだ白頭鷲の姿、真剣な瞳、そして抱きしめた瞬間の心の震えがまだ鮮明に残っていた。グランも大切で、彼との時間は楽しいが、バーナドのその控えめな優しさや真っ直ぐさが、自分の心に新たな感覚をもたらしていた。
「どうしてだろう……最近、バーナドのことをこんなに意識するようになったのは」
店主はそう呟きながら、まだ静かな店内で新たな一日を始める準備を始めた。夜の余韻が胸に残り、心の奥で小さな芽が育ち始めるのを感じながら。
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